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「瀬戸大也までも」清く正しいアスリートがなぜ不倫をしてしまうのか

プレジデントオンライン / 2020年9月29日 15時15分

男子100メートルバタフライで優勝した瀬戸大也(ANA)=2020年1月26日、東京辰巳国際水泳場 - 写真=時事通信フォト

■公私ともに絶頂期を迎えているように見えたが

「だいや」の輝きが失われてしまった。

週刊新潮(10/1日号)で瀬戸大也(26)の「真昼間不倫」を読んだ人は、そう思ったのではないだろうか。

競泳界のエース。2016年のリオ五輪では萩野公介の後塵を拝して銅メダルに終わったが、昨年の世界手権では200メートルと400メートルの個人メドレーで2冠を達成して、早々と東京五輪の代表に内定している。

一方の萩野はリオ五輪後に、15年の自転車事故で骨折した右ひじを手術して以来、本来の泳ぎが戻らず、長いスランプの中にいる。競泳界が瀬戸にかける期待は大きい。

2017年5月に元飛び込みの選手だった馬淵優佳(25)と結婚して、2人の幼子の父親である。

馬淵優佳は、「大也の金メダルへの挑戦をサポートしたいという気持ちが占めたんです。それが私にとっての五輪出場だ」と考えて引退したそうである。

その後、アスリートフードマイスターという資格を取り、彼の練習メニューとリンクした献立を毎日3食つくるというサポートをしてきた。

瀬戸は、味の素の「勝ち飯」というCMで、妻の優佳と仲睦まじく料理をつくり豪快に食べる「幸せ一杯の夫婦」(新潮)というイメージを茶の間に定着させた。

スポーツマンに期待される全てを備え、清く正しく美しい偶像だった。公私ともに人生の絶頂期を迎えているように見えたのだが、それが突然暗転したのである。

■女性とホテルへ行き、その足で…

新潮によれば、9月14日、午後1時前に3階建ての瀟洒(しょうしゃ)な新築の自宅から出てきた瀬戸は、近所の駐車場に停めてあったオリーブ色の「BMW X6」に乗り込み、足立区内のコンビニに向かったという。

そこで助手席に髪の長い女性を乗せると再び車を走らせた。

「到着したのは優佳さんと訪れることはないであろう場所だった」(新潮)。場末の古びたラブホテル。「休憩4600円」という看板が出ている。

ハロウィンの飾りつけがしてあり、一定の料金を払えば23時まで利用できるそうだ。場所柄だろう、かなり安い。

ホテルの中に入り、瀬戸が彼女に「23時までだって」と笑いかけたという。長い付き合いなのだろうか。

2人の会話がなぜ分かるのか? 新潮のグラビアページに、窓口でカネを払いカギをもらっている2人の写真が載っている。

ホテルの中に入り、2人の斜め左後方から撮っている。写真週刊誌FOCUSで磨いた“業”であろう。これでは瀬戸はいい逃れができない。

コトを終えた2人が出てきたのは午後3時半ごろ。「滞在時間約1時間半の、慌ただしい『昼下がりの情事』」(同)

再び車を駆って先のコンビニの近くに戻った。彼女と別れてからの瀬戸の行動は「クイックターンのように素早かった」(同)という。

自宅に戻ると、自宅のガレージ前に停めてあった国産車に乗り替え、子どもを迎えに近所の保育園に一目散。無事2人の子どもを連れて帰還する。

■単なる一時の浮気ではないようだ

BMWを庶民的な国産車に乗り換えるなんぞは、庶民派で爽やかなイメージを持たれようとする彼の涙ぐましい努力の一環なのだろう。

だが、せっかく築き上げたイメージも、この不倫報道でもろくも崩れ去ってしまった。

瀬戸が束の間の情事を楽しんだ日、妻には仕事が入り、夫に子どもの出迎えを頼んでいたそうだ。

彼女はインスタグラムにこう投稿していた。

「家で2人の子守りをしてくれた旦那さんに感謝」

新潮の取材は執拗である。愛人とはどれぐらい前から続いていたのかツイッターのアカウントを調べ、19年2月には瀬戸の出演する番組について返信しているから、「その頃にはすでに関係が出来ていたのかもしれない」(同)と、単なる一時の浮気ではないことを裏付けていく。

彼女は、ツイッターに「異性関係に悩んでいるかのような記述が散見される」(同)。

「もう待つ人生は嫌じゃ~」(2019年6月)「今更ながらこの関係ゲロ吐きそう」(同年11月)「ちょー純粋な彼氏ほしいな/疲れたわ」(同年11月)

彼女はある航空会社のキャビンアテンダントをしているという。「空を飛び始めて1年ちょい」(18年11月)という記述もあるそうだ。

そして、「セックスフレンド」や「芸能人の不倫」に関するツイートに「いいね」をつけていたという。道ならぬ恋に揺れ動く女心が投影されているようだ。

■瀬戸は直筆の文書でおわび

新潮が彼女の自宅を訪ねると、父親が応対に出た。

「事実関係を確認できないと私は何も話すわけにはいきません」

そういったという。否定しないのは、娘が瀬戸と付き合っていることをうすうす知っていたように思える。

私にも娘がいるが、彼女が妻子ある男と付き合っていると知ったら、男親はどう対処したらいいのだろうかと、考え込んでしまった。

新潮の取材に対して瀬戸の所属事務所の担当者が、「(瀬戸)本人も狼狽していて……」と取材を受けるどころではないようだった。妻・優佳には新潮としては珍しく直撃していないのか、コメントはない。

10月1日が結婚記念日。新潮は「その日が過ぎてもまだ、優佳さんは瀬戸のために手料理を振る舞っているだろうか」と心配している。2人には余計なお世話だろう。

新潮発売後、瀬戸は直筆の文書を公開して、こう陳謝している。

「自分の軽率な行動により大切な家族を傷つけ、応援してくださっている皆様、関係者の方々、支援頂いている企業の皆さまに大変不快な思いとご迷惑をおかけしてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます。自分の行動を猛省し、家族との今後についてはしっかり話し合いたいと思っております。本当に申し訳ございませんでした。 瀬戸大也」

親子で手を繋いで歩く
写真=iStock.com/Hakase_
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

■不倫相手探しが行われているが…

また昨今流行のようだが、妻・優佳も直筆のコメントを出している。

「この度は大也の行動により、日頃から応援してくださっている皆様、スポンサーの皆様、関係者の皆様にたいへんなご迷惑をおかけすることになり、申し訳ございませんでした。今後、どのような形で皆様の信頼を回復していくことができるか、そして私たち家族のことについては、よく話し合っていきたいと考えております。なお、小さい子どももおりますので、子どもの関係先や家族に対する取材は特段のご配慮をいただきますよう、お願い申し上げます。 瀬戸優佳」

この不倫騒動、私が知る限りではワイドショーもスポーツ紙も、大きく報じてはいないようだ。

大メディアの多くは東京五輪のスポンサーになっているから、五輪の星をあまり傷つけてはいけないという忖度があったのだろうか。

だが、ネット上では瀬戸大也の不倫相手探しが行われていると週刊女性PRIME(9月24日)が報じている。

彼女がツイッターで呟いた、都内の有名私立大学卒業、CAなどという手がかりから、

「彼女のお兄さんは元ジャニーズで、Jr.ユニットの一員として人気を博し、有名ドラマにも出演していたほどのイケメン。現在は舞台を中心に活躍して」いるというのである。

彼女は、瀬戸との不倫で傷つき、さらにネットで自分のプライバシーを暴かれている"血祭り状態"なのだ。そっとしておいてあげようではないか。

■妻に不倫された名横綱・大鵬

ところで、妻に不倫をされた夫と、夫に不倫をされた妻、どちらが不幸なのだろうか。

古い話で恐縮だが、私は、スポーツ界の不倫騒動というと、不世出の横綱といわれた大鵬(本名・納谷幸喜)のことを思い出す。

樺太敷香郡敷香町(現在のロシア極東連邦管区サハリン州ポロナイスク市)出身で、抜けるように肌の白いイケメン力士だった。大鵬の取組の時は銭湯の女湯ががら空きになったといわれた。

ライバルの柏戸とともに「柏鵬時代」を築き、子供の好きなものは「巨人・大鵬・卵焼き」と謳われた。

幕内最高優勝32回は、白鵬に破られたが決して色褪せることはない。

31歳で現役を引退すると、名誉ある一代年寄として大鵬部屋を興し、後進の指導や相撲界の発展に尽くした。

だが引退後は不幸が続いた。36歳の時脳梗塞を発症し、2年間の苦しいリハビリを耐えて復帰したが、左半身にマヒが残った。

1991年には妻の“不倫”疑惑が報じられた。

「部屋の若手力士と情事を重ねているというショッキングな内容でした。リハビリ中は午前4時に起床して献身的に付き添ってくれた妻の裏切りに、大鵬さんは疑心暗鬼になりました。巡業先からしょっちゅう自宅に電話をかけ、家にいるときも妻の姿が見えないと捜し回る。やがて自宅に盗聴器を設置して電話の盗聴までしたこともあったそうです。晩年には仲直りしたようですが、安泰の夫婦関係ではありませんでした」(スポーツ紙記者=女性セブン2013年2/7日号)

■浮名を流す男性アスリートは多い

現役時代は振り払うのに困るほど女にモテた男が、30代半ばにして身体が不自由になり、美人妻の不倫の「噂」に嫉妬の炎を燃やす。その辛さ、口惜しさはいかばかりだっただろうか。

2013年1月19日、72歳で大鵬は亡くなった。

最近も、現役親方のおかみさんが弟子と不倫をしているのではないかという週刊誌の報道があった。相撲界はおかみさんの力が強い。弟子を自分の性欲のはけ口にするケースがよくあると聞く。

逆のケースは掃いて捨てるほどある。特にプロ野球やサッカー選手に多いようだ。

中でも群を抜いて多いのは巨人軍である。

現役時代にホステスと不倫していたと報じられた高橋由伸。

現在2軍監督をしている阿部慎之助も女優と不倫していて、変装して彼女の家の塀を超えて入るところを写真に撮られたことがあった。

現在、川上哲治元監督の通算勝利数を抜いて“名監督”といわれ始めた原辰徳監督にも、かつては不倫をしていて、美人局のような男たちに1億円をゆすり取られたという大醜聞があった。

■五輪期間中、夜の選手村では…

真打は二岡智宏。美人タレントの山本モナと不倫&ホテルに入る写真を撮られ、巨人軍から放出されてしまったのである。

夜の繁華街
写真=iStock.com/Yongyuan Dai
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yongyuan Dai

ファンならずとも、スポーツマンは清く正しく美しく、そして爽やかであってほしいという“妄想”を抱くのだろう。

だが、日々厳しいトレーニングを続け身体を鍛えていれば、性的な欲求も草食男子たちにはない“マグマ”を抱えているのは自然なことである。

かつて、東京オリンピックでメダルを獲得した某選手に話を聞いたことがあった。

選手村の夜は“性の万国博覧会”状態になったという。若者たちが相手構わず抱き合い、修羅場の様相を呈したそうだ。

当時の日本では、五輪代表選手たちがそのような行為に及ぶとは考えておらず、コンドームなども十分に備えていなかった。慌てて避妊具を集めて配ったようだが、件の選手は、帰国してから妊娠が分かったという女子選手が何人かいたようだと話していた。

■一時の浮気が一生責められることになる

文春を中心にした不倫砲が毎週のように炸裂しているが、報道後に離婚したケースは意外に少ないようだ。

ベッキーと「ゲス不倫」した川谷絵音。小室哲哉は妻のKEIKOと離婚調停中のようだが、以前から2人の関係はおかしくなっていた。5人不倫で話題を呼んだ乙武洋匡は、不倫発覚後、妻も詫び文を出したが、結局別れてしまった。

俳優の東出昌大は女優で妻の杏から離婚された。杏は娘時代、父親・渡辺謙の女癖に愛想を尽かしていたから、東出の不倫が絶対許せなかったのだろう。

だが、公共トイレ不倫と話題になったアンジャッシュ渡部建は、妻の佐々木希がしっかり支えているようだ。

鈴木杏樹に結婚しようと迫って不倫していた喜多村緑郎を、元宝塚の妻は渋々許したという。

こう見てくると、数多の不倫が毎週のように報じられてきたが、特に、幼い子供がいる夫婦では、離婚まで発展するケースは少ないようである。やはり子は鎹(かすがい)のようだ。

女性のケースでも、国民民主党の山尾志桜里は離婚したが、以前から夫婦仲は冷めていたようだ。斉藤由貴は医師との不倫騒動の後、別れたという話は聞こえてこない。

だが、離婚はしないが「家庭内別居」同然の夫婦は多いのではないだろうか。

男は忘れたとしても、女は一生忘れはしない。テレビで不倫報道を見るたびに、あの日の記憶が甦り、フレッシュな怒りが湧いてきて、鬼のような形相で夫を詰るのである。

「注意1秒、不倫一生」である。くれぐれもお忘れなきよう。(文中敬称略)

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198630283/presidentjp-22" target="_blank">編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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