「視点を変えれば、世の中が変わる」がキーワード
プレジデントオンライン / 2020年7月23日 6時15分
■コロナ禍のなかスタートした新プロジェクト
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であるSDGsは、2015年9月に国連サミットで採択されたもので、国連加盟193カ国が2030年までに達成するために掲げた17の目標。今やどの企業にとっても欠かせない取り組みとなっていますが、JTではどのような活動が進められているのでしょうか。たばこ事業部 渉外企画室 コミュニティインベストメントチームの課長でありRethink Creator PROJECT/JT SDGs貢献プロジェクト担当の加藤達也さんと、課長代理でRethink Creator PROJECT/JTの森担当・吉原順子さんにお話を聞きました。
——今年の6月にスタートしたRethink PROJECT(リシンク・プロジェクト)ですが、どのようなプロジェクトなのか教えてください。
【吉原さん】地域社会の課題解決に対して、パートナーシップを基盤に取り組むプロジェクトです。これまで“当たり前”とされていたことをもっと深く考え、視点を変えることで、問題の本質に気づき、思想変容または行動変容が生まれると考えます。課題解決社会貢献というと難しいことのように感じますが“相手の立場に立って考える”など、視点を変えて物事を考えることで、それぞれの地域の“新しい明日”に向かうことができるのではないかと考えています。
【加藤さん】たとえば施策のひとつである「Rethink Creator PROJECT(リシンク クリエイター プロジェクト)」は、“地元を誰かにまかせない。”というコンセプトのもとクリエイターの地産地消を通じた地域創生の実現をめざしています。地元の人だからこそ発信できる地域の魅力はたくさんあるはずですが、それを地域の宣伝や文化の紹介に生かす場は限られてしまっているように思います。各地域でのセミナーやコンテストをとおして、地元のことを、視点を変えて見つめなおす体験を提供しています。性別・年齢関わらずさまざまな方にご参加いただけるセミナーですので、新たな才能が活躍するきっかけをつくるだけでなく、都市と地方の地域格差や、子どもがいて働く時間が限られている人の助けになればと考えています。
——Rethink PROJECT発足のきっかけはなんですか?
【吉原さん】JTとして、地域課題への向き合い方をRethinkした結果、施策単体での活動や個社だけの活動から脱却し、より発展的かつ持続可能な取り組みにする必要があると認識し、従来の個別施策をまとめプロジェクト化しました。このRethink PROJECTは先に挙げたクリエイターの人材育成のほか、清掃活動や助成事業など、数年前からそれぞれに活動していた複数の施策はプロジェクト化する前から取り組んでいたものです。Rethinkという概念でつながることで、もっとたくさんの人に弊社の考えが伝わりやすくなったと感じています。今後は、各地域で同じ想いを持つ方々とのパートナーシップを通じて、取り組んでいきたいと考えています。

■地域密着型でサステナビリティを推進
——他社のサステナブル活動と違うところはどういった点でしょうか?

【加藤さん】まずは地域密着型、という点です。弊社は47都道府県に拠点があるということで、それぞれの地元に根付いた活動をめざしています。その強みを生かして、都会には都会の、そして地方には地方の良さを尊重しながら、持続的な発展につながればと思っています。
【吉原さん】それに加え、弊社からの支援という一方通行で終わらないところです。地域の皆さんやさまざまな団体と弊社がパートナーシップを組むことで、お互いの素晴らしさを大切にしながら双方向でサポートし合う。SDGsでいうところの17に該当するでしょうか。
※SDGS 17=パートナーシップで目標を達成しよう
出典=国際連合広報センターHPより「国連が定めた17の目標の解説」
——今これを読んでいるPW読者が参加できるプログラムはありますか?

【加藤さん】どなたでもすぐに、ということであれば「ひろえば街が好きになる運動」はいかがでしょうか。2004年から続いている街の清掃活動なのですが、HPで開催場所をチェックして、当日受付を済ませるだけで参加可能です。
——Rethink PROJECTプロジェクトに関わることによって、ご自身の考え方に変化はありましたか?
【吉原さん】私はものごとをポジティブに捉えられるようになりました。たとえば、このコロナ禍によってネガティブな出来事はたしかに多かったのですが、いやが応でも当たり前のことを考え直す大きなきっかけをもらったことで、よりプロジェクトをブラッシュアップすることができました。チームが発足したときとプロジェクトがスタートしたときとは世の中はまるっきり変わっていましたから、自分自身も視点を大きく変えて、Rethink PROJECTとともに成長できている気がします。
【加藤さん】視点を変えるということは、言い換えれば相手の立場に立って考えてみる、ということ。今まで凝り固まっていた思い込みの枠が自然と外れて、自分にも人にもやさしい選択や提案ができるようになったと感じます。

——CMなどでもおなじみの御社のキャッチコピー「ひとのときを、想う」に通ずるものがありますね。
【加藤さん】そうなんです。昨今の大きな流れであるサステナブルですが、その基本となっている他人を思いやる気持ちは「ひとのときを、想う」というフレーズによって、社内ではずっと前から自然と根付いていた考え方であったように思います。同じようにRethinkの考えをそれぞれの地域の方に活用していただき、多くの人にとってよりよい環境をつくるお手伝いができたら……プロジェクトメンバーとして、こんなに嬉しいことはありません。
コロナ禍という大きな変化を目の当たりにし、これまで以上に発想の転換が求められる時代。JTの新しい取り組み「Rethink PROJECT」は、これからSDGsに取り組む多くの企業にとってひとつのお手本となるかもしれない。
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フリーエディター/執筆家
女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。現在ブログ「ANNE MAGAZINE」にて、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・独自の人生哲学を発信するほか、パーソナルスタイリングやファッション講座などを定期的に開催。
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(フリーエディター/執筆家 乙部 アン 写真=iStock.com)
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