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本田健「宝くじに当たっても幸せになれない本当の理由」

プレジデントオンライン / 2020年10月22日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/BanksPhotos

お金持ちになっても幸せになれない人がいる。何が原因なのか。作家の本田健氏は「お金のIQ(知性)がいくらあっても、お金のEQ、つまり感情指数が低いと失敗する」という――。

※本稿は、本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■今こそ「いざというときの貯金」を生き金にするとき

私たちはお金の教育を受けていません。

多くの人にとって、お金に関する知識といえば、子供の頃から親に言われ続けた次の3原則くらいではないでしょうか。

「無駄遣いするな」
「貯金しろ」
「連帯保証人になるな」

けれども、無駄遣いせず貯金していれば、貧乏にならない代わりに、お金持ちにもなれません。

連帯保証人を頼まれるのは、それまで自分に投資し、信頼される人間関係を築いてきた証拠ともいえます。実際に引き受けるかどうかは別の問題ですが、誰にも何も頼まれない人生より、頼まれる人生のほうが、刺激的でおもしろいのではないでしょうか。

あなたがまだ若く、志があるなら、基本的には貯金するよりも、生き金を使うことです。

特に、この「仕事消滅時代」には、100万円あるなら、そのお金を全部使って、引っ越しや新しいビジネスの立ち上げ準備をするなど、人生を方向転換するための資金にすべきです。

よく「いざというときの貯金」といいますが、今がその「いざというとき」だからです。

■なぜ宝くじが当たっても幸せになれないか

投資をはじめとするお金に関する知識や知恵のことを、私は「お金のIQ(知性)」と呼んでいます。何も考えず、入ってきたお金をなんとなく使ったり、漠然と「もっとお金があったらいいなぁ」と夢見たりしても、人生には何も起こりません。お金持ちになるには、税金の知識やそのほか基本的な経済知識を身につけておくことが大切です。

ただ、いくらお金のIQを高めても、お金で失敗しないというわけではありません。

投資はその最たる例で、いくら勉強しても、実際に取引を始めてみると、なかなか考えた通りにはうまくいかないものです。

株価が上がれば慌てて買いに走ったり、暴落したりすれば今度はショックで損切りさえできずにただ呆然……。いくら頭でわかっているつもりでも、結局、「損をしたくない」という欲や不安、恐怖といった感情に負けてしまうのです。

感動というポジティブな感情は投資のヒントをくれるものですが、自分自身のなかにあるこうしたネガティブな感情は、ときに正常な判断力を奪ってしまうものでもあります。

そこで大切なのが、お金のIQだけでなく「お金のEQ(Emotional Intelligence Quotient)」、つまりお金に対する感情指数を高めていくことです。

かつて私が会計コンサルタントをしていた時代、クライアントに最初にアドバイスしていたのは、お金のIQでした。

ところが、どれだけ資産家になっても、「誰かに盗られるんじゃないか」「近づいてくるのは、お金目当てのヤツばかり」などと、お金を失うことを恐れて人を信じられなくなっていく人もいました。

感情をコントロールできず、感情に振り回されてしまうからです。

海外では、高額宝くじに当選した人が不幸になったというニュースを時々目にしますが、それも、金額の大きさにその人のEQがついていけなかったのが原因です。大金を前に舞い上がって我を忘れるようでは、まだまだお金持ちの器とはいえません。

■お金が入ったときも出ていくときも「ありがとう」

お金が入ってくれば「少ない、まだ足りない、ごまかされた?」と不満を抱き、お金が出ていくときには「高い、また減った、損した、もったいない」と罪悪感や苦々しさでいっぱいになる――。

「お金のEQ(感情指数)」が低いと、そんなふうに、お金の出し入れのたびにいちいちネガティブな感情に襲われます。

お金に対する不満、悲しみ、憎しみ、怒り、失望。これでは、いくらお金を稼ごうが貯めようが、結局、富や幸せには恵まれません。

お金のEQを上げる方法は、こうしたネガティブな感情をポジティブな感情に書き換えていくことです。

では、どうしたらその書き換えができるのでしょう?

答えは、とても簡単です。お金が入ってくるときも出ていくときも、心から「ありがとう」と感謝する。ただそれだけです。

感謝の瞑想ハンドジェスチャー
写真=iStock.com/microgen
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/microgen

もちろんこれは、「ありがとう」と呪文を唱えてさえいれば、翌朝、財布の1万円札が倍になっている、などという話ではありません。

たとえば、何カ月も通い詰めた営業先から、結局契約が取れなかったという場面を想定してみてください。

「あんな客、二度と相手にするか!」

と、ふてくされて背を向ければ、関係はそこ止まりです。

けれど、今回はダメでも会社にとっては大切な顧客と考え、

「話を聞いてくださって、ありがとうございます」

と感謝してつき合いを継続していったとすれば、どうでしょう。相手もその気持ちを意気に感じて、次にはチャンスをくれるかもしれないと思いませんか?

感謝するかしないかで、相手のこちらに対する感情がまるで違ってきます。これが、人間関係のセオリーなのです。

■大金持ちにならなくても、VIP並みの扱いを受けられる

お金に感謝したときも、それと同様の効果が生まれます。

レストランでの会計ひとつとっても、「値段のわりにたいしたことがなかった」と渋々払ったときと、「楽しい時間を過ごさせてもらった。ありがとう」と笑顔で支払ったときとでは、当然、後者のほうが互いに気持ちがいいはずです。

店側から好印象を持たれて、次回はもっといい席に案内してもらえるかもしれません。

ちなみに、このことは払った金額の大小とは関係ありません。

たとえどんなに高いワインの栓を抜いたとしても、店員を見下すような横柄な態度の客には、誰だってサービスしたくないものです。逆に考えれば、べつに大金持ちにならなくても、感謝の気持ちさえあれば、VIP並みに大切な扱いを受けることはできるということです。

私は、これを「ハッピーマネーの法則」と呼んでいます。

もらった給料を「あんなに働いてやったのに、これっぽっち」と恨みがましい気持ちで受け取れば、それはアン・ハッピーマネーです。

けれども「こんなにいただいて、ありがたい」と感謝の気持ちで受け取れば、同じ金額もたちまちハッピーマネーに変わります。働くモチベーションが上がり、周囲の評価も上がるのです。

■上司や会社に不満だらけの役員秘書が生まれ変われたワケ

私のセミナーに参加してくれたある人は、この法則を試してみようと思ったそうです。

本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)
本田健『仕事消滅時代の新しい生き方』(プレジデント社)

彼女は役員秘書をしていましたが、直属の上司や会社の待遇に不満ばかりで、いつ辞めてやろうかとカリカリしていました。

「でも考えてみれば、私は秘書という仕事にもかかわらず、英語もしゃべれないし、何か資格を持っているわけでもないんです」

それに思い当たったら、もっといい人材もいたはずなのに、自分を採用してくれた会社や上司に感謝の気持ちが湧いてきたといいます。

それからは、上司に叱られても「おかげで勉強になりました。ありがとうございます」、残業になっても「仕事を覚えるチャンスをいただきました。ありがとうございます」と、全てをポジティブに変換して、心のなかで「ありがとう」を言い続けました。すると、半年もたたないうちに給料が上がったのだそうです。

感謝の心を持つ人に、お金は集まってくるのです。

これからの人生、ハッピーマネーで生きるか、アン・ハッピーマネーで生きるか。

あなたは、どちらの人生を選びますか?

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本田 健(ほんだ・けん)
作家
神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、現在は「お金と幸せ」をテーマにした講演会やセミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談」は4600万ダウンロードを記録。代表作に『ユダヤ人大富豪の教え』など、著書は150冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。2017年にはアメリカの出版社Simon&Schuster社と契約。初の英語での書き下ろしになる著作『happymoney』をアメリカ、イギリス、オーストラリアで同時刊行。また同作はヨーロッパ、アジア、中南米など、世界25カ以上の国で発売予定。本田健 公式サイト

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(作家 本田 健)

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