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コロナを制し、経済を回す。これが「スガノミクス」だ

プレジデントオンライン / 2020年9月13日 11時15分

毎日新聞/AFLO=写真

■「令和おじさん」一般人宰相の誕生に世界の投資家も注目

ポスト安倍最有力候補、菅義偉氏の「スガノミクス」に経済界や金融市場から期待が寄せられています。

安倍政権下で最大のキーマンの菅氏はアベノミクスの継承を表明していますが、アフターコロナに向けた経済主導型の新ビジョンや菅氏自身の政策を織り交ぜた「スガノミクス」へ発展させると考えられています。

菅氏の最重要政策は、コロナによる感染拡大を防ぎながら「経済を止めない」ことです。例えばGo To トラベルについてはさまざまな批判もありました。しかし観光業に携わっている人口は900万人と全人口の約7%を占める裾野の広い産業であるとともに、旅館などが不良債権化することになれば、金融にも影響が色濃く出てくる可能性があります。

そんな中「やらなければ、国そのものが立ち行かなくなる」と英断し、経済を回しながら感染対策を徹底する方針を示し開始しました。そして宮城県の村井嘉浩知事は「やってよかった。成功だった」と述べるなど結果的には経済効果が高かったのです。今後もぶれずに、ビジョンを明確にした経済主導の政策に期待の声があがります。

■日銀との関係は安倍首相と同じように進める

出馬会見では「日銀との関係は安倍首相と同じように進める」と述べました。各国の中央銀行はバランスシートの拡大を進めており、米国のFRBは7兆ドル(741兆円)であるのに対して日銀は約650兆円であることからも金融緩和の拡大余地は残されており、どのような判断を下すのか注目されます。

菅氏が掲げるアベノミクスの継承はベンチャー企業界隈にも朗報です。アベノミクスによる金融緩和は日本経済を底上げし、上場企業の経常利益が約48兆円から約83兆円にまでほぼ倍増。結果、マネーがスタートアップまで行き届くようになりました。ユニコーン企業の芽を絶やさないためにもスタートアップの資金調達における更なる規制緩和もスガノミクスでは必要でしょう。

実務家タイプの菅氏は、NHK受信料、携帯電話料金値下げも先導してきました。値下げは国民の家計にダイレクトに影響を与える政策でした。また規制改革や法人税減税は真の意味で企業の国際競争力を育てることに繋がり、観光対策では外国人ビザ緩和によって経済を活発化させてきました。医療・教育など改革が進みにくい分野はまだまだありますが、菅氏はデジタルトランスフォーメーションにも意欲を見せています。菅氏は「地方金融機関の数が多すぎる」とも述べており、地銀再編の思惑も浮上しました。菅氏がありとあらゆる縦割りを取り払っていく可能性が指摘されており、経済自由度が増していく日本の未来への期待感を高めています。

また菅氏は実務を効率的に進めるために内閣人事局を設置し、官僚の人事を内閣が主導する官邸主導型の体制を確立させました。ポジションを戦略的に変更することで組織は効率的に回るようになりました。「仕組み作りの天才」と言われる菅氏が自身によって整えた「仕組み」の上で実行力をさらに発揮していくでしょう。

菅氏の政治家としての特徴は無派閥かつ叩き上げ。朝食会などで市場関係者を招いて、マーケットの意向を丁寧に聞き、情報収集を大切にしていることでも有名です。派閥や特定省庁といったしがらみが少ない総理の誕生は、一般人でも総理になれることで国民を勇気づけ、日本の新しい時代の到来を感じさせます。海外投資家からの注目も大きくなると予測されます。「令和おじさん」として幅広い年齢層からの人気も抜群です。満を持して、菅氏にしかできない「スガノミクス」の開幕です。

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馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
経済アナリスト
認定テクニカルアナリスト。京都大学公共政策大学院を修了後、法人の資産運用を自らトレーダーとして行う。その後、フィスコで上場企業の社長インタビュー、財務分析を行う。

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(経済アナリスト 馬渕 磨理子 写真=毎日新聞/AFLO)

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