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共働きに疲れ切っている子育て世代を救う「時間を作り出す5つの質問」

プレジデントオンライン / 2021年2月13日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

共働きの子育て世代が「自由時間」を確保するにはどうすればいいのか。Voicyパーソナリティの尾石晴氏は「まず、私が考案した5つの質問を使って、やりたくないことを明確にしてほしい。私はこの方法で週の自由時間を10時間以上も増やすことができた」という――。(後編/全2回)

※本稿は、尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

■5つの質問を使って「引くべき時間」を見つけ出す

本稿では時間を作り出すために、「引くべき」時間を見つけていくテクニックをご紹介します。

次の5つの質問を使って、自分が「引きたい時間」へ問いかけをしてみてください。

・これをやめたら誰が困るのか?
・誰かがやってくれるならやってもらいたいか?
・時間が無限にあってもやりたいか?
・この時間の代わりにやりたいことがあるか?
・3年、5年、10年後につながる時間になるか?

例えば、週2回やっている掃除にこの質問をしてみます。

●やめたら誰が困るのか?
→家族が困る? そもそもきれいになっていると気がついていないのでは?
●誰かが代わりにやってくれる?
→夫は不在が多いので誰もやってくれない。
●時間が無限にあってもやりたいか?
→やりたいわけではないが、家がきれいだと気持ちよく過ごせる。
●掃除の代わりにやりたいことがあるか?
→子どもと過ごしたい。

とにかく自分で質問して答えを言葉にしていきます。

我が家はこの質問のあとに、掃除時間を引くため「ルンバ」と「ブラーバ」というロボット掃除機2台を取り入れました。「家族は掃除の有無に気づくほど神経質ではないが、誰かが私の代わりにやってくれるわけではない。でもやらないことを選べば、子どもと過ごす時間が増える」と考え、機械に頼ることにしました。

人によっては、「夫がやる」「子どもがやる」「外注する」「週2回の掃除を1回にする」など、引き算の答えは様々です。自分がやりたいけど時間がなくて仕方なく「引く」人は、外注もいいですね。「私がやらなければ」という気持ちのマイナス分まで外注に出して見えなくしてしまうのも1つの答えです。

問いかけをすると「引く」べき「回数」や「方法」などを見える化して、引きやすくなります。

■「やらなくても困らないこと」が引くべき時間

では仕事でも考えてみましょう。

例えば、定例の仕事であるミーティングの議事録作成に5つ質問の答えを考えてみます。

●議事録作成をやめたら誰が困るのか?
→他の参加者から議事録を読んでいるって話を聞いたことないな。困った時に確認する程度にしか使われてないのかも。
●誰か代わってくれるならやってもらいたいか?
→代わってもらいたい! そういえば、議事録を読んでる発言はAさんが多いかも。
●議事録を作る代わりに何かやりたい時間があるのか?
→読んでいる人が少ないなら、別の仕事時間に充てたい。
●3年、5年、10年後につながる時間になるか?
→仕事のやり方も日々変わるし、議事録をタイピングで取る習慣はいつかなくなるだろうな。

こうやって質問していくと、「議事録作成」という業務をなんとなく継続しているけど、そもそも私が使うべき時間なのかということに考えが及びます。

この場合は、Aさんに交代で取らないか提案してもいいし、あえて作らずに様子を見るという選択肢も浮かんできます。

「やったらいいことはたくさんあるが、やらなくても困らないこと」を見つけるのが「引き算」では重要なポイントになります。

引き算に迷う時は「5つの質問」を使ってみてください。

■やりたくないことリストを作るべき

私は日頃から「やりたくないことリスト」の作成をオススメしています(図表1)。

やりたくないことリストを作る
出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
このように実際に書いて残しておくことが大切。to doではなく、Not to doリストを作りましょう。 - 出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』

巷の手帳術は、「やりたいことリスト」を書くよう推奨されていますが、やりたいことをやろうと思ったら(足し算)、やりたくないことを決める必要があるので(引き算)、日頃から「やりたくないこと」を明確にしておくのです。

ふつうに過ごしている中で、「あ! これやりたくないな」と思うことがあれば、とりあえずメモしておきましょう。スマホのメモ帳や手帳など何でも構いません。私はスマホのメモ帳に音声入力でささっと入れてしまいます。

例えば、私のやりたくないことリストは、子どもの寝かしつけ、朝食の準備、職場での提出書類のチェックなどが会社員時代は並んでいました。

では、これをやめるためにどうしたのか? 例えば、2人いる子ども(2歳、6歳)の寝かしつけは、次のように子ども2人で寝るように仕組みを変えました。

<2人同時に寝る仕組み作り>
・21時になったら寝室へ行く
・10分起きに部屋を離れて、睡眠確認(安心させつつ居なくなる)
・寝る前に絵本を読む(就寝のトリガーにする)
・家中の部屋を真っ暗にするなど

3カ月ほどかかりましたが、結果的に、今は子ども2人だけで眠れるようになり、私の寝かしつけ時間はなくなりました。引き算の成功です。

■朝食メニューを固定化する

他にも私は「朝食の準備」が嫌でした。

我が家では、せっかく朝食の準備をしても子どもが食べない時も多く、その残飯処理や食器の片付けにも時間を取られていました。とはいえ、朝食を取らないのも身体に悪いですし、「パンのみ」のように1品にするのもよくないなと思っていました。

そこで、炊き込みご飯を朝食にすることにしたのです。就寝前に仕込んでタイマーをセットすれば、朝にはでき上がっています。炊き込みご飯は野菜もタンパク質も取れるので、これさえ出せば、茶碗1つで朝ご飯が完了です。余れば、夫が弁当にして持って行きます。

炊き込みご飯
写真=iStock.com/akiyoko
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/akiyoko

洗い物も減るし、朝食作りに悩む時間、生ゴミの処理などの時間も同時に減らすことができました。朝食メニューの固定化は、思考や行動も引き算できるので、ものすごく有効です。

■ポジティブワードに変換する

やりたくないことリストには、ネガティブワードが並びます。この時、「○○したくない」と同時に、ポジティブワードに変換した言葉を足しておくと、それが同時に解決策になってくれます(図表2)。

Not to doをポジティブワードに変換
出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』
やりたくないことの裏返しはやりたいことであるケースが多いです。自ずと自分がしたいことが見えてきて、満足できる時間を過ごそうと動けるようになります。 - 出所=『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』

ここにあるように、会社の書類チェックも「やりたくないことリスト」に入っていました。間違いを見つける能力がとても低いため、見落としが多いのです。そこで「書類のチェックをしたくない→チェックをしない状況を作る」に書き換えてリストに入れておきました。

するとある日、書類の間違いチェック能力が高い後輩がいることに気がつきました。書類チェックをしない状況を作るにアンテナを立てていたので、後輩の能力がひっかかって見えました。すぐに毎回アイスコーヒーを奢って、書類のチェックをしてもらう提案をしたら、OKしてくれました。

私が30分かけても見つけられないような誤字脱字も、この後輩がやると3分で見つかるのです。それ以来、大きな書類チェックミスがなくなりました。

これはまさに、やりたくないことリストに「書類のチェック」と書き、それをポジティブワードに変換していたからこそ、後輩の存在に気がつき、引き算につながった1例です。

■一気に「時間の引き算」をしてはいけない

前述しましたが、私は「朝食の準備、片付け」を引き算するために、固定メニューとして「朝食に炊き込みご飯を導入した」と書きました。これは「よし、引き算するぞ!」と、いきなり月曜日から金曜日までの朝食に導入したわけではありません。

「引き算」の仕組みをスムーズに入れていくには、スモールステップが鍵です。特にルーチン時間(毎日やっている作業)の引き算は仕組みを作って習慣化させることが大事になります。

この仕組み作りに大事なもう1つは、準備時間を作ることです。朝ごはんを固定メニューに変えたいと思ったのなら、変えるために必要な準備時間まで用意します。

<スモールステップ>
・一気に引き算しない
・1日ずつなど小さくはじめる
・うまくいかない時は1つ戻る
<準備時間>
・引き算を導入するために必要な時間を作る
・必要な工程を分ける
・準備に必要な手配をする

では、さきほど例に出した「朝食を炊き込みご飯にする」ために、必要な行動と準備時間を書いてみましょう。

<スモールステップ>
1 生協で炊き込みご飯用の野菜やお肉を頼む
2 材料は、夜ご飯の準備時に切る
3 夕食の片付けのついでに、翌朝タイマーで炊飯器をセットする
4 週2回(月、金)から試す(家族の反応を見て毎食炊き込みごはんでいけるか判断する)
<準備時間>
・炊き込みご飯の材料を購入する仕組みはどうする?
・材料をいつ切る?いつ炊飯器に入れる?
・週何回から試してみる?
・誰の反応を確かめて継続するか考える?

いきなり「全部」をやめるような「引き算」をしてしまうと、リバウンドしやすく、「何が原因」で続かなかったのかがわからなくなります。上記の具体例のようにスモールステップと準備時間を取り入れて、引き算をしていくことが大切です。

■週に10時間以上も自由な時間が増えた

私はこの「やめる時間術」を実践し、自分のやりたいことをやる時間を生み出すことができましたが、中でも、「家族との時間」を増やせたことはとても大きなことでした。

この時間術を駆使して、具体的には下記のように時間増やすことができました。

・平日は家事時間が1時間程度削減できた
・土日は週末にやっていた掃除や買い置き、作り置きをする必要がなくなって、土日それぞれ3時間ずつくらい自由な時間が増えた

尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)
尾石晴『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)

増えた分は子どもと過ごす時間に当てられています。最近は、夫の趣味のキャンプを活かして月1度は家族でキャンプを楽しみ、それ以外の土日もどちらかは、デイキャンプやバーベキューなどしています。また、虫育児といって、夫が虫好きなので、公園や川などに虫を探しに行ったりもしています。

他にも、平日帰宅後に子どもの遊びや知育に付き合う時間ができ、長男は保育園児ですが小学校受験をして合格しています。

生み出した時間を何に使うかは人それぞれですが、こうして自分の大切な時間を作れる人が少しでも増えてくれることを願っています。

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尾石 晴(おいし・はる)
Voicyパーソナリティ
外資系メーカーに16年勤務し、うち6年は管理職として活躍。長時間労働が当たり前の中、「分解思考」で時間を捻出。ワンオペ育児をこなしながら残業0時間を達成し、チームを社内表彰に導く。その傍ら、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター、メンタルオーガナイザー、ライフオーガナイザーなど、会社員以外での収入経路を次々と確保。2020年4月に会社員を卒業。音声メディア「voicy」では1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍中。2020年にはヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」を立ち上げ、代表を務める。2児の母。著書に『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』(実業之日本社)がある。ツイッター:@wa_mamaharuインスタグラム:@waamamaharu

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(Voicyパーソナリティ 尾石 晴)

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