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「生きがいを失った人はどうすればいいのか」読書家に人気の本が教えてくれること

プレジデントオンライン / 2021年6月3日 9時15分

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」で、5月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サイトの編集部が紹介する――。
第1位:『生きがいについて』(神谷美恵子著、みすず書房)
第2位:『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(三谷宏治著、三笠書房)
第3位:『できる営業は、「これ」しかやらない』(伊庭正康著、PHP研究所)
第4位:『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(鈴木真理子著、明日香出版社)
第5位:『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(アービンジャー・インスティチュート著、金森重樹監修、冨永星訳、大和書房)
第6位:『問いの立て方』(宮野公樹著、筑摩書房)
第7位:『マーケターのように生きろ』(井上大輔著、東洋経済新報社)
第8位:『チームワーキング』(中原淳/田中聡著、日本能率協会マネジメントセンター)
第9位:『「20代」でやっておきたいこと』(川北義則著、三笠書房)
第10位:『リフレクション REFLECTION』(熊平美香著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
第11位:『LIMITLESS 超加速学習』(ジム・クウィック著、三輪美矢子訳、東洋経済新報社)
第12位:『買い物ゼロ秒時代の未来地図』(望月智之著、クロスメディア・パブリッシング)
第13位:『妄想する頭 思考する手』(暦本純一著、祥伝社)
第14位:『教養としてのAI講義』(メラニー・ミッチェル著、松原仁解説、尼丁千津子翻訳、日経BP)
第15位:『News Diet』(ロルフ・ドベリ著、安原実津訳、サンマーク出版)
第16位:『ファーウェイ 強さの秘密』(鄧斌著、光吉さくら訳、楠木建監修、日本実業出版社)
第17位:『人類とイノベーション』(マット・リドレー著、大田直子訳、NewsPicksパブリッシング)
第18位:『ウィニングカルチャー』(中竹竜二著、ダイヤモンド社)
第19位:『唯識の思想』 (横山紘一著、講談社)
第20位:『学び方の学び方』(バーバラ・オークレー/オラフ・シーヴェ著、宮本喜一訳、アチーブメント出版)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2021年5月の閲覧数ランキング

■失われた「生きがい」を取り戻す方法とは

今月の第1位は、1966年に刊行され、今なお読み継がれる『生きがいについて』でした。著者が精神科医として働いたハンセン病療養所での体験をもとに、「生きがい」についての思索が書き記されています。

神谷美恵子『生きがいについて』(みすず書房)
神谷美恵子『生きがいについて』(みすず書房)

コロナ禍において、私たちは今までとは異なる生活様式への移行を余儀なくされました。行動が制限される中で、生きがいを失ってしまったように感じた方や、自分の生きがいはなんだろうと考え込んだ方もいるでしょう。

そんな方はぜひ、本書を紐解いてみてください。本書で著者は、生きがいについて、「損なわれやすく、奪い去られやすい」「人生の四苦は、現代もなお事実として私たちの前に横たわる」といったことを記しています。そして、人の心の世界は突然「音を立てて」「ガラガラと」崩れ去り、「こなごなに」壊れてしまうともいいます。

では、損なわれたり、奪い去られたりしてしまった生きがいを再発見するにはどうすればいいのでしょうか。著者は、「新しい生きがいを見出すこと」と結論づけています。自分の存在が必要だと強く感じさせてくれるものや人との出会いが、生きていくためのパワーを与えてくれるのだと。

本書は、変化の激しい現代を生きるうえで、ひとつの指針となってくれることでしょう。人間の本質に迫った、色あせない名著です。

■「うまく伝わらない」悩みに効く一冊

第2位は、『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』でした。

三谷宏治『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(三笠書房)
三谷宏治『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』(三笠書房)

一瞬で大切なことを伝える技術――「そんな技術があるなら、ぜひ身につけたい!」と思う方も多いでしょう。特にリモートワークやオンライン会議が一般的になってきている今では、「言いたいことがうまく伝わらない」「相手の言っていることがよくわからない」というシーンが増えているはずです。

本書で紹介されるのは、自分の言いたいことを伝え、相手の言いたいことを引き出し、さらなる意見交換や議論を生むための方法です。その根幹にあるのは「重要思考」という、ロジカル・シンキング(論理思考)の手法。「重要思考」を使えば、自分の頭の中をうまく整理し、それを伝え、相手の話を聴き、議論することができるのだと著者はいいます。

ロジカル・シンキングと聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、「重要思考」は意外とシンプル。「そのことがどれだけ重要か?」という「重み」と、「それは他とどれだけ差があるか?」という「差」で考えればいいのです。本書ではこの「重み」と「差」の考え方を、さまざまな場面にあてはめて具体的に説明されます。

本書のターゲットは「ロジカル・シンキング挫折経験者」。ロジカル・シンキングと言われると逃げだしたくなってしまう方も、ぜひ手に取ってみてください。

■できる営業は「モーレツ」に働かない

第3位には、『できる営業は、「これ」しかやらない』がランクインしました。

伊庭正康『できる営業は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)
伊庭正康『できる営業は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

本書の著者は、リクルートグループの営業として全国トップ表彰を4回受賞し、現在は独立して年間約200回の営業研修を行う伊庭正康氏。本書はそんな伊庭氏が、「できる営業」になるためのアプローチを紹介しています。

「できる営業」というと、どんな人をイメージするでしょうか? 朝から夜まで新規開拓のために外出をし、オフィスにいる間は常にテレアポをしている――そんな“モーレツ”なビジネスパーソンを想像するかもしれません。

しかし本書で提案されるアプローチは、そうしたものとは対照的です。そのうちの一つが、「エクセルを使い営業先をグループ分けすることで、アプローチ先を厳選する」というもの。営業リストのセグメンテーション(グループ分け)を行い、効率の悪いクラスターをリストから削除していく方法が指南されます。

コロナ禍では、訪問数を増やすなどといった昔ながらのアプローチだけで着実に営業成果を残すのは難しいもの。本書を読んで、時代に合った営業スキルとはどんなものか、今一度考えるチャンスとしてみてはいかがでしょうか。

■ミスをなくすための「77のワザ」

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』でした。

鈴木真理子『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(明日香出版社)
鈴木真理子『やり直し・間違いゼロ 絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(明日香出版社)

忙しく働くうえで、ミスは毎日のように起こるものです。誰かに指摘されて落ち込み、仕事の効率が落ちて、またミスが起こる――本書を読めば、そんな悪循環から抜け出すワザが習得できます。

本書は、企業研修や公開セミナーにおいて3万人以上のビジネスパーソンに指導を行ってきた著者が、ミスを減らす仕事術を解説する一冊。著者が試行錯誤を重ねて見つけた77のワザを実践することで、仕事の「スピード」と「正確性」が身についてミスが減り、本当にしたい仕事をするための時間を生み出せるのだといいます。

例えば著者は、提出物にスピーディに対応するために、2つの締切日を設定することを勧めます。相手が設定した日時を「You締切り」とし、「You締切り」の1日以上前に完成日を決めて「My締切り」を設定します。そして、作業時間を多めに見積もって逆算して作業開始日を決め、本来の約束よりも早く完成させることをめざすのです。すると、ギリギリでバタバタすることが減り、ミスに気づきやすくなるだけでなく、自分のペースで仕事を進められるのだといいます。

本書を読めば、小さなミスに時間を取られたり、ミスで誰かに迷惑をかけて心身ともに疲れてしまったりすることがなくなるでしょう。

■会社も家族も、人間関係の悩みは「一つの原因」に行き着く

続いて、世界150万部を超える人間関係論の大ベストセラー、第5位の『自分の小さな「箱」から脱出する方法』にもご注目ください。

アービンジャー・インスティチュート著、金森重樹監修、冨永星訳『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)
アービンジャー・インスティチュート著、金森重樹監修、冨永星訳『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(大和書房)

本書はストーリー形式で構成されています。主人公のトムは、真面目で成功意欲の高いビジネスパーソン。妻から「働きすぎだ」と言われながらも、次の昇進チャンスを逃さないよう一生懸命働いています。

ところがある日、上司から「君には問題がある。当社で成功したいならその問題を解決しないといけない」と言われてしまいます。しかも、トムに問題があることは職場の同僚、妻や子供など、トム以外の周りの人はみな気づいていると知り、さらに衝撃を受けます。

トムが抱えている問題とは、自己欺瞞を抱えていること、本書の表現を使えば「箱に入っていること」でした。「なぜあの人とうまくいかないのだろう」「なぜあの上司だとやる気が起きないのか」といった人間関係の悩みは、実は「箱に入っている」というたった一つの原因に行き着くのです。

あなたが箱に入っていると、その影響は周囲に連鎖し、やがては会社の業績まで左右してしまうと著者はいいます。ビジネスはもちろん、家族や友人とのコミュニケーションでも必要不可欠な考え方を学べる本書を、ぜひ手に取ってみてください。

■「自分には何もない」と思っている人に必要な視点

最後にご紹介したいのが、第7位の『マーケターのように生きろ』。

井上大輔『マーケターのように生きろ』(東洋経済新報社)
井上大輔『マーケターのように生きろ』(東洋経済新報社)

SNSなどを通して、強烈な個性を持った人たちの活躍が目に入りやすい時代。個性的な人たちの発信を見ては、「自分には何もない」と悩んでいる方もいるかもしれません。

そんなあなたに本書が提案するのは、「マーケターとして生きる」こと。「マーケターとして生きる」とは、自分を表現するよりも「相手からスタートする」マーケター視点を持って生きることをいいます。相手が何を求めているかに思いをめぐらせ、それに応えるために奮闘する。そうして相手の期待に応え続けることで、強く求められる存在になれる――それが本書のメインメッセージです。

また著者は、マーケティングの考え方はキャリアに応用できるといいます。グローバル企業で出世するには、仕事の実力が1割、印象が3割、どれだけ目立っているかが6割と言われているほど、「知られていること」はキャリアにおいて重要だそう。では、どうすれば「知られている」人になれるのか――本書で示されるその答えに、あなたもきっと納得するでしょう。

今月も、AI活用やコロナ禍の営業手法といった最新の知見をまとめた本から、『生きがいについて』や『自分の小さな「箱」から脱出する方法』、『唯識の思想』のような名著まで、幅広いジャンルの本がランクイン。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部 本の要約サイトflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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