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「自分も感染するかも…」そんな"コロナうつ"に効く4つの対処法

プレジデントオンライン / 2020年9月3日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/violet-blue

「コロナ鬱」に苦しむ人が増えている。あるクリニックでは新患は受診まで3カ月待ちだという。松崎病院 豊橋こころのケアセンター(愛知県)の精神科医・鹿目将至氏は「この苦しい期間は『自分はどう生きていきたいのか』という究極の問いへの解を導き出すチャンスと考えられるといい。コロナ鬱を防ぐには、頭の切り替えが重要だ」という——。

■「コロナ鬱」新患受診まで3カ月待ちのクリニック

「私の病院でもこの4月以降、『コロナ関連』の患者さんが多くご相談にいらっしゃっています。コロナ感染の長期化に加えて、7月以降は梅雨や暑さの中でのマスク生活という不快さも原因のようです」

こう語るのは、松崎病院 豊橋こころのケアセンター(愛知県)の精神科医・鹿目将至(かのめ・まさゆき)氏だ。筆者は、今年4月、鹿目氏のインタビューをもとに、プレジデントオンラインで「激増中『コロナ鬱』を避けるための5つの予防法 精神科患者の9割以上がコロナ案件」(4月5日配信)という記事を書いた。

この記事で「コロナ鬱」のリスクをできるだけ小さくできればと考えたが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で失業状態に追い込まれたり収入が激減したりすることで、気持ちが落ち込み、精神科や心療内科に駆け込む患者は増えている。

例えば、鹿目氏の父親である鹿目裕文氏が院長を務める、どうまえクリニック(福島県郡山市)では、精神科を新規に受診したいという患者が殺到し、現在3カ月待ちの状態。コロナ前の新規患者は1カ月20人未満だったが、現在は毎月30人程度に増えており、3~5割増しの勢いだという。

顕著なのは、30歳までの若い世代(17歳以上)が以前より4割増加していることだ。その影響もあり、全患者のうち7割が17歳~青壮年(勤労世代)になるという。

患者のほとんどは、「市中に新型コロナウイルスが蔓延している」とか「自分も感染するのではないか」という不安を抱えている。

主訴のトップ3は、「コロナで職を失って(失いそうで)不安に」「コロナで生活環境が激変し体調を崩した」「ステイホームによって心が不安定になり、夜、眠れなくなった」である。

■平穏な生活をおくれなくなっている人たちは、どうすればいいのか

こうしたコロナの影響が及んでいるのは外来患者だけではない。入院患者の場合、院内では常にマスク着用が必須のため、ゴムひもで耳裏が膿んでしまう、顔が腫れ上がる、感覚過敏のために気分が悪くなる、といった症状を訴える人もいる。

また、家族との面会の激減や、貴重な娯楽であるテレビからコロナ情報が繰り返し流されることから、これまで改善傾向にあった患者が不調になるケースが頻出している。

日々の生活を平穏におくれなくなっている人たちは、一体どうすればいいのだろうか。

前出・医師の鹿目氏は基本的な心構えとして、「生活リズムの維持や生活習慣の改善を考えてください」という。

「お心あたりがあれば、ぜひ診察を受けてください。処方された薬を飲むことも有効な対策のひとつです。それに加えて、生活リズムの維持や生活習慣の改善も考えてください。さまざまな“不安”も、生活の見直しでよくなることがあります」

■精神科医「1日誰とも話さなくてもよし」プチ鬱を軽くする方法

より具体的にはどうすればいいのか。鹿目氏は今年6月、『 1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(双葉社)という本を書いた。その中で「誰でもが簡単・気楽にできる、おこもり生活の不安やプチ鬱が軽くなる方法」を紹介している。そこから4つの方法を紹介しよう。

(1)まずは気持ちを落ち着かせましょう
鹿目将至『1日誰とも話さなくても大丈夫』(双葉社)
鹿目将至『1日誰とも話さなくても大丈夫』(双葉社)

「人間には、心臓や血管をコントールして血流を維持する自律神経というものがありますが、これは自分の意思で制御できるものではありません。自律神経が乱れると、身体的不調(頭痛・頭重感・動悸・めまい・ふらつき・便秘・肩こり・冷え・倦怠感・息苦しさ・手足のしびれ、など)とともに、精神的症状(不安・憂鬱・恐怖感・焦り・パニック・イライラ・不眠・情緒不安定・集中力の低下など)も引き起こしてしまいます。その結果、起きられない・眠れない・疲れが取れないなど、生活する上で非常に困った状態になるわけです」

「心と体は一心同体、自律神経を介してつながっているので、この乱れを整えていくことが何よりも大切なことです」「(上記のような)心身の不調を感じる人は、『今、自分は自律神経が乱れているのかも?』と思って、まずは、次の3つにトライしてみてください」

① 頑張って「ボーッ」としてみましょう
② 布団の上で大の字になり、脱力しましょう
③ 深呼吸をしてみましょう
(2)ひとりの時間を味方につけましょう

「(コロナ禍で気軽に人と会えない)今は寂しさや孤独を感じている人も多いですが、同じ1日ならば、できるだけ楽しい気分で過ごしたいですよね。そのためには、体を健康に保つこと。孤独を上手にかわしていくためにも、健康第一に努めることが重要です。例えば、次の3つを習慣化してみてください」

① 何時でもいいから、起きたら、窓を開けて太陽光を浴び、ビタミンDを吸収しましょう(ビタミンDは、食物からのカルシウム吸収を促すなど骨格を健康に維持する役割があり、紫外線を浴びることにより体内で生成される)
② とりあえず、起きたら、パジャマからは着替えましょう
③ 運動不足には「エア縄跳び(縄を持ったつもりで、その場跳び1分)」が効きます

■精神科医「気持ちが落ち込んだら、お肉を積極的に食べましょう」

(3)クタクタの心身をセルフケアしましょう

「『もう疲れた……』と思ったら、とにかく自分を優しくいたわってください。自分で自分の心身を『手当て』する感覚です。自分自身をセルフケアする方法は、例えば、次の3つがあります」

① 気持ちが落ち込んだら、「肉」を積極的に食べましょう(摂取不足になると、うつになりやすい栄養素として、鉄、亜鉛、ビタミンB群、タンパク質などがあげられ、これらの栄養素を多くふくむ牛・豚・鶏の肉を食べることが推奨されています)
② 膝頭を手のひらで包みこみ、じわ~としてきたら自分でひざ小僧をなでてみましょう
③ ひとりでダラダラとお酒を飲み続けてしまう人がいますが、ちょっといいお酒を「至福の一杯作戦」と称して飲んで、酒量を上手に減らしましょう
目を閉じている女性
写真=iStock.com/Image Source
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Image Source
(4)思考法を変えて、ネガティブな自分にさよなら

「『ツラいことばかりでどこかへ逃げ出したい……』そんなふうに滅入る日が多い、という人も多いでしょう。また、これじゃいけないと頑張ろうとするものの、立ち上がれないって人も。そういう方は『いつもの考え方』を違う角度から眺めてみるといいかもしれません。過去は変えられませんし、未来は誰にも分かりません。分かりっこないことを心配し悩むのはいったん、やめにしましょう。もし、助けになるものがあるとしたら、それは『自分が一番で何が悪い!』という強い気持ちです。次の3つを思考法の柱にしてください」

① 気にしていいのは「あさっての天気までにしよう」と思い切って割り切りましょう
② 反省する暇があったら、次に行きましょう
③ 自己肯定感は自分で自分に花丸をつけてあげることで養いましょう

最後に鹿目医師が印象的なことを語ってくれたので、それを記しておきたい。

「今、私たちは外出を制限され、人と会っても長話はせず、大人数での会食を控えるように言われています。つまり、『人と距離を取れ』と言われている時代です。これは、これまで常に周りと比較され、他人の顔色をうかがって過ごしてきた人にとってはチャンスなのです。今は他人との距離を取る“権利”が認められているのですから、堂々と自分自身を誰よりも大切にし、自分のため、自分が大切だと思う人のためだけに、フルに時間を使いましょう。もしかすると、この苦しい期間が『自分はどう生きていきたいのか』という究極の問いへの解を導き出してくれるかもしれませんよ。自分を取り戻すチャンスです」

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鳥居 りんこ(とりい・りんこ)
エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー
執筆、講演活動を軸に悩める母たちを応援している。著作としては「偏差値30からの中学受験シリーズ」(学研)、「ノープロブレム 答えのない子育て」(学研)、「主婦が仕事を探すということ」(東洋経済新報社 共著)などがある。最新刊は「鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ」(ダイヤモンド社)。ブログは「湘南オバちゃんクラブ」「Facebook 鳥居りんこ」。

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(エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー 鳥居 りんこ)

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