「外食代の節約10年で755万円」1億円貯めた女性が毎日食べているもの
プレジデントオンライン / 2020年11月17日 6時15分
■がんばって働くほど貯まらないジレンマ
食費を節約したいとは思いつつ、なかなか実行できないのが現実。とくに仕事が忙しいと、自炊する時間も気力もなくなってしまい、つい、外食の回数が増えてしまう。
しかも、栄養バランスを考えて、「少しいいもの」を食べようと思えば、1回の予算は1000円前後になってしまうだろう。気が付けば、エンゲル係数が高くなって、なかなか貯蓄ができない。
結局、「がんばって働くほど貯蓄ができない」というジレンマに陥ってしまうわけだが、1億円貯める女性はどう解決しているのか。
ファイナンシャル・プランナーの藤川さんによると、お金持ちが外食するときに気にしているのは「予算を守ること」という。
■お金持ちの外食予算は1回500円
「ランチ1回の予算は500円程度に設定している人が多いですね。日常的にランチで700円、800円を使う人はあまり見たことがありません」
600円のときがあれば400円のときもあるが、平均して500円程度に収まるようにしているという。実は藤川さん自身も、ランチ代の平均は500円。
「今日も松屋でお昼を食べましたが、ファストフードなら500円の予算で十分に満足できます。実はダイエットにもいいですよ」
■外食代を節約すれば10年で755万円貯まる
ファストフードが「ダイエットにいい」とは意外だが、その理由を説明する前に、一般的に食費にどの程度のお金をかけているのか、家計事情をチェックしておこう。
【図表1】は2人以上の世帯の食費を総務省統計局「家計調査」(2019年)で見たもの。年収「500万~550万円」、「1000万~1250万円」、「1500万円以上」の世帯を抜き出しているが、エンゲル係数は20%台だ。
エンゲル係数とは、商品やサービスを購入するための支出(消費支出)に占める食費の割合のこと。年収が増えるほど、エンゲル係数は低くなる傾向にはあるが、それほど大きな差はない。つまり、年収が増えるにしたがって、食費も増えていることになる。
実際に年収500万~550万円の世帯の1カ月の食費は約7万2000円だが、年収1500万円以上の世帯では月12万6000円だ。その差は月5万4000円に上る。
内訳を見ると、「年収1500万円以上」の世帯では、自炊や中食の比率が下がり、外食の比率が上がっている。お金に余裕ができると、「忙しいから」と、外食する機会が増えたり、「ちょっといいものを」とぜいたくをしてしまっているのかもしれない。
一方で、1億円貯められる女性は、年収が上がっても食費はできるだけ増やさないように工夫している。仮に月5万4000円の差額を積立投資に回して、年利回り3%で運用できれば、10年後には755万円が確保できる。食費の工夫だけで、これだけの資産ができるのは大きい。
■粗食があってこそのご馳走
さて、ファストフードがなぜダイエットにいいのか。それは、カロリーや栄養成分が明確に表示されていることが多いからだ。店舗のメニューやサイトで確認できる。
「今日のランチは900キロカロリー程度でしたが、ちょっといいものを食べると1000キロカロリーを超えてしまいます」と藤川さん。
ファストフードにも高カロリーの食事は多いが、それは食べなければいい。いいものであればカロリーだけでなく値段も高い。予算500円の外食は、財布にも体にも優しいわけだ。
お金持ちは、価格とカロリーをきっちり把握した店舗をいくつかお気に入りにして、ルーティンで利用する。新しい店を発掘しようという気持ちはない。お金持ち女子には昼食は毎日お弁当を作る人も多い。前日の夕食の残りなどを有効活用して手間を省きつつお弁当を作っている。
お金持ちはなぜそこまで徹底できるのか。
「粗食があってこそのご馳走です。メリハリをつけることで喜びも大きくなります。お金が貯まらない人は、日常的に『ちょっといいもの』を食べているため、そのありがたさに気づいていない人が多い。これはもったいないですね」
日ごろの外食の予算を500円にしているからこそ、余裕があるときに少しぜいたくをするのが、大きな喜びにつながるというわけだ。
前述のように、年収が高くなると、それに合わせて食費も上がっていく。外食が増えたり、「少しいいもの」を食べたりする機会が増えるだろうが、普段からぜいたくな食事をしていると、徐々に喜びも薄れてしまう。食費がかさむだけで、喜びは感じにくくなってしまうのだ。
■業務用スーパーで粗食用の食材を買う
日ごろは粗食を貫き、時間とお金に余裕のあるときにごちそうを楽しむ。それがお金持ちの食事スタイルだ。
藤川さん自身は、家族でダイエットに取り組むようになったのをきっかけにして、粗食を実践するようになったという。
「業務用スーパーなどで粗食用の食材を買って、週の半分くらいはそれで済ませています。1人1食100~300円くらいでできますね」
食費が抑えられるだけでなく、買うものや買う場所を決めておくことで、時間の節約にもなる。藤川さんがよく買うのは、パスタや缶詰など。消費期限が長いので災害への備えとしても有効だ。
■お金持ちにとって、コンビニは怖い場所
1億円貯められる女性は、安さを追求することに情熱を持っている。保存の利く食材は安売り店でまとめ買いし、肉や魚などの生鮮食料品は仕事帰りにスーパーに立ち寄って、半額になっているものを買う。通勤途中にあるスーパーマーケットに立ち寄る習慣をつけておけば、時間もかからないし、割引で買えるコツもつかめるだろう。
仕事で疲れたからといっても、コンビニエンスストアで割高な食品を買ったりしないわけだ。
「お金持ちの中には、コンビニなんて怖いから近寄らない、という人さえいます」
コンビニエンスストアは、データを基にさまざまなマーケティング手法を用いて、品ぞろえや陳列に「買いたい」と思わせる工夫を施している。店舗に行ってしまうと、そうした誘惑に負けそうになるから、そもそも足を踏み入れないようにしているというのだ。
「ただ、コンビニのお弁当はきちんとカロリー表示されていますから、ダイエットにはいいと思いますけど」
コンビニエンスストアに近寄らないというのは極端だが、いかに食費を安くするか、徹底的にこだわることが資産1億円への近道といえそうだ。
(ライター 向山 勇)
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