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堀江貴文「アップルやマイクロソフトが今でも繰り返している"ある行為"」

プレジデントオンライン / 2021年6月7日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/marchmeena29

ビジネスで成功するにはどうすればいいのか。実業家の堀江貴文氏は「ひとつのことをやり続けることに執着してはいけない。うまくいかなければ、大胆に方針を転換していくべきだ」という――。

※本稿は、堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)の一部を再編集したものです。

■やり続ける根性は、ときに成長を妨げる

僕がこうして「やりきる」ことの重要性を主張していると、誤解を与えてしまうことがある。始めたことを真面目にやり続けることは大事だが、「継続」自体が目的になってしまっては本末転倒だ。

どう考えても先細りだとわかっているのに、同じ取り組みを続けている人を、結構見かける。「いまやめたら、それまでの投資が無駄になる!」と、損切りの適切な機会を見失い、単なる惰性で現状維持にしがみついている状態だ。

やり続けることだけに執着していると、ときには成長を妨げるばかりか、いままで積み重ねた実績を後退させてしまうことにもなりかねない。だから、変わるべきタイミングでは、大胆に損切りして、それまでのスタイルを変える勇気も必要だ。

やりきる力は、変化・適応の柔軟性とセットにして使いこなさないといけない。自分のルールを持つのはいいが、その自分ルールに縛られて、捨てなくてはいけない執着や、間違った損得勘定に足を引っ張られることは回避しなければならない。

ダメならば、違うことを試してみる。これもまた、やりきる力なのである。

■「継続」そのものより、ピボットせよ

僕は多くのビジネスを手掛け、必死に運営に取り組み、黒字に乗せてきた。やるべきことはやりきってきたけれど、なかには諸事情で頓挫したり、大損を被った事業なども、たくさんある。表に出て世間に認められる成果物なんて、実はごく一部というのが現状だ。

最初に立てたプランを完遂することだけが正義ではない。特にITベンチャーの世界では“ピボット”、つまり上手くいかなければ、当初の狙いにこだわらず大胆な方針転換も敢行するのが、ビジネスの常道だ。

どんな練り込んだプランでも、進めていくうちに、お金や人間関係などさまざまな要因で、必ずトラブルや問題に行き当たる。そのとき、より状況に即した方向へピボットすることで、事態は新しく拓けて、また前進していける。

ビジネス目標と成功の概念
写真=iStock.com/tadamichi
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tadamichi

■アップルもマイクロソフトも多くのプラン変更を繰り返している

ビジネスでもトレーニングでも、自分が前へ進むためには、従来のルールや初志にとらわれてはいけない。柔軟な選択肢を持つことで、ピンチを回避できる。そうして、想定していなかったような成長も遂げられるのだ。

プランAが上手くいかなくても、落ちこまなくていい。むしろ想定内だ。プランB、プランCに、軽やかに乗り換えていけばいい。BもCも上手くいかないことだって普通。D、E、F……と、しつこく“ピボット”して、変わり続ければいい。

世の中の成功した大事業で、プランAが当たった例は滅多にない。アップルもマイクロソフトも、創業から数えきれないほどプラン変更を繰り返して、大きな成長を遂げた。世界最大規模の会社となったいまも、ピボットを重ねている。

あなたの中で、やる気とリソースが続く限り、何十回でも何百回でも、プラン変更をしていい。試行錯誤の数が多い分だけ、成功率は確実に上がるのだ!

■素早い“ピボット”でコロナ苦境を乗り越えた会員制和牛レストラン

僕たちが手掛けている会員制和牛レストラン「WAGYUMAFIA」は、2020年初頭まで好調に事業を伸ばし、世界展開も視界良好だった。だが、コロナ禍によってすべてに急ブレーキが掛けられた。海外でのポップアップイベントはすべて中止、3月には創業以来、初めての赤字を計上してしまった。いくつも新企画を準備していたので、本当に悔しかった。

けれど、負けてはいられない。テイクアウトやECの導入、店舗のスマート化など、素早い“ピボット”で、ひと月で採算を元に戻した。

どんな苦境にあっても、外部環境のせいにはしない。僕らは最強の「食」という非言語で世界に向けて勝負している自信がある。だから決して、挫けない。

■大事なのは創意工夫と実行力で“やりきる意志”

苦しい環境の中で、変わりながら、やりたいことをやりきる! その意志で、コロナの収まらない現在も、「WAGYUMAFIA」では攻めの姿勢を崩さず、新たな試みを打ち出し続けているのだ。

堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)
堀江貴文『やりきる力』(学研プラス)

その典型的な例として、2021年の春、東京の外苑前に、新業態となる和牛のジンギスカンのお店を出した。その名も「WAGYUJISKAN」だ。ジンギスカンといえば羊肉が定番だが、遊び心で和牛を使ってやってみたら、めちゃくちゃ美味しかった。「WAGYUMAFIA」で仕入れている「久松農園」の野菜や「大鰐温泉もやし」が、最高にフィットする。そして新店舗では、完全オリジナルのジンギスカン鍋を導入予定だ。

神奈川県にある由紀精密という、宇宙ロケットの部品などを製造している精密加工メーカーと共同開発した、特製の鍋だ。精密加工メーカーの環境下で、熱効率や脂の垂れ方などを計算し尽くした、オリジナルな形状を完成させた。2021年以降も、たくさんのお客さんに店舗に来ていただき、ここだけの最高のジンギスカン鍋を堪能してほしいと思っている。

また、「WAGYUJISKAN」の宅配セットも開発した。店舗で使っている野菜と脂、肉、麺がセットになった、世界で唯一の商品だ。

飲食業には厳しい時代ではあるが、そんな時代に業績をアップさせるには、このような創意工夫と実行力で“やりきる意志”が何よりも大事なのだと思う。

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堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)
実業家
1972年、福岡県生まれ。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。また、会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』『本音で生きる』『多動力』『東京改造計画』『将来の夢なんか、いま叶えろ。』など著書多数。

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(実業家 堀江 貴文)

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