要約サイトで人気だった「8月のビジネス書」ベスト20
プレジデントオンライン / 2020年9月7日 9時15分
第2位:『「超」勉強力』(中野信子/山口真由著、プレジデント社)
第3位:『10年後に食える仕事 食えない仕事』(渡邉正裕著、東洋経済新報社)
第4位:『驚異の「紙1枚!」プレゼン』(浅田すぐる著、日本実業出版社)
第5位:『集中力』(井上一鷹著、日本能率協会マネジメントセンター)
第6位:『『鬼滅の刃』流 強い自分のつくり方』(井島由佳著、アスコム)
第7位:『パン屋ではおにぎりを売れ』(柿内尚文著、かんき出版)
第8位:『世界標準の経営理論』(入山章栄著、ダイヤモンド社)
第9位:『リモートワークの達人』(ジェイソン・フリード/デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン著、高橋璃子訳、早川書房)
第10位:『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』(小澤竹俊著、アスコム)
第11位:『他人のことが気にならなくなる「いい人」のやめ方』(名取芳彦著、リベラル社)
第12位:『リビング・シフト』(柳澤大輔著、KADOKAWA)
第13位:『人は悪魔に熱狂する』(松本健太郎著、毎日新聞出版)
第14位:『未来をつくる言葉』(ドミニク・チェン著、新潮社)
第15位:『2050年 世界人口大減少』(ダリル・ブリッカー/ジョン・イビットソン著、倉田幸信訳、河合雅史解説、文藝春秋)
第16位:『ADHDの正体』(岡田尊司著、新潮社)
第17位:『外国人にささる日本史12のツボ』(山中俊之著、朝日新聞出版)
第18位:『ESG思考』(夫馬賢治著、講談社)
第19位:『72歳、今日が人生最高の日』(メイ・マスク著、寺尾まち子/三瓶稀世訳、集英社)
第20位:『はじめての経営組織論』(高尾義明著、有斐閣)
※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2020年8月の閲覧数ランキング
■「朝の1時間」で、人生を変える
今月の第1位は、『「朝1時間」ですべてが変わるモーニングルーティン』でした。「次の週末は資格試験の勉強をしよう」「今度あの本を読もう」などと思っていても、気づけばテレビを見たりネットサーフィンをしたりしていて時間がたってしまった……そんな経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
本書はそんな方に、ぜひお読みいただきたい一冊です。朝1時間の行動習慣「モーニングルーティン」を取り入れるだけで、人生の「種まき」ともいえる「重要だけど、急ぎではないこと」に着手できるようになります。
モーニングルーティンといっても、無理な早起きをする必要はありません。朝1時間を確保し、前半の30分で1日の仕事に優先順位をつけ、後半の30分で「種まき」となるタスクを見極め、進めていくだけでいいのです。
「朝1時間早く起きるのすら難しい……」という方もご安心を。朝が苦手な方向けの方法についても、しっかり書かれています。朝を有効活用したいという方は、ぜひ本書をチェックいただければと思います。
■最難関大学の入試を突破する人は何が違うのか
第2位は『「超」勉強力』でした。東大卒の脳科学者である中野信子氏と、東大を主席で卒業して財務省に勤務し、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得した山口真由氏のお二人が、実際にやっている勉強メソッドを一挙公開した一冊です。中野氏は最短距離で学習するスタイル、山口氏はコツコツ努力して学習するスタイルと、対照的なのがおもしろいところ。お二人の勉強スタイルを見て、どちらが自分に合った勉強法なのか、考えてみるのもよいでしょう。
また、本書はただの勉強法の紹介にとどまりません。最難関大学の入試を突破する上で必要なメンタルについても、しっかり記されています。成功は、自分の強さと弱さにしっかり向き合った末にやってくるものなのです。
なにかしらの試験勉強をしている人はもちろんですが、「いまは勉強する暇がない」と感じている方も、本書は人生における「学び」を見つめ直すよいきっかけとなってくれます。何かを学ぼうとすることは、いつだって本当に大切なことです。もっと勉強がしたくなる、そんな一冊です。
■「AIと共存する能力」が欠かせない時代になる
第3位には、『10年後に食える仕事 食えない仕事』がランクインしました。「AIとこれからの働き方」をテーマにした書籍はいくつもありますが、本書の特徴は実際に現場で働いている方々の声を聞きながら、「人間にしかできない仕事」を分析している点にあります。
AIやロボットの参入により、衰退していく仕事は少なくありません。その一方で、AIと人間の相乗効果が見込まれる分野が出現したり、これまで見たことのない仕事が出てきたりするはずです。先行きが不透明な今の世の中で、変化を先取りして環境に適応していくためにはどうすればいいのでしょうか。
本書は人間の仕事を5つのタイプに分け、そのなかで生き残るタイプがどういったものなのかを解説します。中でもキーワードとなるのが「デジタル・ケンタウロス」。AIとうまく共存できることが、今後を生き抜く上で欠かせない能力となるといいます。
技術の進歩を学ぶだけでなく、人間の強みについても理解する。「10年後に食える仕事」を手に入れられるかどうかは、その一点にかかっています。とりわけ今後のキャリアについて考えたい方におすすめです。
■思考を「1枚の紙」にまとめれば、会話がスムーズになる
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位は『驚異の「紙1枚!」プレゼン』。新型コロナウイルスの感染拡大によって、デジタルベースでのコミュニケーションが著しく増加しました。本来なら隣に座っている同僚とのやり取りさえ、その多くが画面上に移行しているという方も少なくないでしょう。そんな中、「口頭なら伝わるはずなのにメールやビジネスチャットだとうまく伝えられない、時間がかかる」といった問題も起き始めています。
本書はこうした課題に、「紙1枚」で切り込みます。ただし「紙1枚」と言っても、実際に「紙1枚だけで相手とやり取りしろ」という話ではありません。あくまで本書の最終的なゴールは、「あらゆる内容を、できるだけ喋らずに伝える」こと。思考を「紙1枚」にまとめることで、コミュニケーションを円滑にする――本書にはそのための秘訣が記されています。
■ビジネスパーソンが学ぶべき「世界中の経営理論」
続いて、第8位『世界標準の経営理論』にもご注目ください。経営理論を学ぶことは、どんなビジネスパーソンにとっても役立ちます。なぜならビジネスの本質とは意思決定そのものであり、経営理論はそのサポートをしてくれるからです。
著者・入山章栄氏によると、一流の経営者の共通項は「常に考え続けている」ことにあるといいます。経営理論をベースや補助線として、自分独自の思考の軸を形成していく。それがビジネスパーソンとしての成長を促します。
世界中の経営理論を網羅的・体系的に解説するという本書の試みは、極めて貴重なものです。800ページを超える大著ではありますが、驚くほどわかりやすく、そのページ数を感じさせません。世界の経営学の英知が凝縮されたこの一冊、読まない理由はないでしょう。
■人の心を熱狂させるのは「悪」の側面だ
最後にご紹介したいのが、第13位『人は悪魔に熱狂する』。要約が公開されてからまだ日がたっていないにもかかわらず、ランキング上位に入ったことからも、注目度の高さが伺えます。
従来の経済学では、「神の見えざる手」に代表にされるように、あくまで人間は合理的に行動するものとされていました。しかし実際のところ、人間には合理性に反する煩悩、すなわち「悪」の側面があります。
行動経済学が扱うのは、そういった領域です。例えば消費者のニーズを把握するために、アンケートなどを駆使してデータを収集し、それに基づいて商品開発するのはもはや定石ともいえる手法ですが、消費者ニーズを正しく把握することは意外と難しい。というのも、人の心を熱狂させるのは、アンケートには出てこない人間の「悪」の側面だからです。
消費者行動が多様化する中、「悪」を前提にする行動経済学の重要性はますます増してきています。本書を読めば、行動経済学的なデータや情報の見方が身につくでしょう。
先月第1位だった『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(井上皓史著、小学館)に引き続き、朝活に関する本が月間ランキングの第1位になりました。その他、先月第2位だった『他人のことが気にならなくなる「いい人」のやめ方』(名取芳彦著、リベラル社)も今月第11位と、依然として多くの方に読まれております。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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(flier編集部)
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