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最悪でもないが最高でもない「そこそこの人生」から抜け出すたった1つの方法

プレジデントオンライン / 2020年8月28日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ilkercelik

あなたは今、心の底から望んだ人生を生きているか。作家の本田健氏は「コロナショックをきっかけに、最悪でもないが最高でもない『そこそこ』の人生に違和感をもつ人が増えている。最高の人生を生きたければ、可能性を『断つ』といい」という——。

※本稿は、本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■揺らがず、振り幅が小さい「そこそこの人生」

衛星画像が捉えた中国・武漢上空は空気が澄み渡り、観光客が消えたイタリア・ヴェネチアの運河には、何年ぶりかで魚や水鳥が戻ってきたそうです。

コロナショックは、環境にはいい影響を与えたものの、世界経済は「恐慌」レベルの大きな打撃を受けています。そして、たくさんの大切な命が奪われました。

あなたは今、何を思い、どんな生活をしていますか?

勤めていた会社が突然倒産したり、リストラに遭って途方に暮れたりしている人もいるかもしれません。今月の家賃やローンの返済の心配で、胃が痛くなる思いをしている人もいるでしょう。

小さなウイルスが、多くの人の仕事や生活を一変させてしまったのです。

そこまで影響を受けていない人も、暗雲があなたの人生に忍び寄っていることを感じはじめているかもしれません。世界的不況が始まったら、間違いなく自分の会社や家族にも影響があるからです。

ここで、これまでのあなたの人生を振り返ってみてください。

仕事や暮らし、パートナーに満足していましたか?

いつもの仕事、気心知れた仲間、住み慣れたわが家と家族……。満足というほどではないけれど、給料もまあまあで、取り立てて不満もない。「まあ、そこそこ幸せですよ」。そんなふうに答えていた人が多いのではないでしょうか。

想定外の大失敗もなければ、驚くほどの大成功もない。

揺らがず、振り幅が小さいのが「そこそこ」の人生の特徴です。

このままその「安定」という名の小さな箱にすっぽり収まっていれば、ストレスも少なく、確かに居心地がよかったでしょう。

けれど、ちょっと考えてみてください。以前のその暮らしは、果たしてあなたが心の底から望んで選び取ったものだったでしょうか?

■あなたは、人生の上限を決めつけていないか?

たとえば仕事なら、自分が本当にやりたいかどうかより、「会社名や年収で決めた」「最初に内定をもらったから決めた」など、外から与えられた条件や環境に身をゆだねてしまった人もいるでしょう。

住む場所にしても、通勤時間や家賃の上限を考えた結果、自動的に決まったとすれば、これも自ら進んで選んだ結果とはいえません。

人生のパートナーを決めるときも同じです。

「いつまでも独身のままだと世間体が悪い」
「相手も結婚を望んでくれているし、嫌いじゃないから、まあ、いいか」

などと、受け身的にOKしてしまった人もいるでしょう。

理想や目標に向けて、自分の意思で何かを決断したというより、なんとなく流れに任せて今日まできた……。

その結果が、これまでの「そこそこ」の人生だったのではないでしょうか。

時々ふと「何かが違う」と感じていたとしたら、それは、その場所が、自分で選んだのではない借り物の世界だったからかもしれません。

今回のコロナショックがなければ、その借り物の箱のなかで、一生を終えていたかもしれません。

「どうせ自分はこの程度」と、人生の上限を決めつけていたでしょう。

そんな、「そこそこ」の人生が、強制的にリセットされたのが、この事態です。これは大きなピンチであり、同時に、これまでの自分を変えるチャンスでもあるのです。

では、人生は、どのようにして変えていったらいいのでしょう?

■29歳でセミリタイア「思ったほど幸せではない」

今から20年ほど前のこと、経済の激変が理由ではありませんでしたが、私にも、そんな「そこそこ」の日々に、「何かが違う」と違和感を持ったときがありました。

当時の私は、経営コンサルティング会社や会計事務所など複数の会社を経営し、投資家としてもある程度、成功していました。経済的には不安がなかったので、娘が生まれたのをきっかけに29歳でセミリタイアし、夫婦で子育てに専念する生活を始めて、そろそろ4年目に入っていました。

こんなお話をすると、「その若さで働かなくても生活できるなら、『そこそこ』とはいえないだろう」という声が聞こえてきそうです。たしかに、外から見れば決して悪い人生ではなかったでしょう。けれど問題は、その悪くないはずの人生に、私自身が思ったほど幸せを感じていないことでした。

育児や家族と過ごす時間は好きでした。娘の成長を間近で見るのは、何よりの喜びでした。ただ、正直、時間を持て余していたのです。

娘のベビーカーを押しながら、こう思いました。

人生、このままでいいんだろうか……。何かしなければ!

そのとき私は、生き方を変える決意をしたのです。

■「最高の人生を生きる」と決める

元の仕事に戻れば、また「そこそこ」には成功できたでしょう。

けれど、時代は移り変わるのに、自分だけが同じ場所にとどまるのは、緩やかな後退ともいえます。「そこそこ」の人生は、最悪ではありませんが、最高でもないのです。

私は、前に進み続けようと思いました。

やりたいことにどんどんチャレンジし、毎日がエキサイティングで心躍る「最高の人生を生きる」と決めたのです。

そのためのファーストステップが、作家という職業を目指すことでした。

作家といっても、文章がうまかったわけではありません。それまで書いたことのあるいちばん長い文章といえば、学校の卒業文集という程度です。

ただ、私には唯一与えられたギフトがありました。それは20歳でアメリカに渡り、そこで出会った大富豪たちから聞いた「お金と幸せ」に関する教えでした。

私が描いた夢は、その教えを自分だけのものにするのではなく、本を通じて、たくさんの人に伝えたいというものだったのです。

10代の頃、私の夢は政治家になって人類に貢献するということでした。私が学んだこの「お金と幸せ」の教えも、大げさですが、世界の人々を幸福にする力を持っているはずだと考えました。夢は、どんどんふくらみました。

■コロナをきっかけに、ワクワクの止まらない毎日を

もちろん、すぐに夢が叶ったわけではありません。知り合いに作家がいたわけでも、出版社にコネがあったわけでもありません。

書店へ行って「作家になる方法」のようなノウハウ本を立ち読みするところから始まり、「やっぱり自分には才能なんてないな」と落ち込んだり、「いや、やれるかも」と気を取り直したりの繰り返しでした。

それでもあきらめず試行錯誤をするうちに、未知の扉が少しだけ開いて、その向こうにほのかな明かりが見えました。

そこからは、思いがけないチャンスが立て続けに舞い込み、ワクワクの連続でした。「明日は何が起こるんだろう?」と、朝になるのが待ち遠しいくらいでした。

出会う人も変わりました。それまで身の周りにいたのは、ごく普通のビジネスマンやパパたちだったのが、クリエイティブな仕事をする人々や世の中にパワフルな影響力を持つ人々が、次々と目の前に現れたのです。

あなたが大切にしていた「そこそこ」の暮らしは、もう二度と戻ってきません。嘆いたり懐かしんだりするのではなく、これを機会に、あのときの私がそうだったように、人生をやり直してみませんか?

これからは、いずれにしても、想像していたのと全く違う人生になっていく可能性があります。

歴史を見ても、人生は、戦争、地震、自然災害などで、全く新しい航路へ向かって、大きく舵を切りはじめるのです。

■決断しないと、チャンスはつかめない

コロナショックに始まる世界の事象に対して、あなたができることはあまりないと思うかもしれません。

でも、あなたにできることがあります。

それは、とにかく変わろう! と決めることです。

決めるだけで、人生は劇的に変わります。

けれど、多くの人は、何も決めずにただなんとなく流れに乗って生きてきたと思います。

「いつか転職しようと思いつつ、気づいたらもう10年」
「本当は留学したかったけれど、いつの間にか貯金が減ってしまった」
「そのうち結婚するつもりだったが、もう40歳」

人生はあっという間に過ぎていきます。

何も決めないのは、「決める」のが怖かったからではないでしょうか。

投資を例にとってみましょう。投資すると決めれば、どうしても失敗のリスクが発生します。けれど、「もうちょっと勉強してからにしよう」と決断を先延ばしにすれば、財産は減りもしないし、増えもしません。

それと同じで、何かにチャレンジしたくても、「もう少し実力をつけてから」「情報を集めてから」と保留ボタンを押し続けてさえいれば、現状維持という安心感にどっぷり浸っていられます。

こうして「決めない」ことを決めていたから、チャンスに恵まれなかったのです。

ただ、もうすでにリセットボタンは押されました。あなたが押したのではないのです。もう世界全体で、リセットボタンが押されて、その影響がありとあらゆる人の人生を呑み込みはじめたのです。

たとえ一流企業に勤めていても、会社はいつまで続くかわかりません。今が決断するときなのです。

■可能性を断つことができるか

決断力というと「決める」ことに気を取られがちですが、大事なのは、決断の「断」のほう。「断つ」ことです。

たとえば、なかなか結婚を決められない人が時々います。彼らが決断できないのは「後でもっといい人が現れるんじゃないか」というほかの可能性を断ち切れないからです。

その意味では、もう後がない今の時代では、断つことは比較的簡単ではないでしょうか。

これからたくさんの人が仕事を変え、住まいを変え、独立を決意することになるでしょう。

慣れ親しんだ仕事や仲間と別れるのは、つらいかもしれません。でも、新天地でゼロから自分の力を試し、新しい仲間と出会う人生は、きっと今以上におもしろくなると思います。

迷いを「断つ」ためには、スピードも大事です。

私のメンター(人生の師)のひとりである吉田潤喜さん(ヨシダソース創業者)は、アメリカでイチローの次に有名な日本人と言われる人物ですが、吉田さんは、全てを直感で決めるそうです。

「どんな重要な案件も10秒で決める。それは、自分に迷う時間を与えないためだ」と言っています。自分が何をしたいかが明確なので、シンプルで無駄がないのです。

本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)
本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)

素早く決断する秘訣は、このように自分の人生の価値観や優先順位をはっきりさせることです。たとえば、あなたが「人生はワクワクと楽しむべきもの」と考えているなら、今のような岐路に立たされたとき、自分自身にこう問いかければいいだけです。

「それをやって、本当にワクワクするだろうか?」

実に簡単です。失敗が怖ければ、「何もかもうまくいく」と仮定したうえで、「どちらを選んだら楽しいか?」と考えてみてください。答えはおのずと出るはずです。

大切なのは、どんなときでも自らの意思で選択することです。

自分が全てを決められるという感覚が身につくと、この先同じように予想外のことが起きても、恐れず慌(あわ)てず、立ち向かえるようになるのです。

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本田 健(ほんだ・けん)
作家
神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、現在は「お金と幸せ」をテーマにした講演会やセミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談」は4600万ダウンロードを記録。代表作に『ユダヤ人大富豪の教え』など、著書は150冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon&Schuster社と契約。初の英語での書き下ろしになる著作『happymoney』をアメリカ、イギリス、オーストラリアで同時刊行。また同作はヨーロッパ、アジア、中南米など、世界25カ以上の国で発売予定。本田健 公式サイト

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(作家 本田 健)

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