ジャニー氏の最高傑作「嵐」の終わりで"帝国の崩壊"がいよいよ始まる

プレジデントオンライン / 2020年12月28日 15時15分

ジャニーズ事務所=2020年11月17日、東京都港区 - 写真=時事通信フォト

■まもなく「嵐」の活動が終わる

「嵐」のラストライブ「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」(生配信)は、一時代を築いたジャニーズ帝国の終わりを告げる弔鐘のようである。

1962年、渡辺プロダクションの系列会社としてジャニーズ事務所は創業された。以来、60年近くの長きにわたって、次々に男性アイドルグループを輩出してきた。

中でも、近藤真彦、田原俊彦、野村義男の「たのきんトリオ」、木村拓哉、中居正広、稲垣吾郎、草彅剛・香取慎吾の「SMAP」、大野智、櫻井翔、二宮和也、相葉雅紀、松本潤の「嵐」は、ジャニー喜多川が生み出した最高傑作である。

アイドルになる子どもを見出すジャニーの鑑識眼は“異能”といわれた。

週刊文春(12/31・1/7日号)で、「嵐」の二宮がジャニーズ入りした1996年6月、中学へ入って間もない彼と一緒にオーディションを受けた元ジャニーズのタレントがこう話している。

「ジャニーさんが見ている前でダンスをしたり、カメラテストをする。あの日は二百人くらいいたと思いますが、正直言ってニノが一番パッとしなかった(笑)。

猫背だし、ポロシャツをズボンに入れてリュックを背負い、いかにも冴えない少年といった風貌。それでもジャニーさんが一番に選んだのがニノ。皆、なんであいつが受かるんだ? って顔してましたが、ジャニーさんの眼力には舌を巻くばかりです」

■帝国を築き上げた姉弟の才覚

弟ジャニーの眼と、姉メリーの経営の才の両輪で、ジャニーズ事務所は他に類を見ないほどの帝国を築き上げてきた。

メリーが力を注いだのは、売れっ子タレントを武器に、テレビ局や出版社を支配下に置くことだった。

事務所の意に沿わないテレビ局や出版社には、「うちのタレントは出さない」と脅しあげることで、にらみを利かす。

NHKの紅白歌合戦にジャニーズの誰を出すのかは、NHKに決定権はなく、ジャニーズ側にお伺いを立てなければ決められなかったといわれている。

ジャニーズを退所した者は、テレビには出さずに干すというやり方も徹底していたといわれるが、これは、局側がジャニーズの意向を忖度して使わなかったというのが本当のところだろう。

永遠に続くと思われていた帝国に陰りが見えたのは、SMAPの育ての親といわれ、メンバーが姉のように慕っていた飯島三智マネージャーを、メリー副社長(当時)が追い出した時からである。

発端は、2015年1月29日号の週刊文春に掲載された「ジャニーズ女帝 怒りの独白5時間」で、メリーが発した言葉であった。

■「SMAP騒動」は公取委が介入する事態に

「対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう」

メリー副社長は飯島を突然呼び出し、記者の面前でこう叱責したのである。

飯島の台頭を恐れ、娘ジュリーの社長就任が危うくなるかもしれないと考えたメリーが、飯島を切ったという説が有力である。それに、SMAP人気は限界だと考えていたメリーが、歌も踊りもうまい「嵐」をジャニーズの金看板にしようと考えたのであろう。

飯島はジャニーズを去り、2016年8月にジャニーズ事務所は「SMAPは同年12月31日をもって解散する」ことを公式に発表した。

草彅、香取、稲垣はジャニーズを退所したが、元SMAPの看板を背負っていても、テレビで見る機会はみるみる減っていった。

地平線への道
写真=iStock.com/-Vitan-
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/-Vitan-

ここまでなら、SMAPを凌ぐ人気と、動員力を誇る「嵐」がいればジャニーズにとって、そう大きな痛手にはならなかったはずだった。

だが、「公正取引委員会がジャニーズ事務所(東京・港)を注意したことが明らかになった。『退所したSMAP元メンバー3人の番組起用を妨げるような働きかけがあった場合』は独占禁止法違反につながる恐れがあるという内容だ。調査の結果、同法違反を認定するだけの証拠は得られなかったものの、3人のテレビ出演が激減する現状を踏まえて警鐘を鳴らした」(日本経済新聞2019年7月18日 6:00)

注意とはいえ、公取委の介入で、テレビ局はジャニーズ側に忖度をしなくなり、元SMAPの3人を起用することをためらわなくなった。

■文春が報じたジャニーズの「暗部」

その年の初めには「嵐」が、2020年いっぱいで活動休止することを発表していた。
7月9日にはジャニー喜多川社長が亡くなった。享年87。メディアは彼の死を悼んだが、彼の子どもたちへのセクハラについて触れたところは少なかった。

週刊文春(1999年7/25日号)は、「稀代のプロデューサーの光と影」というサブタイトルを付けて、「ジャニー喜多川 審美眼と『性的虐待』」という特集を組んだ。

ジャニー喜多川が少年たちに事務所で性的虐待をしているという告発記事を連載し、それに対してジャニーズ事務所は文春を名誉毀損で訴えたのである。

2004年には最高裁で、損害賠償として文春側に計120万円の支払いを命じる判決が確定したが、セクハラについての記事の重要部分は真実と認定したのだ。

メリー喜多川と娘の藤島ジュリー景子は、2020年の末に活動を休止(実質は停止)するまでに、「嵐」の大掛かりなイベントを仕掛けようと計画していたが、予期せぬ新型コロナウイルスの蔓延で、それができなくなってしまった。

ジャニーズにとっては泣きっ面に蜂である。オンラインでのコンサートは何度かやったが、盛り上がりとグッズなどの売り上げが各段に違うはずである。

■活動休止の背景にある二宮の「結婚問題」

さらにそれに追い打ちをかけたのが、週刊文春が年初から次々に放った「嵐」のメンバーたちの女性スキャンダルである。これらを読むと、突然に見えた「嵐」活動休止も、結婚問題が深く関わっていることがよく分かる。

「松潤『絶交宣言』、『二宮、ふざけんな』<二宮父が初告白2時間>」(週刊文春2020年1/2・9日号)結婚問題でファンばかりではなく、仲間との人間関係も壊しているのは、「嵐」の二宮和也だと、文春が報じた。

二宮は、元フリーアナウンサーの伊藤綾子との結婚をツアー中に発表した。「ニノはメンバーや仕事より恋愛を優先した」とファンが反発したのは致し方ないが、メンバーの大野智や松本潤との間も、不穏な空気が漂っているというのである。

中でも松潤は、これまでも女性との噂が絶えなかったが、全てを否定してきた。

「否定し続けることがファンに対するアイドルとしての態度と信じる松本にとって、二宮がツアー中にファンに結婚報告するのは許容できることではなかったのだろう」(文春)

私にはこの理屈が理解できない。アイドルといっても、みな40近いオジサンばかりである。それに女性のほうはもうすぐ40になるから、子どもを産めるかという心配もあるだろう。

■櫻井は同級生の恋人と婚前旅行

次は「櫻井翔『同棲彼女』とハワイでラブラブ撮影会」(『週刊文春』同年1/30号)

文春は櫻井翔が慶應時代の同級生で「ミス慶應」にもなったA子とベトナム旅行へ行ったと報じた。帰国した日、彼がキャスターを務める「news zero」(日テレ系)に生出演すると、番組終了後に再びハワイへと旅立ったというのだ。

オアフ島のカイルアビーチでは、白いTシャツに短パン姿の櫻井の横に水色のワンピース姿のA子がいた。モノクログラビアには、欧米人らしい老夫婦に頼んでツーショットを撮ってもらっている櫻井と彼女の写真が載っている。

ハワイは「嵐」にとって特別な場所である。ホノルル湾上に浮かぶクルーズ客船で華々しいデビューをし、結成15周年のアニバーサリーライブを行ったのもハワイだった。

文春によると、櫻井は「嵐」を期間限定ユニットと考えていて、終了後に海外留学する予定を立てていたという。A子のほうも、「いつかハワイに住んで、自分のセレクトショップを持ちたい」と、かつて雑誌のインタビューで語っていたそうだ。

2人はすでに櫻井のマンションで同棲生活をしているという。文春は、年末の活動停止後に、櫻井は結婚に踏み切るのではないかと見ている。彼の“覚悟”を見せたのが、彼女との婚前ベトナム・ハワイ旅行だったというのである。

■「別宅」に現れたモデル風の美女

だが櫻井は「櫻井翔、裏切りの『二股愛』本命彼女と結婚準備中」(週刊文春3/19日号)と、別に彼女がいることも暴露されてしまうのである。

婚前旅行の直前の昨年12月には、櫻井の両親にA子を引き合わせていたという。少し遠回りをした2人だったが、ようやくすべてが順調にいくかに見えていた。

だが文春は、2月16日、櫻井が自宅マンションではなく、約10年前に購入した「別宅」マンションに入っていく姿をキャッチしていた。

マンション
写真=iStock.com/jyapa
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/jyapa

自宅からクルマで5分のところだという。櫻井が入った後から、タクシーでモデル風の美女がやってきて、櫻井の待つ部屋に入っていったそうだ。

彼女が再び現れたのは3時間後。櫻井は翌日の正午過ぎに別宅を後にしたという。

櫻井をよく知る知人によると、「三十代の一般女性、B子さんです。数年前から翔君と深い関係にある」というのである。

共通の知人を介して知り合い、櫻井のほうが気に入ったそうだ。

文春が取材を進めると、この夜は、櫻井がB子を呼び出したという。

「これまで櫻井君はB子さんに対し、本命であるA子さんの存在を明かさず、男女の関係を続けてきた。そこで櫻井は彼女を呼び出し、『(A子さんとは)文春に写真を撮られたため、付き合うことにした。一緒に住んでもいない』と言い訳したそうです」

このことが事実だとしたら、この記事を読んだA子は何と思うのだろう。

■大きく揺らいだリーダーの熱愛発覚

週刊文春(10/29日号)は、嵐の「活動休止」が本決まりになったと報じている。それは、フジテレビ系の「VS嵐」、日テレ系の「嵐にしやがれ」が来年1月にリニューアルされ、嵐の冠が消えるからだという。

これから各人が、それぞれ自分の道を歩んでいくのだろうが、文春によれば、嵐にはジンクスがあって、「嵐は5人揃(そろ)わないと数字が取れない」、要は視聴率が悪いというものだそうだ。

一人一人の単体では魅力がない。5人揃ってはじめて一人前ということだろう。活動休止後の道は平坦ではないようだ。

そしてついに、リーダーである大野智に熱愛が発覚するのである。

「嵐“分裂”全真相 この恋がすべての始まりだった 大野智『9枚の熱愛写真』」(週刊文春11/12日号)。

文春が「嵐」の大野智が“悲恋”に泣いていると報じている。

嵐の「アラフェス2020 at 国立競技場」は盛況のうちに幕を閉じた。休止後、5人のメンバーはそれぞれの道を行くことになるが、文春によれば、リーダーの大野智と二宮和也は「結婚」でも、正反対の選択をしたそうである。

以前報じられたように、二宮は昨年11月に、以前から付き合っていた元フリーアナウンサーと結婚をした。だが、ファンからは「裏切り者!」といわれ、嵐が活動している間は結婚しないという「不文律」を破ったと、他のメンバーからも批判された。

中でも、大野と松本潤は怒りを露わにし、結束力の強さで知られた5人の足並みが乱れてしまったというのである。

■沖縄の海で過ごしている写真が何枚も…

その一番の理由は、大野が密かに育み、活動休止して1年ほどたってから結婚しようと心に決めている彼女がいることを、全員が知っていたからだという。

恋多き大野だったが、彼女とのことを「最後の恋」だといっていた。

グラビアに沖縄の海、大野が好きな釣り船の上だろうか、彼女を両腕で優しく抱きかかえる写真が載っている。大野の顔には彼女への思いが溢れ、彼女も目隠しで顔半分は見えないが、唇は微笑み、左手の薬指にはリングがはっきり見えている。

次のページには、海の浅瀬で、水着姿の彼女と唇を重ね合う大野とのツーショット。背中を向けている2人の間に小さな子どもがいるスナップまで載っているのだ。

なぜ、こんなプライベート写真が何枚も流出したのだろう。「最後の恋」はどうなったのか。

文春によれば、大野より10歳若いシングルマザーのA子と知り合ったのは、約7年前のことだったという。芸能関係者の誕生パーティーで知り合い、お互いの連絡先を交換したことがきっかけで交際が始まった。

■藤島ジュリー社長が事務所残留を命じた

A子は、20代前半で子どもを育て、自立していた。タレントの菜々緒によく似た美貌とスタイルが大野の気に入ったのだろうが、彼女の自立心、精神面の強さにも魅かれたのではないか。

大野が信頼しきっていたことは、「芸能人の印象を左右する髪型も彼女に任せ、A子さんが器用に髪をカットした」(文春)ことでも分かる。

2人は大野が住むマンションの上下にいて、大野が自宅にいるときは、常に一緒にいて、大野は子どもも可愛がっていたという。

大野の趣味は釣りと絵画や彫刻などの創作活動で、プロの域だそうだ。大野が好んで描くモチーフの一つに、黒いパグがあるが、2人で選んで飼った愛犬。

大野は活動休止後、沖縄の離島に移住する予定で、17年10月には約1200坪の広大な土地を取得していた。「海沿いのプライベートビーチ付きの広い土地で、複数のヴィラを建てる計画でした」(島の不動産関係者)

彼女は決して表には出ず、大野も、「普通の男に戻って、A子と生きていきたい」と考えていた。引退、結婚を夢見ていた大野に待ったをかけたのが、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長だった。彼女は、嵐の活動休止は認めるが、大野は事務所に残留しろといい渡したというのである。大野の描いていた芸能界引退が白紙に戻ってしまった。

だが、不惑直前の中年男なら、事務所には残るが結婚はさせてくれというのではないのか。

■大野を見限ったのか、未練を断ち切るためか

10月に文春の記者が沖縄の離島を訪れると、大野と彼女が夢見た土地には雑草が生い茂っていたという。

彼女は以前から、「これ以上、彼の負担になりたくない」といっていたという。大野が悩む姿を見かねて、彼女のほうから身を引いたそうだが……。

何やら封建時代の悲恋物語のようだが、本当にそうだろうか。そうならばなぜ、2人のプライベート写真が9葉も文春に掲載されたのだろう。

結局、事務所のいいなりで自立できない男を、彼女が見限ったのではないのか。

それとも、男への未練を断ち切るために、「大野の最後の恋」の証を公開したのだろうか。

週刊文春(12/31・1/7日号)によると、大野は文春が報じた後も、彼女と連絡を取るなど思いを断ち切れていないため、好きな酒に溺れているそうだ。

ウィスキーのグラス
写真=iStock.com/ipopba
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ipopba

相葉雅紀だけは、4億円といわれるマンションで、8年前に知り合った女性と、夫婦同然の同棲生活を送っているそうである。

故・ジャニー喜多川がつくったジャニーズ事務所は、多くのアイドルを輩出したが、女性を幸せにする教育には“手抜き”があったのではないか。そう思わざるを得ない。

■ネバーランドを出た彼らは、どうなってしまうのだろう

こうした報道を見ていると、ジャニー喜多川は、自分が見出したアイドルたちを子どものままに留め置いて、大人にしたくなかったのではないかと思えてくる。

ジェームス・マシュー・バリーの戯曲「ピーター・パン」に登場する国ネバーランドにしたかった。そこにいる間は、いつまでも子どものままでいるが、いったん外へ出ると、そこにいる時間だけ年を取ってしまう。イギリス版・浦島太郎である。

今年は「嵐」以外にも、手越祐也や山下智久など多くの人気タレントたちが退所していった。

彼らは、外の世界へ出て初めて、自分たちの本当の姿形に気付くのではないか。

だが、慌てて引き返そうと思っても、ジャニーズ帝国は崩壊してネバーランドもなくなってしまっているとしたら、彼らはどうするのだろう。(文中敬称略)

----------

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198630283/presidentjp-22" target="_blank">編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

----------

(ジャーナリスト 元木 昌彦)

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング