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コロナ感染でも無症状で済むように「一日一食」は食べるべき"あるもの"

プレジデントオンライン / 2021年3月28日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazoka30

新型コロナウイルスに感染しても、症状のある人とない人がいる。どこが違うのか。医学博士の金城実氏は「感染と発症は違う。免疫力が高い人は感染しても発症しない」という――。

※本稿は、金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■カラダの組織が炎症を起こさなければ「発症」ではない

新型コロナウイルスの感染者何名とか、著名人の誰それが感染したという話を聞いて、ハラハラドキドキ、一喜一憂している方も多いと思います。

でも、この「感染」という言葉の本当の意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。

「感染」とは、たとえて言うなら、侵入者(ウイルス)が私たちのカラダの細胞のなかに入り込んで自分の分身をふやしていく(増殖していく)状態です。

なので、ウイルスが皮膚や粘膜に付着しただけの状態は「感染」ではありません。

細胞に侵入し、分身をたくさん作りだした状態、これが「感染」。

ついでに言うと、PCR検査陽性とは、いまウイルスがいる可能性がある、または少し前にウイルスがいた痕跡がある、ということを意味するのであって、「100%感染している」こととイコールではありません。

感染し私たちのカラダの細胞に入り込んだ侵入者(ウイルス)の分身がふえていくと、カラダの細胞の構造物の一部が壊れてきます。つまり、私たちのカラダの組織が炎症を起こします。

そうすると、痛みや発熱、下痢、セキなどの症状があらわれます。

これが「発症」です。

つまり、感染しても、カラダの組織が炎症を起こさなければ発症をしないということです。(ただし、周囲の人に感染させる可能性はあるので、そこは注意が必要です)

■感染しにくい体を作るための3つの取り組み

マスク、うがい、手洗いは、感染を防ぐためのゲートキーパーです。

とはいえ、ご存じのとおり、これらも万能ではありません。

マスク有効性については、東京大学医科学研究所の結果で、50センチほどの距離で、

1)感染者だけがマスクをしている場合 50~75%のシャットアウト
2)非感染者だけがマスクをしている場合 20~40%のシャットアウト

しか、抑えられませんでした。

うがい、手洗いも同様に100%シャットアウトできるものではないでしょう。手洗いは一定の効果があるとはされていますが、うがいに至ってはその効果は明確なエビデンスがありません。

多人数が集まらない、距離をあける、換気をするなど、三密を避け、なおかつマスクをし、うがい手洗いを徹底しても、感染自体を100%防げるものではないのです。

それは、連日の感染者数の推移を見ていればあきらかでしょう。

しかし、前述のように「感染」と「発症」とは違います。

たとえ感染しても、「発症」しないようなカラダであればいいのです。

そこで出てくるのが、「免疫力」です。

感染予防の実際の取り組みはたったの3つです。

・粘膜のバリアの機能強化
・自然免疫のパワーアップ
・腸内環境の改善

これができれば、感染しにくいカラダ、さらには感染しても発症しにくいカラダにすることができます。

こうやってみると難しく感じられるかもしれませんが、だれでも簡単に、しかも日常生活の中で実践できるのです。

新型コロナウイルス感染症はもちろん、毎年冬場に大流行するインフルエンザも、単なる風邪も花粉症にも打ち勝つカラダがつくれます。

■なぜ免疫力を上げるとウイルスに勝てるのか

粘膜はウイルスなどの外敵が入り込もうとするのを阻止する“バリア”の役割を果たしていますが、これを強化することがウイルスに打ち勝つカラダづくりの一つ目のポイントです。

この粘膜バリアに不具合があると、ウイルスが細胞の中に入り込んでしまうのですが、次の防御として、私たちのカラダのなかにはカラダの細胞の周辺をパトロールしている“おまわりさん”のような存在がいて、侵入者が体内に入ると速攻でやっつけてくれるのです。

NK細胞やマクロファージと呼ばれるもので、これが自然免疫です。これにしっかりと働いてもらうようにするのが二つ目のポイント。

そして、三つ目が腸内環境をよくすること。これで粘膜はもちろん、ウイルスに対する初動捜査を担当するおまわりさん役の細胞たちや、このおまわりさんを元気にするミトコンドリアを元気にしてくれます。

さらには、腸内環境がよくなると、ウイルスなどの外敵を排除する物質を腸内細菌たちがよく出してくれるようにもなるのです。

■食生活の変化で長寿県「沖縄」は転落した

では、ウイルスに負けないカラダをつくるには、どうしたらいいか。

私が日ごろから実践し、かつ予防医療のカウンセリングや指導、講演会などでもおすすめしているのが、発酵食を中心とした伝統的な日本食です。

発酵食は肥満や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を未然に防いだり、「死亡リスク」を下げることが国内外の研究で知られています。

また、発酵食には、味噌や醤油、お酢、漬物、納豆など、いろいろな食品がありますが、この発酵食品がウイルスに負けないカラダをつくるうえでも心強い味方になってくれるのです。

私は2020年から、自分の遺伝子のルーツである沖縄で、新型コロナ対策などの政策参与として健康長寿や新型コロナ対策で知事に提言しています。

県民のみなさんのデータを分析して、健康施策の企画提案などをしているのですが、そのなかで再認識させられたのが食事の大切さでした。

かつて「長寿県」として知られていた沖縄が、転落してしまった一番の要因はやはり食生活の変化です。

シーサーと沖縄の美しい海
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

かつて沖縄の人たちは伝統的な食事――豆腐や豚肉、昆布、野菜、発酵食品(豚味噌や豆腐よう)などを多用した沖縄食を食べていました。

それが、いまではすっかりアメリカナイズされてしまいました。若者も子どもたちも日常的にハンバーガーを食べていますし、ビジネスマンだと、飲んだ後のシメ飯がステーキとか‼

そういう食生活を送っている人が増えてきて、ある日「長寿県」からの転落が始まりました。

ただ、このような現象は何も沖縄に限ったことではなく、日本全体がそうなってきています。伝統的な食事より、パンとステーキ、ちょこっとサラダとか、ファストフード、そういったものを好んで食べる人が圧倒的に多くなりました。

「お味噌汁、最後にいただいたのはいつだっけ?」という方も少なくないでしょう。

その結果、「飽食の時代の栄養素不足」といわれる状況で、免疫力の低下や肥満・高血圧、アトピー性皮膚炎などの慢性病の蔓延という問題が起きるようになったのです。

■一日一食は食べるべき「伝統的な日本食」とは

とはいえ、どんな食べ物にどんな栄養素が含まれているのかを考えながら食べるというのはその道のプロでもなかなか続きません。

そこで、「一日一食は伝統的な日本食を食べよう」と言い続けています。

伝統的な日本食とはどんな食事かというと、基本はご飯に具だくさんのお味噌汁(豆腐、あぶら揚げ、わかめ、キャベツ、キノコ、人参など)、納豆、ぬか漬けなどの漬物、海苔。発酵食品のオンパレードです。

これだけそろっていれば満点です。余裕があれば、焼き魚や卵焼きもプラスして。

これを基本形にして、あとはその日その日の体調や自分の好みによってアレンジしてください。

■コンビニ弁当でも発酵食品ならOK

最近は、コンビニのお弁当でも日本食のラインナップが増えてきました。そういったものを上手に活用するのもOKです。

金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)
金城実、作間由美子『免疫は発酵食品でぐんぐんあがる』(プレジデント社)

ただし、お腹いっぱいになるまで食べる習慣を続けていると、いわゆるメタボの状態になり、残念ながら細胞たちの元気がなくなってしまいます。

伝統的な日本食の効果を実感するには、「腹八分目」を心がけてください。

「1日1食は発酵食品の多い伝統的な日本食を腹八分目までとる」ことで、免疫力アップに関係する粘膜やマクロファージ、NK細胞をはじめカラダを構成する細胞たちを元気にする栄養素のほとんどをとることができます。

まずは「1日1食は伝統的な日本食」これを意識することから始めてみてください。

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金城 実(きんじょう・みのる)
医学博士
日本予防医療協会代表理事。岡山大学医学部卒業後、麻酔科に入局。ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学に留学し、医学博士号取得。帰国後、岡山大学医学部付属病院麻酔科病棟医長として最先端テクノロジーを駆使した治療に携わる。1996年、予防医療の実践のため大学病院を辞し独立。2003年にMDジャパンを設立し、「医者がすすめるメディカルダイエットプログラム」を研究開発。2011年より予防医療的な視点から企業への健康経営の提案を開始。2014年、実践的予防医療の人材育成のため日本予防医療協会を設立。2020年4月より沖縄県知事政策参与就任。

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(医学博士 金城 実)

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