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ベストセラー作家が成功者200人に聞いて発見した「運が強い人の共通点」

プレジデントオンライン / 2021年3月12日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Utt4659

運を味方につけている人は何が違うのか。数多くのベストセラーを出しているコンサルタントの安田正氏は、約200人の成功者に「成功の秘訣は何ですか」と質問して、その内容を詳しく聞いた。そこで発見した「運が強い人の共通点」とは――。

※本稿は、安田正『超一流の強運力』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

■そもそも「運」とは何なのか

「強運」をつかむための第一歩として、まず「運」の定義を理解することから始めましょう。

私は約200人の成功者に「成功の秘訣は何ですか」と質問して、その内容を詳しく聞いてきました。

みなさん異口同音に「運です」と答えたのですが、その後、運に関するエピソードを深く聞いていくと、ある大きな事実に気づきました。

それは、一般的に私たちが考えている「運」と、成功している人の考えている「運」には違いがあったということです。

一般的に考えられている「運」とは、こんなことではないでしょうか。

「宝くじが当たった!」
「万馬券が当たった」
「カジノで大儲け」

小さな日常のことでは、

「オレは晴れ男だから、ゴルフの日はいつも晴天だ!」
「おっ、ちょうどいいタイミングでバスが来たぞ、ラッキー」

こんなことなら、実際にみなさんも体験されているかもしれませんね。

こうした出来事は、一般的に「運がいい」と言われます。

しかし、これら一連の「運がいい」は、自分ではコントロールできない、天から降ってくる幸運です。

せいぜい運をよくするために自分でできることと言えば、

・金色のものを玄関に置く
・神社に行く
・毎日トイレ掃除をする
・ラッキーな方角を確認する

といった、いわゆるゲンを担ぐようなもの。要は、スピリチュアル頼み、神頼みということではないでしょうか。

一方、本稿でいう、成功者たちから聞き出した「運」とは、自分でコントロールできるものであり、自分で「運を強く」していくことができるものです。受け身で待っているようなものではありません。自分で探し、勝ち取るものです。

それは、成功者たちを見ればわかります。彼らは「運」を自分の方法で強くし、コントロールした結果として、成功を手に入れたのです。

ここで、「運」についての面白い実験を紹介しましょう。

■誰でも自らの行動によって、運を強くしていくことができる

イギリス・BBCが行った実験なのですが、運がいい人と運が悪い人が宝くじを買ったところ、結果はどうなったと思いますか?

運がいい人の方が、宝くじで大金をゲットして幸せを手にしていそうな気がしますよね。でも実際の結果はというと、運がいい人も悪い人も、宝くじに当たる率は同じでした。つまり、天から降ってくるような幸運の確率は、運がいい人も悪い人も同じなのです。

幸運の確率はどんな人に対しても同じなのに、成功者はみな「成功の秘訣は運だ」と言っています。それは、自ら運を強くし、コントロールしていることの証拠ではないでしょうか?

卑近な例ではありますが、私が何冊も本を出版した経験からも、それがベストセラーになるかどうかは「運」次第だと思うところがあります。しかし、その反面、ベストセラーへの道筋を自ら模索してこそ「運」がつかめるとも思うのです。

おかげさまで今では編集者や同じ著者仲間に、「こんなにベストセラーをたくさん出して『運』がいいですね」と言われています。

しかし、これまで、どうしたら人に読んでもらえるのかを考えに考え、研究を重ねた上で、何十冊も上梓してきました。

さらに、ベストセラーになるまで書店への挨拶まわりをしたり、手作りのポスターを作って馴染みの店に貼ってもらったり、他の著者と比べても売れるための努力をしてきたと思います。

こう考えると確かに、「運がいい」と「運が強い」は違うものです。

「運がいい」は、たまたま本が時流に乗って売れたということ。

「運が強い」は自分のテーマをとことん理解し、素晴らしい本だと思ってもらえるように、そして多くの方々の手に届くように自ら行動することです。

私はこれまで多くの人の話を聞き、自分の人生を振り返ることで、「運がいい」と「運が強い」は違うこと、「運が強い」は自分次第でつかめることを確信しました。

もし、あなたが「自分は運が悪い」と思っているとしたら、それは偶然性のなす「運が悪い」がたまたま続いているか、自ら運を強くするための行動を起こしていないかのどちらかでしょう。

ですから、自分には運がないなどと諦めるのは早計です。誰でも自らの行動によって、運を強くしていくことができるのです。

では、「強運」になるためにはどんなことが必要か見ていきましょう。

■運を強くするために必要な要素

「強運」には、いくつかの欠かせない要素があります。それらが組み合わさって大きな強運の流れを作っていきます。

その全体像を表した「強運フローチャート」をご覧ください。

強運フローチャート
出典=『超一流の強運力』(ポプラ社)

まず、強運になるには「夢」が不可欠です。これは自分の叶えたいことであり、人生の方向性を決めるものです。

「お金持ちになりたい」「海外に住みたい」「ゲームで稼ぎたい」「好きなときに好きな場所で仕事がしたい」など、何でも構いません。自由に思い描いてみましょう。

■自分の独自性や長所が生かせるフィールドで行動する

そして、その「夢」に向かって行動していくわけですが、強運であるためには自分の「強み」の上に行動を積み上げていかなければなりません。ここが大事なポイントです。「強み」とは自分だけの独自性・長所のこと。この「強み」という土台の上での行動でなければ、意味がないのです。

世の中の成功者と言われる人たちを思い浮かべてみるとわかるでしょう。成功者は必ず自分の強みを最大限に活かしている人たちです。

自分が持っていないものに行動をいくら掛けても、「0×行動=0」「1×行動=1」となって積み上がっていきません。

「強み」の上に行動を積み重ねるから「夢」は叶うようになっています。

四つ葉のクローバーから夕陽が見える
写真=iStock.com/Kateryna Kovarzh
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Kateryna Kovarzh

次に、「強み」を活かす場所・活動・仕事を探すことです。これらの場を私は「チャレンジングプレイス」と呼んでいます。まさに「強みを活かすべく、挑戦を重ねる場」です。

これは、とにかく試してみるしかありません。

「いろいろな場で試す→結果が出るかどうか」を繰り返すことで、自分にとっての「チャレンジングプレイス」がどこなのかがわかってきます。

わかったら、その場で「強み」を発揮しつつ、次なる場所を探していくと、新たな「チャレンジングプレイス」がいくつも現れてきます。

■ソニーの創業者の一人、盛田昭夫さんも夢を持っていた

図表にあるように、私の最初の「チャレンジングプレイス」は「営業」でした。それが第二の「チャレンジングプレイス」である「社長」につながり、次には「講師」になり、現在の主な活動の場である「作家」へとつながりました。

このように、「強み」→「チャレンジングプレイス」→「夢」への流れをうまく作ることが強運である、と私は考えます。

前述したとおり、この大きな強運の流れを作るのはあなた自身です。天から降ってくる「幸運」のようなものではありません。

強運フローチャートをよく理解して実践することで、誰でも運が強くなります。この流れができると、どんどん夢に近づいていきますから、あなたもきっと「自分は運が強い」と思えるようになるでしょう。

ここで、先人の例を見てみましょう。やはり、運が強かった人たちはみな、「夢」を持つことから、強運への道を歩き始めたことがわかります。

たとえば、ソニーの創業者の一人である盛田昭夫さんの「夢」は何だったでしょうか? 有名なエピソードとして、こんなことがあります。

■夢に向かって努力したからこそ、世界に名だたるソニーが生まれた

まだソニーがトランジスタラジオしか作っていなかった頃、その商品をアメリカに持っていくと、「OEM(オーイーエム)だったら売ってあげます」という返事だったそうです。

つまり下請けとなり、ソニーの名前を伏せてアメリカの会社の商品として売るということです。あの当時、日本の多くのメーカーがそうしていました。しかし、そんな決断を迫られた盛田さんの返事は「NO」でした。

そして、ソニーの名前で、自ら売り出したのです。

といっても当時はまだ無名の、商品といえばトランジスタラジオしかない中小企業です。売上は伸びず、苦戦を強いられたことは想像に難くありません。

それでも、盛田さんは踏ん張り、工夫に工夫を重ねて売り続けました。決断を迫られたとき「OEMでいいです」と返事をしていたら、それほどの苦労はなかったでしょう。

しかし、そうしていたら世界に名だたるあのソニーは生まれなかったかもしれません。

私から見ると、盛田さんは目先の売上より、「この会社を世界一にして、ソニーの名を世界に知らしめる」、そんな「夢」を選んだということだと思うのです。そのとき、うまくいくという確信があったかといえば、決してそうではなかったでしょう。しかし「夢」に向かって、独自に歩く道を選択し、努力をしたことが、「運が強い」ということになったのです。

■夢がない人は強運になれない

おそらく、多くのオリンピック金メダリストもそうでしょう。「オリンピックで金メダルを獲る」という夢を掲げ、まずは、日本一の選手になることを目指します。そのために、地域や地区大会で優勝→都道府県大会で優勝→全国大会で優勝、と昇り詰めていく。

そんな発展のプロセスをたどりながら、何年もかけて、膨大な練習量を積み重ね、金メダリストになっていくのです。

安田正『超一流の強運力』(ポプラ社)
安田正『超一流の強運力』(ポプラ社)

こうして、夢に向かって努力をし、階段を上っていくことが「強運」につながっていきます。逆にいえば、夢がない人はこの強運の物語の主人公にはなれません。ですから、まずはあなたの「夢」を決めることから始めましょう。それは壮大でなくても、身近なことでも大丈夫です。

「夢」のスケールは、今あなたが置かれている立場、経験値、実績、また好きなことや幸せだと感じることによりますから、他人と比較する必要は一切ありません。むしろ、他人の目は気にすることなく、自分自身を見つめ、本当に望んでいること、本音を洗い出しましょう。

いずれにしても、「夢」がないと、いったい何に向かって「運」を強めていったらよいのか、また、自分の「運」が強まっているのか、それとも弱まっているのかも、わかりようがありません。

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安田 正(やすだ・ただし)
コンサルタント
パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。1990年より法人向け英語研修を始め、現在は英語の他、ロジカル・コミュニケーション、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。主な著書に『超一流の雑談力』(文響社)、『超一流の雑談力 超・実践編』(文響社)、『まんがでわかる超一流の雑談力』(宝島社)など多数。

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(コンサルタント 安田 正)

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