収入が激減しても、上司が無能すぎても、前向きでいる人は何が違うのか
プレジデントオンライン / 2020年11月2日 8時15分
■「他人のせい」にするのをやめる
逆境にぶつかったときに心が折れることなく前に進める人は、何が違うのでしょうか。私自身が周囲の富裕層から学んだマインドをご紹介します。
強いメンタルをもっている人は、「人生はすべて自己責任である」という前提で生きています。そもそも他人や会社や政府や社会のせいにしたこところで、その人たちが何かしてくれるわけではありません。むしろ期待し依存したら、期待とは違ったとき、裏切られたときに腹が立つでしょう。それに、自分の人生が自分で変えられないとしたら、希望が持てないですよね。
もちろん、思いがけず病気になったり、あるいは車で後ろから追突されたり、暴漢に襲われたりということまで自己責任だと言うわけではありません。
病気・事件・事故など、やむを得ない事情は別として、どんなことが起こっても、自分の状況はすべて自分の責任であるという認識を持つことです。
たとえば、会社が激務でしんどいという人でも、履歴書を送って面接を受け、そこに入社を決めたのは本人。誰かが勝手に自分の履歴書を送ったわけでも、代理で面接を受けてくれたわけでもない。
だから、もちろん辞めるのも本人の自由、転職するのも本人の自由。誰も止めることはできない。
つまり目の前の出来事も状況も、本人が自由に選んだ結果であり、未来も自由に選べるのです。
■経営が悪化し収入がゼロになったことも……
貧困で不平不満をこぼす人もいます。もちろんお金がなければできることが限られるので不便ではありますが、それで発奮するかクサるかは、本人の自由であり、自己責任です。
「やむを得ず、低賃金で不安定な仕事に就かざるを得なかっただけだ」という主張もありますが、ならばそうではない会社に選ばれる能力を磨けばいい。
「チャンスがなかった」という人は大きな勘違いをしていて、たとえば図書館に行けば最新のビジネス書や専門書もあってタダで勉強できるし、世界のトップ大学の講義もオンラインで無料公開されています。だから大学に行けなかったから教養や専門知識が身に付かないということもありません。
私もかつて経営していた会社の業績が悪化し、自分の給料すら払えなくなり、家賃5万円のボロアパートに引っ越したことがあります。
それでも、たとえば近所の安い焼き鳥屋を見つけて喜んだり、コーヒーおかわり自由のカフェで何時間も居座ったり、それなりに楽しくやっていました。
お金もなく住んでいる家も貧しいけれど、「なんとかなるさ」という希望を持っていれば、人生はお気楽なものです。
つまり、貧しいこと自体が問題なのではなく、自分よりも豊かな他人と比較し、貧しい状態の自分を悲観してしまうことに問題があるように思います。
そういうと、「希望が持てない社会が問題なんだ」「未来に希望が持てないからだ」という人が現れますが、希望とは誰かに与えられるものではありません。
自分が希望を持てば、自分の人生は明るくなる。自分が希望を捨てれば、自分の人生も暗くなる。それはどちらも正しい。つまり、自分はどちらの人生を志向するのか、という自由選択に過ぎないのです。
■上司が無能すぎてモチベーションが上がらない人の残念さ
自己責任論とは、文字通り自分の人生に責任を持つことです。
他人を見下すとか社会的弱者を突き放すことではなく、「自分で決める、その結果は受け入れる」という覚悟を持つことです。他人に決めてもらうと、その結果が望ましくないときに不満となります。
だから決定権は他人には譲らない。自分で考えて決めることです。そういう強固な自己責任は、他人や環境や社会の事象からのマイナスの影響を極力受けないように工夫することにもつながります。他人に依存するのをやめれば、自ら何とかしようと考え対策を練ることにつながるからです。仮にマイナスの影響を受けたとしても、それを自力で修正・改善する意思につながるからです。
たとえば、「上司が無能すぎてモチベーションが上がらない」と嘆く人がいます。
しかし、他人に自分のモチベーションが左右されるのはつまらないと思いませんか。「無能すぎる上司」のために、自分のやる気が損なわれるのは悔しくないでしょうか。
それに、他人が有能でないとやる気が出ないなんて、ずいぶんと守備範囲の狭いモチベーションしか持っていないなと思いませんか。
■悩まない人になるために必要なこと
彼らが無能なら、有能な自分がサポートすればいい。ダメダメな指示ばかり出すなら、対案を提示してみる。理解してもらえないなら、どうすれば理解してもらえるか知恵を絞る。それでも無理なら、自ら実際に成功事例を作る。成果を突き付ければ、周囲の考えも変わるかもしれない。それでもダメなら転職すればいい。ダメな会社に居続けることは人生の無駄遣いです。
![オフィスで打ち合わせ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/8/4/670/img_8456b828fbfa53c84695bd7507a830b1394601.jpg)
そうやって自己責任を貫けば、自分の身に起こるさまざまな方面で予測し、想像し、備えようとするはずです。仮に問題が起こっても、「どうすれば解決できるか」という発想で打ち手を考え、行動しようとするはずです。
他人のせいにする人は、そこまで考えないし想像もしないし備えもしない。それで何か問題が起こったら自分の不幸を嘆くだけ。こんな窮屈な人生はないでしょう。
だから私は、悩まない人間になり、幸福な人生を手に入れるには、「自己責任意識」が非常に重要だと考えているのです。
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米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。大学卒業後、東京都内の会計事務所にて企業の税務・会計支援業務に従事。大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。現在は不動産投資コンサルティングを手がけるかたわら、資産運用やビジネススキルに関するセミナー、講演で活躍。『捨てるべき40の「悪い」習慣』『「いい人」をやめれば、人生はうまくいく』(ともに日本実業出版社)など著書多数。
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(米国公認会計士 午堂 登紀雄)
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