世界が注目、インフルエンザ予防のために毎朝食べたい食材とは
プレジデントオンライン / 2020年11月4日 11時15分
■肥満防止や腸の健康をサポートするピーナッツ
ピーナッツの健康効果が世界的に注目されたのは、2002年にアメリカのハーバード大学で行われた、ピーナッツとBMIとの関係を調べた研究だ。その結果、ピーナッツやナッツを1週間に1度も食べない人と、週5回以上食べる人では、BMI値が1.4も違うことがわかった。(図表1)これは身長170cmの人で、体重が4kgも違うことになる。つまり、ピーナッツを毎日食べることが、肥満防止につながるのだ。
![ピーナッツ・ナッツを食べる頻度とBMIとの関連](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/600/img_f27c1f33b5e65eb2670a819baadc3e7e268923.jpg)
また、ピーナッツは食物繊維の宝庫であり、ゴボウと比較すると2倍以上、ニンジン、サトイモなどほかの根菜類よりも多くの不溶性食物繊維が含まれている。
実は日本人の食物繊維の摂取量は世界最低レベル。世界の多くの国では、食物繊維の1日の摂取量が20~80gであるのに対し、日本人の1日の摂取量は15g以下しかない。また、ある研究結果では、食物繊維をもっとも摂っている女性に比べて、もっとも摂っていない女性は大腸がんのリスクが2.3倍も増えることがわかっている。しかも、これは女性のみに当てはまること。女性はもともと便秘になりがちなので、日ごろから食物繊維を意識して摂り、腸を健康に保つことが大切といえる。
さらに、ピーナッツに含まれる食物繊維には、「血糖値スパイク」と呼ばれる、食後の血糖値の急上昇を抑える効果もある。ピーナッツを食べて食物繊維を摂取することは、腸の病気を防ぐだけでなく、血糖値コントロールにも役立つのだ。
加えて、血管の善玉コレステロール値を上げ、悪玉コレステロール値を下げて血管を守るとされ、日本人の死因の第3位である心臓・血管の病気のリスクを40%以上減らすともいわれている。また、脳の血管を広げ、脳の認知機能を維持・サポートする効果も。つまり、ピーナッツは超長寿社会に生きる日本人が、年齢を重ねても健やかに過ごすための栄養が詰まった食品の一つといえる。
![ピーナッツ](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/1/670/img_110b01a7a7341fce89eb6f805628152b901820.jpg)
■ピーナッツバターで体のサビ付きやインフルエンザを予防
ピーナッツはポリフェノールが豊富で、抗酸化作用があることもわかっている。私たちの体は、偏った食事や不規則な生活、精神的ストレスなどによって活性酸素やフリーラジカルが過剰につくられることで酸化していくが、これを防ぐには、抗酸化作用のある食品を摂ることが重要だ。研究によると、私たちの体は午前中に酸化しやすいことが明らかになっている。そのため、午後の酸化ストレスに備えて、朝食の時間に抗酸化作用のあるピーナッツを摂取するといいだろう。
さらに、ピーナッツに含まれるポリフェノールは、加熱することで量が増える。ピーナッツそのものよりピーナッツバターを使えば、そのまま調味料として炒め物や煮物などに加えるなど簡単に加熱できるのでおすすめだ。
また、これから冬にかけて、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪などの感染症が気になる時季。ピーナッツの薄皮には、インフルエンザの活性を抑え込む成分が含まれている(図表2)。そのため、薄皮までペースト状にしたピーナッツバターには、インフルエンザウイルスから体を守ってくれる働きがある。ただし、FDA(米国食品医薬品局)が定める「ピーナッツバター」とは、原料にピーナッツが90%以上使用されているもののみを指し、加糖したもの、薄皮をむいてペーストしたものは含まれないので注意したい。
![ピーナッツ薄皮抽出物のインフルエンザウイルスに対する効果](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/600/img_b7ffeb906181bc55adfd55e8e9101f6a264781.jpg)
■朝食にピッタリ! ピーナッツバターレシピ
薄皮まで含まれ、ピーナッツの健康効果を余すところなく摂取できるピーナッツバターは、もっとも効果的な朝に摂取したいもの。しかし、パンに塗るなど食べ方がマンネリになりがちな人も多いだろう。そこで、料理家の浜内千波さんが考案した、ピーナッツバターを使った朝食レシピを紹介しよう。
![ヨーグルトピーナッツバター](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/9/670/img_39ed81bd591bda34acf3431683013f94890203.jpg)
【ヨーグルトピーナッツバター】
ヨーグルトは、たんぱく質やカルシウムを含むうえ、腸内環境を整える働きもある。砂糖やジャム、ハチミツを加えて食べる人も多いが、その3つに比べ、ピーナッツバターは血糖値の上昇度を示すGI値が低く、ヨーグルトの酸味もやわらげてくれる。混ぜるだけで完成するので、忙しい朝におすすめだ。
・ヨーグルト100g
・ピーナッツバター 大さじ山盛り1程度
①ヨーグルトにピーナッツバターを入れて混ぜる。お好みでフルーツを加えても。
![ピーナッツバターライス](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/c/2/670/img_c22929ab71b3499589eab393d0e5916b652103.jpg)
【ピーナッツバターライス】
ピーナッツに含まれる栄養素に加え、炭水化物、脂質(不飽和脂肪酸)、たんぱく質という三大栄養素が摂れるメニュー。ご飯がチャーハンのようにパラパラになって食べやすく、ピーナッツバターがコクとうま味をプラス。半熟卵は前夜につくっておくと、翌朝すぐに使えて便利だ(ゆで卵をつくり置きする場合は、冷蔵保存かつ2、3日以内で消費を)。
・ご飯150g
・ピーナッツバター 大さじ1
・卵 1個
・塩 小さじ4分の1
・コショウ 適宜
・ケチャップ 適宜
①半熟卵をつくる。小鍋の底にキッチンペーパーを敷き、卵を入れる。水を大さじ2~3杯入れてふたをし、中火にかける。卵の数が増えても、水は同量でOK。
②沸騰して湯気が出てきたら弱火にする。5分したら火を止めて卵を水にとり、殻をむく。半熟卵の場合は5分、完熟卵の場合は10分を目安にして。
③温かいご飯にピーナッツバター、塩、コショウを入れて混ぜる。
④ ③を皿に盛りつけたら半熟卵をのせ、お好みでケチャップをかけ、黒コショウをふる。お好みで野菜などを加えても◎。
手軽につくれて、ピーナッツの栄養がしっかり摂れるピーナッツバターの朝食レシピ。毎朝の習慣にすることで心身がしっかりと目覚め、健康かつ前向きな1日をサポートしてくれる。
(籔 智子)
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