「ポイント投資だけで100万円」30代で1億円貯めた人の"ポイ活"は何が違うか
プレジデントオンライン / 2021年5月7日 11時15分
■20代の頃はダメダメ投資家で、ライブドアショックで大損
ポイント投資だけで100万円稼ぐ――。そんな挑戦がスタートしたのは、1年ほど前の2020年2月でした。投資情報サイト「トウシル」からの提案だったのですが、そんな企画はそれまで見たことがありません。ポイ活マニアの血が騒ぎ、引き受けることにしました。
私はいまでこそ、億り人の仲間入りをしましたが、20代の頃はダメダメ投資家で2006年のライブドアショックでは大金を損して気絶しそうになったことがあります。それでも投資をあきらめず、イベント投資に出会い年間3000万円ほどの利益を出せるようになったのです。
■クレカ63枚保有、年会費118万円
イベント投資というのは、株主優待などのイベントに対して株価がどう動くか、法則性を見いだして利益を得る方法です。
一方で2005年からクレジットカードを使い始め、クレカ、電子マネーなどのキャッシュレス決済を追求してきました。ブラックカードを含む63枚のクレジットカードを保有した経験があり、年会費が118万円に達したこともあります。
このような経緯もあり、「ポイント投資だけで100万円稼ぐ」企画は、“私にピッタリ”というより、“私にしかできない”と思い、引き受けたのです。ただ、ポイントだけですから、「さすがに達成までには3、4年かかるだろう」と思いながら、スタートしました。
■ポイ活で貯めた30万Pを元本に投資をスタート
元本は当時保有していた楽天ポイント30万Pです。最初は様子見で約17万Pを投じて株式や投資信託を購入しました。
ところが3月になって新型コロナウイルスの感染が世界中で広がり、株式市場が暴落しました。日経平均株価は2月下旬から3月下旬の約1カ月で約30%値下がりしたのです。
私は原則として「▲10%で損切りする」ルールを設けています。これには賛否両論あるのですが、20年3月のように株価が急落したときにはダメージを抑えて、底値圏で買う余力ができるのがメリットです。
ここまで下落するとは想定外でしたが、過去の経験では「暴落時は安値圏で無理のない範囲で購入してリバウンドを狙うのが有効」でした。実際には、下落のスピードが早すぎて、タイミングが少し遅れてしまいましたが、損切りをしてからいったん様子を見て、「買いのチャンスが来た」と思ったタイミングで、株式と投資信託を購入しました。
■コロナショックの2020年3月も2万9000円のプラスに
こうした大胆な判断ができるのはポイント投資のメリットです。使う予定のないポイントで投資したと考えれば、もし負けてもそれほど大きなショックは受けずに済みます。感情に左右されず冷静に損切りできるからこそ、次のチャンスをつかむことができるのです。
残りのポイント13万Pも使って積極的に購入した結果、3月は約2万9000円のプラスで終えることができました。
ポイント投資は、ポイ活で元本を増やせるのもメリットです。楽天ポイントの場合、楽天市場で開催される「スーパーSALE」や「お買い物マラソン」でポイントを有利に獲得できますし、個別のお店でポイント倍率アップセールを実施したりしています。こまめにチェックすると、Amazonやヤフーショッピングで買い物をするよりも有利な場合があります。
■仮想通貨デビュー1カ月で20%の利益を達成
4月からは仮想通貨(暗号資産)へのポイント投資も始めました。楽天ポイントは楽天ウォレットを利用して、仮想通貨に交換できるのも魅力の一つです。恐る恐る100Pを仮想通貨の中で最も有名なビットコインと交換してみました。仮想通貨の知識はまったくなかったので少額にとどめたのですが、月末にはプラス20%の120円に。もっと買っておけば! とタラレバの後悔もありましたが、よい仮想通貨デビューになりました。
その後も毎月獲得したポイントを加えつつ運用を続けた結果、スタートして1年2カ月で100万円に到達したのです。「塵もつもれば山となる」との言葉がある通り、ポイ活で地道にポイントを獲得して、投資をすれば着実な資産形成が可能です。
■運用スキルを磨くのに有効
ポイント投資は、運用スキルを磨くのに有効です。前述のように相場が急落したときに損切りを練習できるのもそうですし、株価が上昇を始めたときに飛び乗る練習をするのにも有効です。
分散された株式投資信託はリスク(値動きの幅)の標準偏差が±20%で、期待リターンが4~6%の投資です。つまり、1年あたりおおむね▲20%~+20の範囲で値動きしながら、長期では年5%前後のリターンが狙える投資なのです。個別株式の投資だと、保有銘柄数が少ない場合はもっとリスクが高まります。一時的にでも▲20%、場合によっては▲30%~40%になる可能性のある運用に、最初から自分のお金を投じるのは厳しい面があります。
その点、ポイント投資なら、精神的な負担が少ないので感情に左右されず、冷静な判断をすることができます。その経験が自分のお金を投資する際にも生かされるはずです。
■dポイントは期間限定ポイントも投資に利用できる
投資に利用できるポイントには、楽天ポイントのほかにもdポイントやTポイント、永久不滅ポイントなどがあります。
楽天ポイントは、前述のように楽天証券を通じて株式の個別銘柄や仮想通貨にも投資できるのがメリットです。dポイントは期間限定ポイントも投資に利用できるのがメリットです。楽天ポイントの場合は、通常ポイントのみが投資に利用可能で期間限定ポイントは使えません。
![主なポイント投資](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/0/e/670/img_0e07cbd13d098db3ca4a7bf5f7788d19252945.jpg)
ポイントによってこうした違いはありますが、基本は自分の貯めやすいポイントを利用して投資にチャレンジしてみるといいと思います。
ここまでは、ポイントをお金に変えて投資する方法を紹介してきましたが、その場合は連携している証券会社に口座を開設しなければなりません。楽天ポイントなら楽天証券です。ポイント投資には、もう一つ、ポイントのまま運用する疑似運用もあります。ポイントが株価などに連動して増減し、増えたポイントは引き出してポイントとして利用できる仕組みです。
疑似運用は証券会社に口座をつくる必要がないので手軽で税金もかかりません。ただ、個別株式に連動する疑似運用は配当が受け取れないので、本来の運用益から配当分は損してしまいます。どちらにもメリットとデメリットがありますから、好みに選んでチャレンジしてみてください。
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株式投資メインで稼ぐ個人の専業投資家。「人生をもっと楽しく豊かに。」をテーマにクレジットカードや電子マネーの活用の研究にも取り組み、情報発信をおこなっている。人気投資ブログ「The Goal」管理人でもある。著書に『会社員をしつつ、株で元手40万から月250万ちょい稼いでいる件』(ぱる出版)がある。
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(専業投資家 まつのすけ)
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