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「わが子の"頭脳"が先細る」親が絶対させちゃいけない勉強法3つ

プレジデントオンライン / 2021年7月16日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara

平凡な学力のわが子を「後伸び」させるにはどうしたらいいのか。中学受験塾代表の富永雄輔さんは、「テストの点数を取らせようと親が対策を立てたり、先取り学習させたり、テストの点数に一喜一憂したりしていると、完全に逆効果。特に小学校低学年のうちは勉強以外のことで何かに没頭していたら、決してそれを邪魔してはけません。その集中力があとで勉強に役立ちます」という――。

■わが子の“頭脳”が先細るか、後伸びするか、すべては親次第

そろそろ1学期が終わる。小学生の子を持つ親の中には、子供が持ち帰ってくる高評価の通知表を見て褒める人もいれば、低得点のテスト結果に落胆して遊ぶ時間を制限させて勉強へと促す人もいるかもしれない。

だが、こうした行為は逆効果になると、中学受験塾VAMOS代表の富永雄輔さんは指摘する。なぜか。夏休みに入る今、低学年の子にやりがちな親の「NG行為」と、「OK行為」を教えてもらった。

まずは、科目の中でも最も学習量が実力に反映されやすい、算数から。

■◆やってはいけない勉強法①「公式算数の先取り教育」

進学塾に通っていると、通常4年生から習う学習を低学年で教わる機会もあるだろう。あるいは、親が先取りして問題集を買うこともあるかもしれない。だが、「公式算数」だけは前倒しすべきではないという。

「鶴亀算をはじめとする算数の公式(※)を教えると、それ以外の思考方法が出てこなくなり、パターン問題の一部しか解けなくなる恐れがあります。つまり、考える習慣が損なわれるのです。パターン以外の思考方法も身につけるべき低学年に、公式を教えることは、『安直に答えを出すカンニングペーパー』を渡しているようなものです」(富永さん、以下同)

※【鶴亀算】亀の数:(足の合計-2×頭の合計)÷(足の差)、鶴の数:(4×頭の合計-足の合計)÷(足の差)、【植木算】一直線上に立ち両端に木がある場合:木の本数=間の数+1、一直線上に立ち両端に木がない場合:木の本数=間の数-1、など。

公式算数を覚えるのは4、5年の後半からでも間に合うが、後述する思考力や集中力は、時間に余裕のある低学年でしかじっくり鍛えられない。勇み足は禁物だ。

■◆やってはいけない勉強法②「テスト対策」

小学校などで行われるテスト。親子一丸となって高得点を取り、子供の自己肯定感を高めたい。だが、そんな親心がアダとなることもある。

テスト
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

「学校や塾でテストの範囲や時期がわかっていると、その前に出そうな問題を教えてサポートする親御さんがいます。子供に自信をつけさせること自体はいいことですが、一夜漬けで点数を取らせる勉強をして乗り切ったとしても、『いざとなれば親に頼ればいい』といった依存心を生むなど、あまりいい結果になりません」

■◆やってはいけない勉強法③「点数に一喜一憂」

ましてや、テストの結果を見て褒めるのもご法度。

「低学年のうちは点数を取ることの意味合いもわかっていません。そんな中、親が点数にフォーカスして褒めたりご褒美を与えたりすると、褒められたいがために、カンニングをしてでも『効率的に点数を取る方法』を取る子が出てきます。実際、そういう子は毎年一定数存在します」

テストの目的は、高得点ではない。“弱点”を知り、そこを強化することだ。また、褒めるとしたら、点数ではなく、テストを受けるまでの努力行為である。

褒めるタイミングは、テストを受け終えた後がベスト。言葉は、「よくできたね」より、「よくがんばったね」が子供心に響く。極端な話、点数は見なくてもいいのだ。

「僕の教え子で小学低学年から外部の模擬試験を受けている子がいますが、テストを受け終えたら、親御さんはがんばったご褒美をあげているそうです。日曜日にわざわざ朝起きてテストを受けに行くという行為自体、小学生にとってはあまり楽しいことではありませんから。学校のテストも同様のようです」

とにかく、小学3、4年生までは点数にこだわらず、勉強のプロセスや自ら机に向かう行為をほめることで自己肯定感を高めることが先決だと、富永さんは強調する。特に難解な問題に挑む中学受験の場合、多くの子は高学年になると壁にぶち当たり、否が応でも自信喪失気味になるからだ。

■■じっくり取り組める時間を持てるのは低学年

では、子供の自己肯定感をどのように育てればいいのか。

富永さんは、低学年のうちから親が次の3つの力を意識して伸ばす工夫をするといいという。それは、①計算力アップ、②図形センス磨き、③没頭体験だ。3つに共通するのは、時間をかけてじっくり取り組む作業であること。

いずれも、コロナの感染対策に追われて忙しい学校ではなかなか育めない。

「1~3年生の学校の算数では、本来、足し算、引き算、九九などを教わります。いずれも“やり方”を教えてもらってから、しっかり理解して早く解けるようになるまでには時間がかかりますが、今の学校では繰り返し復習する時間が限られています。そこで、日々の宿題や夏休みの宿題として課され、家で“補習”することが必須になります。ここで基礎を叩きこんでおかないといけません。中学受験組の場合、4年生からそうした初歩のテコ入れをしようとしても、受験対策のカリキュラムに追われるため時間はあまり残されていません」

■◆低学年でやるべき算数①「計算力アップ」

中でも重視すべきは、「計算ドリル」だ。何ケタもあるような計算でなくていい。1ケタの計算だ。侮るなかれ、算数全般において、この1ケタ計算こそが最重要なポイントだ。

勉強
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

「複雑な分数や小数の四則計算も筆算も、答えを導きだす際に、1ケタの小さな計算を一つひとつ積み重ねていきます。繰り上がりや繰り下がり……ある部分の1ケタ計算が仮に6秒かかる子と1秒で解ける子とでは、回答までに5秒も差ができ、最終的な答えを出すまでにかなり大きな差になります。高学年になって慌てずにすむよう、低学年のうちに、1ケタの簡単な計算を一定量こなしておくべきです」

■◆低学年でやるべき算数②「図形のセンスを磨く」

もうひとつ、算数の中でも壁にぶつかりやすいのが「図形」問題だ。

「例えば立方体の展開図を問われた時、立方体を見ただけで展開図がパッと見える子がいます。立方体が頭の中で組み立てられるわけですが、これはテクニックではなくセンスによるもの。このセンスは、数多くの“立体遊び”に触れることで養われます」

立体遊びとは、折り紙に始まり、レゴブロックを代表とするブロックや、立体パズルなど、工夫しながら何かを組み立てる遊びだ。実際、図形のセンスに優れている子は、立体遊びの経験量が多い傾向にあるという。

ブロック
※写真はイメージです(写真=iStock.com/KariHoglund)

「例えばブロックでお城を作るにあたり、まずどういうお城にするのか、頭の中で描きますよね。そして次の段階でどうするか、左右対称にするにはどうすべきか、一生懸命考えます。これがすごく頭を使うとともに、上から見る視野、横から見る視野、裏側から見る視野も養われていくのです」

前出の富永さんの教え子も立体遊びの経験量が多く、今は図形が大得意。

「彼は、図形の問題集やドリルは小学一年生まで一切やっていませんでしたが、トイレットペーパーの芯を解体してみる、立体のパズルを何十種類もひたすら作ってみる、磁石で立方体や正六角形を作ってみる――といった実体験をたくさん積んでいたそうです。偏差値の高い中高一貫校では、折り紙部が作るものとレゴ部が作る作品が秀逸だと評判なのも、折り紙やブロック遊びが算数力につながるっている証といえます」

■◆低学年のうちにすべき算数③「没頭体験」

立体遊びにも通じることだが、ただただ考える時間や、何かに没頭する体験も低学年時代に是非とも体験する必要があるという。

「4年生以降になると覚えないといけないことも増える上、中学受験をする子は受験対策や大量の宿題に追われ、集中したり思考したりする時間が限られてしまいます。工作でも折り紙でも、読書(図鑑・漫画含む)でも何でもいい。スタートからゴールまでたどり着くまでにひたすら考える“迷路”遊びでもいい。時間のある低学年のうちに、何かに没頭させて、集中力や思考力を養っておくといいでしょう」

この時、本人が黙々と取り組んでいる最中に親が答えを教える“横やり”は、タブーである。同じく、没頭できる趣味があるにもかかわらず、その時間を削ってまで、本人が嫌がる学習塾に行かせたり、没頭している最中に「食事の時間よ」「お風呂に入りなさい」などと声かけしたりすることも、場合によっては“横やり”になる。

「先ほど紹介した教え子とは別の子は、年長の終わり頃から公文式に通っていたそうですが、8カ月で退会しました。集中すれば15分程度でできる問題をダラダラと1時間半もかけていたので、スパッと辞めたのです。結果、大正解。彼は浮いた時間でブロック遊びに興じたり、図鑑を読んだりすることに没頭し、(前述のように)図形が得意になりました」

“1時間半のダラダラ勉強”より、“1時間半の集中遊び”の方が何倍も価値はあるのだ。

「集中ゾーンに入った経験をたくさん積んでいる子は、その力が勉強に転換されたら成績は間違いなく伸びます。仮に、好きなことへの集中力が100%だとすると、勉強にはその50%以下しか使えません。好きなことへの集中力をMAXまで上げておけば、いざ嫌なことに出会った時でもその半分くらいは出せる。だからこそ“絶対集中力”を高める経験を積んでほしいのです」

以上の3つの力は、学力とほぼ直結する。つまり、3年生の学期末まではこの3つの時間さえ優先させればいいわけだ。やるべきことは、シンプルだ。

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富永 雄輔(とみなが・ゆうすけ)
進学塾VAMOS(バモス)代表
幼少期の10年間、スペインのマドリッドで過ごす。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺、四谷に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、毎年約8割の塾生を難関校に合格させている。受験コンサルティングとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性にあった難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についても研究を続けている。

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(進学塾VAMOS(バモス)代表 富永 雄輔 構成=プレデントオンライン編集部)

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