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メンタリストDaiGo「無意識に働きかけ、相手を意のままに操る"魔法の言葉"がある」

プレジデントオンライン / 2021年6月21日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Robert Daly

人を動かすためには、どのような伝え方をすれば良いか。メンタリストDaiGo氏は「きちんと言葉を尽くしても人は動かない。説得ではなく、無意識に働きかける『魔法の言葉』がある」という——。

※本稿は、メンタリストDaiGo『超影響力』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

■「説明」と「納得」では人は動かない

説得力、影響力に関して多くの人が誤解していることがあります。

・言葉を尽くして説明し、失礼のないように接したら相手もわかってくる
・論理的に話し、相手の質問に答えていけば、必ず納得してくれる
・よく理解していれば、わかりやすく説明できる

こうした例でよく見る、「きちんと話せば、人は動く」という観念についてです。

たしかに、世の中は表面上、説明と納得でロジカルに動いているように見えます。

たとえば、後輩が仕事の書類作成でミスをしたとき、気づいたあなたがその場で指摘し、わかりやすい説明でやり方を教えてあげれば、相手は納得して書き直してくれるでしょう。

あるいは、あなたが買った商品に初期不良があり、カスタマーサービスに連絡をすれば、返品交換や修理に応じてもらうことができます。

しかし、こうした場面で「きちんと話せば人は動く」が機能するのは、仕事上のルール、商売上のルールがあってこそのこと。

後輩もカスタマーサービスの担当者も「働く人」という役割を担っているから、きちんとした理由があれば、納得して動いてくれるのです。

ところが、一旦「公」の役割という着ぐるみを脱ぎ、より本音がぶつかり合う場面や利害関係が一致しない状況に置かれたら、人はきちんと話しただけでは、動いてくれません。

「説明」と「納得」よりも、「感情」と「思い込み」が優位に立つからです。

これは「信用」と「関係性」の土台を築いた相手が聞き手だったとしても変わりません。

では、人を動かしたいと望む話し手は、どうアプローチをしていけばいいのでしょうか?

本稿では、「無意識を操る」をキーワードに1対1、1対多のどちらでも通じる聞き手への説得力、影響力を高める方法を解説していきます。

相手の判断が「感情」と「思い込み」に左右されるなら、一歩先周りして、聞き手が従う「感情」と「思い込み」をあなたの望む方向に塗り替えていけばいいのです。

■聞き手本人に「自分が選択した」と感じてもらう

1対1でのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションでも、1対多のスピーチやプレゼンのようなシチュエーションでも、相手に説得力、影響力を発揮するために最も適した方法は、聞き手の無意識に働きかけることです。

「こうしてください。うまくいきます」
「このほうがいい結果が出ますよ」
「あなたのためを思ってやっているんです」
「では、そのわけを説明しましょう」

たとえ、あなたの意見が正しくてもこうしたストレートな物言いをされると、聞き手は「そうは言っても」「責任、持てるの?」「自分で決めたい」「上から目線だな」といった反発を覚えます。

ですから、説得し、影響力を及ぼす鍵となるのは、聞き手本人に「私が決めた」「私が選んだ」「私がいいと思った」と感じてもらうこと。

つまり、無意識に働きかけ、あなたの思う方向に行動を促しながら、聞き手本人は「自分が選択した」と納得している状態を作っていくことが大事なのです。

私たちの脳は、無意識レベルで行なった選択について「自己選択」したと記憶します。それが誰かの影響によるものだったとしても、選択の結果が残念なものだったとしても、「自分で決めたことだから」と納得するのです。

では、なぜそんな心理になるのでしょうか。

ビジネスマンオフィスで働く
写真=iStock.com/Paul Bradbury
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Paul Bradbury

■「~ですが、あなたの自由です」と提案する

一例として、過去に著作や動画でも取り上げてきた、心理学的に最も効果の高い説得術の1つ「BYAF法」を改めて紹介します。

「BYAF」は「But You Are Free」の略で、日本語にすると、「~ですが、あなたの自由です」となります。

アメリカの西イリノイ大学が、説得術に関する研究から質が高い42件をまとめ、およそ2万2000人のデータをメタ分析(科学論文の中で最も精度の高い研究方法)した結果、説得の効果を高める魔法の言葉として見出したのが、この「But You Are Free(~ですが、あなたの自由です)」でした。

たとえば、こんなふうに使います。

レストランでメニューを決めるとき……。

「本日のオススメは、魚料理みたいだね。どれにしようか?」

恋人をデートに誘うとき……。

「明日、◯◯に行かない? もちろん、自由に決めてくれていいけど」

オフィスで上司に企画提案するとき……。

「A案とB案、調査でB案の評判が上回っていましたが、課長はどう思われますか?」

西イリノイ大学の研究では、相手に説得したい内容を伝えたあと、最後の1行に「But You Are Free(~ですが、あなたの自由です)」のニュアンスを加えるだけで、話し手の望む「イエス」が返ってくる確率が2倍になったと報告されています。

■人を動かすのが上手い人=無意識を操る人

ポイントは、「最後に決めるのはあなたです」と相手の意志を尊重しつつ、こちらの要望も問いかけに含ませているところです。

日本語で使うときのフレーズは「But You Are Free(~ですが、あなたの自由です)」にこだわらず、「あなたにお任せします」「最後は好きなように決めてください」「どう思います?」など、決定権を相手に委ねる方向であれば問題ありません。

メンタリストDaiGo『超影響力』(祥伝社)
メンタリストDaiGo『超影響力』(祥伝社)

人には、自己選択の自由を尊重されると提示された選択肢を試してみたくなる性質が備わっています。

「◯◯をしてくれたらうれしいですけど、でも××もあります。どうぞ、あなたの自由に」と言われると、「◯◯」を実行する、しないにかかわらず、少なくとも一度は「◯◯をする自分」を想像してしまうのです。

こうして相手に想像させることが、その後の自己選択に大きな影響を与えます。

そして、本人が「自分で決めた」と信じていると、決定事項について「重要なことだ」と認識します。

「BYAF法」が強い説得効果を発揮するのは、相手の想像力を呼び起こし、無意識に働きかけ、本人に「自分で決めた」という感覚を強く残すからです。

本稿でこれから紹介していくメソッドも「BYAF法」と同じ仕組みによって、聞き手を動かしていきます。

特に重要視しているのは、相手の無意識をあなたの話に向けさせること。

これがうまくいくと、聞き手は知らず知らずのうちに話し手のメッセージを「重要な選択肢だ」と感じ、自ら選択して決めたことだと認識して、行動した結果に価値を見出してくれるようになります。

「人に物を教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」

これは天文学の父と呼ばれるガリレオ・ガリレイが教え子たちに残した言葉ですが、人を動かすのがうまい人は、すなわち無意識を動かすのがうまい人なのです。

ポイント

無意識を操る=相手に「自分で決めた」という納得感を持たせながら、あなたの望んだ動きをしてもらうこと。

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DaiGo(だいご)
メンタリスト
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒。人の心をつくることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通いなど。ビジネスや話術、恋愛、子育てまで幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計400万部を超える。主な著書に、『自分を操る超集中力』『知識を操る超読書術』(かんき出版)、『自分を操り、不安をなくす究極のマインドフルネス』(PHP研究所)などがある。

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(メンタリスト DaiGo)

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