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「登録者数100万人超YouTuber」に共通するたったひとつのコツ

プレジデントオンライン / 2021年4月1日 15時15分

YouTuber事務所VAZ元代表の森泰輝さん - 写真提供=扶桑社

登録者数100万人を超えるようなYouTuberには、どんな共通点があるのか。YouTuber事務所元代表の森泰輝さんは「共通点があるとすれば、自分のやりたいことを追求しているだけなのに、それが偶然、視聴者のニーズに合っているところだ」という――。

※本稿は、森泰輝『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

■バズる人=「やりたいことが偶然、視聴者のニーズに合う人」

「チャンネル登録者が100万人を超えるYouTuberになるにはどうしたらいいですか?」と、よく質問されました。皆さんはきっと、「どのようにして注目を集めるか」とか「どんな企画がはやるのか」というノウハウを期待していたのだと思います。

しかし、結論を言うと、そんなものは存在しません。最初からとんでもなく知名度のある芸能人のチャンネルならば話は別ですが、小手先のテクニックに走り多少の話題は集められたとしても、付け焼き刃程度のものです。

ただ、チャンネル登録者が100万人を超えるYouTuberに共通点があるとすれば、それは「自分のやりたいことを追求しているだけなのに、それが偶然、視聴者のニーズに合う人」です。

その時々のYouTubeの流行や人気動画の傾向を分析し、うまくマーケットインすれば、恐らく登録者数10万人まではいけるでしょう。

しかし、登録者数100万人を超えるようなYouTuberは、すべからく「これが得意だ」、「これをやりたい」という自己理解のもとで発信しています。そして、それが自然に時代のニーズとマッチした人なのです。

■チャンネル登録者100万人のヒロシもきっかけは「自分のため」

一番わかりやすいのは、ヒロシさんでしょう。彼は「ヒロシです」のフレーズでブレイクしてから一度、テレビの世界から離れました。世間からは「一発屋だ」「もう終わった」などと言われ、10年以上も“過去の人”として扱われてきました。

YouTuber事務所VAZ元代表の森泰輝さん
YouTuber事務所VAZ元代表の森泰輝さん(写真提供=扶桑社)

しかし、ご存じの通り今ではチャンネル登録者100万人を超える、日本トップクラスのYouTuberです。動画の世界にとどまらず、「ソロキャンプ」という市場を築いた感すらあります。

しかし、当のヒロシさんは、YouTubeを始めたのも「自分のための記録」がきっかけだったそうです。昔からキャンプは好きだったけど「大人数で行くと自分が十分に楽しめない」というのが悩みだったとか。

そこで、ソロキャンプを始めて、その動画を撮っているうちに「YouTubeというものがある」と知り、投稿を開始。ムリなく地道に続けていたら、見てくれる人が“勝手に”増えていきました。

世の中に隠れていた「本当はひとりでキャンプをしたい」というニーズに、みごとハマったのです。

ヒロシさんはまさに、「得意なこと」に振りきって、勝ち筋を見つけた好例です。

■本当に得意なことには「再現性」が宿る

人生の中でたった一度でも「自分の勝ち方」を見つけた人は、その後の人生もずっと活躍できます。

なぜなら、本当に得意なことには、「再現性」が宿るからです。

例えばVAZで活躍していたYouTuberたちは、プラットフォームを変更しても活躍しています。TikTokやInstagramといった異なるSNSでも人気を博していますし、歌手活動をしたり、テレビタレントとしても活躍したり「自分の持ち味を発揮する方法」を、心得ているのです。

これは、優秀なビジネスパーソンが、転職先でも結果を残すのと同じことです。彼らは会社という舞台を変えても自分らしく価値を発揮できます。

もし所属している会社が倒産しても、得意なことがわかっていれば、別の組織でまた再現性をもって活躍できます。優秀な営業マンが商材を変えても同じように売れるのと、本質は同じです。

逆に、苦手の克服ばかりに気をとられていたり、なんでもソツなくこなして平均点を取ることに必死な人は、所属を失うと露頭に迷ってしまいがちです。

「自分に何ができるのか」を理解していないので、そもそも何で価値を発揮したらいいのかがわからないからです。

「得意なこと」を活かして自分の価値を最大限にまで高めた人に、日本マイクロソフトで業務執行役員を務めた澤円さんという人がいます。プレゼンテーションのうまさから、今では「プレゼンの神様」として知られる人です。

そんな澤さんですが、元々はエンジニアであり、マイクロソフトに入る前に所属していた会社では「落ちこぼれのエンジニア」だったそうです。著書『マイクロソフト伝説マネジャーの世界№1プレゼン術』(ダイヤモンド社)の中では「私より優秀なエンジニアはごろごろいて、むしろ会社一のダメ社員でした」と語っています。

■落ちこぼれエンジニアがトップクラス社員になれたワケ

しかし、落ちこぼれエンジニアだったからこそ、「何よりもまず自分自身にわかりやすく説明する必要があった」とも語っています。澤さんのプレゼンの根底にあるのは、ダメ社員だったから気づいた、自分のなかに眠る「わかりやすく説明するという能力」なのです。そして、それを徹底的に磨きあげて「得意なこと」に昇格させていきました。

その後も徹底的な自己理解によってプレゼンスキルが向上。マイクロソフトの執行役員時代には年間300回のプレゼンをこなすなど活躍し、ビル・ゲイツが全世界のマイクロソフト従業員約10万人の中からトップクラスの成績を収めた者だけに与える「Chairman’s Award」を受賞されています。

そして、日本マイクロソフトを退職された現在も、澤さんはセミナーをはじめ引っ張りだこの存在です。

このように、一度自分の強みを認識して“ポジション”を確立すると、それ以降の人生でもずっと活躍する“型”が得られるのです。

■これからの時代に必要な「2つの努力」

得意なことには、あなたの人生をずっと支え続けてくれる再現性が宿ります。

かつての日本には終身雇用や年功序列が存在し、企業や社会によって「こうしていればいい」というレールが敷かれていました。

しかし、皆さんご存じの通り、もはや「これをやったら成功する」というセオリーなどありません。

では、どうしたらいいのか。僕は、これからの時代に必要なのは、「2つの努力」だと考えています。

それは「自分を知る努力」と「自分が活きる場所を探す努力」です。

自分を知る努力とは、可能性を“削る”努力とも言い換えられます。

「優秀なあの人のように活躍したい」だったり、「どんな時代でも生きていけるスキルや資格を手に入れたい」と、自分の可能性を広げようとすると、終わりがありません。むしろ、ないものねだりをした挙句にたいして芽が出ないと「自分は才能のない人間なんだ」と自己肯定感が低くなります。

「誰とでも仲良くなれる人間になりたい」と、無理やりコミュニケーション力を磨こうとして自分を嫌いになった、僕の二の舞いにならないでください。

そうではなく、「自分にできることは何か? 得意なことは何か?」と、内側に目を向けるべきです。そのうえで、自分の可能性を絞ってください。判断基準が多すぎると、人はなかなか行動に移せなくなります。

「あれもしたい、これもしたい」、あるいは「あれもできそう、これもできそう」という勘違いをしていると、いつまでたっても「自分の勝ち方」を見つけることができません。

■不得意なことに時間を割くのはコスパの悪い努力

任天堂の元社長・岩田聡さんにこんな言葉があります。

森泰輝『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(扶桑社)
森泰輝『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(扶桑社)

「自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり、喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね、『それがその人の得意な仕事なんだ』って話で。

逆に、自分的にはすごい努力して、達成感もたっぷりあるのに、周りからは『はあ?』みたいに思われることもあって。それはね、本人が好きだったとしても、実は不得意なことかもしれないんですよ」(『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』「株式会社ほぼ日」刊より)

どれだけ努力をしたところで、不得意なことに時間を割いているのであれば、それはやはり「コスパの悪い努力」なのです。

■みんなと同じように生きていては成功しない

そして、もうひとつが「自分が活きる場所を探す努力」です。自分を理解できても、それを正しく社会のなかで活かせなければ宝の持ち腐れです。

これまでは社会や会社が、あなたに場所を提供して、その「置かれた場所で咲く」ことが美徳でした。しかし、将来へのレールが敷かれなくなった現在では、自分の能力を発揮する場所は、自力で探さないといけません。

例えば、塾講師として大活躍し、「いつやるか? 今でしょ!」のフレーズでブレイクした林修先生は、大学時代から家庭教師のアルバイトをしていたところ「教えるのがうまい」と評価され、無職期間を経て塾講師になります。

しかし当初、現代文ではなく数学の講師になりたかったのに、他の人気講師の授業を見て「数学では勝てない」と悟ったそうです。そこで、授業をすべて見て回ったところ、「現代文なら、勝てる」と確信し、担当教科を変更したのです。

林先生はまず、「教えるのが得意」という自分の強みを見つけました。そのうえで、「強みを活かせる場所を探す努力」をして、現代文の講師という活躍の場を見いだしています。まさに、これからの時代に必要な努力の教科書です。

僕の経験上、「成功している」と思う人の大半が、林先生のような努力をしています。これまでなら、みんなと同じように生きることで、ある程度の成功を手に入れられたかもしれません。しかしこれからの時代は、それでは通用しなくなります。

「自分を知る努力」と「得意を活かせる場所を探す努力」。この2つをしなければ、いつまでたってもダメな自分に悩むことになりかねません。

人生は有限です。ないものねだりをしてコスパの悪い努力をくり返す時間はもったいないので、今すぐにでも、本来の自分を武器にする生き方にシフトチェンジをしていきましょう。

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森 泰輝(もり・たいき)
VAZ元代表
1990年、兵庫県生まれ。早稲田大学在学中の2013年にショート動画による飲食店集客サービス「@mikke(アットミッケ)」を手掛ける企業「アットファクトリーズ」を立ち上げる。その後、2015年にはYouTuberなど動画インフルエンサーのプロダクション「VAZ」を起業。タレントのマネジメント業務をはじめ、インフルエンサーマーケティング事業やSNSプラットフォーム事業を手掛けて同社を急成長させ、「YouTuber黎明期の立役者」として名を馳せる。2019年には「Forbes Under 30 Asia」のMedia, Marketing & Advertising部門にも選出。現在はVAZ代表を退任し起業準備中。

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(VAZ元代表 森 泰輝)

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