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「だから250万部超のライターになれた」汚メモを金脈メモに変えるたった2つのコツ

プレジデントオンライン / 2021年4月20日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/undefined undefined

あなたはメモを仕事に活用できているだろうか。ライター・編集者として累計250万部超の出版にかかわり、『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』(アスコム)を出した村本篤信さんは「メモをそのまま放置してはいけない。取り終えた後のちょっとした工夫で、『汚メモ』は『金脈メモ』に変わる」という――。

■仕事ができる人は「メモ魔」

「メモこそ命の恩人だ」。

これは、電話機や映写機、蓄音機など、さまざまなものを発明・改良したアメリカの発明家、トーマス・エジソンの言葉です。

エジソンは超がつくほどのメモ魔でメモとペンを常に持ち歩き、発明のアイデアだけでなく、やらなければならないこと、見聞きしたジョークなど、300万枚にものぼるメモを残したといわれています。

また、自らの特許を守るため、訴訟を起こすことも多かったエジソンですが、裁判の際、メモが有力な証拠となったそうです。

アイデアややるべきことを忘れないようにするうえでも役に立ち、考えをまとめたり、思考の足跡をたどったりする際にも役に立つメモ。エジソンほどではないにしても、ふだんからビジネスやプライベートでメモを活用している人は多いでしょう。

私はこれまでたくさんの人に会ってきましたが、仕事ができる人、発想が豊かな人、思考や決断のスピードが速い人は、たいていメモ魔であり、メモのとり方が上手です。

彼らは常に手帳やメモ帳、ふせんなどを持ち歩き、自分なりの「メモルール」に基づいてメモをとり、思考を整理したり、次に何をやるべきなのかを判断したりしているのです。

■ただメモを取っても身にならない

一方で、「後で読み返したとき、何をメモしたのか自分でもわからない」「メモをとったことで安心してしまい、結局何も覚えていない」という人も多いのではないでしょうか。

●字が汚くて、自分でも解読できない。
●単語がいくつか書いてあるだけで、内容がまったく思い出せない。
●情報が多すぎて、どこに大事なことが書いてあるか、すぐにわからない。

このような、あまり役に立たない生産性の低いメモを、私は「汚メモ」と呼んでいます。

昔からメモ魔ではあったのですが、かつての私は、実は汚メモ製造機でした。

打ち合わせや取材で聞いたこと、本やネットなどで得た知識、思いついたアイデアなどをメモするのですが、どこに何を書いたかわからなくなったり、ただメモをとるだけで、情報が自分の頭の中にインプットされていなかったり、とにかく、メモが「思考を深めるための道具」になっていなかったのです。

そんな私が、「このままではいけない」と思い、考え出したのが、拙著『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』でおすすめしているメモ術です。

この本では、汚メモを「次にやるべきことがわかり、仕事の効率が上がるメモ」に変えるための方法や、メモを使って考え、アイデアを生み出すための方法をいろいろとお伝えしていますが、ここでは、そのうちの一つを紹介しましょう。

■5~10分の「一人会議」が汚メモを金脈メモに変える

汚メモを、生産性の高いメモに変える方法。

それは「一人会議」の時間を持つことです。

私は30分ほど時間をかけることもありますが、5~10分程度でもかまいません。

一人会議は、誰にも邪魔されない場所で行います。その時間は電話やメールも極力無視しましょう。

たとえば打ち合わせの後であれば、打ち合わせ中にとったメモを、一人会議中に整理します。その整理の仕方には、2つのコツがあります。

●メモの内容を自分の言葉で言いかえる。
●特に大事だと思った1~3個の事柄を、ふせんに書き出す。

それだけで、ただ情報や事実を書き散らしただけの汚メモが、生産性の高い金脈メモに変身するのです。

私の場合、図のように、ノートの左ページにふつうにメモを書き、自分の言葉で言いかえたものを右ページに書くようにしています。

「普通のメモ」(左)とは、会議や打ち合わせの内容、本やネットから得た情報などのことです。

ノート
出所=『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』

「メモの内容を自分の言葉で言いかえるって、どういうこと?」と思われるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。

●聞いた話や得た情報を整理して書く。
●「要するにどういうことだろう」と自分に問いかけ、答えを書く。
●自分なりに重要だと思った点を書く。
●わからない点、追加で調べたい点があれば、それを書く。
●別々に書いた言葉をつなげて、一つの言葉にしてみる。
●今まで知らなかったこと、ハッとしたこと、誰かに伝えたいと思ったこと、世の中の役に立つと思ったことなど、「自分が感じたこと」を書く。

■自分の言葉で言い替えて「自分ごと」にする

では、なぜ自分の言葉で言いかえることが大事なのかというと、それによって、仕事や考えなければいけないこと、入ってきた情報などが「自分ごと」になるからです。

勉強
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

私たちはふだん、言葉で物事をとらえ、自分のものにしています。

他人の言葉で聞いたことは、なんとなくわかったつもり、覚えたつもりになっていても、実は全然理解できていなかったり、すぐに忘れたりしてしまいがちです。人は、他人の言葉で聞いたことは、どこか「他人ごと」として受け止めてしまうからです。

ところが、自分の言葉でとらえなおしたとたん、その情報を「自分に関係があること」だと思えるようになり、本当の意味で理解できるようになります。

■感情こそアイデアや思考の原点

しかも、「自分が感じたこと」を言葉にして書くことで、その情報によってどう感情をうごかされたかを、自分自身で把握することができます。

人は、感情を動かされないものに対し、なかなか関心を持つことができません。

おそらくみなさんも、何かについて「もっと知りたい」「関わりたい」「やってみたい」といった積極的な気持ちが起こるのは、それに対して「好き」「面白い」と思う、あるいは悲しむ、腹を立てるなど、感情が動かされたときではないでしょうか?

あらゆるアイデアや思考は、感情からスタートします。

「好きだ」「面白い」という感情が生まれれば、たとえば「自分はなぜ、それが好きなんだろう」「なぜ、それを面白いと感じたんだろう」「どうすれば自分も、面白いものが作れるようになるんだろう」と考えるでしょうし、悲しんだり腹を立てたりすれば、「どうすればこの悲しみから逃れられるだろう」「この怒りをどう解消しよう」と考えるでしょう。

自分がその情報や物事に対して何を感じ、どう思ったか。

それを強く意識することで、その情報や物事をより身近に感じるようになりますし、「思ったこと」「感じたこと」を深めていくことこそが「考えること」であるともいえるのです。

■次にやるべきこと、考えるべきことが見えてくる

ただ、感情は移ろいやすいものです。

村本篤信『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』(アスコム)
村本篤信『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』(アスコム)

何かに心を動かされたとしても、そのままにしておくと、日々の忙しさにまぎれて、すぐに忘れてしまいます。

また、頭の中で思っているだけでは、「思い」はなかなか形をなしません。

だからこそ、感情を言語化し、文字としてメモに書いておくことが大事なのです。

情報と一緒に、そのときの感情を書いておけば、メモを見直したときにいつでも、「感情」というアイデアや思考の原点に立ち返ることができるからです。

情報が自分ごとになり、かつ感情が動かされて関心を持てば、モチベーションが上がり、記憶力、企画力、行動力などが飛躍的にアップします。

さらに、自分の言葉で言いかえたことの中から、特に大事だと思った事柄をいくつかふせんに書き出すことで、次にやるべきこと、考えるべきことが絞り込まれ、人は無意識のうちに、その物事に関する情報を集めたり、真剣に考えたりするようになるのです。

いかがでしょう。これが、一人会議によって、汚メモが金脈メモに変わるメカニズムです。『ロジカルメモ』では、ほかにも、メモを使ったさまざまな思考の方法、感情を整理する方法をご紹介しています。みなさん、ぜひ参考になさってみてください。

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村本 篤信(むらもと・あつのぶ)
ライター・編集者
1972年大阪府生まれ。都立国立高校、一橋大学社会学部卒業。大日本印刷に入社後、フリーのライター、編集者に転身。主な編集・ライティング担当作は『3000円投資生活』シリーズ(横山光昭)、『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』(小澤竹俊)ほか手がけた書籍は累計250万部以上。また90年代よりホラー系ドラァグクイーン「エスムラルダ」としての活動をはじめ、各種イベントでの司会やドラァグショー、コラム連載などを行う。

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(ライター・編集者 村本 篤信)

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