オンライン会議で、参加者の集中力を最大限引き出す「すごいプレゼン」4つのコツ
プレジデントオンライン / 2020年8月18日 11時15分
■1.自分のリモート環境を整える
まず、オンライン会議に参加する前に、パソコン周りの環境を整えます。自宅など、参加する場所が散らかっているならZoomではバーチャル背景が設定できるので、画像を用意しておくといいですね。また、部屋の照明が足りず、カメラに顔が暗く映ってしまう場合は、ディスプレーに小型のブックライトなどを付けると、顔が明るくなります。自撮り用の円形ライトを用意してもいいですね。特に自分がプレゼンする立場の場合は、表情が明るく映るよう工夫してみてください。
また、音声もパソコン内蔵のマイクとスピーカーではなく、マイク機能のあるヘッドホンやイヤホンにしたほうがクリアになり、相手の声もよく聞こえます。
多くの人がノートパソコンを使っていますが、ディスプレーの上にあるカメラは、そのままデスクに置くと自分の目線より下の位置になってしまいます。カメラが見上げる形になって顔の上部しか映っていない、部屋の天井が映っているということになりがちです。その場合は、パソコンを台に乗せるなどして調整しましょう。そうすれば、相手から見て自然な角度になり“上から目線”に見えてしまうのを避けられます。
そして、会議に臨むときは、自分自身もプレゼンに集中できるように、必要なデバイス以外はオフにしておきましょう。
■2.プレゼン本番ではテンションを2倍に上げる
オンライン会議では普段のまま話すと、声の強さが半分ぐらいになってしまいます。ですので、テンションを普段の2倍にアップして、少し大きめの声で話し、表情も明るくする。特に自分がプレゼンする場合は、声や表情に気をつけましょう。実は、TVに出ている芸人さんも、実際に見るとかなり大きい声で話していますし、動きや表情もオーバー気味。でもTV画面では、ちょうどいいボリュームに聞こえますよね。
しかし、私たちは芸人さんではないので、「テンションを2倍に」と言っても、いきなりそれができる人は少ないですよね。ですので、本番前にZoomなどの録画機能を使ってリハーサルをしておくといいでしょう。自分のカメラ写りから声の大きさ、話し方などをチェックし、改善するべき点を探ります。特に音声は、自分が実際に話している瞬間からワンテンポ遅れて相手のデバイスに届きますので、その時間差を把握しておいたほうがいいですね。自宅でパソコンやスマホを2台並べてみて、どのぐらい遅れるかチェックすると分かりやすいです。
■3.現在地を確認しながら進める
オンラインでは自分が一方的に話していると、聞く人の集中力が途切れてしまって、手元では違うことを始めているという状態に陥りがち。まずプレゼンの時間を短縮し、リアル会議で1時間の内容なら45分ぐらいに収めるように心がけましょう。
それでも、相手が参加するタイミングを作らないと、最後まではもちません。プレゼン資料でデバイダを挟む切り替えのポイントで「ここまでご理解いただけましたか」と問いかけつつ、進めていくようにしましょう。レスポンスとして、参加者に「わかりましたらOKと指でサインを作ってください」とお願いするといいですね。参加者が2人、3人ならいいのですが、5人以上いる場合、一斉に声で答えてもらうと音声がうるさくなってしまうので、無言でできるアクションにします。Zoomには拍手機能もありますので、それを活用するのもいいでしょう。
![切り替えポイントで現在地を確認しながら進める](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/670/img_2f49391a2d5d48a6c483cbfc6dc3c3be321839.jpg)
■4.会議が活性化するチャットの使い方をマスター
また、プレゼンを双方向にするため、オンライン会議ツールならではのチャット機能を活用しましょう。始めるとき、参加者に「質問を思いついたら、チャットの方に書き込んでおいてください」と言っておきます。リアル会議では「質問がありますか?」と問いかけても誰も手を挙げず、シーンとなってしまう場合が多いもの。参加者も「今はタイミングが悪いかな」と思ったりしてためらいますよね。質問を出しやすいというのはオンラインのメリットです。そして、プレゼンがひと段落したところで「ここまでに出していただいた意見を見てみます」と言って、チャットを開きます。この方式ならば、参加者も「いつでも質問していいんだな」と思えますね。質問だけでなく、感想を書いてもらうのも効果的です。
他にも、Zoomにはホワイトボードとして複数の人が同時に書き込める機能もありますので、それを使って意見をもらうこともできます。
アフターフォローとしては、参加者全員がいる場では意見を言いにくそうにしている人がいたら、名指しして「このあと5分だけ残ってもらえますか」とお願いする。リアルなオフィスではプレゼンが終わった後に追いかけていって立ち話をするという裏技も使えますが、オンラインではそれができないですし、後からメールでフォローしてもタイムラグができてしまうので、そこは思い切って提案してみましょう。
オンライン会議にはさまざまな準備が必要ですし、コミュニケーションや資料作成の点でもこれまで以上に工夫をしなければなりません。しかし、リアルな会議と比べてみると、メッセージを効率良く伝えられるのはオンラインの方ではないでしょうか。リアル会議のようにとりあえず会う、集まってみるという感覚がなく、「何を伝えるべきか」「何を決めるべきか」ということが明確になって初めてオンライン会議は成立するので、生産性は自然と上がっていくと思います。そんなリモート時代ならではのメリットを活かして、ぜひ効率的な新しい働き方を確立させていきましょう。
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株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び力』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/
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(株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長 清水 久三子 構成=小田 慶子 写真=iStock.com)
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