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「なぜ株価だけ上がるのか」コロナバブルで丸儲けするためのたった一つのルール

プレジデントオンライン / 2021年1月28日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/imagean

新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込んでいるにもかかわらず、日経平均株価はバブル期以来の水準にまで上昇している。公認会計士の足立武志氏は「この波に乗って株式投資で成功するには、実体経済と株価の動きは異なるということを理解しなければならない」という——。

※本稿は、足立武志『お金偏差値30からの株式投資』(扶桑社新書)の一部を再編集したものです。

■株価上昇に乗り遅れた人は、なぜ株を買えなかったのか

2020年3月、コロナウイルス感染症の拡大を嫌気して、世界的に株価が暴落しました。しかし、その後、日本株はかなり急速な反発上昇に転じました。この上昇に乗れた人と乗れなかった人がいるでしょう。両者の違いはどこにあるのでしょうか?

コロナショックで最安値をつけてから3カ月弱で日経平均株価は2万2000円台を突破し、3月の安値からは30%以上の反発となっています。

マザーズ指数も驚異的な上昇となり、2カ月余りでおよそ2倍にまで上昇、コロナショック前の水準どころか、2019年の高値さえ上回っています。

個別銘柄を見ても、コロナショック前の水準を軽々と超え、上場来高値を更新し続ける銘柄がいくつもあります。

しかし、この株価上昇にうまく乗ることができた人は、少ないのではないでしょうか。

個人投資家はどのような状況にあるのか

個人投資家の状況を大別すると大きく4つに分類できます。

(1)順調に上昇相場に乗れている
(2)安いところで買えたが、もう売ってしまった
(3)株を買うことができず上昇相場に乗れていない
(4)逆に空売りをしていて損失が膨らんでいる

※空売り…株をまず売って値下がりした時、買い戻して利益を得る取引のことです。予想に反して株価が上昇した場合は逆に損失が発生します。証券会社に信用取引口座を開設すると、空売りの取引を行うことができます。

特に(1)と(3)の違いが重要です。なぜ株を買うことができなかったのか、その理由を突き止めなければ今後も同じことの繰り返しになってしまいます。

■実体経済と株価の動きは異なることが多い

筆者が個人投資家に話を聞いたところ、再び株価が下落するのが怖くて買えなかった、という意見が圧倒的に多かったです。

つまり、コロナショックによる株価急落後、多少株価が反発したとしても再び株価が下げに転じると思っていたのです。

確かにニュースを見れば、「米国では世界恐慌を超える失業者数」「航空会社が相次いで破たん」「飲食店の閉店続出」「新型コロナウイルスの感染第2波は必ず来る」など、足元の景気が最悪で今後の見通しも明るくないと強く感じてしまいます。

そのこと自体は間違っていないのですが、株式投資をするのであれば、足元の実体経済と株価の動きは異なることが多いという点は絶対に理解しておかなければなりません。ここが理解できないと、特にバブルのような大きな上昇相場に乗ることができなくなります。

■ポイントは「株価についていく」こと

(3)の株を買うことができず上昇相場に乗れていない人は、実体経済の悪さを見て、株価が大きく上昇することはあり得ない、と思ってしまったため、株を買うことができなかったと思います。

これを避けるには、純粋に「株価の動きについていく」ことが必要です。

右肩上がりの矢印
写真=iStock.com/Gajus
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Gajus

確かに、今の実体経済と株価の動きは一致していません。しかし世界各国の追加的金融緩和により、バブル相場が生じる素地ができていたのも事実。

となれば、たとえ足元の景気が最悪で今後の見通しも不透明であったとしても、株価が底打ちして上昇を始めたならば、その動きに逆らわずについていくべきです。

確かに筆者も二番底や底割れを強く懸念していましたので、全力でとはいきませんでしたが、コロナショック後の株価上昇にそれなりに乗ることができました。それは、足元の景気が最悪でも株価が上昇トレンドになったら買い、上昇トレンドが続く限り保有する、ということを淡々と実践しているからです。

もし株価の動きに素直に従い、行動できていたならば上記の(1)から(4)のうち、おのずと(1)の順調に上昇相場に乗れていることにつながるはずです。

(2)の安いところで買えたがもう売ってしまったというのは、買うこと自体は成功でしたが、早めに売ってしまったわけですから、上昇トレンドが続く限り持ち続ければ解決できます。(4)の逆に空売りをしていて損失が膨らんでいるのは、株価の動きに完全に逆らっているわけですから、そうした行動を避け、株価の動きに従って動くようにすれば解決できます。

追加的金融緩和
新型コロナウイルス感染症の蔓延による自国経済の落ち込みを食い止めるべく、世界各国の中央銀行は「政策金利」(今回は短期金利を0%やマイナスにする「ゼロ金利」「マイナス金利」政策)を取ってお金を借りやすくしたり、直接、市場で国債などを購入することで、市中に大量の資金を供給する「量的金融緩和策」を進めています。

■もし今から買うならどう動くべきか?

コロナショック後の株価上昇にうまく乗れなかった、という方が最も気になっているのが「今から買っても大丈夫?」という点だと思います。

足立武志『お金偏差値30からの株式投資』(扶桑社新書)
足立武志『お金偏差値30からの株式投資』(扶桑社新書)

ここまでの株価上昇をすでに見せているわけですから、いつ上昇が終わってもおかしくありません。

その一方で、2005年や2013年前半に匹敵するような壮大なバブル相場に発展するのであれば、今から買っても報われることになります。

したがって、「いつ上昇が終了するか分からない」「壮大なバブル相場になるかもしれない」という2つを両にらみしたうえでどう動くかを決めるのがよいと思います。

具体的には、出遅れ銘柄や25日移動平均線からのかい離率が小さい銘柄を買うということです。そして25日移動平均線を割り込んだら速やかに売るようにします。

25日移動平均線
「移動平均線」は株価の値動きを分析するための「テクニカル指標」の一つです。まず、期間を設定し、その期間内の株価の終値を足して期間数で割ることで、その期間中の株価の平均値を計算。その平均値を結んだ線が移動平均線です。移動平均線の傾きで値動きの方向性=トレンドを判断することができます。株価が移動平均線からどれぐらい離れているか(「かい離」といいます)で、値動きの勢いや過熱感を見ることもできます。また、期間の違う移動平均線の並び方からトレンドの状況や勢いの変化を判断します。株価が25日移動平均線を上に超えるということは、これまでの25日間の株価の平均値を超えたことで、株価の上昇に勢いが出たシグナルになります。

このルールに従い行動すれば、もしここから本格的なバブル相場になったとしても、買った株の株価上昇という恩恵を受けることができます。逆に、株価上昇が終了してしまったとしても、25日移動平均線割れの売却・損切りによりダメージを最小限に防ぐことができます。

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足立 武志(あだち・たけし)
足立公認会計士事務所代表
公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)。マーケットチェッカー取締役。1975年、神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活動、セミナー講師などを通じ、個人投資家に対して真に必要・有益な知識や情報の提供に努めている。現在、楽天証券にて資産運用のコラムを連載中。著書に、『株を買うなら最低限知っておきたい株価チャートの教科書』(ダイヤモンド社)、『すぐできる! らくらくネット株入門』(高橋書店)、『それは失敗する株式投資です!』『超実践・株価チャート使いこなし術』(ともに日本経済新聞出版社)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)などがある。

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(足立公認会計士事務所代表 足立 武志)

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