12歳から投資を始め19歳からウォール街でバリバリ働いたプロが提案する最強の投資ポートフォリオ
プレジデントオンライン / 2020年12月30日 9時15分
※本稿は、高橋ダン『僕がウォール街で学んだ勝利の投資術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
■12歳から投資を始め19歳からウォール街でバリバリ働いたプロが提案
ウォール街で学んだ投資における必勝戦略は、長期積み立て投資をベースとし、そこに短期投資を組み合わせることでパフォーマンスを上げるというものです。
長期積み立て投資はおもにリタイア後の資金や、住宅購入など、まとまったお金が必要な時のための資金づくりが目的です。したがって、長期積み立て投資で築いた資産を売却するのは、お金が必要になった時です。
アメリカ株式指数の例では、過去100年程度の間、年平均7~8%程度のパフォーマンスがありました。月1万円ずつ積み立て、年6%で運用すると、30年で1000万円程度の資産ができます。月5万5500円ずつ積み立て、年8%なら、10年で1000万円に届きます。
積み立て投資では買うときの価格が多様化されるというメリットがあります。投資で買うときのタイミングを選ぶのは簡単ではありませんし、そもそも、長期積み立てなら、その必要はありません。タイミングではなく、毎月買い続ける、ということこそが重要です。
長期積み立ての具体的なプランを考えていきましょう。まずはあなたの毎月の給与(あるいは収入)を3つに分けます。
1つ目は家賃や住宅ローンなどの住居費、2つ目は食費や光熱費、教育費医療費などの生活費、その他、交際費など楽しむためのお金、そして3つ目が投資に回すお金です。
毎月の給与から1つ目と2つ目の費用を抜いて残った金額の7~9割を長期積み立て投資に回し、3~1割を短期投資に回すのがおすすめです。
■現金や預金は必ずしも安全な資産とは言い切れない
貯蓄はしなくていいのか、という疑問を持つかも知れません。病気などで収入が減ってしまったり、まとまった支出があったりした場合に備えるお金は銀行に入れて、それ以外のお金で投資を考える。それがみなさんの常識だったかも知れませんが、僕の考え方は少し異なります。
僕の考え方の特徴のひとつは、投資するお金の中に、「現金(預金)」も含めているということです。
現金や預金は必ずしも安全な資産とは言い切れず、現金で持っている、預金する、ということは、インフレにならないことにかけている投資、と言えます。
その意味において、僕は「現金(預金)」も長期積み立て投資のひとつに位置づけているのです。
「投資はリスクではない。投資をしないことがリスク」です。預金にもリスクがあります。株式などでは価格が下がるために見えやすいのですが、インフレリスクは実質的価値が減るものの額面の金額が減らないので、リスクが見えにくい、見えないリスクだと言えます。
■投資額が決まったら70~90%を長期積み立て、10~30%は短期投資へ
つまり、現金も、預金も、株式や債券など、すべてのお金、すべての金融商品は投資であり、それぞれにリスクがある、ということです。そして、どのような要因で値動きするかが異なるからこそ、多様化をしておくことが重要、というわけです。
預金は安全、投資はリスクがある、というメンタリティから抜け出して欲しい、というのが僕の願いです。ボーナスも同様です。住宅ローンやレジャー費など、使うお金を差し引いた残りは、長期積み立て、場合によっては短期投資に回しましょう。
もし、まとまったお金があり、それをすべて預金にしているという場合も、一気に株などに投資するのではなく、何回かに分けて、積み立て投資をすることをおすすめします。投資のポジションをとる時は、一気にするのはよくありません。少額ずつ、を心掛けてください。
投資する金額が決まったら、その70~90%を長期積み立てに回します。そして残る30~10%は短期投資の資金にします。本格的な投資は初めてという人や投資にあまり時間をかけられないという人は、長期積み立てだけでもOKです。
■長期積み立ては、この3つのカテゴリーに分けるのがコツ
長期積み立ては3つのカテゴリーに分けて投資します。
A 株や社債、不動産です。エリアは先進国と途上国の両方、通貨はドル建て、円建て、その他通貨建て(イギリスポンド建てなど)です。
B 国債、現金、預金です。
C 金、銀、プラチナやその他のコモディティ、ビットコインです。
Aは経済が成長すればパフォーマンスが上がり、経済の成長が弱まれば下落しやすいといえます。長期的に見れば世界経済は下がる時より上がる時の方が多いと考えられ、パフォーマンスを高めるのが1に投資する目的のひとつです。
Bはパフォーマンスよりも安全性を目的に投資するものです。1とのバランスを図るために、持っておいた方がいい資産です。
CはAとは異なる値動きをしやすく、ポートフォリオ全体の変動率を安定させたり、パフォーマンスを高めたりする役割が期待できます。
■最強のポートフォリオはA40~60%、B10~30%、C20~40%
僕のおすすめは、Aが40~60%、Bが10~30%、Cが20~40%という割合です。パフォーマンスを高める期待が持てるAに40~60%程度を投資し、危機備えてBに10~30%、そしてポートフォリオ全体のパフォーマンスを助ける可能性に期待して、Aと異なる値動きをしやすいCに20~40%を投資します。
この割合は、おもに30~60代の人たちを想定して僕が考えたものであり、あくまで目安です。10~30代など、年齢が若い場合はA60%、B10%、C30%など、積極的にパフォーマンスを追求するのもいいと思います。
年齢だけでなく、性格を考慮することも大切です。株価が気になって眠れない、イライラするなど、性格もリスク許容度に影響します。長期積み立てで投資した分については、毎日、値動きをチェックする必要はありません。長期で成果が出ればいいのですから、一時的に下がることがあってもあまりストレスを感じないでください。
しかし性格的に値動きが気になってしまうなど、お金についてのストレスが溜まりやすい人ならBを多めにしてもいいでしょう。お金のことが気になって眠れない、というのは、その人にとってリスクの取りすぎであり、もっと安定性重視の戦略が適しているかも知れません。下がる時もあるけれど時間が経てば戻る、という体験を積んでいけば、次第に積極的な割合にしていける可能性もあると思います。
■「大切なのは、早く始めることです。金額ではありません」
割合はあくまで自己判断ですが、できるだけ謙虚に考えることが重要で、投資経験が豊富だから、センスがあるから、といった考えは避けた方がいいと思います。お金がたくさんあるから大丈夫と思うのも危険です。僕も過去に苦い経験をしましたが、自信過剰はよくないのです。
もうひとつ、守って欲しいルールがあります。それは、ひとつの商品への投資額は、資産全体の5~10%を上限とする、ということです。それ以上になると、多様化の効果が得にくくなり、ポートフォリオ全体のリスクが高くなってしまう可能性があります。投資できる資金が少ない場合は、どうしても1つの商品が占める割合が高くなってしまいますが、そうした場合も、ひとつの商品に集中的に投資しないよう、工夫するのが望ましいといえます。
大切なのは、早く始めることです。金額ではありません。
例えば1万円では、ETFを複数買うことは現実的に難しいと言えます。その場合は、1カ月目は株、2カ月目は国債、3カ月目はコモディティ、4カ月目は株、5カ月目は国債、6カ月目はコモディティなど、順番に買っていくのもいいでしょう。少しずつ、コレクションしていくように、ポートフォリオを作っていけばいいのです。そうして投資経験を積んでいけば、収入が増えるなどで投資できる額が増えた時に経験を活かすことができます。
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1985年、東京生まれ、日本国籍。10歳までの多くを日本で過ごす。その後、アメリカに移り、12歳で投資を始める。21歳のとき、コーネル大学をMagna Cum Laude(優秀な成績を収めた卒業生に付けられる称号)で卒業。ニューヨークのウォール街で19歳のときにインターンとして2年間働く。その後、フルタイム勤務を開始し、投資銀行業務、取引に従事する。26歳でヘッジファンド会社を共同設立し、30歳で自身の会社の株を売却。その後シンガポールに移住。約60か国を旅し、2019年秋に東京に帰国。2020年1月にYouTubeでの動画投稿を本格始動し、わずか3カ月でチャンネル登録者数が10万を超える。納豆と筋トレをこよなく愛する。高橋ダンYouTubeチャンネル(日本語版)登録者数32万人超。
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(高橋 ダン)
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