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堀江貴文「人気もお金も実績も得ている人に共通している"ある能力"」

プレジデントオンライン / 2021年5月31日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dilok Klaisataporn

何かで成果を出したいときは、どうすればいいのか。実業家の堀江貴文氏は「むやみに時間をかければいいわけではない。大切なのは没頭力だ」という――。

※本稿は、堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)の一部を再編集したものです。

■稲盛和夫さんが提示した「考え方×熱意×能力」という図式

自分は素人だから、経験がないからと尻込みをして、いつまでも行動に移さないでいる人も、かなり多い。はっきり言って、結果を出したいときに、経験のなさなど“できない理由”にはなり得ない。結果を出したいとき、こだわるところはそこじゃない。

どんな分野でも、高い成果を残している人に共通している能力とは「没頭力」である。

スポーツや芸能、クリエイティブの世界では、持って生まれた才能が、多少は成果に関係しているかもしれない。けれど、基本的なところでは、対象にとことん没頭して結果を出した人が評価されて、人気もお金も、実績も得ている。

ビジネスの成功者は、強靱な没頭力の持ち主ばかりだ。

例えば、ソフトバンクグループ創業者の孫正義さん。「家族の将来は自分が守る」という信念を持って、若い頃に単身、アメリカへ渡った。

孫さんはカリフォルニア大学に入り、「1日5分考えて、ひとつ発明する。それを1年間続ける」と目標を立てた。コツコツと発明を積み重ね、自動翻訳機などの開発ツールを企業に売って資金を集め、会社設立に至った。まさに有言実行で突破した、起業家の代表格だ。

京セラやKDDI創業者の稲盛和夫さんも、例に挙げたい。彼は成功する人生の方程式として、「考え方×熱意×能力」という図式を提唱している。この掛け合わせで生まれる没頭力が、稲盛さんの経営理論を支えているのだろう。

■成功者はプライベートの時間も仕事に熱中しているもの

方程式の3つの構成要素の中で、僕は特に「熱意」に注目したい。

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写真=iStock.com/edb3_16
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/edb3_16

「成功させようとする意志や熱意、そして情熱が強ければ強いほど、成功への確率は高いのです。強い思い、情熱とは、寝ても覚めても、二十四時間、そのことを考えている状態です」

稲盛さんは著書『成功への情熱』の中で、こう述べられている。

“寝ても覚めても”などと言うと、いまではパワハラになってしまうので、慎重に解釈してほしい。成功している人というのは、プライベートの時間であっても仕事に熱中しているものだから、あなたも結果を出したいのなら、自分の仕事に没頭しきって真剣に取り組まなければいけない――。そんな成功者の激励の言葉と取るべきだろう。

■「狂気を感じるほどの没頭」を手に入れろ

僕の知人にも、没頭力の高い人はたくさんいる。ここでは、ニュージーランドのワイナリー「KUSUDA WINES」のオーナー・楠田浩之さんを紹介したい。

楠田さんは、ニュージーランドのマーティンボロに2001年から移住。ブドウづくりからワインの醸造までを、ほぼ家族経営で手掛けている。小規模なビジネスだが、彼のワインは、いまや世界的に知られる高級ブランドに成長しているのだ。

楠田さんは、かつて富士通や在シドニー日本国総領事館で働いていた。ワイン好きが高じて醸造家を目指し、退職。

32歳でドイツのガイゼンハイム大学ブドウ栽培・ワイン醸造学部に入学した。このとき出会った先輩から、挑戦する場所にニュージーランドを薦められ、マーティンボロを拠点にすることを決めたという。

彼のワインづくりのこだわりは、本当にすごい。ブドウのひと粒ひと粒を選定するために、気の遠くなるような手間を掛けている。現地では畏敬の念を込めて「ボンサイ・ピッキング」と評されているそうだ。

栽培から醸造の全行程を、ほとんど楠田さんひとりで手掛けているため、年間で製造できるワインの数はボトルで1万本に満たない。ワイナリー経営では最低でも4万本は製造しないと採算が取れないと言われるなかで、異例の生産体制だ。それでも楠田さんのワインを求める消費者は世界中にいて、しっかり黒字を出しているという。

楠田さんはワイナリー経営を拡大する予定はないらしい。スケールの拡大より、クレイジーな自分のスタイルを守っていくやり方を選んだ。

好きなものに没頭して、海外進出をやりきって、自分のブランドも確立した。楠田さんは類い稀な没頭力で夢を叶えた、成功者のひとりに違いない。

■寿司職人になりたければ独学でOK

勉強やビジネスでは、結果は顕著に表れる。脇目も振らずに、やるべき暗記問題やトレーニングに、どれだけ没頭できるか。成績はあからさまに、没頭と比例する。

堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)
堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)

あいつは付き合い悪いねとか、変わり者だねと揶揄されるぐらいに、徹底的に没頭することが重要だ。周囲との関係を断ち、雑音をスルーできる「狂気に満ちた集中」を発揮することによって、その人は頭ひとつ抜きんでることができるのだ。

誤解されてはいけないが、時間さえかければいい、というわけではない。「狂気に満ちた集中」を、いかに効率化させるかが肝要だ。

僕はいろんなところで「修業は無駄」「寿司職人になりたければ独学でOK」と言っている。動画での学習やオンラインサロンのコミュニティを活用するなど、ITを使って工夫できれば、長い時間をかけて習得するのと同じ技量を、短時間でマスターできるはずだ。

■飛び込むのに準備は要らない

昔は一流の寿司職人になるには、10年近い修業が必要だと言われた。けれどもそれは、本当なのだろうか? 動画を見て、寿司の握りを数カ月間にわたって独学した職人の寿司を食べたことがあるけれど、老舗店の職人の腕前と、それほどの差はなかった。

また、通信制サポート校「ゼロ高等学院」卒業生の谷垣くんは、高校時代に寿司を自分で1000貫握って実力をつけ、寿司店の長い修業を経ないまま、立派な職人として働いている。

誤解されたくないが、僕は時間をかけて実力をつける修業を、全否定しているわけではない。“修業”として、時間をかけてトレーニングして、確かな自信をつけて活躍できるタイプの人もいる。そういう人は、修業の時間を確保して技能を習得するのもいいと思う。

僕が言いたいのは、絶対に修業しなければ一人前になれない、という「修業原理主義」はおかしいんじゃない? ということだ。

寿司で言うなら、美味しい寿司をお客さんに出すことが第一の目的のはずだ。

そこへ到達するための手段として、「時間の消費量」が前提になっているのは、おかしいだろう。一人前になるために、年単位のタイムロスが条件化されていることには、僕は断固として異を唱えたい。

ここに挙げた“修業”のように、「起業をしたい、でも準備が整ってない!」という若者はたくさんいる。そんなときに、決まって僕は言う。「いますぐ、やりましょう!!」。

重視すべきは「狂気に満ちた集中」。つまり没頭力だけで、十分なのだ。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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