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1文1秒の面白音読「川にママが流れている」「校庭で校長先生があばれる」で子供の頭がよくなるワケ

プレジデントオンライン / 2021年1月28日 9時15分

『プレジデントFamily 2021年冬号』(プレジデント社)

ボキャブラリーが多いと文をスラスラ読めて理解できる。鶴田式算数塾代表の鶴田進さんは「子供は多くの言葉を読むトレーニングを重ね、見るだけで読み方と意味がわかるようになることが必要。『校庭で校長先生があばれる』『俺様が学童に行く』といった、おふざけ音読も効果的です」と語る。鶴田式「音読プリント」を紹介しよう――。

■文を見て意味がパッと頭に入る「音読プリント」で子供は賢くなる

算数の文章題を子供にさせるとき、問題文を自分で読むと解けないが、親や先生に問題文を読んでもらうと解ける、という子がいます。読んでもらえば解けるということは、算数の知識や計算力が不足しているというわけではありません。耳で聞けばわかるのに、目で読むとわからない。つまり、「耳のボキャブラリー」はあるのに、「目のボキャブラリー」がないのです。

私たち大人は文章を読むとき、一つ一つの単語の読み方や意味を頭の中で考えたりしません。道路標識など、たくさんの情報を目にしても、一瞬でその読み方と意味を理解します。これは、「目」がその言葉を認識しているからです。

一方で、小学1年生は「おはよう」という言葉は知っています。平仮名も読めます。でも「おはよう」という文字列を見たとき、まず「お、は、よ、う」と1文字ずつ読むため、それが「おはよう」という意味だと理解するまで時間がかかるのです。見た瞬間に、読み方と意味がわかる。これが「目のボキャブラリー」です。

目のボキャブラリーが少ないと、問題文を読みながら、いちいち頭の中で読み方や意味を考えなければなりません。だから、文章全体の意味をスムーズに理解することができないのです。

しかも子供は、読んでいる途中で一度つまずくと、つまずいたところの前後の意味をつなげて理解することが苦手です。なかには、最初に書かれていることを忘れてしまう子もいます。これでは問題文を理解して解くどころの話ではありません。

■音読「川にママが流れている」「校庭で校長先生があばれる」で賢くなる

目のボキャブラリーを増やすには、できるだけ多くの言葉を読むトレーニングを重ね、見るだけで読み方と意味がわかるようになることが必要です。私が作った「音読プリント」は、A4サイズの用紙1枚に短文が20行(20文)ほど並んだものです(下記リスト参照)。

はじめはルビを付けて、慣れてきたらルビなしのままで、声を出して読みます。文の中央にある赤線は、目の動きを小さくし、視線を固定するためのものです。目標は1枚20秒。大人でもギリギリだと思います。

「日本語/おふざけ音読」より

この「音読プリント」を学習することで、算数の文章題に苦労していたお子さんが、テストで100点を取るようになりました。また、ことわざ編、歴史編、地理編など様々なプリントを作ったところ、算数だけでなく国語や社会の成績も上がるようになりました。

家庭では、お子さんの興味に合わせて、たとえば好きな漫画のセリフを書き出してやるなどしてはどうでしょうか。生徒の親御さんには、ガンダムの登場人物を入れたり、家族を題材にしたりなど、自作プリント(※)で楽しんでいただいています。

※下記リストの「おふざけ音読」

「読解力」というと「解」、つまり理解力のほうばかり気になりますが、実は「読」、読む力を伸ばすことが、とても大切なことなのです。

■【鶴田先生作成の音読プリント 1日1回、毎日続けて音読しよう!】

※目標は「各1枚(20項目)20秒で音読」
※本来はそれぞれのプリントのリスト中央に横か縦の赤の線が引かれ、そこに視線を固定し、目の上下左右への動きを小さくして音読する。

●「6年生漢字①」より

宇宙飛行士になる夢
周辺諸国との関係
東京オリンピックの聖火台
冷静な頭脳を持つ
貴重な宝石
弟の誕生日を祝う
本の著者を調べる
消防署へ通報する
誤字が多い文章
発言する権利がある
心が痛む物語
服装を整える
昔の巻物を発見する
貴重な映像
私は感激しました
推理小説が大好き
山の頂上を目指す
砂場で砂遊びをする
城を守る兵士
商品の値段を調べる

■1文1秒で音読「六つ子が集合するとヤバい」「俺様が学童に行く」…

●「日本語/おふざけ音読」より

こうしの様子がおかしい
葉っぱが頭から落ちた
ズゴックの研究をする
校庭で校長先生があばれる
好きな相手がいるよ
短い筆をふり回しまくる
あかりと入れかわったらキレた
油をのんで病院にはこばれた
野球で消しゴムを打った
銀色のパンツ
忍者のひみつを知った
川にママが流れている
ママは重たい
六つ子が集合するとヤバい
戦車の方を向くとあぶない
算数の式がおかしい
俺様が学童に行く
平らな所でこけた
へんな詩を読む
ボンバルディア3号に登る

メスのニワトリの横顔をクローズアップ
写真=iStock.com/georgeclerk
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/georgeclerk
●「単位(初級)」より一部抜粋

鉛筆 38本
定価 91円
本 45冊
生徒数 27人
録画時間 14分
猫 81匹
にわとり 32羽
用紙 45枚
りんご 51個

●「単位(m、L、g)」より一部抜粋

707mgはコイン何枚分だろう
お風呂の容量は708L
827tの怪獣が町を襲う
電車の模型の全長は662mm
近所のコンビニまで255m
594mL入りのジュース
飛行機で633km移動した
お米を644g量る
ウオーターサーバーは596dL

●「県庁所在地」より

北海道 札幌市
青森県 青森市
岩手県 盛岡市
宮城県 仙台市
秋田県 秋田市
山形県 山形市
福島県 福島市
茨城県 水戸市
栃木県 宇都宮市
群馬県 前橋市
埼玉県 さいたま市
千葉県 千葉市
東京都 特別区
神奈川県 横浜市
山梨県 甲府市
新潟県 新潟市
長野県 長野市
富山県 富山市
石川県 金沢市
福井県 福井市

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鶴田 進(つるた・すすむ)
鶴田式算数塾代表
2歳から中学生まで、個性に合わせた個別指導を実践。「できない理由や原因を見抜くこと」がモットー。

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(鶴田式算数塾代表 鶴田 進 構成=金子聡一 撮影=榊 水麗)

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