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あなたらしい文章が書けるようになる7つのチェックポイント

プレジデントオンライン / 2020年9月19日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SunnyGraph

文章の質を上げるにはどうすればいいのだろうか。『稼ぐ人の「超速」文章術』(Discover 21)を出した中野巧氏は「読み手の読み方を強制はできない。しかし、せっかちな人に合わせて文章を書くことで幅広い人に伝わる文章になる」という——。

■読まれる文章には「あなたらしさ」が求められる

「はたして、この文章でいいのだろうか?」と悩んだときは、7つのセルフチェックポイントを参考にしてみてください。

チェックポイントがあるだけで、書く過程での安心感(後でチェックすればいいので、まずは書き進めよう、というポジティブな感情)にもなりますし、文章のクオリティアップにもつながります。

1.あなたらしい情報・視点・アイデアがあるか?
2.生き生きした描写があるか?
3.飛ばし読みしても、6割程度理解できるか?
4.「感情」と「論理」のバランスは?
5.スムーズに読み進められるか?
6.読み手になりきって読んでみたか?
7.時間をおいて読み直してみたか?

1.あなたらしい情報・視点・アイデアがあるか?

文章が書き上がったらひと呼吸おいて、あなた独自の視点や情報、アイデアがあるかを、客観的に見直してみましょう。

SNSやブログなど、ソーシャルメディア時代の到来により、誰も情報配信者として影響力をもてるようになると同時に、現代人が1日に触れる情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分にあたるという説があるほど、私たちの日常には情報が飽和しています。

そういった状況の中で、「“何を”伝えるか」と同じか、それ以上に「“誰が”伝えるか」に読み手はフォーカスするようになってきています。

結論から言ってしまえば、読まれる文章には「あなたらしさ」が求められるのです。

■新しいアイデアは既存のものの組み合わせ

同じことを話せる人が、世の中にはたくさんいます。しかし、その人らしく語れる人は、“あなたしかいない”のです。その「らしさ」に人は引きつけられます。「あなたらしさ」、つまり、あなた独自の視点や情報、アイデアが文章にあるかをチェックしてみてください。

難しい……と感じた方は、次のことを参考にしてみてください。

アイデアに関する名著『アイデアのつくり方』(ジェームス W.ヤング著)には、次のように書かれています。

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

つまり、

「既存のアイデア」+「既存のアイデア」=「新しいアイデア」=「あなたらしい独自の視点や情報、アイデア」

ということですね。

2.生き生きした描写があるか?

文章で共感されるためには、視覚的描写をして、読み手にイメージを膨らませてもらうことが重要です。読み手はイメージできないことを行動に移せないからです。

イメージしてもらうコツは、読み手の目の前でその状況が浮かび上がるように、耳元で音が聞こえてくるように、肌で感じられるように、五感すべてに訴えることです。

■幅広い読み手に届く文章のコツ

人間の五感は大きく分けると、視覚、聴覚、体感覚(触覚、嗅覚、味覚)の3つに区分され、NLP(神経言語プログラミング)において、次のそれぞれ頭文字をとって「VAKモデル」と呼ばれます。

NLPとは、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーによって提唱された、心理学と言語学をもとに体系化されたコミュニケーション技法です。

・視覚(Visual)
・聴覚(Auditory)
・体感覚(Kinesthetic)

人によって、VAKのどれにより強く反応するかは異なります。いろいろなタイプの人に響く言葉をちりばめることで、多くの人のイメージに届き、反応率を高めることができます。

たとえば、左記のようにタイプによって腑に落ちやすい言葉が異なります。

・視覚(V)優位の方は……「見える」「明るい」「思い浮かべる」など
・聴覚(A)優位の方は……「聞こえる」「響く」「リズムが合う」など
・体感覚(K)優位の方は……「感じる」「触れる」「腑に落ちる」など

おそらく、あなたが書いた文章を読み返してみると、VAKのどれかに偏りがあることを発見するでしょう。VAKを意識的にまんべんなく使うことで幅広い読み手に届く文章になります。表現が単調でつまらなく感じるときにも有効です。

少しやりすぎかもしれませんが、この文章にもVAKをちりばめています。あなたの文章の「VAK」をチェックしてみましょう。

■せっかちな人に合わせて文章を作る

3.飛ばし読みしても、6割程度理解できるか?

「エネルギーを込めて書いた自分の文章をじっくりと隅々まで読んでほしい」

書き手として、この気持ちは当然です。しかしながら、下記のように、読み方は人それぞれです。

・分析的にじっくりと読む人(じっくり君)
・衝動的に気になる部分だけを飛ばし読みする人(せっかち君)
・飛ばし読み(せっかち君)でザッと読んだあとに、じっくりと読む人(じっくり君)

読み手の読み方を強制することはできません。ですから、こちらが、じっくり君が読んでも、せっかち君が読んでも問題ないように書くことが大切です(書き手はじっくり君の視点で書くことが多いです)。

せっかち君に対応させることで、

・自分の中で伝えたい内容が明確になる。
・じっくり君に対してもより効果的な文章を書くことがでる。

結果、文章にメリハリが生まれ、クオリティがアップします。

急いでいる人が、ザッと読み飛ばしていっても、あなたが伝えたいことが伝わるかどうかを考えながら、

・文章の冒頭
・見出し
・太文字
・赤字
・記号
・改行(段落)
・図解

などを工夫していきましょう。

特に、見出しだけを読んで内容が6割くらい理解できるようになっていると、

見出しだけを読んでなんとなく理解する(せっかち君)
→ 興味があれば
→ 冒頭から詳細をじっくり読む(じっくり君)

といった読み方ができるので、読み手に過度な時間やストレスをかけることなく、あなたのメッセージを必要とする相手に届けることができます。

あなたの文章を「見るように」読んでも、ある程度の内容を理解できるかをチェックしてみましょう。

■「ワクワクするメッセージ」と「冷静なデータ」は必要不可欠

4.「感情」と「論理」のバランスは?

「人は『論理』で納得し、『感情』で行動する」
もしくは、
「人は『感情』で決定し、『論理』でそれを正当化する」

ビジネスにおいて、ぜひ理解しておきたいことですが、文章においても「感情」と「論理」はとても大切です。

・「感情」だけでは、信頼性(説得力)のない文章になります
・「論理」だけでは、つまらない(盛り上がらない)文章になります

相手の心を動かす文章には、「感情」と「論理」がどちらも必要なのです。

・感情的なメッセージ:読むと感情が刺激されワクワクするようなメッセージ
・論理的なメッセージ:読むと冷静になるような客観的事実や数字を含むメッセージ

これらを意識しながら、あなたが文章を書くことによるゴールが達成できそうか、あなたの文章における「感情」と「論理」のバランスをチェックしてみましょう。

5.スムーズに読み進められるか?

「読み手に、スムーズに、読んでもらえる文章を書きたい」

せっかく、精魂込めて書いた、充実した文章でも、読みにくければ読みにくいほど、残念ながら、最後まで読んでもらえません。

読み手が、どれくらいその情報を欲しているかにもよりますが、「読みにくい文章、だけど内容は濃い」よりも「読みやすい文章だけど、内容は薄い」方が最後まで読んでもらえるでしょう。

■音読をすれば文章の読みやすさが分かる

内容の充実はもちろん、大切です。ただ、それと同じくらい、「読みやすい」「分かりやすい」ことがとても重要です。

「どうすれば、読みやすい文章にできるのか?」

私がよく使う、手っ取り早い方法は、「声に出して読んでみる」ことです。

自分の文を声に出して読んでみて、「スムーズに読めない」「リズムが悪い」「なんだか気持ち悪い文章だな」と思うようであれば、要注意です。声に出さず黙読していても、頭の中で声に出しながら、読み進めていく人がとても多いからです。

私自身、文章を確認するときには、声にこそ出しませんが、頭の中で思いっきり、音読しながら、文章の読みやすさをチェックしています。

そのとき、もっとも気にかけるポイントは「リズム」。

リズムよく、読めるか読めないかは、とても大切です。リズムよく読める文章は心地よく読み進められ、伝わりやすくなります。

句読点や改行の位置、行間の取り方などに悩んだ場合も、「リズムよく読めるか」という視点で、チェックしてみましょう。

6.読み手になりきって読んでみたか?

自分が読み手になりきって、文章を読み、疑問に思うこと、反論したくなること、不思議に思うこと、理解しにくいことがないか、チェックしていきます。

そして、読み手が感じる質問や反論を予期することができれば、それに先回りして対応することができます(疑問/反論の解消)。

また、あなたにとっては当たり前でも、読み手にとっては理解できなかったり、飛躍した展開に感じないかどうか、などもチェックしていきます。

■文章に悩んだら、思い切っていったん手放す

あなたが対象としている読み手の数だけ、読み手になりきって、あなたの文章を読み直してみましょう。文章の構成や表現、追記や編集などの大きなヒントになるはずです。

あなたが想定する読み手になりきって、あなたの文章を読みながらチェックしてみましょう。

わざと疑問や反論の余地を残こすこともありますが、上級テクニックです。

・そういった感情になる人には読んでほしくない(読み手の選別)
・疑問に思って問い合わせしてほしい
・反論があるからこそ、その答えを知りたくなりアクションを起こす

7.時間をおいて読み直してみたか?

文章を書いていると、手が止まってしまったり、なんとなくしっくりこない感覚を持つことがあるかもしれません。的確な表現が思い付かないこともあるでしょう。

中野 巧『稼ぐ人の「超速」文章術』(Discover 21)
中野 巧『稼ぐ人の「超速」文章術』(Discover 21)

ある程度時間をかけて思い浮かばない場合や手が止まってしまう場合は、いったん手放してしまいましょう。

手放している間もあなたの潜在意識(右脳)は24時間考え続けてくれています。手放した後は、楽しいことやリラックスしながら、普通に過ごしていると、たいていは48時間以内に、欲しい情報が向こうからやってくる、と信じるのがコツです。

また単純に時間をおいて読み直すことで、客観的な視点に切り替わり、主観的な状態ではどうしても気がつけなかったポイントが浮かび上がってきます。

時間をおいて読み直すことで、自分の文章を客観的にチェックしてみましょう。

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中野 巧(なかの・こう)
株式会社studio-K 代表取締役社長
エンパシーライティング開発者。『エンパシーデザイン・ラボ』主宰。大学の建築学部と積水ハウスでの設計業務で培われた「建築」知識と「文章」との共通点を見いだす。「共感力」を磨くことが文章力、マーケティング力、コミュニケーション力、企画力などの仕事力を高めると考え、独自の文章メソッドを「エンパシーライティング(R)」を開発。企業研修や教育機関などで活用されている。近著『稼ぐ人の「超速」文章術』(Discover 21)。

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(株式会社studio-K 代表取締役社長 中野 巧)

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