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相手の名前を忘れた時に仕事のデキる人が使っている「とっておきの質問フレーズ」

プレジデントオンライン / 2021年6月28日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sesame

自己紹介の挨拶をしたのに、相手の名前を忘れてしまった。そんなときどう振る舞えばスマートなのか。電通のコピーライター・PRアーキテクトの中川諒さんは「うやむやにせず、恥ずかしくても、相手に直接聞くといい。どうしても聞けない時は、とっておきの質問がある」という——。

※本稿は、中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■名前を忘れたらあえて相手に直接聞く

最初に自己紹介したものの、相手の名前を忘れてしまい聞き直すタイミングを逸したまま、うやむやに話を終わらせる人。相手に気づかれないうちに思い出そうと、もらったはずの名刺を探したり、過去のメールをこっそり検索する人もいるだろう。

相手の名前を分からないままにしておくことは失礼なだけでなく、自分の仕事の効率も下げてしまう。それは「相手の名前が分からない」という負い目が、思い切った提案や踏み込んだ質問をする勇気をあなたから奪うからだ。

中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

忘れてしまったら、恥ずかしくても「ごめんなさい。もう一度お名前を伺ってもいいですか」と直接相手の名前をもう一度確認しよう。相手もそんなあなたを失礼だと怒ったりはしない。むしろ「この人はきちんと私の名前を覚えようとしている」とポジティブに見えるはずだ。

もう何度もお会いしていて、直接名前を確認するのが気まずいときはどうするか。そんなときは「そういえば、お名前ってどんな漢字を書くんですか?」と相手の名前の漢字を聞けばいい。

相手の名前を意識することは、人を尊重するうえでの第一歩。その日しか会わないような相手であっても、名前を確認してから仕事に入る習慣をつけよう。目の前にいる人は「スタッフさん」でも「社員さん」でもなく、名前を持つ個人なのだ。

■知らないことは調べてしまう前に教えてもらう

「知らないことは、人に聞く前に自分で調べろ」

新人のときに職場でそう教わった人も多いかもしれない。教える側の視点で見ると、分からないことは先に自分で調べてもらったほうが教える手間が省けるのは確かだ。

だが、分からないことがあるときは、知っている人に聞くチャンスでもある。自分で調べれば欲しい情報は得られるが、知っている人に聞くことで、他の知識も同時に得られるかもしれない。そして何より、教わることで新しい人間関係が生まれる。

逆にあなたが知っていることを相手に教えることで、互いに教え合う関係にもなれる。情報を知っているかどうかより、それを通じて人とつながることのほうが大事なのだ。

先輩に相談するか迷ったとき、「相手の時間をもらうのが申し訳ない」といって相談しなかった経験はないだろうか。しかし本当は、「こんなことも知らないのか」と自分が評価されることに怯えているのだ。初歩期でも研鑽期でもあなたはまだ過程にいる。質問は先輩との関係性を深めるチャンスだと思おう。

今まで先輩は後輩に教える立場だったが、これからは逆のケースも増えていく。日々新しいテクノロジーが生まれ、デジタルネイティブ世代の次には、スマホネイティブ世代、そしてプログラミングネイティブ世代が控えている。

世代間の分断が進むこれからは、先輩も後輩に知らないことを聞くことに慣れなければいけないのだ。

■話すなら成功した話より失敗した話をする

自分をアピールしようと成功した話をする人がいるが、実はそれは逆効果だ。

成功した話は、環境や成功の基準が共有されていないと、話を聞いた相手はあなたの素晴らしさを理解することができない。たとえば社内で自分の営業成績が一位だったとしても、一度会社という環境を出ると、その素晴らしさは人に伝わらない。

成功談は自分のいる環境=ローカルの前提の上に成り立っている。一方で、苦労した話や失敗した話は、今所属する組織や環境には関係なく誰もが経験する。どんな人にも通じるグローバルな話題になりうる。

人に話すなら成功談よりも、失敗談や苦労話を選ぼう。誰しも人の自慢話なんかに付き合いたくない。誰もが失敗の経験はあるので、失敗談は共感されやすい。

人の魅力が表れるのは成功したときよりも、失敗したときである。そのエピソードにはあなたの性格や姿勢が表れるだけでなく、失敗談を話すことで自慢をしない嫌味のない人にあなたを見せてくれる。

過去の失敗が、今のあなたをチャーミングに見せてくれるのだ。自分の失敗談を話すことは人に好かれる一番手っ取り早い方法なのである。

失敗は隠すから恥になる。隠すことで自分の心の中にシコリとして残り、次に同じような経験をしたときにまた足をとられてつまずいてしまうのだ。失敗談を人に話すことは、自分がその恥を乗り越えるうえでも大きな一歩になる。

■勝負の日には握手をして決意を表明する

今日があなたにとっての「勝負の日」なら、いつもどおり振る舞って気負っていないフリをするのではなく、素直に緊張していることを伝えたほうがいい。誰だって大切な日には緊張するものだ。

むしろその精神状態は、あなたが目の前のことに真剣に取り組んでいる証拠なのである。そんな勝負の日にうまくいくための、自分なりのジンクスをつくろう。

たとえば撮影当日、現場には監督やカメラマン、照明、美術など様々な立場の人が集まる。このようにそれぞれ立場の違う人が同じ時間を共有するときは、対立も起こりやすい。いい仕事にしたいと同じ方向を向いていても、それぞれのアプローチが違うからである。

僕は撮影当日、現場の長となる映像監督に朝一番に握手を求めるようにしている。自分より年齢や経験がいくぶん先輩であっても、である。そうすることで仲間意識と心理的安全性が生まれ、僕も監督も互いに相談しやすくなる。

突然握手を求めるのは恥ずかしいが、「勝負の日は握手すると決めてるんです」とマイルールをかざして、恥に立ち向かうようにしている。

ビジネスパーソン同士の握手
写真=iStock.com/Delmaine Donson
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Delmaine Donson

握手はあくまで一例である。赤いネクタイを身につける。髪型を変えてみる……方法は何でもいい。自分なりのうまくいくジンクスをつくり、それを周囲に示すことで、あなたの仕事に向き合う姿勢がみんなにも伝わるのだ。

■恥ずかしい経験は笑い話にしてしまう

誰だって自分の恥ずかしい経験を人に知られたくはない。しかしそれは、「恥ずかしいから隠している」のではなく、「隠しているから恥ずかしい」とは考えられないだろうか。

恥の経験をいつまでも心の中に閉じ込めていると、トラウマのように残ってしまう。自分の弱さや不完全性を人に見せることを避けていると、いつまでもその恥はあなたを追いかけてくる。

そして似た出来事に遭遇したときに、「また同じ結果になったらどうしよう」と恐怖を感じて、体がこわばってしまうのだ。過去の出来事を恥として自分の中に閉じ込めているかぎり、その恥を克服することはできない。

しかしその恥は、人に話せば笑い話になる。人がしないような間違いや行動を自分がしたことで、周りに驚かれたり笑われたりした経験が人の恥として記憶される。つまりその出来事は、他人が聞いて笑えるエピソードである可能性が高い。

まず、当時あった出来事をノートに書き出してみよう。書き出すことで、当時の状況や自分の言動、そして周りの人のリアクションを客観的に見直すことができる。そしてそのエピソードを、心を許している身近な友だちに一度聞いてもらおう。きっと友だちは笑ってくれるはずだ。

人に話すことではじめて、わたしたちはその恥を克服し、受け入れることができるのだ。

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中川 諒(なかがわ・りょう)
電通 コピーライター/PRアーキテクト
1988年生まれ。幼少をエジプトとドイツで過ごす。慶應大学環境情報学部卒業後、電通入社。プロモーション局、営業局を経てクリエイティブ局へ。Googleシドニーとシンガポールでの勤務経験を経て現職。PR視点で企画制作を行う。ヤングカンヌPR部門日本代表、ヤングスパイクスPR部門日本代表・本戦金賞、TCC新人賞、グッドデザイン賞など。

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(電通 コピーライター/PRアーキテクト 中川 諒)

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