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「自宅の家賃も経費になる」節税上手なサラリーマンがこっそりやっていること

プレジデントオンライン / 2020年12月30日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/frema

手取り収入を増やす確実な方法は「節税」だ。節税に詳しい只野範男氏は「サラリーマンでも副業をしていれば接待交際費は青天井。根拠と証拠があれば、自家用車の購入費や自宅の家賃も経費として計上できる」という――。(第2回/全2回)

※本稿は、只野範男『完全版 無税入門 文庫版』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

■サラリーマンでも副業すれば「交際費は上限ナシ」

個人事業主やフリーランサーの接待交際費には上限がありません。ズバリ使い放題、天井が外れているのです。

サラリーマンの場合も、副業関連の交際費は限度額ナシです。交際費全額が、収入から差し引ける経費になります。

接待交際費が持つイメージから、税務署の認定基準がキビシイのではないか、「派手に使うと目をつけられる」など、交際費を自分なりに勝手に解釈し、あまり使わないよう抑制している個人事業主が多いといいます。

それは認識不足から来る大いなる誤解です。使った交際費について、クリアな説明(事業の運営上の根拠)と支出した証拠(領収書など)の2点を明示できるなら、税務署から「多過ぎる」と否認されることはありません。

取引先との情報交換のために参加する会合費や、円滑な人間関係構築のためのレストランでのアルコールを含む飲食費など、仕事上の交際費なら、気後れせずすべて計上しましょう。 

なお、法人(会社)の場合は、原則として交際費は経費にできません。例外は資本金1億円以下の中小企業で、800万円までが交際費として認められています。

■自宅の家賃や光熱費の一部も副業の経費にできる

仕事場を借りていれば、そこから発生する家賃、光熱費などは、言うまでもなく全額必要経費になります。

問題は自宅が仕事場を兼ねている場合です。家事用と事業用の経費が一体となって支出される経費を家事関連費といいます。

たとえば、家賃、光熱費などは、仕事で使ったのか、私用で使ったのかがハッキリしません。そういうものは、「使用面積」「使用日数」「使用時間」などを基準に経費を計上するのが一般的です。順にみていきます。

①使用面積

仕事場の部分と私用の部分の面積比で必要経費を算出します。全体の4割の面積を仕事部屋にしている場合は、家賃の4割を事業費として計上できます。

残りの6割が私用分です。ワンルームマンションの場合は、住居全体が仕事部屋といえるので、家賃と光熱費の按分割合を仕事分7割、残り3割を私用分として按分して大丈夫でしょう。

なお、按分とは「物品や金銭などを、基準となる数量に比例して割りふること」(大辞林)という意味です。

②使用日数

購入した車を平日(5日間)、ずっと仕事に使っている場合は、購入代金等の7分の5が仕事分、残りの7分の2が私用分に按分できます。

「半々でしょう」と税務署からクレームがつけば、「なぜそうしたのか」を説明し、当局が譲らなければ修正すればいいのです。確定申告書に按分の理由を書いておくと、呼び出しを防げるかもしれません。

■按分の基準を変えれば経費を多く計上できる

③使用時間

パソコンを1日6時間仕事に使用し、2時間だけ私用に使っているのであれば、パソコンに関係する費用は「事業用3、私用1」で按分できます。

按分割合の計算をする場合には、按分の基準が合理的であれば、どの数字を基準にしても構わないとされています。

取材用の新車を購入した場合、仕事用と私用に按分して費用を計上しますが、採用する基準によって大きな違いがでることがあります。

2つの按分基準で比べてみます。

・「1週間の使用日数」を基準とした場合
仕事5割 私用5割
・「走行距離」を基準とした場合
仕事9割 私用1割

この場合は、「走行距離」を採用した方が、必要経費を多く計上できるので有利です。税務署から「なぜ9割の経費なのか?」と訊かれたら、「走行距離で按分しています」と答えれば問題ありません。

税務署に説明できる合理的な基準と按分割合であればいいのです。

電話料金は、通話先の番号や料金が記載された明細書で経費かどうか明確になります。通信会社に頼めば、郵送してくれます。

必要経費に計上「する・しない」は、自分で決めていいのです。通常は売り上げの40~50%が経費の目安になります。

「なぜこれが経費になるの?」と税務署から訊かれたとき、その根拠と証拠物を明示できることが大事です。最悪の答えは「さあ、わかりません」。

■実家でも親に家賃を払えば経費にできる

自宅とは別に仕事場を持っていても、帰宅後や休日に自宅でも仕事をする人は、自宅の家賃、電話代、光熱費などを合理的な按分比率で経費にできます。

持ち家の場合は、仕事用に対応する固定資産を毎年、減価償却費として計上できます。たとえば、事業用の資産が2000万円で耐用年数20年なら、毎年100万円が減価償却費として必要経費になります。

一般的に、持ち家の減価償却費は大きな額になるので、小さい経費をコツコツと積み上げる必要がなくなります。

また、実家に住み、帰宅後や休日などに自分の部屋で副業をする場合、経費の計上はどうすればいいのでしょうか?

ノートパソコンを使用するビジネスウーマン
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

親にお金(住居費に相当。食費は除外)を入れていれば、そのお金の6~7割は必要経費に計上できます。

要するに、副業する場所であれば、持ち家の書斎、実家の自分の部屋、事務所など、その形態や名称を問わず、適正な按分比率であれば、経費として計上できます。その按分比率の算出には、前述した「使用面積」「使用日数」「使用時間」のうち、いちばん有利なものを採用すればいいのです。

■年末に10万円以下の物を買うと得するワケ

クルマやパソコンなどの購入金額が10万円以上で、何年も使用できるもの(固定資産という)は、一括で購入しても支払った年に全額経費にはできません。

固定資産は年を経るごとに価値が下がる(減価する)ので、使用期間(耐用年数という)で按分し、毎年少しずつ必要経費に計上していきます。これを「減価償却」といいます。

耐用年数は固定資産(コピー機、テレビなど)ごとに国が決めています。たとえば、20万円のパソコンの法定耐用年数は4年ですから、20万円を4年間にわたって年に5万円ずつを減価償却費として処理します。

要するに、取得費用を耐用年数に応じて数年に分けて費用計上していくので、減価償却費とは「経費の分割払い」です。なぜ、こうした処理をするのでしょうか?

それは、正確な損益を出すためです。もし、購入した年に一括で経費計上すると、最初の年と他の年とでは経費負担に大差が生じ、経理上の正確性を欠きます。

それに、購入した年に一括計上できるなら、利益が多く出た年に高額品をまとめ買いすれば、必要経費が大きく膨らむため、節税の有力手段になるからです。実際、儲かった年の年末に10万円未満の物品を買うことは、超簡単な「節税テク」です。

■高級外車は「節税のためのクルマ」

高級外車が愛用される理由のひとつは、節税品の役割を持つからです。耐用年数は新車で6年、4年落ちは2年です。4年落ちのベンツを1000万円で買うと、500万円の減価償却費を2年間、計上できます。

収入から500万円が一気に引けるので、課税所得は激減します。これこそ、節税のためのクルマです。当然ですが、必要経費として落とすのですから、ベンツは事業用に使用することが前提です。

只野範男『完全版 無税入門 文庫版』(飛鳥新社)
只野範男『完全版 無税入門 文庫版』(飛鳥新社)

実はおトク感が味わえるのは、償却期間が過ぎた2年後に売却しても、500万円~700万円にはなるからです。節税できた金額を考えると、「安いカネでベンツを乗り回せた」ことになります。

儲かった年に高級中古外車を購入して節税を図るというのは、個人事業主には割と知られた節税手法のひとつです。ベンツを見ると、「節税しているな」という観点もあるかもしれません。

減価償却の方法には、「定額法」と「定率法」があります。定額法は、毎年同じ額を落としていくので、計算が容易で一般向きです。

他方、定率法は初めの年の償却費が大きく、年数がたつにしたがい少なくしていく方法なので、初めに所得を低くしたい場合にはこの方法が適しています。ただ、事前に税務署へ届けておく必要があります。

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只野 範男(ただの・のりお)
『無税入門』筆者
神戸市出身、繊維関係の中小企業に勤める総務第2課営繕係長だったが、このたび定年。イラストレーターの副業をすることで、40年にわたり「無税」を継続。およそ1,000万円の節税をしたまま逃げ切ることに成功。『完全版 無税入門』(飛鳥新社)ではそのノウハウが惜しげもなく開陳されている。著書に、2007年に出版されベストセラーになった『無税入門』(飛鳥新社)がある。

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(『無税入門』筆者 只野 範男)

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