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「結婚はまだなの?」と質問する無神経な人を黙らせる"シンプルなひと言"

プレジデントオンライン / 2021年6月9日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

無神経な質問にはどう返せばいいか。イメージコンサルタントの吉原珠央さんは「『どうしてそんなに気になるの』と気軽に聞き返すのがいい。そう言われれば、まともな人なら『答えづらいことを聞いてしまった』と気づくはず」という――。

※本稿は吉原珠央『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

■無神経な言動は「シミュレーション」で対処する

20代の頃、仕事やプライベートのつき合いの中で「この人はちょっと無理かも」と感じたとき、「人を嫌いになってしまう、ちっぽけな自分にうんざり」「私のメンタルが弱いからなのか」などの気分になることがありました。

30代になってからも、誰かの無神経な言動に対してうまく反応できなかったり、ヘラヘラと作り笑いでごまかしてしまったときは、あまりに情けなく、帰宅後に嫌悪感で涙がこぼれたこともありました。

そういった経験を通してわかったこととは、無神経な言動に対するシミュレーション(予行練習、以後「シミュレーション」とします)の大切さです。

そのおかげで、現在は無神経な人と出会っても、堂々と対応できるようになり、かつて感じたような悔しさややるせなさがだいぶ減るようになりました。シミュレーションといっても、決して相手を論破したり、張り合うためではありません。

シミュレーションをすることで、「この人と深く関わる必要はないのだ」「淡々とやり過ごせばいいだけのことだ」という確固たる思いを持ちつつ、穏やかな態度でいられることを目指すのです。

■「どうしてそんなに気になるの?」と聞き返す

無神経な言動をする人たちは、相手の置かれた社会的立場や状況(役職、体職中、失業中、未婚や既婚など)に目をつけ、自分が正しいと思い込んでいる価値観を勝手に押しつけたりします。

例えば、独身の人には「結婚はまだなの?」、結婚しているカップルには「子供はまだなの?」、団塊世代の人には「お係さんはいつなの?」などとしつこく尋ねることがあります。

また、「コロナ禍で、お勤め先の飲食店は大丈夫なの? 潰れない?」といった失礼な聞き方をする人もいます。

向かい合って座りおしゃべりする女性二人
写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/itakayuki

そういった人に遭遇したときは、「またその話ですか。なんだか、尋問されているみたいだな~」と、そんなときに呆れた様子で呟くように伝えてみるのも効果的です。

「勤務先が潰れるのを待っているんですか? なんて冗談ですけど、なるようにしかならないので、見守ってください」など、一瞬相手がはっとするようなことをいってみてもいいかもしれません。

自分一人ではどうにもならない結婚や出産、孫の誕生のことなどを何度も質問したり、人前で軽々しく答えづらいことを聞いてくる人に対し、無理をして明るく装い、反応する必要はないはずです。

ときに、「どうしてそんなに気になるの?」と相手に質問を投げかけるのもおすすめです。

「あの人は、また無神経なことを聞いてくるのではないか」と事前にシミュレーションをしておくだけでも、落ち着いて対応できるようになるのです。

■答えづらいと感じる質問をイメージしてみる

間題解決の研究を心理学史上初めて行ったアメリカの心理学者ソーンダイク(Thorndike)は、「練習の法則」として、「ある事態で同じ反応が何度も行われると、その反応は同じ事態に再び遭遇したときに行われやすくなる」と説明しています。

本書で述べているこの「シミュレーション」も、繰り返し行っていくうちに、より実際の事態への対処がうまくなっていくと考えられます。

そもそも、結婚や出産の考え方は人それぞれですし、したいと思っていても、人にはいえない悩みを抱えている人もいれば、社会的な結婚という制度に全く価値を見出していない人もいます。

それなのに「まだなの?」「いつなの?」などとしつこく聞くことは、多様性を考慮することのできない、もはや時代遅れな質問なのです。

社会的な枠に相手をはめようとする質問よりも、「外出自粛中の食事は、どうされていました?」「最近はリモートワークが多いのですか?」「嫁がれたお嬢さんは元気にされていますか?」など相手が答えやすい質問をしたほうが、会話は弾みます。

親しい間柄であれば、「最近、人間ドックに行かれましたか?」「白髪は染める派? 染めない派?」「ネットフリックスで号泣した韓国ドラマがあったんだけど、興味ある?」といった質問のほうが、ずっと会話が盛り上がるのではないでしょうか。

あなたが答えづらいと感じている質問を思い浮かべ、近々、会うかもしれない人をイメージしながら、早速、シミュレーションをしてみませんか。

■「子供のいない人にはわからない」と言われたらどうするか

様々なビジネス研修動画をオンライン上で展開する企業のコンテンツに、ビジネス書作家が著書について語るという人気のオンライン番組があり、光栄なことに私がゲストとして出演させてもらったときのことです。

60分番組の最後には質疑応答のコーナーがあり、ライブで視聴してくださっていた数百名の方々から、たくさんの興味深いご質問をいただきました。

その中のご質問で印象的だった一つを紹介します。

質問者の女性Aさんは、友人Bさんと会話をしていて、「子供のいない人にはわからない」といわれて傷つき、その後もBさんに対してのモヤモヤが消えず、Bさんからいわれたことを忘れるべきか、本人に直接、そのことを伝えるべきか、どうすればよいでしょうといった内容でした。

「子供のいない人にはわからない」ということを子供がいない人に話すのは、無神経の極みであるといえます。

中には相手との関係性に安心しきっており、感情任せに頭に浮かんだことを伝えてしまう場合もあるでしょう。

まず、妊娠や出産というのは、パートナーがいるいないということにかかわらず、年齢や心身の健康状態、生まれ持った疾患など、多くの要素が絡み合う問題ですから、そんなに単純なことではないという前提が必要かもしれません。

そこで、Aさんへの私からの回答としては、「まずは自分の価値観を明確にする」ということでした。

■モヤモヤの正体を具体化する

「私はあの発言によって確実に傷ついた」ということを受け止めて、モヤモヤの正体を言葉によって具体化できれば、冷静になれるからです。

例えば「『子供のいない人』といって、私の心を苦しめる人と無理につき合う必要はない」「思っていることをすぐに口にする無神経な人とはウマが合わない」などです。

その上で、その後も相手との関係を続けたい(続ける必要がある)のであれば、改めて、相手はそういった発言をする人でもあると心の折り合いをつけて、つき合い方を考えていけばいいのです。

「今回はたまたま悪気もなく、うっかり口にしてしまっただけかも」と考えてもいいですが、残念ながら人が言葉で発する内容は「うっかり」では済まされず、それが本心だったり、価値観の根幹だったりすることも事実です。

縁は切りたくないけれど、何事もなかったようにはできない場合は、「子供のいない私は、何も役に立てそうにないのかな。ちょっとショックだな」などと、相手に自分の率直な気持ちを伝えてみて、その反応を見てみるのはいかがでしょう。

そのときの相手の反応が、「あなたを傷つけてしまって本当にごめんなさい」「実は、あんな酷いことをいってしまって、ずっと後悔していたの。ごめんなさい」などというもので、相手も一緒に苦しんでいたことがわかれば、もう一度、相手を信じてみようと思えるかもしれません。

■無理に「我慢」や「反撃」をする必要はない

誰かの心ない言葉に傷ついたとき、「そんなことをいわれたら、ショックです」「そんなふうにいわれたら落ち込みます」「それはいくらなんでも傷つくな」「そこまでいわなくてもいいんじゃないですか」などと真っ直ぐな気持ちを相手にはっきり伝えることも必要です。

無神経な言動を取る人の中には、相手を傷つけようなどとは微塵も思っていない人もおり、傷ついた気持ちをぶつけてみると、「えっ、そうだったの。そんなつもりじゃなかったのに、本当にごめんなさい!」などと驚いて謝罪し、その後、十分に気をつけて接しようとしてくれる人もいます。

相手に対して心の中で「察してよ」と願ったところで、それは不可能です。

吉原珠央『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』(幻冬舎新書)
吉原珠央『だから、あの人は嫌われる 対人関係がうまくいかない人の解決策』(幻冬舎新書)

無神経な言動に対しては「我慢」とか「反撃」といった極端な受け止め方をするよりも、自分の感情をスマートに、かつ気軽に口にできる方法を取れるようになれば、きっと、より生きやすくなるのではないでしょうか。

相手や場面によっては、かなりの勇気を要するかもしれませんが、あまり深刻になりすぎず、軽やかに考えてほしいのです。

もし、どうしてもいいにくいという場合には、「『子供がいない人にはわからない』か……」と相手がいったことを平静な口調で反復することで、相手はもしかしたらあなたの真意に気づくかもしれません。

傷つくことをいわれたとき、自分だけがモヤモヤを抱えるのではなく、その場で相手の真意を探ってモヤモヤを解消し、あなたらしく前へ進んでいきましょう。

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吉原 珠央(よしはら・たまお)
イメージコンサルタント
1976年生まれ。十文字学園女子大学短期大学部卒。コミュニケーションをメインにしたコンサルティングを行うほか、「体感して学ぶ」というオリジナルのメソッドで企業向け研修や講演活動を全国で実施。著書に『「また会いたい」と思われる人の38のルール』『「もっと話したい!」と思われる人の44のルール』『人とモノを自由に選べるようになる本』『自分のことは話すな』『その言い方は「失礼」です!』(すべて幻冬舎)、『パワーウーマンのつくり方』『「選ばれる女性」のシンプルな習慣40』(ともに宝島社)、『シンプルだけど心にひびく大人の気くばり』(三笠書房)がある。

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(イメージコンサルタント 吉原 珠央)

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