「赤の他人が5500万円かき集めた」子どもの集団いじめに遭った68歳女性が突然救われたワケ
プレジデントオンライン / 2021年5月20日 11時15分
※本稿は、本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
■社会との関わり方次第で「自分のあり方」は180度変わる
どんな関わり方でもよいのですが、仕事をすること、働くということは、それ自体が社会との関わりなので、意外に大事だと僕は思っています。
あるいは、仕事をせずに、社会とはあまり関わらない生き方をしている人もいます。あなたが社会とどう関わるのか、仕事との距離から見えてくるものがあります。社会との関わり方には、次の7つのスタイルがあります。
〈2〉「専業主婦」「家事手伝い」「家族の介護」などをするけど、外では仕事しない
〈3〉「ボランティア」として、意義のある活動をサポートする
〈4〉「パート」「正社員」として毎日定時で働く
〈5〉「エリート」として、残業もいとわずに、バリバリ働く
〈6〉「自営業(フリーランスも含む)」として働く
〈7〉「ビジネスオーナー」「投資家」として生きる
社会との関わり方をどうしたいかで選ぶと、自分のあり方が変わってきます。
これからは、20代でも働かないで生きていくという人も増えていくでしょう。親元にいたり、親や祖父母からの遺産をもらったりした人は、あえてフルタイムで就職しない、という生き方を選ぶようになるでしょう。
「ちゃんとしたところに就職しないなんてダメ」という考えは、もう昔のものです。遺産で生きていくなんて「大富豪の話?」と思うかもしれませんが、そうでもありません。
たとえば都市部に祖父母や両親の持ち家があって、一人っ子の場合には、彼らが亡くなった後、その家を引き継ぐことになります。その家を売るなり貸すなりすれば、それだけでも、ある程度は暮らしていけます。
慎ましやかに生きていこうと思えば、仕事をしなくても可能です。これからは、そんな何をやっているかわからない人も、増えていくと思います。食べていくことだけを考えれば、必ずしも会社や役所に就職する必要はないわけです。働きたいと思っても、親の介護をしなければいけなくなったり、自分自身が病気になったりして働けない、ということもあります。
また、自分は専業主婦(主夫)として、家事や育児に専念したいという人もいるでしょう。もちろん、女性にかぎったことではなく、男性にもそうした考えを持つ人がいます。
知り合いの若い夫婦は、男性のほうが育児を担当することになりました。旦那さんが、「僕より君のほうが仕事に向いているし、僕も仕事より、家事のほうが好き」と言って、奥さんも納得したそうです。二人ともハッピーな様子なので、それもアリですね。一昔前なら、男性のプライドが許さない人も多かったでしょうが、いまはそういう感覚的なことも変わってきているように思います。
フルタイムの仕事をせずに、ボランティアをしていきたいという人もいるでしょう。実家に住んでいたり、パートナーが経済的にサポートしてくれたりということであれば、自分でお金を稼ぐのは少しにして、趣味やボランティアをやることもできます。
いままではフルタイムで働くか、フリーランスで働くかの二者択一を迫られるような雰囲気がありましたが、働き方改革で副業が認められ、テレワークが進んだり、週休3~4日を導入する企業が出てきたりして、20年前には、とても考えられなかったようなライフスタイルが実現できるようになりました。
■不平等だけど、世界には正義も優しさもある
ここで、残念なお知らせがあります。うすうす気づいていたことかもしれませんが、いまの世界は、不平等にできています。どれだけがんばっても、結果が出ないことがあります。また、仕事には、儲かる仕事と儲からない仕事があります。
割のいい仕事と、割のよくない仕事、きれいな仕事と汚い仕事があります。いい仕事をしたら、必ず報酬がよくなるということもなく、下請けに仕事を丸投げするだけで、何倍もの利益を得る会社もあります。
そう、世の中には、理不尽なことや不正義がまかり通っているのです。たとえば大企業と中小企業では、利益率が違います。
同じものを売ったとしても、仕入れの条件が小さい企業には厳しく、大企業には有利になっているからです。
本当は、どちらも同じ条件でなければ、フェアではありません。どうしても差が出るということなら、中小企業のほうを優先するほうが公平だと思いませんか?
なぜ大企業のほうが有利なのかといえば、より大口の優良顧客を優遇するのがビジネスの基本だからです。小さいより大きい会社のほうが、注文数も多くなります。つまり、いいお客さんになるわけです。
個人レベルでも、たとえばホテルにたくさん泊まるゲストほど、サービスがよくなります。朝食をつけてくれたり、部屋をグレードアップしてくれたりします。いい部屋に泊まれるぐらい余裕のあるお金持ちだから、そんなサービスをしなくてもいいはず。でも、世の中は、そうなっているのです。お金持ちが、どんどんお金持ちになるのは、そういう面でも有利になるからです。
「倍返しだ!」の「半沢直樹」がウケるのも、必ずしも正義が通らない世の中だと皆が知っているからでしょう。けれども、やはり正義はあって、ズルいことや不正をしていたら、いつか露見してその制裁を受けるものです。
短期的にはごまかせても、長期的に見れば正義はある、と僕は思っています。心を尽くしてラーメンをつくっている人は、すぐに大きなお金を儲けることはできなくても、必ずその誠意や努力は報(むく)われるものです。成功する分野は、ラーメンではないこともあるかもしれませんが、どこかで花は開くと思います。本当によいものをつくろうと努力していて、悲惨な人生になったという人を僕は知りません。
もちろん、がんばったら誰でも評価されるほど、世の中は甘くありません。
そうかといって、その努力がまったく無視されるかといえば、そんなことはないというのが、これまで多くの人を見てきた僕の結論です。
■「赤の他人が5500万円かき集めた」年収120万68歳女性が救われた訳
人生はたしかに不平等です。それが、この世界のまだ不完全なところであり、不十分なところなんじゃないかと思います。でも、その中で、人に助けてもらって感激したり、感動したりするのも、人生の喜びです。せちがらい社会でも、いい人はたくさんいることを知ってください。
10年ほど前のアメリカで起きた話です。ニューヨークのスクールバスの68歳の女性監視員カレンさんが、12~13歳の少年たちに集団でいじめられ、その映像がインターネットで流れたことがありました。
その動画を見てかわいそうに思ったカナダの人が、お金を集めて彼女に休暇をとってもらおうというアイデアを出しました。最初40万円を目標にしたそうですが、あっというまに5500万円も集まりました。年収120万円の彼女には、40年分の金額です。
そのことを知らされたカレンさんは、大感激して、涙ながらに感謝の気持ちをのべたそうです。見渡せば、世界中にそういういい話はあふれています。いま、クラウドファンディングで、立ち行かなくなったお店を応援しようというプロジェクトが世界中でスタートしています。
厳しくて大変なこともたくさんありますが、同時にあたたかくて優しい人たちも、世の中にはいっぱいいるのです。
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作家
神戸生まれ。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。著書に『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房)などがある。
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(作家 本田 健)
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