9割の人が間違う「猫好きの人に犬の魅力を伝える方法」
プレジデントオンライン / 2020年8月28日 9時15分
■「猫派」に犬の魅力を伝えても心は動かない
「僕は正しいことを言っているのに、なんで動いてくれないんだ」――。
私は、仕事でも私生活でも、長い間ずっとこう悩んできました。上司と意見が衝突して仕事が進まない、妻と価値観の相違でけんかになる。
もう、もめたくない。
いつもそう思っているのに、自分が正しいと思う意見を伝えると、相手が不機嫌になって対立が生まれてしまうのです。
身近な例だと「犬派VS猫派」という違い。
犬と猫、あなたはどちらが好きですか。仮に犬が好きなら、猫好きの人に犬の魅力をどう伝えますか。
実は、9割以上の人がこの伝え方を間違います。猫派の人に向けて、いくら犬の魅力を伝えても、それでは心が動きません。
本記事で紹介するのは、意見が対立した時に使える話し方です。もう、誰かともめたくない、けんかしたくないという人は、ぜひ参考にしてください。
ダメな伝え方と良い伝え方を合わせて紹介しますので、どちらが自分の伝え方に似ているかぜひチェックしてみてください。
■「ダメな伝え方」と「良い伝え方」の具体例
「犬派と猫派」はよく意見が対立するテーマです。
実際にペットを飼っている人なら、よく議論にしていると思いますし、ペットを飼ったことのない人でも意見が分かれるところでしょう。
犬と猫、あなたはどちらが好きですか。仮に犬が好きなら、猫好きの人に犬の魅力をどう伝えたら良いでしょうか。
ここからダメな伝え方と良い伝え方の例を紹介します。自分の伝え方がどちらに近いか、ぜひチェックしてみてください。
「あなたは猫が好きだと聞いたのですが、犬もとっても魅力的なんですよ。
犬の魅力は忠実で人懐っこいところです。先日、実家に戻ったら、尻尾をふって近づいてくれて、本当にかわいいと思いました。散歩が面倒に感じるかもしれませんが、実際には気分転換にもなりますし、散歩していたら自然とダイエットもできます。やっぱり、猫よりも犬の方が、魅力的じゃないですか?」
「犬って結構、猫と似ていますよね。うちの犬なんか本当に気まぐれで、でも、そんな自分勝手なところがかわいいんです。最近、猫と犬を一緒に飼う人も増えているようですね。それぞれに違った良さがあって、家族の輪も広がる。猫だけではなくて、犬もいる暮らしって、ちょっといいと思いませんか」
■相手がうれしい言葉を選んでいるかどうか
ダメな例でも、犬の魅力を論理的に伝えています。しかし猫好きにとっては、猫を否定されたような気がしてしまいます。そんな論理は、猫派の人は受け入れにくく、それ以降の言葉は、きっと耳にも入ってこないでしょう。
一方で良い例は、最初のひと言が決定的に違います。「猫と犬が似ている」と伝えて自分が猫派と対立するつもりはないことをハッキリと伝えています。
どちらの例も犬の魅力を伝えていますが、相手の立場に立って、相手がうれしい言葉を選んでいるかどうかで大きな差が生まれているのです。
「なんだ、それだけの話か」と思うかもしれません。しかし意外と、仕事でもプライベートでも、実践できていない人は多いのではないでしょうか。
違う意見を持つ相手に、その裏側にどんな背景があるのかとしっかりと考えるだけで、意見の対立や口論は少なくなるはずです。
「相手の立場をしっかり考え抜き、相手が共感できる言葉を選ぶ」
これが1割の人しか実践できていない、相手の心を動かす話し方のコツです。
■ロジックではなく、共感で人は動く
意見の対立は、僕たちの周りに無数にあります。家族や恋人との何気ない会話や、上司や同僚との会議、得意先との営業トークでも、同じような意見の対立や衝突は起こります。
「僕は正しいことを言っているのに、なんで動いてくれないんだ」
僕がかつて、相手の心を動かせなかったのは、ロジックばかり追い求めていたから。強さや正しさだけで、人の行動を変えることはできません。1%でも違和感や反感を覚えたら、行動したくなくなる。それが人間です。
行動を変えてもらうには、聞き手に100%共感してもらうこと。そのためには相手の立場や考えにきちんと共感し、相手に共感してもらうために自身の弱さや失敗を打ち明けることも時には必要です。
そして僕は数え切れないほどの失敗を重ねて、ついに「共感」で相手を動かす方法を見つけ出しました。それを一冊にまとめたのが『100%共感プレゼン』です。
ロジックではなく、共感で人は動く。もし意見の対立する相手を目の前にしたときは、一度深呼吸して、「共感」の二文字を頭に思い浮かべてください。そして、より詳しく知りたい場合には、『100%共感プレゼン』を参考にしていただけると幸いです。
それだけで、きっとあなたの未来はきっと変わるはずです。
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NPO法人e-Education代表
1986年生まれ。早稲田大学法学部在学中に、同大学の後輩とともにNPO法人e-Educationの前身を設立。大学卒業後は、JICA(国際協力機構)で東南アジア・大洋州の教育案件を担当。2013年10月に退職し、e-Educationの活動に専念。2014年7月に同団体の代表へ就任。バングラデシュをはじめとした途上国14カ国で3万人の中高生へ映像授業を届けてきた。2016年、アメリカの経済誌「Forbes」のアジアを牽引する若手リーダー「Forbes 30 under 30 Asia」に選出。NHKドキュメンタリー番組『明日世界が終わるとしても』などメディア出演多数。
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(NPO法人e-Education代表 三輪 開人)
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