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「週3バイトでも東大合格」どれだけ忙しくても結果が出る"たこ焼き時間術"の極意

プレジデントオンライン / 2021年7月22日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ranmaru_

現役東大生の布施川天馬さんは、家庭の事情から週3日8時間のアルバイトを続けながら、東京大学に合格した。なぜ限られた時間で成果を挙げることができたのか。布施川さんは「“もんじゃ型”ではなく“たこ焼き型”で時間を使うのがコツ」という――。

※本稿は、布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

■「時間の使い方」をたこ焼きともんじゃ焼きで考える

みなさんは大阪に行ったことはあるでしょうか? 僕は一度だけ、大学に入ってから友人と行く機会があり、訪れたことがあります。僕は粉物が大変好きなのですが、やはり食い倒れの街というだけはあり、本場のたこ焼きをおいしくいただくことができました。

僕のたこ焼き好きは、実は育ってきた環境にもあります。僕の祖父母はたこ焼き屋を営んでおり、たまに遊びに行くと必ず手作りのたこ焼きや焼きそばなどを食べさせてくれたことを覚えています。自慢ではないですが、祖父母の焼くたこ焼きは本当においしくて、特に焼き立てならば、いままで食べたどんなたこ焼きよりもおいしいと自信をもって言うことができます。

一方で、もんじゃ焼きという料理に関してはほとんど食べたことがありませんでした。高校生の頃、部活動の打ち上げでもんじゃを食べに行くことになったのですが、そこで初めて「もんじゃ」という食べ物に触れました。周りの友人たちが慣れた手つきで土手を作っていく中、一人だけ何をしていいのか分からず、右往左往していたように思います。そのあと、お好み焼きや焼きそばを焼くという段階で巻き返しましたが……。もんじゃ焼きは東京の月島が有名ですから、ぜひ一度行ってみたいとは思うのですが、なかなかそちらに行く機会がなく、真においしいもんじゃには未だに出合ったことがありません。

「いきなりたこ焼きともんじゃの話なんかしだしてどうした?」と思われる前に、この話をさせていただいた意図をご説明しましょう。僕は、仕事を効率よく進めるために一番大事な「時間の使い方」についての説明をしたいと思っています。どのようにして時間を使っていけばいいのか、また、逆にどのようにしてはいけないのかについて、実は「たこ焼き」と「もんじゃ」が例えとして分かりやすいと考えたのです。それぞれの生地を時間として考えてみましょう。

■大きな違いは「作った生地の調整ができるかどうか」

どちらも大体同じようなくくりの料理とされてしまっているような気がするのですが、たこ焼きともんじゃの作り方は全く異なります。たこ焼きについては、専用のたこ焼き機に一つ一つ生地と具材を落としていくのに対し、もんじゃについては、最初に具で「土手」と呼ばれるドーナツ状の輪を作って、そこにもんじゃの生地(汁)を注いで作りますよね。

これら二つの大きな違いは、作った生地の調整ができるかどうかというところにあります。たこ焼きに関しては、それぞれの穴に目分量で生地を入れることで、ある程度の微調整をすることができます。生地の量が足りないなと思えば後から継ぎ足すこともできますし、食べたい分だけ穴に生地を入れればよいのですから、余らせるか使い切るかも自由に判断できます。

一方で、もんじゃ焼きの方は、土手が完成し次第、すべての汁を一気に投入しなくてはいけません。大抵の場合は土手から汁があふれ出してしまい、鉄板上で大水害が起きてしまうこともしばしばだと思いますが、基本的にはもんじゃの汁は一発勝負となってしまい微調整がききません。

■理想の時間の使い方は「たこ焼き型」

なんとなく察している方も多いかとは思いますが、時間術として理想的な時間の使い方は前者の「たこ焼き型」になります。つまり、それぞれのタスクに対して、何時間で処理するのかということを最初に決めてしまうのです。その日の作業時間全体の中から大体何時間ずつ(もしくは何分ずつ)割り振ることができるかということを考えて、これくらいの時間で終わらせるという時間を設定しておく方法です。

ただし、この方法を取る場合には、必ずバッファとして余りの時間を設けなければなりません。計画というものは絶対にどこかで狂いが生じるものであるからです。最初からカツカツなタイムスケジュールを組んでしまうと、どこかが押した時に別の作業で同じ分だけ巻かなければいけません。

しかし、最初に余裕をもっておけば、最悪間に合わなくてもそこから時間の貯金を崩せば、全体として差し引きゼロにすることができます。生地が足りないたこ焼きに後から生地を足していくように、長引きそうならバッファの時間から後から継ぎ足して調整をするという方式になります。

理想の時間の使い方は「たこ焼き型」
出典=布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

この方法の良いところは、タスクに制限時間をつけることができることに加えて、一日の見通しもある程度つけることができるという点にあります。タスク処理の際の時間の使い方の基本は、「自分の調子を鑑みて適切な時間に適切なタスクを配置する」となります。

前もって「このタスクにはどれくらいの時間がかかりそう」という予想だけしておけば、例えば「このタスクは30分以内に終わるから、この後すぐ朝のうちに片づけよう」「これはとても長引きそうだから、最後に回して余った時間全部回そう」などと作戦を立てることができます。

■タスクに制限時間を設けてその時間内に終わらせる

これは、あくまで私見ですが、特に専業の主婦(主夫)の方々などは非常によくこの思考方法が身に付いていらっしゃるのではないかと考えています。家事などはあまりにもやることが多い上に多岐にわたるため、常に時間に追われることになると思います。

そのような状況では、「○時間でこの作業をして〜」というような緩すぎる時間の使い方ではなく、それぞれのタスクに制限時間を設けてその時間内に終わらせるという思考方法にならざるを得ないのではないかと考えているためです。

ノートパソコンを使用して勉強中
写真=iStock.com/ijeab
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ijeab

僕自身、幼少期には母の内職を手伝っていた覚えがあるのでよく分かるのですが、基本的に主婦(主夫)という働き方を選択されている方も、多くの場合は家事だけで一日を潰していいというわけではありません。基本の家事と言っても様々ありますが、僕のように小さい子供(当時ですよ!)がいるならその世話をしなければいけないでしょうし、我が家のように経済的な事情等々のために働かなくてはいけないという場合もあるはずです。

そのような働き方(過ごし方)をしている場合、どうしてもネックになるのが時間です。ダラダラと時間をかけて作業をしていては他のことにまで手が回りませんから、「一時間だけ」と決めたなら、その時間の中で成果をあげなければなりません。

■たこ焼き型の時間術で受験勉強と家事を両立

僕も、受験生時代に母が病気に倒れてしまって緊急入院が決まったため、週3回9時から17時までドラッグストアでアルバイトをして家計を助けながら、家事も父と分担してこなさなければいけなくなったことがありました。基本的には夕飯の買い出し、料理と洗濯などは僕が行っていたのですが、当然受験勉強も並行してこなさなくてはいけませんでした。

当初は「今日は○時間あるから、その中で洗濯と勉強して、帰りに材料買ってくればいいや」という緩い時間の使い方をしていましたが、これでは家事も勉強も中途半端で終わりませんでした。「1時間を洗濯に、30分を料理に」などと置くと、その時間いっぱいまで使ってしまうようになったのです。もちろん父も手伝ってくれていましたが、そもそもこのような甘い考え方をしていては仕事が終わるはずもありませんでした。

この時に身に付いたのが、この「タスクに制限時間をあてる」という思考法です。制限時間を設けて、その中でタスクをこなすという考え方は非常に役に立ちます。

例を挙げると、「料理は30分以内で済ませて、その後45分以内に買い物に行って……」というように、「タスクに時間をあててその時間内ですべてを片付ける」という考え方です。このおかげで、余った時間を全て勉強にあてることができるようになり、これこそがのちの合格に繫がったのだと思っています。

■もんじゃ型は「手段の目的化」を起こす

一方で、後者の「もんじゃ型」はアルバイトの働き方に似ています。「今日は○時間働かなくてはいけないから○時間働く」くらいの意識しかないと、非常に効率が悪い状態で働いている可能性があります。それは、「手段の目的化」という現象が起きてしまうためです。

手段の目的化とは、「目的を達成するためにある手段をとる」という構造が逆転してしまい、「この手段をとるためにこの手段をとっている」という状況になることを言います。先ほどのアルバイトの例でみてみましょう。

本来アルバイトというものは「○時間働いて、その中でこの作業を行う」というように働くべきです。ですから、ある作業が終わったら別の仕事を探して従事することが理想的な働き方になります。

布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)
布施川天馬『東大式時間術』(扶桑社)

しかし、モチベーションの上がらない仕事の最中などに「今日は○時間アルバイトかぁ、そしたらとりあえず○時間だけいればいいか」と思ったことはありませんか? 恥ずかしながら、僕は何度かそう思ってしまったことがあるのですが……。

この場合、「アルバイトの時間を潰す」ということが目的になってしまっていて、アルバイトとして雇われた際の目的であった作業補助員としての役割が見失われてしまっています。「時間いっぱい使っていい」という意識に繫がりかねないのです。

ですから、タスクを処理していこうとなった際には、必ず「もんじゃ型(時間ベース)」ではなく、「たこ焼き型(タスクベース)」で考えましょう。何度も繰り返すようですが、「○時間働いて……」という意識ではなく、「この仕事を○時間以内で片付ける。そのあとは△時間でこの仕事に移る」というように、タスクに制限時間をあてていくような意識で考えましょう。

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布施川 天馬(ふせがわ・てんま)
現役東大生
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、一浪の末、東大合格を果たす。現在は、全国の子供たちに勉強を教えるYouTubeチャンネル「スマホ学園」にて授業を行うなど、精力的に活動している。著書に『東大式節約勉強法 世帯年収300万円台で東大に合格できた理由』『東大式時間術』(ともに扶桑社)。

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(現役東大生 布施川 天馬)

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