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「朝昼晩3回の歯磨きでは不十分」仕事のデキる人がやっている3つの口腔ケア

プレジデントオンライン / 2021年3月10日 9時15分

イラストレーション=椎葉智志

歯磨きだけでは、口の中は十分にキレイにはならない。DeNAの健康経営を主導するCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)室長代理の平井孝幸氏は「口内環境をベストにするには、歯ブラシ・歯磨き粉以外に3つのアイテムを使うといい」という――。

※本稿は、平井孝幸『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

■“虫歯で2週間絶不調に”口腔ケアは仕事の成果に直結する

口内環境が良い状態に保てないと、仕事に悪影響を及ぼします。歯科医への通院時間もかかりますし、費用もかかる。もちろんメンタル面で痛みへのストレス、不安、治療への恐怖といったものもあります。口内環境と仕事のパフォーマンスには、密接な関係があるのです。

どうしてここまで力説するのかと言うと、私自身が身をもってそのことを知っているからです。もともと歯磨きなど最低限のケアはしていましたが、斜めに生えていた親知らずが虫歯になってしまい、抜かなければならなくなってしまいました。やっかいな場所にあったために、大学病院で抜くことになったのですが、その前後の仕事への影響は甚大でした。抜いたあとの2週間は、時折やってくる激しい痛みで集中力を奪われクリエイティブな仕事に支障をきたしたものです。

もう二度と同じような思いをしたくない。また、同じような思いを人にさせたくないと思いました。そこで、オーラルケアについて、歯科医や研究者から学ぶなどさまざまな勉強を始め、勧められたオーラルケアアイテムはすべて使い、多くの歯科クリニックに行ったのです。

■歯磨きだけでは口の中を100%キレイにできない

DeNA社内で研修を行って改めてわかったことは、口内環境を守るために、何をやらなければいけないのか、教わったことのない人たちが相当多いということでした。

オーラルケアといえば、歯磨きを思い浮かべる人がほとんどですが、実は歯ブラシでの歯磨きだけでは、歯間の歯垢除去率は58%に過ぎません。その58%も、きちんとしたブラッシングができている人たちの数字です。適当にやっていたり、歯ブラシが古くなってしまっていたりすると、58%という数字はもっと下がります。毎日3回、歯を磨いていたとしても清掃効率が著しく低下している人もいるのです。

つまり、約4割以上の歯垢は、そのままずっと口の中に残ってしまっているということです。これが、口の中が気持ち悪い状況を生み出し、さらに虫歯や歯周病など悪い状態へと気づかないうちに進ませてしまうことになりかねないのです。

またライオン歯科衛生研究所の調査(※1)によれば、ある会社の社員2389人のうち、歯に関わるお休みがのべ500回ほどあったのだそうです。ところが、きちんとした歯科指導を受けたことで、これが翌年、220回程度にまで減りました。半減です。

企業がきちんと歯に対するケアを社員に対して行えば、歯にかかわる休みを半分以下にできるということです。実際には、休む数字が半分以下になったわけですが、歯が痛んだり、不安感などもなくなっているので、生産性はもっと高まっているはずです。

※1 市橋他、第1回アジア太平洋ヘルスプロモーション・健康教育学会、2009年

■30台半ば以降は要注意。口腔ケアで年間100万円の出費も

そうはいっても、普通に歯磨きをしているだけで、虫歯にはなっていない。そう考える人も日本では少なくありません。ただ、これがだんだん年を経てくると、問題が出てくるのです。

20代ではなんともなかった人が、30代も半ばを過ぎたあたりから、虫歯や歯周病に悩まされ始めるケースは少なくありません。そのケアだけで、年間100万円も出費がかかったという人もいます。

そしていまや人生百年時代と言われており、定年もどんどん後ろ倒しになってきました。70歳を過ぎても現役で仕事をする人も増えてくるでしょう。そのときに歯がガタガタだと、思うような仕事もできなくなります。歯に関する時間とお金もかかりますし、パフォーマンス低下要因にもなります。

またさらに最近では、歯周病と認知症の関係も指摘されています。60代、70代でも元気に働き続けるために、ビジネスパーソンにとって若いときからのオーラルケアは欠かせなくなってきました。

フロス、歯ブラシ、マウスウォッシュ
写真=iStock.com/supermimicry
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/supermimicry

■口の中の清潔を保つための3つのアイテム

その1 タフトとフロス

口内環境をベストな状態にしたいけれど、何を使えばいいのかがわからない。そんな相談もよく受けています。そこで歯ブラシ、歯磨き粉以外にも、ぜひ使ってほしいアイテムがありますのでご紹介します。

一つ目が「タフト」です。これは歯ブラシですが、一般的なブラシと比べとても小さく、歯の1本1本を丁寧に磨くことができます。

そしてフロスや歯間ブラシといった歯間を清掃する用具もお勧めです。オーラルケア先進国のスウェーデンでは、フロスの使用は当たり前です。「排水管のぬめり」と表現されることもある歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは絶対に取れないからです。

日本では、まだまだフロスの使用は当たり前にはなっていませんが、1日も早くこれが普通に一般家庭で使われるようになってほしいものです。

その2 電動歯ブラシ

私自身も使っている電動歯ブラシも、お勧めアイテムです。使ったことのある人はご存じですが、とても気持ちがいいのです。逆に使ったことがない人は、痛いのではないか、と想像されるようですが、痛くなるようには使いません。

電動歯ブラシには、使い方があるのです。使い方をレクチャーされずに、普通の歯ブラシを使うように使っていると、当て過ぎになってしまいます。これでは痛みが出たり、歯磨きがストレスになったりする。

そうではなくて、「触れるか触れないか」くらいの微妙な距離感で使うのが最も気持ちがいいのです。押しつけてはいけません。また、ブラシは電動だと傷みやすいので、早めに新しいものに交換していきます。「触れるか触れないか」くらいで磨いていくと、血流促進効果、マッサージ効果もあって、とても快適です。

安いものだと5000円くらいから、最高級モデルは4万円くらいのようです。使用したことがない人は、まずは1万円から2万円くらいのもので十分です。

■オーラルケア先進国スウェーデンの幸福度が高い理由

その3 マウスウォッシュ&サプリ

オーラルケアの一環としてマウスウォッシュを使っています。外出するときに、持ち歩くことも多いです。

平井孝幸『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(東洋経済新報社)
平井孝幸『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(東洋経済新報社)

口内環境にいい食べ物も効果的だと思います。私はよくロイテリヨーグルトを食べています。

オーラルケア先進国スウェーデンは、同時に世界幸福度ランキング(※2)上位の常連国です。幸福度の高さと、オーラルケアは相関するのではないかと思っています。というのも、人は口から入れたもので生きているからです。そこが汚れていることが、いかに問題か。また、年を取って消化能力が落ちてくると口の中の状態が身体にダイレクトに影響してきます。

口の中をいい状態にしておくことは、これからますます重要視されるようになると考えられます。

※2 国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が発表

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平井 孝幸(ひらい・たかゆき)
ディー・エヌ・エー(DeNA) CHO室 室長代理
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター研究員。東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、ゴルフ事業で起業。2011年DeNA入社。2015年従業員の健康サポートを始める。16年健康経営の専門部署CHO室を立ち上げる。19年同社での取り組みが経済産業省と東京証券取引所から評価され、健康経営銘柄を獲得。翌年も連続して獲得する。18年DBJ(日本政策投資銀行)健康経営格付アドバイザリーボード、PGA(日本プロゴルフ協会)経営戦略委員会アドバイザーなどを歴任。

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(ディー・エヌ・エー(DeNA) CHO室 室長代理 平井 孝幸)

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