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コロナ過剰報道に医師も苦言…疲れ果てた日本人が"健康"のため今、本当にすべきこと

プレジデントオンライン / 2020年8月28日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

新型コロナウイルスの流行から半年近く経った今でも、連日コロナに関するニュースがテレビを賑わしている。将来への不安や環境の変化に対するストレスから、「コロナうつ」と呼ばれる症状を訴える人も増加しており、このような過剰報道に対し警鐘を鳴らす医師も多い。果たして今、本当の“健康”を手に入れるためにすべきこととは何なのか——。

※本稿は、加藤史子『HEART THINKING 困難をチャンスに変えるメンタル~7つのメソッド~』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■まずは自分の状態を知り、受け入れる

今、あなたの心のダメージ度は何%ぐらいですか?

直感でいいので数値化してみてください。100%でしょうか、80%でしょうか、それとも20%でしょうか? メンタルトレーナーとして長年、人の心をサポートしてきてわかったのは、自分の心のダメージを受け入れている人ほど回復が早いということです。もしあなたが高い数値を思い浮かべたとしたら、ダメージをしっかり受け入れているということです。落ち込むことや悩むことは、悪いことではありません。ちゃんと落ち込める人は、ちゃんと回復できる人でもあるのですから。

逆に、あなたが低い数値を思い浮かべたとしたら、本当に心はダメージを受けていないか、もう一度自分自身に問いかけてみてください。心の傷がほんの小さなものならば、それに越したことはありません。でも、本当は立ち直れないぐらい落ち込んでいるのに、「こんなのたいしたことじゃない」と思い込もうとしているのではありませんか?

感情の取り扱い方の基本は、今ある感情を認めて受け入れることです。今ある感情を認めて受け入れて、はじめて変化が可能になります。まずは今あなたの心の中にある悩みや苦しみ、悲しみ、葛藤、後悔……、それらすべての感情を認めて受け入れ、自分を抱きしめてあげることからはじめましょう。そして、絶望から立ち上がり、前を向くための第一歩を今ここから踏み出しましょう。

■「不安・恐れのフェーズ」から「新たな人生のフェーズ」へ

心の再生までのプロセスには、3つのフェーズがあります(図表1)。

最初のフェーズは、「不安・恐れのフェーズ」です。私たちは大きな試練や困難に遭遇したとき、不安や恐れが大きくなって感情的になります。また、被害者意識が強くなり、「○○のせいで、自分はこんな目にあっている」などと不平不満を言うようになります。絶望にうなだれることもあるでしょう。

心再生までの3つのフェーズ

今あなたが立っている場所は、この「不安・恐れのフェーズ」かもしれません。でも、忘れないでください。人は大きな困難からさえも学び、成長することができるのです。

これからあなたは「学びと成長のフェーズ」へと進みます。メソッドを身につけることで、何があっても冷静に対処できたり、最善の解決法を導き出せるようになります。人を批判しなくてもすむようになり、なにより自分に自信と誇りを持てるようになるでしょう。あなたの目の前には、「新たな人生のフェーズ」が広がっているはずです。

「新たな人生のフェーズ」では、何があってもなくてもよい気分で過ごせたり、どんな自分も大切な自分であると受け入れることができるようになります。また、周囲の人やさまざまな出来事に対して、自然に感謝の気持ちを持てるようになります。そして、自分の本当に求めるものを手に入れながら、満ち足りた人生を送ることができるようになるでしょう。

■「呼吸法」でストレスをコントロールする

呼吸は、無意識の状態を反映しています。不安やストレスを感じているときには浅く速くなり、リラックスしているときは深くゆっくりとした呼吸になるのです。

呼吸と感情は密接につながっているので、呼吸を意識することによってストレスの状態をコントロールすることができます。不安やストレスを感じる場面では、呼吸を意識してゆっくり深くすることによって、心を落ち着いた状態に切り替えていくことができるのです。

それでは、気持ちが落ち着く魔法の呼吸法を実際に試してみましょう。これはアメリカの科学者グループHeartMath Institute(ハートマス研究所)が勧めている方法でもあります。脳とハート(ここでは心臓とハートの両方を指しています)が調和すると、私たちの心と身体はよりよく機能することができるのだそうです。

①楽な姿勢で座って目を閉じます。
②手のひらや指で、胸の真ん中あたりに軽く触れます。こうすることで、意識がハートに向く助けになります。
③鼻でゆったりと呼吸しながら、呼吸を観察します。そのまま1分間ぐらい呼吸を観察すると、徐々に落ち着いてくるのがわかると思います。
④その状態を保ちながら、「感謝していること」や「誰かを思いやる気持ち」「小さな子どもや動物の赤ちゃんなどを可愛いと思う気持ち」の中から一つを選んでそのフィーリングを感じ、3分ほど保ちます。

■ビル・ゲイツ、イチローも実践している

次第に心が落ち着いていくのを感じることはできましたか?

不安が大きくなって苦しさを感じたときは、この呼吸法で心を整えてみてください。また、不安やストレスを感じる場面だけでなく、日常生活でもこの呼吸法を繰り返し行うと、何かあったときにも動じることが少なくなり、心が安定した時間が長くなっていくでしょう。

この呼吸法は、瞑想の一種です。瞑想はお寺で座禅をくむものと思っている方もいるかもしれませんが、実は日常生活でも簡単にできます。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、イチロー選手、長谷部誠選手なども日々の生活に瞑想を取り入れていました。グーグルをはじめ瞑想を取り入れる企業も増え、オフィスや空港などにも瞑想ルームが設置されるほど、今や瞑想はメジャーなものになってきています。瞑想にはさまざまな種類がありますが、もっとも基本となるのは、ただ呼吸に意識を集中して観察するというものです。

呼吸に意識を集中することで、頭の中にある思考やイメージを遮断するとともに、出来事に対する感情的な反応をつかさどる前頭前野の回路を強めることができます。これを繰り返し行うことで心を鎮め、負の感情の悪影響を減らすことができるのです。

■自分の望む未来のために本当に必要なこと

2019年末、中国湖北省武漢市において病原体不明の肺炎患者が発生し、後にそれが新型コロナウイルス感染症によるものと判明しました。感染は武漢市内から中国各地へ、そして世界へと拡大し、2020年3月にはWHO(世界保健機関)が「パンデミック(世界的な大流行)」と宣言しました。

加藤史子『HEART THINKING 困難をチャンスに変えるメンタル~7つのメソッド~』(プレジデント社)
加藤史子『HEART THINKING 困難をチャンスに変えるメンタル~7つのメソッド~』(プレジデント社)

新型コロナウイルス感染拡大は、私たちの暮らしを直撃しました。2020年3月以降に予定されていた講演がすべてキャンセルになり、いつになったら活動が再開できるだろうと不安を感じたとき、私と同じように仕事がキャンセルになったり、仕事を失ったりする人が何万人も出てくるであろうと思いました。そして、その人たちも私と同じように不安を感じているのではないか、出口の見えないトンネルの中で絶望感を抱えているのではないかと思ったのです。

大きな困難に遭遇するたびに、私たちは不安や恐れが大きくなって感情的になります。被害者意識が強くなり、不平不満を言うようになります。絶望にうなだれることもあります。しかし、それだけでは自分の望む未来をつくることはできないのです。どれほどの変化が起きようとも、その変化に適応しつつ、自分のできることを必要な人に届けながら、あなたのハートが望む未来をつくっていってください。あなたにはそれができます。

お伝えした内容が少しでもあなたの心を楽にしてくれますように、少しでも前向きな気持ちにしてくれますように、そしてあなたが望む未来をつくるために役立ちますようにと願い続けています。

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加藤 史子(かとう・ふみこ)
メンタルトレーナー、米国NLP協会認定トレーナー
千葉大学大学院学校教育臨床課程修了。一般企業勤務の傍ら、心理学を研究。現在は企業や教育機関向けに、メンタルヘルスやモチベーションコントロールの研修を行っている。著書に『人生を整える「瞑想」の習慣』、『ストレスをすっきり消し去る71の技術』、『HEART THINKING 困難をチャンスに変えるメンタル~7つのメソッド~』など多数。

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(メンタルトレーナー、米国NLP協会認定トレーナー 加藤 史子)

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