旅のプロが実践「GoTo東京開始で私が3泊4日沖縄旅行を選んだ理由」

プレジデントオンライン / 2020年10月7日 15時15分

9月の4連休中、鳥居の入口から人の列で渋滞の伏見稲荷大社 - 画像提供=筆者

10月1日から東京発着の国内旅行が「Go Toトラベル」キャンペーンの対象となった。このキャンペーンで最大限にお得に旅行するにはどんなプランがいいのか。元「じゃらんnet」 編集長で国内旅行取扱業務管理者の資格を持つ萩本良秀氏が解説する――。

■有名観光地や単価の高いプランが人気

「Go Toトラベル」に東京発着旅行と地域共通クーポンが追加された。7月のキャンペーン開始時には東京発着は除外されていたが、10月からフルスペックでキャンペーンが解禁となった。9月下旬の4連休には、京都などの有名観光地や単価の高いプランが人気の高級旅館などに目立って人出が急増してきたが、今後どのように利用すれば目いっぱいお得な旅行をできるのかを考えてみたい。

■キャンペーン終了までは利用回数に制限はない

「Go Toトラベル」は、1人1泊あたり4万円、日帰り旅行は2万円を上限とする国内旅行代金の2分の1相当額を支援、旅行代金の35%が割引となり、65%を支払ったうち15%は地域共通クーポンとして支給される。

2020年1月末のキャンペーン終了または約1兆1600億円の全事業予算を消化するまでは、1人の利用回数に制限はなく何回でも何泊の旅行でも対象になる。申し込みは大手旅行会社だけでなく、地域の中小旅行会社や宿泊施設に対する直接予約も可能だ。

キャンペーンで最大限、お得になる活用法としては、まずは支援額の上限まで利用することだ。1泊4万円以上の宿泊旅行を申し込んだ場合は1万4000円、日帰り旅行なら2万円以上の旅行代金に対して7000円を上限として割引される。旅行代金が1泊4万円、日帰り2万円を超えても支援額はそれ以上増えない。

支払った旅行代金の15%相当は、現地で使える地域共通クーポンとして1000円単位で返ってくる(1000円未満は四捨五入)。例として1泊4万円ちょうどの旅行だと、1万4000円の旅行代金割引に加えて6000円分の現地で使えるクーポンが支給される。

「Go To トラベル」旅行代金支援の仕組み
観光庁資料より筆者作成

■まとめて申し込めば宿泊以外も割引対象に

もう1つのポイントとしては、宿泊だけでなく交通移動手段も一緒に申し込むと、それも割引対象になる。宿泊代金だけで1泊4万円というと高級旅館でも泊まれなければ使えないと思われそうだが、旅行代金に往復移動の電車や飛行機、現地でのレンタカーなどの移動交通費を含めば選択肢も広がる。自家用車での旅行でなければ、1泊あたり4万円までのパッケージツアーを申し込むのがよい。

そして日程は、1泊2日よりも2泊3日、3泊4日のほうがお得度は高い。何泊しても往復の交通費は基本的に変わらなく、2泊目以降は4万円の上限枠を宿泊だけに予算を掛けられ、よりいい宿も選びやすい。

地域共通クーポンの対象店舗は9月29日に公開された。土産物店、飲食店、観光施設、レンタカーやフェリーといった交通手段など、全国で5万958軒の対象施設がまず登録された。使えるのは申し込んだ旅行先と隣県エリアの登録店舗のみで、日帰りなら旅行当日、宿泊旅行なら出発から帰着日までの間、利用できる。紙と電子クーポンの2形態があり、申し込んだ旅行会社や現地の店舗では、紙のみ対応という事業者も多いので、電子クーポンで受け取った場合は注意が必要だ。

■最大限お得になる旅行プランを組んでみた

ここからは、国内旅行取扱業務管理者の資格を持つ筆者が、「1泊4万円」「交通含む」「3泊4日」という条件で、9月に「Go Toトラベル」を利用して組み立てた旅行の例をご紹介する。なお、記事掲載段階では同じ商品はすでに売り切れている可能性も高いことをご理解の上、参考にしていただきたい(以下、料金はすべて2名1室で申し込みの1名料金例)。

10月22日(木)出発、25日(日)帰着の3泊4日旅行は、「<ダイナミックJTB>飛行機で行く 沖縄」というウェブ専用商品を選んだ。1泊目は那覇の「リーガロイヤルグラン沖縄」、2泊目はハワイで人気の高級ホテルが昨年日本に初進出と話題になった「ハレクラニ沖縄」、3日目は2000年に「九州・沖縄サミット」会場となった当時の県内最高級ホテル「ザ・ブセナテラス」を選んだ。いずれも海側の部屋で朝食付きだ。飛行機は便指定による割増料金不要の羽田発10:55、帰りは那覇発14:30のJAL便でクラスJにアップグレード、ガソリン満タン返し不要で2泊3日1万1000円のレンタカーをオプションで追加した。

地域共通クーポン利用可能店舗は、「Go Toトラベル」公式サイト上で「取扱店舗検索マップ」に表示されている。7月のキャンペーンの開始時には急遽しつらえたPDFの宿泊事業者事業者名リストだったのを考えると、利便性はかなり向上した。エクセルの店舗一覧を一括ダウンロードすることもできる。クーポンが沖縄で利用可能なのは1765軒だ(10月1日現在)。

地域共通クーポンの「取扱店舗検索マップ」
画像© 2020 Go To トラベル事務局
地域共通クーポンの「取扱店舗検索マップ」 - 画像© 2020 Go To トラベル事務局

■3泊4日の沖縄旅行が約6万円近くお得に

クーポンの主な使途は食事、観光施設、レンタカーなどが考えられる。「沖縄美ら海水族館」、今年5月にオープンした「DMMかりゆし水族館」も対象だ。レストランはホテルの近くを地図で探してみる。そうすると、地図上に「ザ・ブセナテラス」(カテゴリ=その他)という表示が……。

「ん? これはGo To対象宿泊施設という意味なのか、それともホテル内のレストランなどの支払いに使えるのか?」と疑問に思い、電話で確認すると後者との回答が。宿泊施設も館内での物販や飲食に利用できると売上増に寄与することから、地域共通クーポン対象事業者としても登録している例も多い。

2泊目の「ハレクラニ」徒歩圏内にも対象レストランが見つかり、これでクーポンの使い道は決まった。実は、JTBで申し込んだのとレンタカー会社も同料金でクーポン利用可能だが、このオプションをキャンセルすると総旅行代金もその分減るので、クーポンの支給も1人1000円分減額になる試算。現地でクーポンの使途が見つかる場合は、旅行のパーツはなるべくひとまとめで予約したほうが、補助の額も多くなる。

以上、「1泊4万円」「交通含む」「3泊4日」の条件で組み立てた沖縄ツアーは、正価の11万3100円/人に対し、35%の割引額が3万9550円(申込総額の100円未満は切り捨て)で支払代金は7万3550円、さらに地域クーポンが1万7000円分で合わせて5万6550円、代金の50%分が還元されることになった。

余談だが、沖縄=夏というイメージもあるが、7~9月は台風直撃のリスクがある。昨年の台風25号のように近年は10月上旬にも大型台風が上陸するが、10月下旬はそうしたリスクも下がる。真夏ほど暑すぎずビーチやプールにまだ入れる、料金手頃なベスト・シーズンだ。年末年始を除く12月~1月は年間でも最低料金で、冬でも最高気温が20度を超える沖縄に脱出するのも悪くない。

■宿泊代が実質タダになる修善寺旅のプランも

「2日も休んで3泊4日なんて無理」という方にも、土日の1泊旅行でも「Go Toトラベル」のメリットは十分ある。もう一例として、筆者が予約した10月31日(土)東京発、修善寺に1泊旅行の例をご説明したい。

修善寺の「ベアードビール」が新作クラフトビールを提供する「収穫祭」が行われる週末に、本社工場に併設するキャンプ場の予約が取れなかったため、宿を探すことになった(密を避けたレジャーとしてキャンプ場は週末常に予約でいっぱいの人気ぶりだ)。しかし、思い立ったのが「Go To」東京発着が発売になって約2週間後、人気の伊豆で土曜泊ということもあり、予約サイトや宿のページでも1カ月前にはすでにことごとく満室となっていた。

最終的に見つけたのはJR東海ツアーズの「ひさびさ旅割引◆◆静岡」という商品。リニューアル後プレオープン中の「湯めぐりの宿 修善寺温泉 桂川」1泊2食付き、東京―三島間往復の新幹線はグリーン車で、現地の鉄道やバスが乗り放題になる「ふじのくに家康公きっぷ」、「三島スカイウォーク」などに入場できる「三島・沼津満喫パス」がついて正価は2万4500円だ。

「Go Toトラベル」割引は即時に申込確認画面へ反映され、支払金額は1万5925円で1人3500円(2人で7000円)分の地域共通クーポンが付く。もし定価で買えば、往復の電車だけで1万4780円になるところを、これでクーポンを1人1145円分以上現地で使えば、正規の電車代だけで宿泊はタダでついてくる計算だ。

予約確認画面では「Go To トラベル」割引料金を自動表示
画像© JR TOKAI TOURS,Inc
予約確認画面では「Go To トラベル」割引料金を自動表示 - 画像© JR TOKAI TOURS,Inc

■あなどれない旅行会社のコスパと仕入れ力

宿やホテルの客室は、自社で販売する分と旅行会社に販売委託する部屋が分けられ、それぞれの予約システムで在庫は保持、販売される。そのため、宿のサイトでは売り切れた日の部屋を、旅行会社が持っていることがある。

旅行会社の選び方だが、今回のように、目的地方面に電車を走らせている鉄道会社の関連会社である旅行会社が、仕入れ力が強いケースがある。伊豆のJR東海ツアーズと同様に箱根は小田急トラベル、日光は東武トラベル、東北はJR東日本の「びゅう」といった組み合わせだ。沖縄ツアーは現地に本社を持つ沖縄ツーリストも要チェック。それらとJTBなどの大手旅行会社を両方見てみるといい。海外旅行のイメージが強いエイチ・アイ・エスも、その航空券仕入れ力から、国内ツアーでもひけをとらない。

■バラ買いでもお得になる方法がある

ただし、旅行会社のパッケージ商品ならではリスクもある。

「Go Toトラベル」に限った話ではないが、交通と宿泊を伴うパッケージツアーは出発日の20日前、日帰り旅行は10日前から取消料が発生する。新型コロナウイルスの感染その他の理由で直前にキャンセルせざるを得ない場合は、首尾よく申し込んでお得な気になっていたはずが、かえって損することになる。旅をキャンセルしなくても、指定の列車に当日乗り遅れた場合は、切符が後続の列車乗車には無効となる商品もある。

旅行会社以外でのお得な予約方法もある。JR東日本は区間、席数限定で新幹線の特急券+乗車券が50%と「Go Toトラベル」以上の値引き率となる「お先にトクだ値スペシャル」を現在販売している。

これは乗車13日前まで販売の商品だが、人気の区間はすぐに売り切れる。販売サイトの「えきねっと」では、通常は乗車1カ月前発売開始のさらに1週間前から事前申し込みができ、予約の成否は発売当日の朝にすぐわかる。取消料は購入直後から発生するが、当日出発前まで1枚320円の手数料で済むため、やむを得ない直前キャンセルの場合も、通常の切符より有利だ。

自家用車での旅行には、高速道路料金が定額で利用できるETC周遊割引「ドラ割」と、宿泊予約サイト「STAYNAVI」で対象となる宿に申し込んだ金額の合計が1泊4万円以下の場合に、「Go Toトラベル」の補助対象となるキャンペーンを、NEXCO東日本が行っている。こちらは金額が4万円を超えると高速道路の周遊パスが対象外になるのでご注意を。

※編集部註:初出時、「宿泊代金が対象外になる」としていましたが、正しくは「周遊パスが対象外になる」でした。訂正します。(10月14日16時59分追記)

■「オフピーク」を狙って密を避ける

「Go Toトラベル」を活用しようと直近、予約は急増しているようだ。先述の修善寺ツアーも宿泊予約はオンラインで即時に確定するが、「お問合せが集中しております」とサイトでも告知されている通り、新幹線の確定連絡までは4日間を要した。宿の中には昨年よりも前倒しで予約が入っている所もある。

「今週末、天気がいいから旅行でも」では当面、完全に乗り遅れることになるだろう。週末であれば1カ月前までには手配するか、そうでない場合は平日に出掛けるのも選択肢だ。リモートワークとなっている会社員は、通信手段があればパソコン持参で平日遠出もしやすくなった。ワーケーションプランと称して、作業用デスクやWi-Fiを完備した部屋を提供する宿も増えている。

旅行に出掛けたら思いのほか多くの人出に出くわして、感染リスクが心配の方もいるだろう。こんな時代の新しい旅のスタイルとしては、時期、時間、場所の「オフピーク」をお薦めしたい。

冬はスキーリゾートなどを除き基本的には各地オフシーズンになり、料金面や予約の取りやすさという面ではいいシーズンだ。週末1泊2日だけでなく1日休んで2泊3日にすれば、金曜に出発し日曜午前には現地を出る、または土曜午後にゆっくり出掛けて月曜に戻ると、時間のオフピークになる。

宿泊すれば名所巡りも朝早く、日帰り客で混む前に済ませることもできる。神奈川県は横浜、鎌倉、箱根以外への県内旅行には補助額を上乗せし、有名観光地以外への分散を促している。

■キャンペーンを機に「旅のテーマ」を探してみても

自分が簡単に思いつく旅行は、他人も思いつくのでそもそも混雑しやすい。それでは、自分オリジナルなテーマに沿った旅行を考えてみてはどうだろう。筆者も6~9月の夏場は避けて、古風で泉質も折り紙付きの「日本秘湯を守る会」会員温泉宿でのプチ湯治と、地方のクラフトビール工房巡りの2つを最近のテーマにしている。

9月4連休の京都でも、感染対策で座席数を減らした市街街のクラフトビール店は日中から店内満席の一方、京都駅から東寺経由で歩いて20分の町中にある「京都醸造」の工場でも蔵出し生ビールが飲めるが、そこは1組しか先客がいなかった。標高2000mの露天風呂からの絶景が見事な「高峰温泉 ランプの宿」(長野県)は雪上車での送迎、冬の星座の鑑賞会が行われるオフシーズンのほうが余計に楽しい。

「日本秘湯を守る会」会員、「高峰温泉 ランプの宿」の露天風呂
画像提供=筆者
「日本秘湯を守る会」会員、「高峰温泉 ランプの宿」の露天風呂 - 画像提供=筆者

「Go Toトラベル」で料金がお得になるだけでなく、これが自分オリジナルのテーマを追求するきっかけになれば、旅はさらに楽しくなるのではないだろうか。館内内でのマスク着用、社会的距離といった宿や観光施設のガイダンスを守って、自分も他人も安心できる旅を楽しみたい。

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萩本 良秀(はぎもと・よしひで)
インバウンド・メディア・プロデューサー
リクルート「ISIZEじゃらん(現じゃらんnet)」初代編集長、「じゃらんガイドブック」編集長、「@ぴあ」編集長、「Yahoo!ニュース」プロデューサーなどを経て、数百人の日本在住多国籍メンバーが日本旅行のアドバイスを投稿する「DeepJapan.org」エグゼクティブ・ディレクター。全国通訳案内士(英語)としても150名以上の外国人旅行者をガイド。国内旅行業務取扱管理者。山梨県観光部公認やまなし大使。観光庁「世界水準のDMO形成促進事業」「インバウンドの地方誘客促進のための専門家派遣事業」登録人材。専門分野は多言語観光ウェブサイトやSNSを活用した、外国人旅行者に対するデジタル・マーケティング。

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(インバウンド・メディア・プロデューサー 萩本 良秀)

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