ストール、トンガリ靴、ブレスレット…好感度の低い男性の空回りファッション3選
プレジデントオンライン / 2021年4月20日 15時15分
■「ハイブランドで固めているとちょっと引く…」
こんにちは。スタイルストの山本あきこです。
寒かった日々も終わり、やっと春らしくなってきました。晴れた日はおしゃれして外に出掛けたくなります。
私は普段、ファッションスタイリストとして活動し、今まで男性・女性合わせて1万人以上のパーソナルスタイリングを行ってきました。
その中で、男性のファッションについて、男性からは「失敗したくないけれど、どうしたらいいかわからない」という声を伺うことが多い一方、女性からは「どうしたらパートナーがおしゃれになりますか?」という声を聞くことが非常に多いのです。
こう聞くと、女性が男性に求めているファッションのハードルは高いように思える方がいるかもしれません。でも、実はそんなことはなく、ちょっとしたことだけ守ればいいということが見えてきました。
では、女性が男性のファッションに対して思う「おしゃれ」とは、どんなものなのでしょうか。
突っ込んで聞いてみたところ、なんていうことはありません。みなさんが声をそろえておっしゃったのは「清潔感」だったのです。
そう、別に多くの女性は男性のファッションに、センスやブランドを求めているわけではありません。むしろ、「ハイブランドで固めているとちょっと引く……」という声も多くありました。
■「女性の視点」を知ることが役に立つ
男性も女性も「モテ」だけがファッションの正解ではありません。
ですが、もしあなたが「ちょっと好感度を上げたい」「信頼感をアップしたい」と思っていらっしゃるなら、男性のファッションに対する、女性の視点を知っておくことは役に立つのではないでしょうか。
拙著『男子ファッション最強図鑑』(かんき出版)では、約50名の男性からはファッションの不安や・知りたいことを、また約150名の女性に男性のファッションに求めるものをアンケートでとりました。加えて、私の経験から導き出したロジックを基に、男性におすすめの、まねするだけでOKなコーディネートをご紹介しています。
今回は、そのアンケート結果をベースに、多くの女性が「これはちょっと……」と引いてしまうファッションを3つご紹介します。
■①春のストールはイヤらしく見える
まず大前提として、男性のファッションには、どなたでもスタイルがよく見え、たくましいと思ってもらえるシルエットがあります。それが、胸板にボリュームがあり、足先にかけて細くなっていく「逆三角形」です。そのために特に効果的なのが、小物などを使って胸板付近を「盛る」こと。ネクタイやマフラーなどは、優秀な「盛りアイテム」なのですが、その一方で、気をつけたいのが「ストール」です。
「マフラーとストールってどう違うの?」と思われた方もいるかと思いますが、この二つは似ているようで、その効果がまったく違うアイテム。正確な区分については諸説ありますが、1m以下の長さのものがマフラー、それ以上の長さのものがストールと思っていただくとわかりやすいと思います。
実はストールは、その大きさゆえに主張が強すぎて、ある種のこってりしたイヤらしさが出てしまうんです。これはバブル期のプロデューサー巻きに通じるイヤらしさ。特に春先に出回る薄手のものは、かなり上手に取り入れることができないと「頑張ってる感」が出てしまい、痛々しい印象に。この「頑張ってる感」に女性は非常に敏感なようです。
察知した瞬間に引いてしまう、という声もありました。男女ともに、その人に馴染(なじ)み、自然に見えるのがおしゃれの秘訣(ひけつ)なのです。
■②トンガリ靴はやんちゃなイメージで警戒される
女性へのアンケートで、一、二を争うドン引きアイテムだったのが「先の尖(とが)った革靴」。「チャラそう」「遊んでいそう」というイメージがあり、履いているだけで警戒されてしまうようです。
靴を履いた時に、指先の届かない部分が3cm以上あるものはとんがって見えるので避けましょう。また、先端が反っている革靴も、同様にチャラく見えるので避けたほうがベターです。女性が大人の男性に求めるものは、やんちゃさよりも「誠実さ」。まずは一足、スーツスタイルにも使えるようなベーシックな形の、黒かブラウンの革靴があれば十分です。
カジュアル派の方なら、レザーのスニーカーもすてき。私がおすすめしたいのは、アディダスのスタンスミスと、黒のレザースリッポン。この2つは、Tシャツにジーパンといったカジュアルスタイルにも、「清潔感」をプラスしてくれるアイテムです。
スタンスミスは、スエードのものとスムースレザーのものがありますが、おすすめはスムース。タンやヒールの部分のカラーは、グレーやブラックが合わせるアイテムを選ばず使いやすいですよ。
ちなみにレザースリッポンも、高価なものである必要はありません。ZARAのものは、形がシャープで引き締まって見えるのでおすすめです。
■③3点以上のアクセサリー使いは逆に悪印象
男性のファッションにおいて鬼門なのが、アクセサリー。どんなに高価なものでも、つけこなし方によって、逆に悪印象になってしまうことが多いんです。特にネックレス、ブレスレット、リングの3点使いは、よっぽどのおしゃれさんじゃないと非常に難しい! 時計も入れて、「アクセサリーは2点まで」が“程よくかっこいい”の基準です。
ちなみに、この2点に含まない、優秀なアクセサリーがメガネ。顔まわりにツヤを与え、ウェリントンタイプやボストンタイプのようなフレームが太めのものなら、小顔効果も期待できます。
度なしで大いに結構です。目が悪い、悪くないにかかわらず、一人一つ持っておいて損はないですよ。
アクセサリーをたくさんつけているよりも、きちんと爪を切っていることのほうが、「清潔感」があり抜群に好感度が高いもの。どんな高価な時計をつけていても、手荒れしていては台無しです。最近はアルコール消毒をする機会も多く、手が荒れている人が多いようです。まずはこまめにハンドクリームを塗ることから始めてみてはいかがでしょうか。
■男性が求める「正解の服」とは
アンケートや普段のスタイリングで接している多くの男性からお悩みを聞き、共通していたのは、みなさん「正解の服」が知りたい、ということでした。もちろん、ファッションは数学の計算式ではありませんから、一つだけの正解があるわけではありません。ですが、基本となる理論やロジックがあるのは確かです。
今回ご紹介した3つのNGポイントも、例えばファッションが大好きで、すでにご自身のスタイルが確立している方には無用でしょう。しかし、「自分はファッションに疎いな」と思っておられる方には、服を選ぶ時の一つの視点になると思います。さらに、基本の理論やロジックを知れば、ご自身にとっても、心地よいファッションができるようになりますよ。
先にご紹介した拙著『男子ファッション最強図鑑』(かんき出版)では、押し付けではなく、「こんなふうにしたら、もっとかっこよく見えますよ」ということを提案させていただいています。女性が着てほしいと思っている服装を知ることは、どんなシーンにおいても役に立つと思います。
まずは、頑張ってる感がなく、「あの人なんかいいよね」と言われるようなファッションを目指してみませんか。ぜひ「ちょっとやってみようかな」くらいの軽い気持ちで、参考にしてみてくださいね。
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スタイリスト
1978年生まれ。女性誌や広告などで多くのスタイリングを手がけながら、「外見力をあげるため、服の買い方や見せ方を、一般の人でもプロのスタイリストに気軽に相談できる場をつくりたい」と、2013年より毎月個人向けのパーソナルスタイリングや、スタイリングを教える講座など行う。処女作の『いつもの服をそのまま着ているだけなのに、なぜだかおしゃれに見える』(ダイヤモンド社)はベストセラーとなる。
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(スタイリスト 山本 あきこ)
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