甘酸っぱい恋を楽しむ映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
プレジデントオンライン / 2021年4月2日 11時15分
■甘酸っぱい恋を楽しむ映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
久しぶりに甘酸っぱいいい映画を観た。「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」というウディ・アレン監督・脚本の映画だ。日本では2020年に公開、今では動画配信サービスなどでも観られる。
実は、ウディ・アレンの過去のスキャンダルが再び蒸し返された結果、米国では俳優が軒並みウディ・アレン作品への出演を「反省」したり出演料を寄付したりするなど、ボイコットの状態に陥ってしまった。
かつての連れ合いミア・ファローとの泥沼は、結果的にウディ・アレンがミアの養女と結婚することで(今でもその結婚は続いていて2人は円満な夫婦だ)収束したはずだったが、正直、何があったのか真相はわからない。結果的におしどり夫婦になっているものを外野がどうこう言うことはできないし、別の養女からの児童虐待などの訴えは、慎重に見守る必要があるけれども、告発自体にミアとの泥沼が影響していることは間違いないようだから、有罪になっていないという事実も含め、そこも総合判断になるしかない。
低予算で、男の子の夢を発散させる小洒落た映画を撮ってきたウディ・アレンも映画界からパージされる、などということになれば、もはやこんな他愛もない作品ももうアメリカでは観られなくなってしまうのかもしれない。
面白いのは、ジュード・ロウをはじめとする名優たちが、映画界のわがままな「業界人」を嬉々として演じていること。彼らは本当に楽しかったはずなのだけれども。
■昼間からウイスキーでも飲みつつ観たい映画
映画のストーリー自体はいたってシンプルで、大学生のカップルがニューヨークのマンハッタンで過ごす週末とその恋愛模様を描いている。ウディ・アレンの映画はご存じの通り、自分探しをする男性をテーマに、皮肉のきいた人物観察を織り交ぜながら演出していくスタイルだ。女性たちはたいてい強く魅力的で、野心家だったり、無責任だったりして男を振り回す。浮気を夫に知られ、開き直る妻。主人公ギャツビーのガールフレンド、アシュレーは有名人と知り合えたことに舞い上がって、一夜の恋を楽しもうとする。
マンハッタンの大富豪で教養豊かな家に生まれ育ちながら鬱々とした気持ちを抱えるギャツビーは、頭もよくて教養もあるのに人生に喜びを見出せない。いつも晴れやかなブロンドの彼女は、行く手行く手で男を惑わすが、そんな彼女に唯一の慰めを見出していた彼も、同じ穴のムジナなのかもしれない。次第にそんなことに気づきながら、2人はすれ違っていく。アシュレーにすっぽかされ、ギャツビーは母親の主催するパーティーに娼婦を彼女として連れて行くが、もちろんバレバレだ……。
だが、彼は雨の中、新しい恋に出会う。そこに存在するすべてがキラキラと輝いて、雨の中に吸い込まれていく。昼間からウイスキーでも飲みつつ、お気楽で真剣な週末の恋を楽しんでみるのも。
----------
国際政治学者
1980年、神奈川県生まれ。神奈川県立湘南高校、東京大学農学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。著書に『21世紀の戦争と平和』(新潮社)、『日本の分断』(文春新書)など。
----------
(国際政治学者 三浦 瑠麗)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
三浦瑠麗氏 政治家へのバッシングに持論「安倍晋三さんにだって痛みがあった」
東スポWEB / 2024年7月18日 15時30分
-
三浦瑠麗氏「小池百合子さんだって痛みがあるだろうし安倍晋三さんにだって」政治家とアンチ巡り
日刊スポーツ / 2024年7月18日 12時45分
-
三浦瑠麗氏 政治家バッシングで持論「小池百合子さんだって痛みがあるだろうし、安倍晋三さんにだって…」
スポニチアネックス / 2024年7月18日 12時3分
-
『シャイニング』女優が死去 75歳
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月12日 10時3分
-
【2024年】40代のうちに観たい映画 -『それでも私は生きていく』『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』『マグノリアの花たち』【土曜日のシネマサロン】
fudge.jp / 2024年6月29日 21時0分
ランキング
-
1「大谷翔平の新居バレ報道」は誰の責任なのか…アナウンサーに「謝罪係」を背負わせるテレビ局の特殊体質
プレジデントオンライン / 2024年7月25日 10時30分
-
2妻への「別にいいけど」はケンカの火種でしかない 夏休みは「家庭内の不適切発言」を回避する機会
東洋経済オンライン / 2024年7月29日 8時0分
-
3マクドナルドで行列は当たり前…は昔の話。「一切並ばず食事する方法」使わないのはあまりに損
女子SPA! / 2024年7月28日 8時45分
-
4トランプ氏がもし撃たれていたら? AR-15銃の恐怖の殺傷力(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月29日 9時26分
-
5「キウイ」実はあまり知られていない最強の食べ方 「栄養素充足率スコアNo.1」強みを享受するには
東洋経済オンライン / 2024年7月28日 15時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)