1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「集中したいならキッチンタイマーを使え」驚くほど仕事がはかどる時間管理テク

プレジデントオンライン / 2021年2月19日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Maryna Andriichenko

どうすればリモートワークで集中力を持続させられるのか。リモートワークの先駆的企業、シックス・アパート広報の壽かおり氏は、「25分作業して5分休憩する『ポモドーロテクニック』を使うと集中力が続く」という――。

※本稿は、壽かおり『リモートワーク大全』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

■YouTubeで「集中 BGM」と検索してみる

〆切が明確な仕事でさえも、なんだか気分が乗らず手が動かない時ありますよね。「テレビにゲームにベッドと誘惑が多く、誰の目もない一人の家で、果たしてこの仕事を終わらせられるのか⁉ ピンチ!」ということもあるでしょう。

学生時代を思い出してください。学校の宿題や課題は、自宅のデスクでひとりやっていましたよね。もしかしたら、学校や塾の自習室、図書館の方が集中できた人もいるかもしれません。

リモートワークならば、自分を集中状態に持っていくためのいろんな「技」が使えます。学生時代と比べて、その技を使うのに必要な予算も十分にあるはず。作業に集中できる、自分にあった環境作りや切り替えスイッチを見つけましょう。

【音】

オフィスでは、イヤホンをつけて自分の世界に入るのが難しかった方もいるかもしれません。家でならイヤホンはもちろん、ご近所の迷惑にならない音量ならばスピーカーで音楽を流してもOKです。

好きなアーティストの楽曲をかけてもいいし、自分が最も集中できるBGMを探してみるのも良いと思います。YouTubeで「集中 BGM」で探すと、大量にアンビエントな楽曲が出てきます。静かな波音や、野鳥のさえずりなど自然の環境音も良さそうです。

radikoを使って、BGMとしてずっとラジオをつけている人もいます。いつも聴くラジオ局が決まっていれば、番組やコーナーが変わるタイミングが時間の目安にもなります。手を動かせば終わるいつものルーティーン作業のときは、ラジオの話に耳を傾けながらの作業がちょうどよい気分転換になりそうです。

無音派もいるでしょう。イヤホンで耳を塞ぐことが、集中モードに入るスイッチ。ノイズキャンセリングイヤホンがあれば、エアコンのノイズや窓の外から聞こえる喧噪を和らげて、集中しやすい静寂を作ってくれます。

■インスピレーションがわいてこなくなったら一旦立ち上がる

【香り】

香りも気分を切り替え、集中力を高めるキーアイテムになります。お気に入りのアロマを普段はデスク周りにうっすらと香らせておくために、コットンやアロマストーンに1~2滴垂らしてデスクに置いておきます。気分を切り替えるために、香りに包まれたいときは、そのコットンをゼムクリップでうちわに留めて、バタバタ扇ぎます。見た目はイマイチですが、目をつぶって、香を焚きしめた扇子と思えば問題ありません。

集中力アップのために、私は無印良品の「じっくり(THINKING TIME)」というアロマを使っています。

空気が淀んでいるなと感じたら換気に加えて、ルームスプレーをシュッと吹いて空気をリフレッシュさせるのも有効です。

メンソール系の香りは眠気覚ましにも活用できます。ハッカ油スプレーや、リップスティックのような形をしたタイの嗅ぎ薬ヤードム(ノーズミント)、香港や台湾で買える白花油もオススメです。

【1時間ごとに動く】

ずっと同じ姿勢でいることは腰痛の元になるし、何より疲れます。ずっと机に座っていてインスピレーションがわいてこなくなったら一旦立ち上がりましょう。

・その場で3回だけスクワット
・腕や肩を回すストレッチ
・一フレーズだけ全力ダンス
・洗濯物を取り込むとかちょっとした家事
・手や顔を洗ってさっぱりさせる
・丁寧にコーヒーを入れる
・ダイニングに移動して家族と雑談する
・近所のコンビニまで散歩する

30分程度の休憩が取れそうならば、いっそ外を軽くランニングしてくるとか、本気で筋トレするなど全力で運動して、シャワーを浴びると、頭も体もすっきりさっぱりします。

■試す方法と期限は最初に決めておく

【インスピレーションを与えてくれるアイテムを探す】

インスピレーションがわいてこないときは、作りたいモノの参考資料を探して、ヒントやアイデアをいっぱい拾うインプットの時間を取るのも良いでしょう。

ただし、インプット系の仕事は時間泥棒になりがちなので、残り時間を確認できるタイマーをセットするといいと思います。30分と決めてインプット作業を開始。残り時間を確認しながら、あと5分以内に糸口を探す! もしくは次のアクションを決める! と覚悟を決めて調べます。

【出かける】

自分一人で試行錯誤しているだけではダメだと思ったら、出かけましょう。見える景色を変えれば得られる物も変わります。

・ネットで調べるだけではなく、本屋や図書館などに実際に足を運び参考資料を手に取って読んでみる
・コワーキングスペースで、めいめい自分の作業に没頭している姿を見て刺激を受ける
・歩く、電車やバスに乗るなど、移動しながら考える
・カフェでおいしいコーヒーを飲んで一息ついて、リフレッシュした頭で手を動かしつつ考えてみる

【単なる逃避にしないために】

あれこれ試すことが単なる逃避にならぬよう、試す方法と期限は最初に決めておきましょう。この仕事の進まなさは集中力云々の問題ではないな、と思ったら同僚や上司やメディカルカウンセラーやコーチや、適切な相手に相談しましょう。

自分なりに集中力を高める方法をいくつか持ちましょう。

■全くやる気が起きないときにできること

【「宛先だけ書く」作戦】

「あーもう今日はやる気が出ない!」と言うときは、頭を使わずすぐに手が動かせるような何かの作業のはじめの一歩だけやることにしています。

たとえば、メールソフトを立ち上げて取引先に送る予定のメールの宛先だけ書いてみる。ついでに「○○様 平素は大変お世話になっております、シックス・アパートことぶきです。」と決まり文句だけ書いてみる。中身は今すぐ答えられることだけでもついでに書く。

すぐ手が動くことを一つひとつやっていくと、いつの間にかある程度の形になってくるし、その過程で自分のエンジンもかかってきます。全く進まないよりは、だらだらでも少しは進めた方がマシです。

【場所を変える】

いつもと違う場所で気分を変えてみるのも有効です。家の中で場所を変えてみるのも良いですし、カフェやコワーキングスペースなど有料の場所も良いでしょう。せっかくお金を払ってこの場所を確保したのだから、ここまでは作業を進めるぞという気持ちになれます。また周りの人も働いているまたは勉強している環境であれば、その姿が刺激になって自分も何かしらがんばらないとなという気持ちになれます。

■同業他社の人と同じ場所で仕事をするのも手

【誰かと一緒に仕事をする】

同僚を誘ってオフィスに行き、一緒に作業をしたり、雑談をしたりすることから、何らかのヒントが見えてくるかもしれません。上司を誘い、途中経過を見せながら、進め方について相談するのも良いでしょう。

一緒に集まって働くメンバーは同じ会社の人でなくてもかまいません。ソフトウェアエンジニアのコミュニティでは、同じプログラミング言語を使うメンバーがパソコン持参でコワーキングスペースに集まり、参加者それぞれが自分の作業を集中して行う「もくもく会」という取り組みがあります。

作業に行き詰まったら、雑談がてら誰かと技術談義をするのも良い気分転換になるし、他社のエンジニアの活動を見て刺激を受けることもあるでしょう。

■ポモドーロテクニックで時間を効率的に使う

【タイマーをかけて、タイムアタックにしよう】

タスクリストもできた、チームに宣言もした、働きやすい場所にいる、後は手を動かすだけなのに手が動かず、仕事と関係ないSNSに逃避してしまう――。

そういうときは、タイマーをかけるようにしています。残り25分のカウントダウンのタイマーをかけて、「この間にこのタスクだけに集中して、ここまで終わらせる!」と決めます。

もし作業中のタスク以外の別のタスクを思いついた時や、後で対応すれば良いメッセージがチャットで届いた時には、とりあえず手元のメモに書いておいて作業に戻る。25分経ってタイマーが鳴ったとき、あと5分以内で完成できるならその勢いで最後までやる。まだまだ途中であれば、キリの悪いところでもバツっと中断する。そして、タイマーが鳴ったら5分休憩です。

休憩中は、好きなWeb記事を読んだり、SNSをチェックしたりと息抜きの時間。休憩が終わったら、また25分のタイマーを付ける、の繰り返しです。この25分作業&5分休憩を4セットやったら、少し長めの休憩タイム(15分〜30分)を設ける。

この時間管理術を「ポモドーロテクニック」と言います。このテクニックを発明したイタリアのコンサルタント、フランチェスコ・シリロさんがトマト型のキッチンタイマーを使って時間を計ったのが名前の由来だそう。トマトはイタリア語で「Pomodoro」なのです。

■「ちゃんとやっている」と思えて気持ちの支えにもなる

個人的にはこの25分は、長すぎず短すぎず集中力が保てる絶妙なタイミングです。そして、この25分をタイムアタックだと思うのもコツです。制限時間内にタスクを終わらせるゲームだと思うのです。たとえば、1セットの間にニュース記事をひとつ書くと決める。残り時間を見ながら、「あと5分だからそろそろまとめなきゃ!」と、お尻に火がついて、時間内に、もしくは時間を多少はみ出しても、なんとか形にできるのです。

壽かおり『リモートワーク大全』(ポプラ社)
壽かおり『リモートワーク大全』(ポプラ社)

私は、集中してタスクをこなせるこの25分間を1日のうちに何セット作れるかを、1日の生産性の指標にしています。

会議や、チャットなどで緊急で差し込まれる仕事も多いため、業務時間の半分から7割程度しか集中時間は作れません。だから、「今日はタスクを集中的に進める日!」と決めた日も、25分の集中タイムを10セットこなせれば満足と決めています。形にならない段階の作業をひとりで進めて心が折れそうなときも、このタイマー集中時間をこなしていれば、自分はちゃんとやっていると思え、気持ちの支えにもなっています。

ライフハックとして有名なポモドーロテクニックの活用については、さまざまな書籍やウェブ記事でも情報が載っています。ぜひ自分に合った時間設定などを考えてみてください。

----------

壽 かおり(ことぶき・かおり)
シックス・アパート広報
ノルウェーOpera社のマーコム、B2Bマーケ担当を経て、2010年シックス・アパート入社。約1400人のメディア運営者が集まるコミュニティ「オウンドメディア勉強会」を主催。複業としてライター・ブロガー活動、Vivaldi社のウェブブラウザの広報も行っている。2016年夏より、毎日自宅やコワーキングスペース、旅行先などからリモートワークで働き、リモートワークノウハウを発信。

----------

(シックス・アパート広報 壽 かおり)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください