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コロナ禍の「なんとなく不安」を前向きな力に変換する4つの方法

プレジデントオンライン / 2021年3月15日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/recep-bg

新型コロナウイルスは私たちの日常を大きく変えた。メンタルコーチの大平信孝氏は「不安を感じるのは当然のことだ。解消を目指すよりも、希望や目標を持ったほうがいい。まずは『10秒アクション』から始めるのがおすすめだ」という――。

■コロナ禍で「漠然とした不安を抱える人」が増加

令和3年という新しい年がはじまって、もうすぐ3カ月がたとうとしています。どんな毎日をすごしていますか。

新型コロナウイルスを契機として、仕事も日常生活も大きく変化しました。「日本で実施するのは難しい」と言われていたリモートワークや在宅勤務が、あっという間に広がりました。イベントや研修、飲み会などのリモート開催も当たり前になりつつあります。その一方で、企業の倒産や失業、健康不安などから、漠然とした不安を抱える人が増加しています。

「このままではまずい。どうにかしないと」と思いながらも行動できずにいる人と、状況の変化をいかして着実に行動している人との間で二極化が進んでいます。終わりの見えない不安にどう対処していったらいいのでしょうか。

■先行き不透明なときに、不安になるのは自然なこと

今、不安に押しつぶされそうな方に最初に知っておいてほしいことは、「不安を完全になくすことはできない」ということです。ですから、不安をゼロにするための努力をしすぎないでください。それよりも、不安に対処する方法を知って、実践するほうが効果的です。

先行き不透明なときに、この先の生活や仕事、人生を考えると不安ばかりが出てきてしまい、落ち込んでしまうのは、脳の防衛本能ですから自然なことです。脳は非常時には、命を守るために希望や期待よりも不安を強く感じるようにできています。ですから、まず否定しないで受け入れてください。誰でも、一時的に不安になることは致し方ない自然なことです。

むしろ、本当は「焦っている・不安・心配・怖い」など、危険信号が点滅しているのに無視しているとしたら、そのほうが危険です。

■不安でつらいときこそ、大きく変わるチャンス

ごまかさないでください。無理やり、ポジティブを装わないでください。どんなに不安になっても、どんなに絶望的な状況に追い込まれても、生きている限り、そこから抜け出すことはできます。冷静に考えることができれば、抜け出す方法はいくらでもあります。

ですからまずは、自分が感じている不安や焦り、恐怖、ショックなどを否定しないで受け入れてください。

「今は、不安なんだね」
「今は、不安に押しつぶされそうなんだね」
「今は、未来に希望なんて見いだせないくらい一時的にショックを受けているんだね」

そうやって、受け止めてみてください。

そして、不安は、変わる時期にきているというサインでもあります。あなたが新しいことをはじめる時期に来ているということ、ある意味でチャンスが到来しているのです。不安、大変、しんどい、つらいというときこそが、大きく変わるチャンスです。

チャンスの文字、1字違いで「チェンジ」
写真=iStock.com/marchmeena29
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

■前向きに挑戦しているから「不安」を感じる

「不安」というと、ネガティブな印象を持つ方が多いです。また、不安だから「行動しない」「挑戦しない」「先延ばしする」など、不安を、行動しない言い訳に活用する方もいます。ですが、不安は決してネガティブなものではないのです。不安の捉え方を変えてから、私はより行動できるようになりました。

どんなときに、私たちは不安を感じるのか?

それは……

未来に向けた理想や目標があって、その理想や目標実現に向けて具体的な行動をするプロセスで不安は感じるもの。つまり、不安は「理想と現実」のギャップがあるからこそ、感じるのです。そのギャップを埋めようと思ったときに、不安になります。

不安は生きている限り、前向きに挑戦している限り起こる感情です。不安は、未来の理想や目標を持っているときに起こるのです。だから、不安になってもいい。むしろ、理想の未来に向かって挑戦しているから不安にもなるのです。だから私は、不安は、「挑戦しているサイン」と捉えるようになりました。

逆に、「不満」ばかり感じているときは、危険なサインかもしれません。なぜなら、不満は「自分以外の誰か」に何かを期待しすぎているときに感じるものだからです。

もし、今あなたが「不安」を感じているのなら、自分の理想と現実に向き合っているということ。そしてもし、今あなたが「不満」を感じているのなら、周りの環境や誰かのせいにしている可能性があります。

■「不安さえなければ、うまくいく」は大間違い

実は不安がなくなっても、問題は解決しません。不安がなくなった状態というのはプラスマイナス0。確かに、むやみに落ち込んだり、へこんだり、怖くなったりすることはない。ある意味では安全な状態。けれども、不安がなくなっただけでは未来に希望を持てるわけではありません。

「時間さえあれば、できるのに」という人が、無限の時間を得ると、暇を持て余してしまう。

「お金さえあれば、うまくいくのに」という人が、無尽蔵のお金を得ると、途中までは楽しいけれど、お金を持て余し、失う恐怖に負けてしまう。

「もう少し若かったら、できたのに」という人が、今現に目の前にある時間を後悔のために浪費してしまう。

同じように、「不安さえなければ、うまくいくのに」と考えている人は、不安がなくなった途端に、脱力したり、動けなくなったりするのは、珍しいことではありません。

■夢や目標を考えることが、不安を希望に変える第一歩

今、私たちに必要なのは、「希望」です。

ここ最近は特に「不安」になる要素が多かったです。ニュースを見ても街に出ても仕事をしていても生活していても、今まで当たり前だった「日常」というものが当たり前ではなかったと痛感する場面が増えました。状況や環境、もっといえば時代が好転するのを待っていた人は、ずっと「待ったまま」の状態です。今までであれば社会や会社や誰かが希望を与えてくれました。

レンガ張りの道路から懸命に生えている芽
写真=iStock.com/baona
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/baona

・どうにかなる
・きっとよくなる
・きっといいことがある

そう思えているとき、人は案外簡単に行動できるのです。

誰かが何かが希望を与えてくれることをあまり期待できない現状では、どうしたらいいのでしょうか?

そういうときは、自ら希望を見いだしていけばいいのです。

そのための第一歩が、夢や目標を考えてみること

・こうしたい
・こうなったらいいな
・こんなことしてみたいな

どんなに些細なことでもいいので夢をみる。それが、不安を希望に変える第一歩です。

■「最初の一歩」のハードルを極限まで下げる

どんなに些細なことでもいいので「こうなりたい」「こうしたい」という夢や目標を思い描くことができたら、すぐ行動してください。

当然ですが具体的に行動することで、初めて結果が生まれます。行動することが重要だとわかっていても、なかなか行動に着手できないときもあります。「めんどくさい」「まあいいか、明日にしよう」と流されてしまうことがあります。

ではどうすれば、確実に「行動」できるようになるのでしょうか。

最初の一歩のハードルを、極限まで下げればいいのです。

例えば、「30分ジョギングをする」だと、「せっかく走るのだからちゃんと走りたい」という意識が芽生えます。そして、30分走るということをちゃんと実行するには条件がある程度そろっていないとできないと頭で考え始めるわけです。

靴ひもを結ぶランナー
写真=iStock.com/coscaron
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/coscaron

結果、「寝不足の状態で無理したら仕事に差し障りが生じるかもしれない」「体調がよくないし、今日は雨だからやめておこう」「ジョギングウエアを洗い忘れたから今日は無理」「ジョギングするよりもたまった家事をしないといけない」「寒いから風邪をひいてしまうかも」、などと行動しない言い訳を考えだし、「よし! 今日はやらない! 明日にしよう!」となるというわけです。

■どんな状況でも必ず実行できる「10秒アクション」

そこで、10秒アクションの登場です。

10秒アクションとは、文字通り「10秒あればできる具体的行動」のことです。30分ジョギングであれば、「最初の10秒はどんなことをするのか?」を考えてみるのです。

例えば、「ジョギングウエアに着替える」「ジョギングシューズを履く」「アキレス腱のストレッチをする」「外に出て深呼吸する」といったことです。

これらの10秒アクションであれば、雨が降っていようが眠かろうが、未完了事項を抱えていようが、どんな状況にあっても10秒あれば必ず実行できます。

10秒アクションは、行動に着手する際の心理的ハードル、物理的ハードルの両方を下げてくれます。「疲れているけど……10秒ならいいか、靴を履くくらいならいいか」となるのです。

■「毎日10秒」自分の望む姿に近づくアクションをとる

10秒アクションは、私が独立当初から提唱し続けているとてもシンプルなメソッドで、毎日10秒、何か「夢や目標実現に近づくためのアクションをとる」ということです。

もしかしたら、たった10秒では「大したことなどできないから、無意味」と思われた方もいるかもしれません。でも10秒あれば、意外にたくさんのことができます。実は、この10秒アクションは、10秒で完結させる必要はないのです。10秒アクションは、あなたが決めた仮行動に着手するための着火剤の働きをするからです。

大平 信孝『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)
大平 信孝『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)

ですので、10秒試してみてスムーズにいくのであれば、10秒といわずそのまま続けてください。

10秒アクションがきっかけとなってその後、企画書作成、メール返信、勉強、読書、ジョギング、筋トレ、瞑想などが15分続いた、30分続いたというのは、よくあることですし、それを狙っています。

もし、10秒アクションで、やる気にならなかったり、しっくりこなかったりした場合には、たった10秒ですから、すぐに別の方法を試すこともできます。

不安を希望に変えていくために、「10秒アクション」から始めてみてください。

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大平 信孝(おおひら・のぶたか)
メンタルコーチ
アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。個人向けには「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。近著に『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』。公式サイト。

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(メンタルコーチ 大平 信孝)

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