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「子供2人でも睡眠7h、余暇1.5h」外資系ワーママが心がけた2つの習慣

プレジデントオンライン / 2021年2月12日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara

子供2人を育てながら、外資系企業に勤務し、睡眠は7時間、余暇を1.5時間を確保する。そんな生活を続けてきたVoicyパーソナリティの尾石晴氏は「時間を作るうえでもっとも重要なのは、時間の引き算という考え方。やらなくていいことが決まれば、自分の自由な時間は作れる」という――。(前編/全2回)

※本稿は、尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

■「時間の引き算」で自由な時間を作り出す

あらゆる時短テクニックを使っても、思ったように自分の時間を増やすことができない。仕事を定時に終わらせて帰ることもままならない。そう悩んでいる人は多いはずです。

以前は私もそうでした。これ以上仕事の時間を削ることはできないし、なんだかんだ家に帰ってから家事や子どもの世話をしていると、あっという間に22時……。一体どこに時間を作る余裕があるのだろうと思っていました。

そんな私でしたが、7年の試行錯誤の末に自ら編み出した「やめる時間術」を駆使し、職場で管理職になっても、子どもが2人になっても、毎日1時間半の自分時間を余裕で作れるようになりました。平均5時間半だった睡眠時間が1時間半延びて7時間になり、子どもとの時間も取れるようになったのです。

そして、仕事と2人の子育てを両立しながら、やりたいことをやれるようにもなり、最近では会社員以外で十分な収入を稼げるまでになりました。

2020年には会社員を卒業し、ヨガスタジオや本の執筆など、様々なことに挑戦しています。本稿では、私が自分時間を作り出すために実践している、誰でもすぐに使える「時間の引き算」について紹介します。

■価値観を明確にすれば時間は作れる

まず、時間を作る上で最も重要なのは、「時間の引き算」です。可能であれば、1日を振り返りながら自分の24時間のタイムログを作成し、使った時間を可視化してから行うと効果的です。

引き算とは「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めること。つまり自分の人生の優先度に基づいて、優先度の低いものにかける時間をやめることです。この時に大事になるのは「自分の価値観」です。

<時間の考え方>
①自分の使っていた時間(見える化)-②価値の低い時間(引き算)=③本当にやりたいことに使う時間(足し算)

自分の価値観に基づいた「引き算力・やめる力」をつけておくと、「満足のいく時間」を増やせるし、それが長い人生の中で役立つ「力」になります。

でも、満足度を上げるには、「足し算」が先ではないの? と思われたかもしれません。

もちろん、すでに「本当にやりたいこと」がある人や、自分の「やるべきこと」が明確な人は、それに照らして時間の使い方を考えていったほうがうまくいくでしょう。

しかし、以前の私もそうでしたが、「本当にやりたいこと」や「やるべきこと」が何なのか、よくわからない人は多いのではないでしょうか。

それは、「自分にとって大事なことは何か」という自分の価値観が曖昧だからです。

「時間の引き算」をしていくと、自分の価値観があぶり出されます。やめることでやること、やりたいことが見えてくるのです。

■ワーキングマザーに学ぶ「引き算力」

「自分はこんなことを大事にしていたのか」
「自分のやりたいことはこれなのかもしれない」

若い母親
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/monzenmachi

といった、価値観に基づいた「本当に使うべき時間」が見えてきます。

また、そもそも24時間という枠は決まっているので、まずは引いてやめる時間を作らないと「足し算」に使える時間の枠がありません。まずは、これから紹介する考え方とテクニックを使って、優先度の低い時間をやめていきましょう。

実は、この「引き算力」に長けているのは、日本のワーキングマザー(ワーママ)です。

日本は諸外国と違って、子育てや家事を外注することがまだまだ一般的ではありません。少しずつ変わってきてはいるものの働き方の多様性にも乏しく、女性が会社員として子育てしながら働くには、何かをやめて「引き算」しないと生活が回りません。こうして自ずとワーキングマザーたちの「引き算力」が磨かれていくのです。

■究極の選択を迫られるからこそ価値観が問われる

両親がフルタイム勤務で働く子持ち核家族は、びっくりするくらいにすぐ「時間がない」状態に陥ります。

特に夫が日本型の長時間労働をしている家庭は、母親側の時間が顕著になくなります。

実際、6歳以下の幼児持ち共働き家庭では、妻は夫と比べて4.9倍の時間、家事・育児をしていると内閣府の調査で報告されています。(*1)

私も育休明けに仕事復帰してつくづく感じましたが、ワーキングマザーは強制的に24時間を見直さないと、すぐに生活が立ち行かなくなります。

もう時間がなさすぎて「仕事をやめるか、家事をやめるか、子育てを放棄するか」というような究極の選択を迫られます。これを乗り越えるためには、価値観の変容(パラダイムシフト)を起こして、自分が変化するしかありません。

「時間の枠」を乗り越えるためには、優先度をつけて、今必要のないもの、順位が低いものをやめていくしかない。そのため、ワーママたちは「仕事・家事・育児」の優先度を常に考えています。

「今朝は子どもがぐずぐずしてたから、夜に発熱するかもしれない。明日、病院に連れていかなければならないかもな……。ということは、明日提出予定の資料は早めに仕上げておかないとやばい。昼休みはいつもの半分の時間にして、今やっている仕事を1時間後に回し、資料を先に仕上げておこう」

このように、瞬時にやることの優先度をつけて、時間の「引き算」や「入れ替え」を行っています。

*1 広報誌『共同参画』

■「マイものさし」を持つことが大切

私は、これを「時間の使い方の筋トレ中」と例えています。ワーママたちは毎日、負荷ギブスをはめた状態で筋トレをしているようなものです。気がつくと「時間の使い方」が急激に上達します。

ワーママのように「そうしないと生活が回らない」となると、切羽詰まって、時間の「引き算力」が向上するのです。私自身も、時間の使い方がうまくなったと実感しているのは、共働きワーキングマザーになってからです。

時間の見える化をした後に、「引き算と足し算」をする時には、闇雲に足したり引いたりすればいいわけではありません。

「どの時間を引き、足せばいいのか」

この基準となるのが自分の価値観です。この価値観を明確にするために、時間に対する「マイものさし」を持ちましょう。ここでは2つの「ものさし」を紹介します。まずは見える化した時間を「分ける」時に意識したい2つです。

■ものさし①「投資・消費・浪費」

自分が使っている時間を次の3つに分けてみましょう。

疲れた母親
写真=iStock.com/tatyana_tomsickova
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tatyana_tomsickova

・投資=後々にリターンが見込めるもの
・消費=日々生活していく上で必要なもの
・浪費=無駄に使っているもの

時間を「未来のために使うもの」「今使うべきもの」「無駄使いになっているもの」、この3つに分ける癖をつけます。

例えば、SNSを目的もなくダラダラ見ている時間は、多くの人にとって「浪費」です。食事の準備をしている時間は生活に必要な時間なので、「消費」の時間になります。会社で上司に誘われてランチを食べている時間は、仕事のミーティングを兼ねたり、報連相や情報収集目的なら「投資」になりますが、ただ2人で食べるだけなら「消費」でしょうか。

本当は1人で読書しながら食べたいのに、断れずに付き合っているなら「浪費」になります(図1)。

同じことでも理由や目的で投資か消費か浪費かが変わります
出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
同じことでも理由や目的で投資か消費か浪費かが変わります - 出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』

このように、自分が今過ごしている時間は「投資・消費・浪費」のどれに当てはまるのか、常にアンテナを立てておきます。こうすれば、自分の時間は今どれなんだろうという感覚が磨かれ、上手に時間を引くことができるようになるのです。

■ものさし②コントロール可能か不可能か

「自分と他人」「未来と過去」

どれが自分でコントロールできて、どれがコントロールできないものでしょうか。答えは簡単で、「自分と未来」だけがコントロールできるものですね。誰でも頭ではわかっています。

ところが、時間の使い方で見ると、意外と自分がコントロールできないことに時間を使っていて、しかもそれらを「引くこと」ができないと思っている方が多いです。

例えば仕事において自分でコントロールできることとできないことに分けてみましょう。

自分でコントロールできること
・職種のためのスキルアップ
・仕事にかける時間
・他部署への異動願い
・社内でのコミュニケーションの取り方
・勤務地に合わせた自宅を選ぶ
など
自分でコントロールできないこと
・所属する部署
・仕事の内容や勤務時間
・社内で一緒に働くメンバー
・評価
・会社の場所
など

「会社が近かったらなあ」と言いながら、毎日往復2時間かけて通勤している人がいますが、会社の場所を自分で移動させることはできません。自分でコントロールできないことを嘆いても意味がないのです。

自分でできるのは「自宅の場所の選定」や「会社を変える」ことだけです。わかっているはずなのにコントロールできないことにこだわっているのは、はっきり言って時間のムダです。

■コントロールできないことに時間を使うべきではない

もちろん、自宅を他に移せない理由は、挙げればキリがありません。それなら、通勤時間は自分ではコントロールできない=引けない時間と割り切って、自分にとって有用な時間へ転換する必要があります。

尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)
尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)

また、職場で長時間かけて行った仕事に対して、いい評価が得られなかったとします。「評価」は他人がするものなので、コントロール不可能です。これはもう仕方がないことなので、今回は仕方ない。次はどうするか? と考えて割り切るしかありません。

しかし中には、「評価されないのは、上司との相性が悪いせいだ」などと結論づけ、そこから上司の不満を同僚に訴えたり、いい評価をもらった同期と比べて次の仕事のやる気が失せたり、負のループに陥る人も多いです。

自分ではどうにもならないコントロールできないことに、貴重な思考の時間を割くべきではありません。むしろ、コントロールできる次の仕事に取りかかったり、評価してもらいたいなら評価基準の情報を集めたほうがよほど建設的です。

時間の引き算においても、自分がコントロールできることとできないことに分けることは重要です。すでに終わった出来事など、自分にコントロール権がないものに使っている時間はどんどん引いていきましょう。

時間を使うのは自分がコントロールできることだけ、と割り切ってください。

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尾石 晴(おいし・はる)
Voicyパーソナリティ
外資系メーカーに16年勤務し、うち6年は管理職として活躍。長時間労働が当たり前の中、「分解思考」で時間を捻出。ワンオペ育児をこなしながら残業0時間を達成し、チームを社内表彰に導く。その傍ら、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター、メンタルオーガナイザー、ライフオーガナイザーなど、会社員以外での収入経路を次々と確保。2020年4月に会社員を卒業。音声メディア「voicy」では1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍中。2020年にはヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」を立ち上げ、代表を務める。2児の母。著書に『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)がある。ツイッター:@wa_mamaharuインスタグラム:@waamamaharu

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(Voicyパーソナリティ 尾石 晴)

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