「新卒採用ゼロ→内定10人」オンライン就活で大成功した無名企業の4つの要点
プレジデントオンライン / 2021年1月31日 11時15分
■新卒市場での2つの変化
新卒採用の環境が目まぐるしく変化し、現状を追いかけるだけで精いっぱいという企業様も少なくないのでは……と感じております。
そうした企業経営者、採用責任者の一助になればと、今回は、今からでも間に合うオンラインでの新卒採用の正攻法について、要点を絞ってお伝えしていければと思います。
そもそも、今、新卒市場で起こっていることは大きく2点あります。第一に、企業の採用活動時期の後退。例年よりも1~1カ月半ほど後ろ倒しになっており、6~7月が各社の内々定出しのピーク時期になる動きとなっています。
これは、自社が内々定を出してから承諾まで期間が長く、他社選考が進んでいるため内々定が出せないといった従来の理由に加え、オンラインだけの接触では学生も入社意志を固められないことも、最近生まれている要因です。
第二に、企業の採用人数の減少。実際、新卒採用媒体会社のまとめたレポートによると、2割程の企業が採用人数を減らす旨の回答をしています。
そうしたニュースの影響もあり、就職先の決定を急ぐ学生が一定数現れ始めています。また、ある程度事態が収束した段階で、それまでの遅れを取り戻すべく採用活動が激化し、内定辞退者が続出することも見込まれます。
■今、新卒採用の現場で起こっていること
こうした前提の変化を踏まえて、集客面・フォロー面での現場の動きも変化が生まれています。例えば、母集団を形成する集客面では、以下のような動きが強まっています。
・オンライン説明会の必須化:「やった方が良い」から「やらなければならない」へ
・スカウトメールからオンライン説明会への誘導強化:エントリー反響は昨年より継続している
・人材紹介の利用の検討:目標人数必達のため手段へのこだわりがダウン
さらに、母集団から内定出しへ導くフォロー面でも、以下のような動きがはっきりしてきました。
・接触回数の明確な増加:最終選考前後に接触を2回増やす
・他社施策の把握:他社の選考状況・スケジュールの把握が必須事項に
・リアル施策の見直し:職場見学の使い方に気をつける
市況上、過去の取り組みや他社の選考と同じ取り組みを実践できるかが不透明です。実際、今までの主力の集客源であった合同企業説明会の集客は激減が予測されますし、フォローの上でのキモであったリアルイベントの参加者のハードルが今まで以上に高くなります。
おのずとオンラインのみで新卒採用を達成できる体制へのシフトは不可避な状況です。こうした集客面・フォロー面のポイントを外すことは致命的な事態を招きかねませんので、是非ともご留意ください。
■母集団形成・惹きつけ・面接・クロージングの各段階での要諦
オンラインでの採用体制へのシフトが不可避であるとご理解いただいた上で、次にオンラインのみで採用するためのポイントを見ていきましょう。
第一ステップの「母集団形成」に関して。先述の通り、合同説明会経由での母集団形成は激減が見込まれます。
そのため、オンライン上でアプローチするスカウト型の母集団形成が有効となりつつあり、その推進のために船井総研ではOfferBoxの活用を推奨しています。
OfferBoxは、自社にマッチしている学生に対して企業側から直接アプローチを行うことが可能という特徴を有しており、学生の応募を待つ守りの採用からの脱却が可能であるためです。
さらに、学生とマッチングするためのオファーは1回勝負で、マッチングしなかった場合その学生とは2度と連絡が取れなくなるため、双方の本気度が高いこと。内定時に費用が発生する成果報酬型で、辞退された場合も全額返金されることなども見逃せません。
第二ステップの「惹きつけ」に関しては、Zoomなどを活用したオンライン説明会がポイントとなります。これは、オンラインでしかできないことに磨きをかけるようにしてください。
具体的には、YouTube経由で会社説明会動画を常時配信し、オンラインでの受け皿を用意し母集団の取りこぼしを防ぐなどが代表的です。
その際、オンラインでは学生の集中力が持続する時間が短く離脱も招きやすいため、時間配分や導線を緻密に設計する重要性がリアルよりも高まります。
双方向でコミュニケーションが取れるコンテンツを構築するなど、工夫するようにしてください。
■オンライン化はリアルの代替ではない
第三のステップである「面接」では、リアルのやり方を踏襲する選考では見極めが困難となりがちな点を留意ください。
これは、オンライン上ではお互いの反応がわかりにくいことに起因し、時間自体もタイトなものになりがちなことに起因します。
そのため、お互い慣れていない前提でリアクションを大きくする、質問に答えてもらうための雰囲気作りに心を砕く、質問の切れ味を上げるといったテクニカルな面の重要度が上がります。
第四ステップである「クロージング」においても、企業・学生共にオンラインであるがゆえに双方が決めきれないという課題をいかに解決するかがカギになります。
そのために、会社や仕事、社員の理解を深め、採用ターゲットの入社条件と理想の社会人像を整理・合致させるひと手間が必要になります。
そのためには、キャリアビジョンの面談や合格者面談を実施し、内定者の考えや現状を把握するとともに、接点機会を設けるようにしてください。
以上、オンラインでの採用体制へシフトするためのポイントをお伝えしてまいりましたが、共通しているのは、オンライン化はリアルの代替ではないということです。
確かに欠点もあるものの、リアル以上にオンラインの方が良い点もあり、その長所をしっかりと活かすことが結果に結びついていることがお分かりいただけるかと思います。
■地方の不人気業種でも就活生が集まる
そして、こうした取り組みを推進するためには、新卒採用活動を推進するための採用チームの編成が欠かせません。
新たな取り組みも少なからずあり、各取り組みの徹底度合いが成否を分ける以上、役割と責任の所在を明確にすることが不可欠だからです。ただし、採用チームを整備し、オンライン採用に舵を切った企業の中には、
・前年採用0だった四国の年商10億円の住宅会社が10名内定承諾を実現
・前年採用数1名だった愛知のOA商社が13名内定承諾を達成
など、結果を出している企業も存在します。転換期の今だからこそ、時流に適応したやり方を徹底できれば、地方×不人気業種であっても優秀学生の獲得に成功できるとも言えるでしょう。
今回、オンライン集客などさまざまな取り組みをお伝えしましたが、全て取り組んで全て中途半端にするようでは、思うような結果も望めません。緊急性・重要性の高いものから優先的に着手するようにしてください。
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(船井総合研究所 社長online)
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