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不倫されても離婚しない「瀬戸大也、渡部建、宮崎謙介」妻たちの言い分

プレジデントオンライン / 2020年10月27日 15時15分

競泳の瀬戸と飛び込みの馬淵が挙式・披露宴。囲み取材に応じる瀬戸大也と馬淵優佳=2017年10月1日午後、東京都港区 - 写真=日刊現代/アフロ

■「別れることも頭を過りました。でも…」

最近“不倫太り”する夫婦が目立つように思う。

夫の不倫が週刊誌で報じられると、男は塩垂れて逃げまどうが、妻のほうは泰然自若として夫を許し、かえって夫婦の絆を強めるケースが多いようだ。

最近の例でいえば、瀬戸大也の妻・優佳とアンジャッシュ渡部建の妻・佐々木希がそうではないか。瀬戸は契約していたCMがスポンサーから解約され、日本水泳連盟からも年内活動停止という厳しい処分を下された。だが、元飛び込み選手だった妻の優佳は、発覚後、瀬戸と一緒に直筆の謝罪文を出し、その後、心境をこう語っている。

「今回の(週刊新潮の=筆者注)報道が出た時、もちろん別れることも頭を過りました。でもあまりのタイミングに、途中から『神様が私たちを試してるんじゃないかな?』と思い始めたんですよね。これは『瀬戸大也は一度どん底に落ちないと変われない』というメッセージなのだろうと。

人間である以上、誰だって失敗はします。大事なのは、その失敗から何を学ぶか。結婚式で『病める時も健やかなる時も』と誓った以上、私自身この騒動を経た彼がどう変わるか見届けてからじゃないと離れられない。(中略)まずはしっかり夫婦で向き合って、それから判断しても遅くはない。そもそも私は、そんなゆるい覚悟で結婚したわけじゃありません」(FRaU「瀬戸大也選手の妻・優佳さん『このままでは家庭が壊れてしまうかもと思っていました』」より)

現代版山内一豊の妻である。

■「多目的トイレ不倫」の渡部建はいま

渡部の妻で女優の佐々木希も、報道後に自分のインスタグラムに謝罪文を出しているが、週刊文春(6月25日号)によれば、

「佐々木の事務所関係者が明かす。
ちょっと意外かもしれませんが、元々家庭内では渡部さんの方が立場は上。佐々木さんの方が渡部さんをリスペクトしているのです。この騒動の間、彼女は『夫が憔悴しているのでずっと一緒にいます』と付きっ切りの状態。彼女を心配する知人には『私が彼を立ち直らせる』と気丈に振る舞っている。すでに彼女は『離婚しない』という決断を下しています」

一方の夫・渡部のほうは10月16日発売のフライデーが、愛犬3匹と散歩をしている姿を掲載しているが、帽子をかぶってはいたが白髪交じりのボサボサの髪だったという。

芸能界復帰については「僕が戻りたくてもねぇ……周りの皆さんがどう思うかですから」と語って去っていったそうだ。「多目的トイレ不倫」という、お笑い芸人には致命的ともいえる“肩書”が彼の後ろ姿に張り付き、哀れさえ催す。

2人には“出来過ぎた妻”だと思うが、夫たちにとって本当のいばらの道はこれから始まるのである。私のささやかな経験から見ても、妻はこのことを一生忘れてくれはしないからだ。

何年経っても、テレビや週刊誌で不倫報道を見れば、瞬時に夫の不倫が甦り、態度は急変して、「あの時あなたはあの女と」と怒り出すのである。そういうときは頭をうなだれ、嵐が過ぎるのを待つしかない。

もちろん、2人のような包容力のある妻ばかりではない。

■「同じ地獄を見せたい」と息巻いた貴城けい

女優・鈴木杏樹と密かに情を通じていたことがバレた夫の俳優・喜多村緑郎に対して、宝塚の元トップスターだった妻・貴城けいの怒りは苛烈を極めたようだ。週刊文春(5月7・14日号)によれば、

「彼女は知人に対し、次のようにぶちまけていた。
『あの人(杏樹のこと)は芸能界で清純派や癒し系と言われていますけど、夫を寝取った。物事の順序を守れないのは純愛じゃなくて自己愛でしょう』
貴城は身内に対して、『(杏樹に=筆者注)私と同じ地獄を見せたい』とまで語っていた」という。その理由は、

「普段、喜多村さんは和食を好み、貴城さんが好きなイタリアンレストランなどには行こうとしなかった。でも、今回、杏樹さんとは複数回、千葉県内のイタリアンで食事をしたことが発覚し、彼女は絶望していました。また今となってみれば夫の言動に不審な点もあったそうです。彼は制作発表会や記者会見の日などを除き、1年のうち99%はジャージ姿。『ジーパンに革のジャンパーで出かけた日はあの人とのデートに違いない』と話していました」(貴城の知人)

喜多村のこれからの夫婦生活も苛烈を極めるに違いない。

しかし、このように曲がりなりにも元の鞘に収まるケースばかりではないこと、いうまでもない。

夜景を背景に向かい合う男女の手
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

■不倫発覚で強くたくましくなるようだ

年下の女優と不倫していた俳優の東出昌大は、妻子の元へ戻りたいと、何度も妻の杏に頭を下げ許しを乞うたが、杏は頑として許さなかった。

私は、杏の娘時代に父親・渡辺謙の女性問題で泣かされたことが背景にあると思う。そんな家庭に嫌気がさし、それとは違う平凡で波風の立たない穏やかな結婚生活を望んでいた彼女は、夫の裏切りが、自分の人生を全否定されたように思えたのではないか。

彼女は決然として離婚した。

5人の女性と不倫していたと報じられた『五体不満足』の乙武洋匡は、報道後に妻と一緒に謝罪文を出して、いったんは鞘に収まったかに見えた。

だが、報じられているところによると、乙武自身が不貞行為を繰り返してきた加害者であるにも関わらず、被害者である仁美さんに辛く当たり続けたことなどがあって、妻のほうから離婚を持ち出されてしまったというのである。

不倫夫としての分をわきまえない振る舞いが、妻の怒りを買ったのだろう。

こうして見てみると、不倫した夫はうなだれて家の中に逃げ込んでしまうケースが多いが、妻たちは不倫発覚をきっかけに強くたくましくなるようだ。

そこで思い出したのは、世界人権宣言の起草者として名高い、32代アメリカ大統領ルーズベルトの妻・エレノア・ルーズベルトのこの言葉である。

「女はティーバッグみたいなもの。熱湯につけられてはじめて、その強さに気づくのです」

男は逆境に弱いが、女は逆境になればなるほど、その強さを増すのである。男の本質は、ウソつきで偽善者で小心者だと相場が決まっている。それを隠すために肩書や権力を欲しがるのである。

だが、そのメッキが剥がれ、生身の自分が晒されたとき、男は醜態をさらけ出し、逃げ惑い、妻のスカートの下に隠れようとするのである。

■不倫報道を機にテレビの売れっ子に

ところで近頃、金子恵美という元衆院議員をテレビで見ることが多くなった。現役時代、美形の代議士として有名だったが、彼女の名前を日本全国津々浦々まで知らしめたのは、夫の宮崎謙介元衆院議員であった。

2016年、宮崎議員(当時)は、妻の金子恵美が第一子出産間近というとき、男性国会議員として初の育児休暇取得を宣言して注目された。

その“イクメン”議員が、妻が出産で入院しているのに、選挙区である京都へ行って、自宅マンションに女性タレントを引っ張り込み、不倫していたことを週刊文春に報じられてしまったのである。

診療室の空の病床
写真=iStock.com/LightFieldStudios
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/LightFieldStudios

国会に報道陣が大挙して押し寄せたが、逃げ続けた宮崎議員は、ようやく記者会見に応じ、「欲が勝ってしまった」と不倫を認め議員辞職を表明した。

宮崎はバツイチであった。2006年に加藤紘一元官房長官の娘・加藤鮎子衆院議員と結婚している。だが、わずか3年後に離婚したのは、やはり宮崎の女性関係が原因だったと報じられた。

妻の出産中に不貞を働く夫を、妻の金子恵美は許すはずはない。彼女は宮崎を捨てるだろうと周囲の人間は見ていたが、恵美は「離婚はしない」といい続けた。

その後、恵美も落選し、捲土重来を期さずに、テレビに出始めたのである。特に恵美のほうは、ワイドショーのコメンテーターとして売れっ子になり、自らの不倫騒動にも嫌がることなく答えるタレントとして活躍している。

■「女性関係か。そっち方面の話か」

その彼女が、このほど『許すチカラ』(集英社)を上梓した。その中で、夫から不倫を打ち明けられたときのこと、なぜ自分が夫を許し、離婚しなかったのかについて、かなり赤裸々に書いている。

宮崎から、週刊文春に自分の不倫のことが出ると聞かされたのは、彼女が子どもを生んだその夜だった。

夜遅く病院へやってきた宮崎は、「顔が青白く、生気がまったくない」。彼女が心配して質問しても要領を得ない。そんなやり取りが2時間ぐらい続いた後、宮崎の口から、「じつは週刊誌に載ります」といわれたというのである。

その日の少し前から、週刊文春に不倫の件で尋ねられていたのだが、その日も文春から連絡があり、宮崎は東京へ戻って件の女性に電話をかけたそうだ。すべてを報道されると知った宮崎は、「終わった」と思い、病院へ入る前に「トラックに飛び込んで自殺しようとしたそうです」(『許すチカラ』)

夫が死のうとまで思い詰めているのに、妻のほうは、「そのときの私の率直な感想は、『ふうん、そうなんだ』というものでした」(同)と至極冷静である。

「そのとき私がもっとも恐れたのは、金銭問題や薬物問題といった刑法に抵触することでした。(中略)意外に思われるかもしれませんが、正直、私の場合は、『女性関係か。そっち方面の話か』という一種の安堵に近い感情でした」(同)

■憲政史上初の「不倫で辞職」した国会議員になった

彼女は「隠さずに、あったことをすべて話して」といい、数時間にわたって一部始終を聞いたという。疲れ切った彼女が思ったのは、夫が私を裏切ったという怒りではなく、「議員としてなんてことをしてしまったのだ」という思いだったという。

このへんは議員夫婦という特殊な立場もあり、自分の進退にも関わってくるかもしれないと考えたのだろう。

精神的に不安定になっている夫をおいて、彼の秘書と報道後の打ち合わせをする。だが、辞職を決断したのは宮崎本人だったそうだ。記者会見に臨む前夜、入念にリハーサルをした。会見に向かう夫に、「洗いざらい嘘偽りなく話しなさい。質問にはすべて回答しなさい」といって送り出したという。

その後宮崎は、辞職を承認される衆議院本会議にも出席した。憲政史上初の「不倫で辞職」した国会議員として後世に名を残したのである。

しかし、「宮崎は精神的にはいつも不安定で、目の離せない状況が続きました。(中略)ともすると議員宿舎から飛び降りるのではないかと心配になる様子のときもあったので、誰かが彼を見ていなければならない状況でした」(同)

それでも少しすると企業の経営コンサルタントの仕事を再開し、テレビにも2人で出るようになる。不倫で辞任した元議員と、それを支え続ける美人妻というのは、テレビにとって願ってもない利用価値のある存在であるはずだ。

■なぜ彼女は不倫夫と離婚しないのか

彼女は、夫はヴィンテージものの家具だと考えたらいいという。長く使えば使うほど味が出る、傷も含めて味だというのである。

「金銭面とか、女性関係とか、それぞれ家庭内には問題があると思いますが、傷を楽しむぐらいの余裕があるといい」

いまだからいえることなのかもしれない。それが証拠に、

「宮崎の騒動を経験したあとだからというのもありますが、まず生きていくうえで大切なのは、やはり困難を乗り越える強さではないでしょうか」と、同じ境遇にいる女性が聞いたら、「あんたにいわれたくない」と怒られそうなことを書いている。

この本を読んでいて、なるほどと思ったのは、夫に毎日、日記を書かせ、それを彼女が読むというところだ。

机の上にノートとコーヒー
写真=iStock.com/xijian
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/xijian

「心から書いている日記であり反省文だと思いました。彼の記したひと言ひと言が、私の心にとても刺さったのです」(同)

そして彼女は、別れない理由をこう書いている。

「宮崎は浮気をしたけれど、反省し、生き方を変えると言ってくれました。彼は結婚しようと私が選んだ相手であり、そもそも人は誰しも完璧ではないのだから、私自身は彼を信じ、許し、守って、一緒に歩んでいこうと決めたのです」

昔流行した言葉に「反省は猿でもする」というのがあったな。

■長い人生には多少の波風は立つものだ

金子恵美は、毎週のように他人の不倫を暴く週刊誌への批判や、それを無批判に受け入れて、その人間を指弾する社会の風潮への疑問も投げかけている。

いわんとするところはわかるが、週刊誌屋稼業だった私にいわせれば、面白いネタがあればどこへでもすっ飛んでいくのが週刊誌である。社会の不正を正そうなどという高邁(こうまい)な考えなど毛頭ない。理屈は後から貨車でついてくるのである。

彼女は今「不倫」についてもフランクに話せる元議員としてテレビに出ている。夫に不倫されて売れっ子になったのは、彼女が初めてではないか。

議員時代より収入が増え、別荘を購入したとも報じられている。あの時別れなくてよかったと、毎夜2人で乾杯しているかもしれない。

このように、幸福な家庭はどれも似たものだが、夫が不倫した家庭はそれぞれ違うのである。

私は個人的には、家庭は少し不幸なぐらいがいいと思っている。どんなに平凡に暮らしていても長い人生には多少の波風は立つものだ。

それが人生に彩を添える。決定的な破局に至らなければ、それを経験するのも一興。ここで見てきた、心優しくたくましい妻たちは、それをよく知っているのであろう。(文中敬称略)

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198630283/presidentjp-22" target="_blank">編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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(ジャーナリスト 元木 昌彦)

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