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なぜ成金はブランド物が好きで、本当のお金持ちはブランド物に目もくれないのか

プレジデントオンライン / 2021年7月20日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Vershinin

なぜ成金は「散財ぶり」をひけらかすのだろうか。作家・投資家の本田健さんは「そうした人は『不自由なお金持ち』だ。自由で幸せなお金持ちは、自傷行為のような散財をする必要はない」という。セブン‐イレブン限定書籍『お金に困らない「答え」』からお届けする――。

※本稿は、本田健『お金に困らない「答え」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■お金持ちなのに不自由な人

よく、「お金で自由を買うことができる」などといわれることがあります。

それは本当のことなのでしょうか?

確かにお金がたくさんあれば、好きな物を買うことができて、好きな食べ物を食べることができて、好きな国に遊びに行けて……と、勝手気ままな生活をすることができるでしょう。その点では、お金は間違いなく、あなたに経済的・精神的自由をもたらしてくれます。

しかし、世の中にはお金を持っているにもかかわらず、不安や怖れ、妬みや罪悪感などにとらわれた「不自由な」お金持ちもたくさん存在します。

たくさんお金があったら、人生でなんの問題もなくなると考えている人は、ちょっと戸惑うのではないでしょうか?

「不自由なお金持ち」たちは、「いまこの瞬間」に幸せを感じていないし、自分で自由を見出してもいません。お金さえあれば、もっといい気分になるはずだと思っていたのに、その期待に裏切られるお金持ちはたくさんいます。

そして、時代が大きく変わっているので、「お金持ちでい続ける」ことは以前よりも難しくなっています。ぼんやりしていると、いくらお金を持っていても、やがてお金は離れていくでしょう。

それこそ心のさびしさを埋めるように浪費したり、他人に簡単にだまされたりして、結局は不自由な人生を送ることになってしまうのです。

つまり、人生の自由を得るために大切なのは、いまを楽しんで生きる心の状態なのです。そうした姿勢がお金にも反映され、あなたの人生を根本的に左右していきます。

■なぜ「お金が足りない」のか

自分が生きていくために、「最低限なにが必要か」を本当にわかっている人は、それほど多くないようです。少し、一緒に考えてみましょう。

まず、生きていくためには最低限の衣食住をまかなう費用が必要です。

ほかにも、子どもの教育資金や、老後資金、多少の娯楽やレジャー費も必要でしょう。そうした出費を差し引くと……残りはわずかだと感じるかもしれません。

そんなわけで、たいていの人は、「お金がない!」「もっとお金が必要だ」と口にして過ごすようになります。でも、そういう文句をいっている人たちのお金の使い方をよく観察すると、奇妙なことが起きているのです。

例えばローンを組んで、マンションを買ったり、高級車に乗っていたりします。高級な腕時計を身に着けている人もいます。頻繁に外食し、趣味や娯楽にそれなりのお金を費やしています。そして自宅には、ダイエット器具や使わなくなったデジタル機器といった不要な物があふれかえっているのです。

「そんなことをやめて質素に暮らそう」といっているのではありません。生活には、ある程度のうるおいは必要です。でも、マーケティングに踊らされて、消費すべきだと企業が考える物やサービスを買わされている可能性があるのです。

家の購入を考えているカップル
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

■「他人目線」でお金を使う人の心理

ここでお伝えしたいのは、本来お金は、「自分と大切な人の幸せのために使えばいい」ということです。自分たちが「幸せ」になるためにお金を使えばいいのです。

一方で、お金で不自由を感じている人ほど、「他人目線」でお金を使います。高級な腕時計を買うのは、他人からすごいと思われたい心理が隠れています。

もちろん、時計を心から愛する人はそれでいいのですが、たいていの人は、よく見られたいという気持ちでブランド品にお金を使います。

自分が心から満足していなければ、他人からの評価を衝動的にお金で補おうとしてしまうのです。文字通り、身の丈に合わない服を買い、体に相当な負担をかけてやせようとします。

そんな一時の気晴らしのようなお金の使い方をしていると、いずれ心が疲れますから、ストレス解消のためのお金も必要になっていくのです。

お金には力がありますが、お金だけで誰かの心を掴むことはできません。それを混同すると、「人の心が掴めない=お金が足りない」と考えてしまいます。心がこもった手づくりの品をもらうほうが、高級な物をもらうよりもうれしい──。そんなことはたくさんあるはずです。

大切なのは、自分と自分の大切な人にとって、「なにが本当に必要なのか」を理解することです。それが、高い物でなくても、本人が心から楽しんでいれば、それはとっても幸せなことでしょう。

■“自傷行為”としての散財

他人の目を気にしながらお金を使っている限り、お金は貯まりません。

世の中にはお金を持っている人はいくらでもいますから、仲間内のごく狭い世界で「自分は稼いでいる」「あの人よりもお金持ちだ」などとつまらないことを思っていても、心から満足することなどできないし、お金は出ていく一方でしょう。

他人の目を気にしてお金を使えば使うほど、ますます他人のことが気になって、張り合うようになります。内心では、「自分がいい気持ちになるため」にお金を使っている気がしていても、客観的に見ればただお金に使われている状態といえるでしょう。

人はなぜ大切なお金を、他人の目を気にして使ってしまうのでしょうか?

それは、自分に自信がないからです。自信がないから、お金という共通のわかりやすいかたちで、自分が優れていることを証明しようとしてしまうのです。

その意味では、お金をひけらかすために使うのは、自分で自分を傷つける行為といえるかもしれません。無意識のうちに、自分に対して「自信がない」「あの人に負けている」などと感じて、自分を否定するわけですから。

■お金だけで自由を得ることはできない

でも、誰もあなたと競おうなどとは思っていません。いや、それどころか、みんな自分のことで頭がいっぱいで、他人のことなんて考えていないのが実情です。

それなのに、他人の目を気にしてお金を使っていては、お金と自由を失ってしまうわけで、誰のためにもなっていないことを知ってください。

「自由」と書きましたが、この自由についても勘違いをしている人がたくさんいます。それは「お金で自由を買うことができる」という勘違いです。

本田健『お金に困らない「答え」』(プレジデント社)
本田健『お金に困らない「答え」』(プレジデント社)

確かにお金があれば好きな物やサービスを買うことができて、一時的な満足感を得ることはできます。でも、そもそもお金がないときから精神的に自由になっていない限り、お金だけで自由を得ることはできないのです。

大切なのは、お金があろうとなかろうと、「いまこの瞬間に自由を見出す」姿勢です。いまの状態で自由を見出せなければ、いくらお金が入ってきたところで、他人に対する見栄のために使ったり、お金を失ったりしてしまうでしょう。

逆にいえば、ほとんどの人は気づいていないだけで、いまの生活のなかですでに多くの自由を手にしているといえます。

「足りない」と思っていては、不自由さに目が向くばかりで、結局、自由も幸せも掴むことはできません。「すでにたくさんある」と思って生きるからこそ、いまの自分に満足し、いま手にしている自由に気づいて、それを楽しめる人間になっていけるわけです。

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本田 健(ほんだ・けん)
作家
神戸生まれ。経営コンサルティング会社、ベンチャーキャピタル会社など、複数の会社を経営する「お金の専門家」。著書に『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房)などがある。

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(作家 本田 健)

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