1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

駐日大使に「反日のかたまり」を送り込んでくる文在寅大統領の頭の中

プレジデントオンライン / 2020年12月14日 18時15分

安倍晋三首相(当時)を表敬に訪れた姜昌一韓日議連会長(中央)=2017年7月21日、首相官邸 - 写真=時事通信フォト

■東京大学で東洋史学の博士号を取得した歴史学者

韓国大統領府は11月23日、次の駐日大使に姜昌一(カン・チャンイル)氏(68)を内定した、と発表した。昨年5月に駐日大使となった南官杓(ナム・グァンピョ)大使は1年半での退任となる。

姜氏は韓日議員連盟の前会長で、現在は名誉会長を務めている。東京大学で東洋史学を専攻して博士号を取得した歴史学者で、日本史にも詳しい。革新系与党の「共に民主党」に所属し、2020年5月まで国会議員を4期務めた。議連の活動などを通じ日本の政界にも人脈があり、頻繁に来日しては安倍晋三前首相らと会談を重ねていた。

旧朝鮮半島出身労働者の元徴用工の訴訟問題が2年以上も解決されず、日韓関係はかなり冷え込んでいる。

姜氏の起用について大統領府の報道官は記者会見で「経験と専門性、長年のネットワークによって冷え込んだ韓日関係を改善できる人物だ。9月の菅義偉内閣の発足を受けて起用を内定した。姜氏の力で未来志向的な日韓関係へと進めるよう期待したい」と語った。

報道官のこの説明から分かるように姜氏の起用には、韓日関係を改善しようという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の思惑が色濃く反映されている。

■国後島を訪れ「北方領土はロシア領土だ」と発言

韓国大統領府の発表から8日後の12月1日、驚いたことに姜氏が突然、ソウル市内で日本のメディアを集め、北方領土や天皇をめぐる自身の過去の発言について釈明の記者会見を開いた。

まず北方領土発言について姜氏は「旧ソ連に奪われ、占有されたという意味で述べたが、その趣旨がうまく伝わらなかったようだ」と釈明した。姜氏は2011年5月、野党議員の1人として北方領土のひとつである国後島を訪れ、「北方領土はロシア領土だ」と韓国メディアなどに話していた。

2019年2月に文喜相(ムン・ヒサン)国会議長(当時)が、慰安婦問題にからんで天皇陛下に謝罪を求めたときには、姜氏は「文議長の発言は極めて常識的だ。天皇に元慰安婦を慰問してほしいという意味だろう」と文議長を擁護していたが、今回の釈明記者会見では「文議長の考えを説明しただけだ。日本の天皇の存在と役割についてまったく無知な発言だった」と語った。

河野太郎外相(当時)が「文議長の発言は無礼だ」と述べたことに対しても、「(河野外相の方が)逆に非常に無礼な発言をした」と批判していた。

■「韓国では天皇陛下を日王と呼ぼう」と話す異常さ

さらに昨年10月に韓国KBSラジオで「韓国では(天皇陛下を)日王と呼ぼう」と話したことに触れ、「駐日大使として日本に赴任すれば、当然、天皇と呼ばなければならないだろう」とした。ちなみに国際的にも「天皇(エンペラー)」という呼称が常識で、「日王」というのは韓国の一部の反日グループが使っている位を下げた呼び方である。

姜昌一という男。過去の発言を見ただけでも、反日のかたまりのような人物であることが分かる。「韓日関係を改善できる人物だ」という大統領府の説明はおかしい。姜氏の起用で日韓関係はさらに悪化するに違いない。

日本赴任が内定し、急遽、釈明の記者会見を日本のマスコミ向けに行うところなど、表面だけを繕う日和見主義者である。日本をあれだけ批判してきたのだから、本来なら駐日大使の就任を辞退すべきである。

東京大学駒場キャンパス
写真=iStock.com/mizoula
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mizoula

文大統領もよくこんな男を駐日大使に決めたものだ。開いた口がふさがらない。文在寅大統領は日本とのパイプをもつ姜氏を使って日本政府を騙し、韓国に有利な外交をしようとたくらんでいる。どこまでも腹黒い大統領である。

自国の利益のためを考えて行うのが外交の基本ではあるが、ここまでひどい男を日本に送り込む行為は許されない。

■「韓国次期駐日大使 改善にふさわしい人物か」と産経社説

姜氏の起用について12月12日付の産経新聞が興味深い社説(主張)を書いている。書き出しが「戦後最悪とされる日韓関係の改善に資する人事といえるのだろうか」で、見出しも「韓国次期駐日大使 改善にふさわしい人物か」である。さすが韓国の動向に目ざとい産経社説である。

産経社説は指摘する。

「現在の南官杓(ナム・グァンピョ)大使は着任からまだ1年半しかたっておらず、異例の交代劇といえる」
「姜氏は日本への留学経験があり、『日本通』とされている。だが、これまでの言動を見る限り、関係改善には懸念と疑問を抱かざるを得ない」

「異例の交代劇」「懸念と疑問」。産経社説の指摘の通りである。12月1日の姜氏の釈明記者会見のニュースを知って、沙鴎一歩は日本の新聞の社説が厳しく批判すべきだと考えてきたが、それを産経社説が実行してくれた。

■元徴用工問題を収拾する責任は韓国側にある

続けて産経社説は指摘する。

「(姜氏は)いわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決についても『最高裁判決を優先するのは当然だ』と主張してきた」

この姜氏の主張は事実を歪曲している。

韓国の行為は請求権問題の解決を定めた1965年の日韓請求権・経済協力協定に違反する。韓国の最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決から2年が過ぎても、韓国政府は放置したままだ。その結果、日本企業の資産売却の手続きが進んでいる。日本企業の資産が現金化された場合、日本政府は強い対抗措置をとるべきである。

沙鴎一歩が度々訴えてきたように、事態を収拾する責任は韓国側にある。悪いのは文在寅政権なのだ。

■文大統領は東京五輪を米朝の対話継続の舞台にしようと企む

さらに産経社説は指摘する。

「日本への接近を図りたいそぶりの文在寅政権だが、北朝鮮との融和を最優先課題にしていることに変わりはない。文氏はトランプ米政権下で行われた米朝対話が、次期大統領への就任が確実視されるバイデン前副大統領のもとで途切れることを恐れている。対話を継続させる舞台として東京五輪を利用する前段として、日韓関係の改善を企図しているとされる」

文在寅氏の頭の中には北朝鮮しかないのだろう。文氏が東京五輪をアメリカと北朝鮮の対話を継続させる舞台にしようと画策しているという産経社説の見解は、とても興味深い。

その根拠として産経社説はこう書く。

「韓国メディアによると、11月に来日した朴智元(パク・チウォン)国家情報院長は『東京五輪に金正恩朝鮮労働党委員長を招き、南北と米日首脳が北朝鮮の核問題や日本人拉致問題の解決策を議論する』という文氏の提案を日本側に説明した」

韓国の文在寅大統領は何を考えているのか。北朝鮮は日本を侮辱し、犯罪の数々を尽くしてきた。そのトップの金正恩委員長を東京五輪に招くことなど日本政府は断じて許可してはならない。そもそも国際社会が核・ミサイル開発を止めようとしない金正恩氏を許すはずがない。

ただ、10月16日の時点でアメリカのオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)がウェブイベントで「北朝鮮は東京五輪の参加に興味を持っている」と指摘し、「(アメリカが)東京五輪の期間中かその前後に北朝鮮と交渉を行う機会があるかもしれない」と述べていたことが気になる。

■韓国の駐日大使は日本に敬意を払える人物にするべきだ

最後に産経社説は主張する。

「文氏が日本との関係改善を真に望むなら、赴任国に敬意を持つ常識的な人物を送り出すべきではないか」

韓国を鋭く批判してきた産経社説の最後の訴えとしては弱い気がするが、韓国の駐日大使は日本に敬意を払える人物にしなければならない。

日韓問題では「日中韓サミット」の開催の可否も大きな焦点になっている。

12月6日付の朝日新聞の社説は「日中韓サミット 対話に臨み懸案を語れ」との見出しを掲げ、冒頭からこう指摘する。

「近隣国同士、利害が絡みあう3カ国の政治リーダーが一堂に会し、地域の協力を話しあう。そんな貴重な場をあえて見送るのが賢明な判断だろうか」
「定例化している中国、韓国との首脳会合(サミット)出席に菅首相が難色を示している」

まるで菅義偉首相が駄々をこねているかのような書き方である。

■菅政権の好き嫌いとはかかわらず、是々非々で論じるべきではないか

朝日社説はさらに指摘する。

「両国間に横たわる徴用工問題を速やかに解決し、関係の改善をはかる必要があることは論をまたない。政治の事情で、経済や市民の交流をこれ以上、滞らせるわけにはいかない」
「そのためには韓国政府が、政府間協議の土台となりうる解決案を早急に示す必要がある」
「しかし、(日本政府が)それをサミット参加の条件にすえるのは筋が違うと言わざるをえない」

筋が違うのは朝日社説のほうである。元徴用工問題は国家間の約束を守ろうとしない韓国側にすべての責任がある。この基本を朝日社説はどう考えているのか。朝日社説の姿勢は、安倍政権の後を継ぐ菅政権を嫌うが故の方便にすぎない。なぜ、朝日社説は菅首相に対し、是々非々で臨めないのか。

■表向きには「語りあってみては」と呼びかけているが…

朝日社説は続けて書く。

「日韓双方は、国交正常化以来の取り決めを守っていかねばならないのは当然のことだ」
「他方、歴史問題だけが両国関係のすべてではない。日韓には長年積み上げてきた互恵の実績がある。それを発展させていくべきパートナーの関係にあることもまた事実だろう」
「いきづまる関係を打開するのも政治指導者の大きな役割だ。菅首相は就任後、初めて文在寅大統領と直接向きあい、懸案を語りあってみてはどうか」

「取り決め」「互恵の実績」「パートナー」ともっともらしい言葉を並べているが、気を付けながら読み進めると、朝日社説が得意とする単なる理想論にすぎない。美辞麗句に騙されてはならない。表向きには「語りあってみては」と菅首相に優しく呼びかけているが、その裏側には「まともに話し合えないだろう」との嫌みが透けて見える。

■韓国が開催地であるからこそ、日本政府は気が抜けない

最後に朝日社説はこう主張する。

「年内開催が見送られても、議長国は変わらない見通しだ。韓国であれば日帰りでの参加も可能だ。菅首相は前提条件なしにサミットに出席すべきである」

韓国が開催地(議長国)であるからこそ、日本政府は気が抜けないのである。

しかもアメリカを蹴落として世界一の経済大国、軍事大国にのしあがろうと画策する中国もいる。韓国はそんな中国とかなり親密だ。

日本政府は韓国に対し、元徴用工問題に関して正当な条件を示し、韓国がその条件を呑むまで日中韓サミットには参加の意思を示すべきではない。外交交渉とはそういうものである。

(ジャーナリスト 沙鴎 一歩)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください