オンライン面接では「ニュースキャスターの表情」を真似するといい
プレジデントオンライン / 2020年10月5日 11時15分
※本稿は、瀧本博史『オンライン就活は面接が9割』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
■オンライン就活で就活生が感じている不安
オンライン就活は、対面の就活と違い、画面に映らない部分の情報は受け取れません。
これは就活生にとって、映したくないものを映さないという都合のよさでもありますが、採用側にとっても同じで、「映したくないものは映さない」という選択肢につながっています。
結果、オンライン就活ならではの学生の不安も生まれているので、いくつかご紹介していきましょう。
・面接官の手元が画面に映らないので、何かメモをしている雰囲気は感じ取れるが、動いている時とそうでない時の境目がわからないので、とにかく不安
・集団面接やグループディスカッション、グループワークなどの複数人で同時に何かをする選考では、全員の顔が見えている安心感はあるが、ネットの環境が悪い人がいると音声や映像がズレてしまってタイミングが取りづらい
・最終面接に複数の面接官がいても、質問する人しか画面に映らないので、他の面接官の反応が伝わってこず、不安になる
・応募先企業への訪問の機会が減るので、それだけ実際に働いている方との接触機会も少なくなり、職場の雰囲気がつかみにくい
・リアル会場での合同企業説明会では希望業界が決まっていなくてもブースに集まっている就活生の人数で、人気のあるなしがある程度わかるが、オンラインではどの企業にどれぐらいの人気が集まっているのかわかりにくいので、微妙な人気やトレンドも含めて判断がつきにくい
・自分から「この企業!」と決めて探しに行かないと出会いがない
・就活中に知り合う他校の学生との情報交換ができない
確かに、オンライン就活には特有の落とし穴が存在します。ただ、これらの「落とし穴」についても対処法が存在しますので、ライバルに差をつけるためにも就活生はしっかり対策をしましょうね。
■「カメラ目線の使い方」が合否のわかれ目になる
オンライン就活の必勝法は、ズバリ「カメラ目線の使い分け」です。対面の面接では、面接官の表情を確認しながら話すことが可能ですし、学生は全身(非言語)を使ってアピールすることができます。
![オンライン面接](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/670/img_9ca2dc587bba14f73684af62ae9af5b8619222.jpg)
しかし、オンラインでは面接官を映す映像と自分を映す映像が、パソコン上で画面の上下に並んだり、左右に並んだり、どちらかが小さく映ったりするため、面接官の表情の変化に注目したくても、相手のWEBカメラをこちらから操作できるわけではないので、結果として、画面のさらに小さな一部分で、かつ、面接官を全体像でしか捉えることができません。
また、学生は対面の面接のように全身を使ってアピールすることが難しく、自分の真剣さを表すには自分の目線をカメラに向けた時だけが頼りになります。
カメラ目線とは極端に言うと、カメラを「ガン見する」ということになりますが、自分の言うことを理解してもらうためにも、ここはテレビ局のアナウンサーのように、緩急をつけてしっかりと効果的に目線を合わせたり、外したりという練習をして臨みましょう。
■ニュースキャスターの表情を真似する
■オンライン目線エクササイズ
2.WEBカメラの少し下にカメラ位置を示す小さなシールを貼って目印にする
3.力を入れて話したいところは顔がこわばらないように気をつけて、シールより少し下の位置に目線を移してからWEBカメラへと目線を移し、言葉だけでなく目でも訴えられるようにする
真剣に報道するニュースキャスターの表情を思い浮かべてみると納得ですよね。カメラ目線で真剣に訴えかけることで、あなた自身の気持ちを面接官に強く印象づけることも可能です。実際に「面接時の発言内容と表情が印象に残った」と内定時に採用担当から言われた先輩もいますので、ぜひ練習して習得を心がけてください。
■オンライン面接の印象を良くする「6つのルール」
最初のあいさつが面接の明暗を分ける
WEB面接には、ノックして扉を開けて……というような入退室がないので、あなたの第一印象はオンラインでつながったその瞬間に交わされる「最初の挨拶」となります。
時間帯を考えて、「おはようございます」、「こんにちは」など応募者のほうからさわやかな声がけをするよう心がけましょう。冒頭では名前の確認もあります。これも挨拶と同時に応募者から名乗るようにしましょう。
たどたどしくてもしっかり自分を伝える
WEB面接では応募者の不慣れも考慮して、対面面接よりも少し長めの時間をとっていることがほとんどです。「対面だったら伝えられるのに」という残念な状態を少しでも減らすための手段が今のところ時間を長めに設定するということぐらいしかできていないのが現状ですが、応募者は時間を逆に有効活用し、伝わるように精一杯努めましょう。
■「手を使ったジェスチャー」には要注意
状況説明はコンパクトにする
学生時代に力を入れたことや自己PRなどの定番質問は、ダラダラと長くならないよう、対面での面接よりもコンパクトに話せるように心がけたいものです。
オンライン面接ではジェスチャーを使って面接官にアピールすることが難しく、面接官があなたを見るのは画面に映る範囲のみのため、どうしても単調になりやすく、集中力が途切れがちとなります。状況説明はできるだけ短めにして、エピソードを話す時は登場人物が自分を入れて3人ぐらいまでとなるエピソードを探して話すようにしましょう。
いつもよりゆっくり「間」を空けて話す
パソコンやスマホ、Wi-Fiの環境にもよりますが、オンライン面接では回線の状態から映像や音声にタイムラグが生じる場合があります。応募者側からは問題なく見えていたり、聞こえていたりしていても、採用担当のほうにはタイムラグが生じている場合もあります。
面接官と話が何回も被って変な空気にならないように、いつもよりゆっくりと間を空けて話すように心がけましょう。
自分の手の位置に気をつける
かたくなって話せないようなら話せたほうがいいと、面接中に手を動かして話すことは、あまり気にしない企業が多くなってきました。
ただ、自分の手がカメラに近すぎると手と顔の大きさのバランスが極端になる場合があります。カメラと自分の距離感を考えて、事前にどのように映るのかをリハーサルしておくよう心がけましょう。
■自分らしさを求める「令和の就活」が始まった
令和の就活は「自分らしさ」が求められている
オンライン就活時代を迎え、地方にいても海外にいてもどこからでも就活に参加できるようになりました。その半面、「画一的な体験ではなく、個人が得てきた体験がどのように企業の中に活かせるのか」といったことを最近の採用試験は求めるようになってきたと思います。
![瀧本博史『オンライン就活は面接が9割』(青春出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/8/200/img_980dc58ccf3b01c76405cf645f07dada301396.jpg)
学生時代はただやみくもに何でも経験すればいいという「昭和の就活」が終わり、短期留学や自転車で日本一周などのちょっと変わった体験が重宝された「平成の就活」も終わり、その体験に自分らしさを問う「令和の就活」が始まっています。
自分らしさとは、「その体験が自分にとってどんな意味づけがされているのか」ということ。情報が溢れ、目標達成のために必要な手段が豊富ですぐに見つかる環境の整った令和時代に求められるのは、「何を目的としてその体験をしようと考えたのかという自分なりの意味づけ」です。
例えば、自分の好きなブランドの服を着たいと思ったら、それを着ることで自分はどうなりたいのかという「意味づけ」が生まれます。自分の行動に自分なりの意味づけがされるとそれはその人を象徴する個性となり、やがてはその人の「自分らしさ」へとつながっていきます。
政府が目指す「人生100年時代構想」には1億総活躍社会の実現やいくつになっても学び直しができ、新しいことにチャレンジできる社会をつくるという項目があります。従来のように何ができるのかだけでは収まらず、自分はこれからどう生きたいのかを求める就活がもう始まっています。
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キャリアカウンセラー
キャリコンリンクCEO。国家資格2級キャリアコンサルティング技能士(熟練者資格)を持ち、国立大学の特任講師、ハローワーク職員、自治体の職業相談員、就職指導や職業訓練校講師などの業務に携わりながら、年間約2000件の職業相談を行なっている。
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(キャリアカウンセラー 瀧本 博史)
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