1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「家を買うなら2022年、29年、34年がベスト」プロが教える底値の法則

プレジデントオンライン / 2020年11月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fatido

お金持ちはなぜお金持ちになれたのか。青山学院大学大学院で会計学を教える榊原正幸教授は、「明治・昭和時代に“蓄財の神様”と呼ばれた本多静六さんの教えを学ぶべき。月給の25%を貯金、株や不動産や底値で買う、など現代にも通じる法則がある」という――。

*本稿は、榊原正幸『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■今こそ見習うべき「蓄財の神様」のお金持ちになる法則

住まいについては、一家の主であれば一度は検討する人生の課題です。自宅用のマンションでも一戸建てでもいいので、以下では「自宅用の居住用財産」と書きます。

世の中には「自宅用の居住用財産なんか買わないほうがいい」という「賃貸派」も一定数はいますし、最近の風潮では「所有から使用へ。シェアリング・エコノミー」ということで、この賃貸派が増えていますが、「自宅用の居住用財産なんか買わなければいい!」といってしまうと話が終わってしまうので、ここでは賃貸派ではなく、「購入派」を前提に考えていきます。

このことに関する結論を述べる前に、「本多静六式蓄財法」について、ご紹介したいと思います。

本多静六氏(1866-1952)は明治から昭和にかけて活躍した林学者です。東京帝国大学の教授を務め上げるかたわらで、株式投資と不動産投資で巨万の富を築き上げた「日本の蓄財の神様」です。定年時には現在の価値でいうと数十億円規模の財産を築き上げながら、そのほぼ全財産を教育関係や公共の関係機関に寄付したという奇特な名士です。

その本多静六氏が「蓄財の秘訣」を伝授してくださっています。それは、簡潔にまとめると次のようなものです。

「定期的な収入の4分の1と臨時的な収入の全額を蓄財しなさい。そして、底値になった株または不動産に投資しなさい」

たったこれだけで、本多静六氏は莫大な財産を築き上げたのです。

■給与の25%を蓄財せよ、お金持ちになるための月給分配の絶対比率

この言葉を会社員に当てはめます。

「毎月の給与の4分の1とボーナスの全額を蓄財しましょう。そして、底値になった株または不動産に投資しましょう」

ということになります。これで、定年までには充分な財産が形成できるというわけです。

そこで本題に戻ります。

給与の4分の1というと給与の25%です。その25%のうちの5分の2である給与の10%を自宅用の居住用財産の頭金のために蓄財します。また、給与の10%を株式投資の資金として蓄財し、給与の残りの5%を子供の学費の積み立てなどのために蓄財すればいいと思います(※)

※編註:例えば、手取り月収が30万円の場合、居住用財産の頭金に3万円、株式投資資金に3万円、教育費に1万5000円。残り22万5000円を家賃、食費、水道光熱費などに充てる。

ロールした札束
写真=iStock.com/rakoptonLPN
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/rakoptonLPN

「臨時的な収入の全額」は予備費としてためておきますが、これも臨時的な支出がなければ、自宅用の居住用財産または株式投資のための資金に充当すればいいでしょう。

要するに、給与の4分の1とボーナスの全額を蓄財して、(底値になった)株または不動産に投資すればいいのです。子供の教育というのは、非常に有益な投資ですから、そのためにも給与の5%を蓄財します。

すなわち、給与の25%を蓄財し、

・給与の10%を自宅用の居住用財産の頭金のために←「マイホーム・ファンド」
・給与の10%を株式投資の資金として←「自分ファンド」
・給与の5%を子供の教育資金として←「子供の教育ファンド」

に、それぞれ蓄財します。

なお、自宅用の居住用財産は頭金がたまったら、ローンで買えばいいでしょう。そのローンの支払額は、それまで払っていた家賃と同じか、それ以下にしておけば生活費の中から支払えます。

■不動産は「底値で買うべき」。2022年、29年、34年が狙い目

本多静六氏は、「底値になった(株または)不動産に投資しなさい」といっています。自宅用の居住用財産を買うのも、原則として「底値になった不動産に投資」する感覚で、相場が安い時の中古の不動産を買うというのが理想です。

タワーマンション
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/y-studio

2020年3月において「コロナショック」が発生しており、東京オリンピックも2021年の夏には終わります(中止になるという説も出ていますが)。

ですから、2022年には不動産価格が底値圏になる可能性があります。その時が自宅用の居住用財産を買うチャンスです。

榊原正幸『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)
榊原正幸『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)

また、2022年にはまだお金がたまっていないという人は、それからまた7年後か、遅くても12年後に買いのチャンスがやって来るでしょう。日本の不動産価格はおよそ7年または12年の周期で安くなっています。日本の不動産価格は2003年と2010年が底値(7年周期)で、2022年にも底値になるでしょう(12年周期)。ということは、次は2029年とか2034年にも買いのチャンスは巡ってくるのではないかと考えられます。

それこそ、日本はこれからずっと低成長が続くでしょうから、株や不動産の価格は「ボックス圏相場」といって、安値と高値を行ったり来たりすることが予想されます。

特に不動産価格は、日本経済が明らかにインフレになるか、よほど大きな生産性革命でもない限りは、緩やかな右肩下がりのボックス圏相場になることが予想されます。総人口と生産年齢人口が減り続けるからです。ですから、7年とか12年といった長期のスパンで蓄財しておけば、不動産(自宅用の居住用財産)を底値で買うチャンスをつかむことができると予想できます。

なお、強いインフレになった場合には表面的な価格は上がりますが、実質的な購買力で計算し直せば、やはり安値と高値を行き来するはずです。

----------

榊原 正幸(さかきばら・まさゆき)
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授 会計学博士
学生時代から株式投資を始めるも、知識不足のため大きな損失を出す。その反省から、自身の研究内容を踏まえた科学的な投資法を追求し、継続的に大きな成果を上げるようになる。ビジネススクールで教鞭を取るかたわら、ファイナンシャル教育の普及活動を続けている。 シリーズ10万部突破の『株式投資「必勝ゼミ」』(PHP研究所)の他、『現役大学教授が実践している堅実で科学的な株式投資法』(PHP研究所)、『会計の得する知識と株式投資の必勝法』(税務経理協会)など、著書多数。

----------

(青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授 会計学博士 榊原 正幸)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください