レスが遅い、ドタキャン…「時間のマナー違反」を繰り返す人の特徴
プレジデントオンライン / 2021年1月13日 15時15分
■「ギリギリ」はすでにNG!
男女、役職の有無にかかわらず仕事を持つキャリアのほとんどは、スマホや携帯電話を持っているでしょう。思い立ったらすぐ、どこにいても相手とコンタクトが取れる。今や便利なツールということを超えて、公私共に必需品となっています。しかしながら、万能ゆえに私たちが犯してしまいがちなマナー違反があることはご存じでしょうか。
たとえば友人からメールで食事の誘いがあったとき。あなたは「その日の都合がまだわからないから、あとで連絡しよう」と何も伝えずにペンディングしていると、相手はさまざまな想像をしてしまうかもしれません。「忙しいのかしら?」「誘うタイミング悪かった?」「もしかして何か怒っている?」……そう、いわゆる“既読無視”と思われてしまう可能性です。あなたには悪気はなくとも、返事をしない理由を自己完結するだけでは、当然相手には伝わりません。それに、そうしているうちにうっかり本当に忘れてしまって、今さら返事をするのはなんだか気まずくなってしまう……なんていうことも十分ありますよね。
私たちはそれぞれが自立した大人ですから、なにも常に着信を見張っていて、メールを読んだら即返事をしなさい、というものではないのです。相手にもそれを期待すべきではありません。けれど誘ってくれた相手の都合のためにも、できる範囲の中でなるべく早く返事をするというのは基本中の基本。特に断る場合はいち早く。断ること自体が苦手という人もいるかもしれませんが、引っ張るだけ引っ張って断られるよりどうせなら早いほうが、相手も他の人を誘いやすくなります。断るときは迅速に。ビジネスでもプライベートでもこれは鉄則。ギリギリまで予定がわからないというのなら、それをきちんと伝えておくのが健全なコミュニケーションであり、マナーです。
そして何よりも、相手を無駄に待たせることは、その人の時間をキープすることになってしまいます。ずるずると答えを出さずにいることで、時間ごと縛りつけてしまうことになるのです。お互いきちんと意思疎通ができている場合は別ですが、それ以外はマナー違反を越えてプチトラブルになってしまうことすらありえます。
■遅刻やドタキャン癖は、時間に対する意識の低さの表れ
「相手の時間を奪う」というマナー違反について、もうひとつ例を挙げてみましょう。
誰かと待ち合わせをするとき。スマホや携帯電話が今ほど普及していなかった頃は、場所と時間をきっちり決めないと、容易に相手と落ち合うことはできませんでした。ゆえに時間についてもっと気を配っていましたよね。けれど今は、なんとなく約束をしていれば、多少……いえ、大幅に時間に遅れることになっても(もちろんそれがいいこととは言いませんが)相手さえ許してくれれば、その日の約束は続行されますし、大したすれ違いは起きません。
けれど、いつでもどこでも連絡が取れてしまう文明の利器を手に入れた私たちは、つい相手の時間を奪ってしまっていることに疎くなるもの。相手のタイミングより自分の都合を優先してしまい、明らかに約束の時間を過ぎてから「少し遅れます」なんていう連絡をしてしまっては、相手はきっと待ちぼうけ。「だったらあそこに寄ればよかったな」「もっと早くわかっていれば私も急いで来る必要なかったかも」なんて思いながらも動くに動けず、集合場所で無駄な時間を過ごさせてしまうかもしれません。だったらどこかのカフェで時間をつぶせばいい、というのはもっともなのですが、それは待たされた側が言うことで、待たせた側が言っていいことではないのです。
マナーは思いやりです。そして思いやりとは言い換えれば想像力。自分がそのアクションを起こしたら相手はその先どんな思いをするのかを、少しだけ先回りして考えてみること。そうすると、たとえば大切な友人や仕事のパートナーが、あなたが遅刻するとは知らずにもしかして家の用事をいくつかあきらめることも、はたまた時間に間に合わせようとタクシーを使って待ち合わせ場所に来る必要もないのです。遅れるのは時に仕方がないことだとしても、連絡は前もって、早めに。「早め」の目安は相手に負担をかけないタイミングのこと。逆に誰かに待たされたときは寛容でいたいものですが、今さら誰にも叱られないことだからこそ、もっと繊細に気をつけたいところです。
■マナー違反が仕事のデキる人に多いのはなぜ?
返事を待たせたことで相手を縛り、また、遅刻することで時間を奪う。これは直前にキャンセルしてしまうドタキャンにも同じことが言えます。プライベートであれ仕事であれ、約束して一定の時間をもらうということは、お互いにその前後の時間も調整することにほかなりません。遅刻同様、ドタキャンもどうしようもない場合はありますが、周りを見渡してもそれをするのは大体同じ人であることが多い。残念ながら時間の大切さへの認識が甘いと言わざるを得ません。
しかしながら、これらの「時間を奪う」というマナー違反は、ルーズな性格の人がやってしまいがちなことのように思えますが、実は仕事が順調で忙しくしている人も注意が必要です。なぜならそのような人たちは常に「忙しいからね、仕方がないよね」という理由で遅刻やドタキャンを見逃してもらえることが多いせいか「人の時間を奪う」ことにすでに慣れっこな場合があります。本心では申し訳なく思っていても、いつも許されているぶん、どこか大目に見てもらえるだろうという慢心があるのも確かです。
それに、管理職ともなれば誰からも注意されない……いえ、してもらえません。せいぜい陰で疎まれるか、呆れられる程度です。けれど、時間は命そのもの。絶対に取り戻せないし、とても貴重なものです。いくら相手が部下だとしてもむやみにそれを奪うことは決して許されず、立場に関係なく尊重されるべきものなのです。
だからこそ、相手が誰でどんな立場であるかにかかわらず、時間に関するマナーを守りましょう。もちろん、自分の大切な時間を守るためにも。
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フリーエディター/執筆家
新ファッションウェブマガジン「LIV,」主宰。女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。現在今年いっぱいで終了する「ANNE MAGAZINE」のラスト講座の参加を募集中。大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・独自の人生哲学を発信するほか、パーソナルスタイリングやファッション講座などを定期的に開催している。
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(フリーエディター/執筆家 乙部 アン)
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