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24歳無職の主張「タワマンを目指す人生より、タワマンを諦める人生のほうがハッピー」

プレジデントオンライン / 2021年6月15日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/milosljubicic

あなたの人生に本当に必要なものはなにか。24歳無職で、人にご飯を奢られて生計を立てているプロ奢ラレヤー氏は「僕にとって大事なのは衣食住の固定費を下げてラクに生きること。人生で本当にあきらめたくないものと、それほど大事でない些末な欲求は選別したほうがいい」という――。

※本稿は、プロ奢ラレヤー『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略~お金に困らず、ラクに、豊かに生きるには』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

■会社がつらいなら、会社をやめたほうがいい

「お金」と「見栄」に踊らされないほうがいい、人は基本的に簡単には変われない、特別な「何者か」を目指すのもしんどいバトルが待ってる――。僕はそんなことをよく発信しています。

それを聞いて「いまの自分の状況がしんどいから、好きなように生きたいと思っているのに、結局あきらめていまの状況を続けろってこと?」と感じる人もいるかもしれません。

でもその答えは否です。

僕が思うに、人生は「やりたいことをやれない人生」よりも「やりたくないことをやらざるを得ない人生」のほうがしんどいと思います。だから、しんどいことやできないことはやっぱりカットしたほうがいい。会社員がどうにもつらいなら、会社をやめたほうがいい。

「でも、それだと生きていけないんですけど……」と思う人は、本書を参考に、いろいろ自分の中で精査して自己理解を高めつつ、絶対にあきらめたくないもの以外はあきらめたらどうですか、という話なわけです。

■本当にタワマンの広さと設備は必要なのか?

月給40万円のいまの勤めはもうやめたいけれど、家賃13万円のいまの賃貸は手放したくない、これは無理ですよね。「生活レベルを落とせない」が人生で一番大事なことなら、やっぱりそれに足る労働をするしかないし、「働かない人生」が一番欲しいなら生活費を落とせばいい。

プロ奢ラレヤー『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略~お金に困らず、ラクに、豊かに生きるには』(祥伝社)
プロ奢ラレヤー『プロ奢ラレヤーのあきらめ戦略~お金に困らず、ラクに、豊かに生きるには』(祥伝社)

だからこそ、自分が人生で本当にあきらめたくないものと、それほど大事でない些末な欲求とを選別して、些末な欲求を積極的にあきらめることが必要になるわけです。

一度、自分自身でも考えてみてください。

そりゃ人間は、ボロくて3畳のアパートとタワマンだったら、みんなタワマンのほうが住みたいものです。でも、本当にタワマンの広さと設備がないと生きていけないですか?

いまのは極端な比較ですけど、何も高級品だけじゃなく、小さなことから常識的に必要だと思い込んでいるものまで、すべてにおいて本当にいるのかを精査したほうがいいわけです。

そのうえで、僕の基本姿勢としては少しでも衣食住の固定費を下げることが「しんどくない人生」への近道だと思っています。

というのも、固定費が下がれば来月の引き落としとかに怯えて働かなくていいから。たくさん稼ぐ必要がなくなるので、人生は一気に難易度の低いぬるゲー化するのです。

■欲しいものが明確な人ほど、人生のラクな抜け道を進める

都心に住む必要がないなら家賃の安い地域に行けばいいし、地方とかの空き家に運よく住まわせてもらえるなら家賃はかからなくなるし、食事にこだわらないなら食費も圧縮できるし、服もGUとかで安くてもの持ちのいいやつを買えばそれ以降はほとんどかからない。

実際、僕は奢られる(食事の質にこだわらない、知らない人と会うことが苦痛じゃない)ことで食費(一時期は家賃も)を圧縮できていたので、働く必要さえなくなりました。

自分の欲しいものが明確な人ほど、人生のラクな抜け道を進むことができるのです。

いまどきはバイトの最低賃金だって一番低い県でも790円はあります。

その気になれば高校生だって、1日6時間・週4勤務とかで1カ月に7万円台は稼げますよね。都内なら最低賃金は1000円超だから10万円弱にはなる。ちょっと探せば誰だって自分にとっての労働負荷がかからない稼ぎ方を見つけられるはずです。

それにボロアパートでもよければ、都心でも3万円以下の部屋だってあります。別に僕みたいに固定費を完全に0まで下げなくても、ちょっと冷静になって考えてミニマムに圧縮できれば、高校生のバイト代程度でもなんとか生きていける。これ、すごい気がラクになりません?

■余裕ができてから欲求を増やせばいい

もちろんそのためには、贅沢(ぜいたく)はできないし、お金のかかる恋人や結婚とかも厳しいかもしれない。でも、もしそこが人生の中であきらめられる人なら、バイト日の残りの18時間×4日分+バイトのない丸3日分は、それこそお金にならないアニメのまとめサイト作りのような好きなことに没頭してたっていい。さっきの餃子ニートなんてまさにそれ。

僕が思うに、みんな余裕ができてから欲求を増やせばいいのに、あきらめない人が多いから、人生序盤からコストがかさんで無自覚のうちに人生をハードゲー化しちゃってるんですよね

結局人は、「しんどいことで稼がなきゃいけない」と思うから苦しくなります。

でも本当は自分さえ許可を出せれば、自分にとって負担にならない労働強度の中でささやかに稼ぎながら、他の時間を全部好きなことに費やしたり、ただただゴロゴロしたり、自分に正直に生きる人生で別にOKなのです。

■さあ、夢いっぱいの人生をあきらめよう!

ここまで読んできて、「あきらめるって夢も希望もないな」と思った人もいるかもしれません。

確かに僕自身も、尿意とともに昼寝から目を覚ます、猫をなでてトイレに駆け込む、「今日は何をしたんだっけ?」そんなことを思いながら歯を磨く……不思議とこういう瞬間には、一瞬だけ「焦燥感(しょうそうかん)」みたいなものが訪れることがあります。

動物でさえ獲物を狩るわけで、労働をせずにただ人生の終わりに近づいていくという行為は、おそらく生まれながらに人間に仕込まれたプログラミング的にはマズいことなんでしょう。

ただ、実際そんな感覚もすぐに収まります。それは僕がそんな人生をあきらめていて、それを許しているから。「今日も死ななくて、えらい」と僕はよく唱えます。日本で生活している限り、あらゆる不慮の場合(災害とか事故とか)を除いて、なかなかゲームオーバーになることはありません。

ゲームオーバー
写真=iStock.com/VITAL MIZHYHURSKI
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/VITAL MIZHYHURSKI

やめたらどうなっちゃうんだろう……とぼんやり不安を抱くからみんな我慢の人生を送ることになるけど、現実には大学をやめても、失業しても、家を失っても、最終的には国のセーフティネットがあります。

だから僕らは、「もし~になったら」「老後が~」なんて無限の失敗リスクに怯えるよりも、「とりあえず、死んじゃうかもしれないゲームオーバーだけは避けよう」と肝に銘じておくぐらいでいいと思います。

実際、心配のあまり理想の人生シナリオを綿密に作りすぎると、初期のシナリオと比較して、きっと想定以上の「あきらめる」が生じます。

目標や計画を立てることがモチベーションになる人もいるけど、常に身の丈以上の高いハードルを掲げなきゃいけないのはかなりしんどい。自分で自分を追い立てて作った目標に、首を絞められている人も現実に少なくないでしょう。本当に首を吊る人だっています。

■「すべて低気圧のせいだ、コロナのせいだ」と考える

だから考え方を変えましょう。

別に人生には目標も締め切りもいらない。

人生の価値基準の中からお金と見栄を外すだけで、追い立てられるような毎日から脱出できるのです。

いままでは、人の目を気にして自分で自分を責めていたかもしれません。

もしくは、家族や恋人や不特定多数の正義中毒の人から「そんな生き方でいいのか」と言われていたかもしれません。

でも本当は、目が覚めたらもう日が暮れていて、特に生産的なことを何もできずに日が終わってしまったとしても、「まあ、いっか」と思える心さえあれば、実はそれだけで穏やかな毎日を生きていけるんです。

それはあきらめずに抗う人生よりも、イージーでハッピーだったりします。

もちろん、それでもあたふたしてしまうときもあります。でもそんなときは、すべて低気圧のせいだ、体調のせいだ、コロナのせいだ、「たぶん、みんなだって同じだ」と考えてみる。自分の人生を許すと、他人にも優しくなれます。

「今日も死ななくて、えらい」のだから、わざわざしんどい生き方に自分から飛び込まなくていい。上手にあきらめて楽しむだけでも、人生は意外と成り立つのです。

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プロ奢ラレヤー(ぷろおごられやー)
無職
1997年埼玉県生まれ。高卒。「他人の金で生きていく」をモットーに、「奢られる」という活動をし、半年で2万人を突破。現在ツイッターのフォロワー数は10万人超、noteの有料会員数も3000人を超える。愛称は「プロ奢(ぷろおご)」。

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(無職 プロ奢ラレヤー)

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