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加齢臭が怖いオジサンとオバサンは「居酒屋のフライドポテト」を食べてはいけない

プレジデントオンライン / 2021年7月20日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shirosuna-m

40歳をすぎると、一部の人は「加齢臭」を漂わせるようになる。あの独特で嫌なニオイと無縁でいるにはどうすればいいのか。フードプロデューサーの南清貴さんは「揚げ物は避けたほうがいい。特に格安居酒屋でのフライドポテトは最悪のチョイスだ」という――。

※本稿は、南清貴『40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■40歳を過ぎると「ノネナール」が皮膚に発生する

酸化した油、すなわち酸素がくっついた脂肪の分子は、過酸化脂質と呼ばれる毒性の強い物質になる。これが体内に摂り込まれると、活性酸素が発生して周囲の細胞をどんどん酸化させてしまう。

結果として血管や細胞の機能を損ない、破壊してしまうのだ。そうなると活性酸素は細胞内にも侵入し、核にあるDNAを傷つける。そうして細胞が変異すると癌細胞になるのだ。

身体にとって、活性酸素はそれほどの猛毒なのだが、ある程度は必要な物質でもある。正常な細胞を傷つけるという一面もある一方で、体内に入ってきた細菌やウイルスなどをやっつけて無害化してくれる一面もあるからだ。

もともと、呼吸をするだけで、取り込んだ酸素の2%から3%は活性酸素になると言われている。そのくらいの活性酸素は身体に必要なのだろうが、問題は、必要以上に大量に発生させてしまうことだ。

過酸化脂質を摂り込んで活性酸素が増えると、もともと体内に摂り込んであった脂質も酸化されてどんどん過酸化脂質の量も増え、さらに活性酸素も増えるという悪循環が発生する。身体が激しく老化してしまうのだ。

40歳を過ぎるあたりからは、酸化に対する抵抗力が低下し始めるので、体内で過酸化脂質が増えるとノネナールという物質が皮膚に発生することも知られている。これが、加齢臭の原因物質と言われているのだ。

加齢臭は自分では気付きにくいのだが、周囲の人は不快な思いをしていることが多い。ビジネスのうえでもこれを放置しておくのは問題だ。しかしそれ以上に、生死に関わる重大な現象だということは認識しておいた方がよい。

■「飲み会後に締めのラーメン」は厳禁

加齢臭がするということは、身体の酸化が相当進んでいるということで、それだけ危機的な状態になっているサインなのだ。それは癌だけでなく、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病予備軍となっている可能性が高いことを示す。深刻に受け止め、すぐさま対処しなければならない事態なのだ。

加齢臭を発生させないようにするには、食習慣を変えるしかない。

まずは、動物性タンパク質、そして動物性脂肪をなるべく摂らないようにすることだ。さらに重要なのは、身体の酸化を食い止めてくれる抗酸化物質を多く含む食べもの、つまり野菜を積極的に食べることだ。

加齢臭に影響がある習慣として、ついでに喫煙とラーメンについても触れておく。

煙草を吸うと、煙草に含まれているニコチンが発汗を促して体臭がきつくなり、同時に、体内のビタミンCを大量に奪ってしまう。

ビタミンCは体内で抗酸化物質として働いているので、煙草を吸うと身体が酸化を自ら食い止める力を失ってしまうことになるのだ。つまり、加齢臭を防ぐには、喫煙をしないことも重要になる。

もう一つ、飲酒のあとにラーメンで締めるという習慣はやめた方がいい。お酒を飲んで肝臓にダメージがあるときに動物性タンパク質や動物性脂肪がたっぷり入ったラーメンを食べてしまうと、身体がそれを処理することができず、体内でどんどん油の酸化が進んでしまう。ノネナールの発生を増やしてしまうことになるのだ。

■居酒屋の揚げ物が危険な理由

居酒屋のチェーン店などに行くと、メニューには肉料理など動物性食品を使ったものが圧倒的に多い。どうしてかというと、店側にとって便利だからだ。

野菜料理というのは、店側からするとリスクが大きい。天候に左右されやすい野菜は、仕入れ段階ですでに一定のものが揃(そろ)うとは限らない。調理技術の高いスタッフがいればそれでも何とかなるのだが、近頃の居酒屋チェーン店では、技術なんてないに等しいアルバイトが調理を担当しているケースも多く、そもそもマニュアル化されたメニュー以外の料理を提供することなど不可能なのだ。

肉料理なら、半調理済みの冷凍品を温めたりするだけで出すことが可能なので、必然的に肉料理が多くなる。なかでも、揚げ物が非常に多い。

唐揚げ
写真=iStock.com/zepp1969
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/zepp1969

揚げ物というのも便利な調理法で、少々素材の質が悪くても、濃い味をつけて揚げてしまえば誤魔化せる。揚げ油も使い古しの格安の油を使ったり、油を換える回数を減らしたりして、比較的楽にコストを下げることができるのだ。人体に有害で安価な油脂やトランス脂肪酸を大量に含むショートニングを使っている場合もある。つまり、素材も揚げ油も、安くしようと思えばどこまでも安くできるのが揚げ物なのだ。

■「少しなら大丈夫」と思っているなら大間違い

この「肉料理で揚げ物」というのが、身体にはものすごく悪い。

まず、動物性タンパク質を摂るということは、動物性脂肪も摂ることになる。先にも触れたように、動物由来の「飽和脂肪酸」はそもそも摂取を控えたい油なのだ。

しかも揚げ油は、どんなに新しい油を使っていたとしても、オリーブ油以外、揚げた時点ですでに激しく酸化してしまっている。そんな油で揚げられた食品は、どれも過酸化脂質まみれだ。

家庭でも揚げ油は漉(こ)して何度か使い回すことが多いが、外食チェーンなど、コストカットが必須のところでは、油を交換する回数を減らすのは当たり前。まるで秘伝のタレのように、下手をすると何週間も換えられず、新しい油が継ぎ足されるだけということさえある。

それだけでなく、油そのものが低価格で粗悪品だ。そのレベルの油では、原材料の菜種や大豆はほとんど遺伝子組み換えだ。それでもまだマシな方で、もっとコストをカットするために、さらに安価なパーム油(原材料はアブラヤシ)由来のショートニングを使っているところも多い。そうなると、揚がった食品はどれほど酸化が進み、毒性の強い物質に変化しているかわかったものではない。

揚げ物はよくないと言われるが、脂っこいものをたくさん摂ることが身体に悪いのだろうといった程度にしか理解されていないのではないだろうか。だから、量をたくさん食べなければいいと思われているような節もある。そんなに生やさしいものではない。居酒屋チェーン店で揚げ物を食べるということは、口にするのも危険な強烈な猛毒を、命がけで食べているようなものなのだ。

■加齢臭対策に効果的な「ネバネバ」と「大豆」

食事の影響というのは、よい影響も悪い影響も食べてすぐに出るわけではない。数カ月後、あるいは数年後になって現れることが多い。だから、食習慣を変えてもその効果はすぐには出ない。けれども、出ないからといってよい方法を継続しなければ意味がなくなることも頭に入れておいてほしい。

生活習慣病になるということは、悪い習慣を続けた結果なのだ。悪い習慣を断ち切る最良にして唯一の方法は、よい習慣を身につけ、実行し、継続することだ。

これまでと同じように付き合いで飲みに行ったとしても、それまでの習慣を一度、見直してみればよいのだ。具体的には、何も考えずにオーダーしていた肉類や揚げ物類をあえて注文せずに、他のメニューを注文してみる。

例えば、冷奴などのシンプルな豆腐料理、納豆があれば迷わず注文。さらに、山芋とかオクラ、めかぶなどのネバネバ食品があればなおいい。大豆にはイソフラボン、レシチンといった私たちの健康を守り増進してくれる作用のある栄養分が豊富に含まれている。また、大豆タンパクの主要成分ベータコングリシニンという物質は体内の中性脂肪を燃やす手助けをしてくれる。

納豆はいわゆる納豆菌を使って大豆を発酵させた発酵食品だが、発酵食品は私たちの身体の免疫力を強化するのに役立ってくれている。

■フライドポテトは健康面を考えても最悪

また、生のキャベツやトマトといったものがあれば積極的に摂る。マヨネーズとかドレッシングを付けて食べるのではなく、できるだけシンプルに、何も付けないか塩を少量ふって食べる。可能であればその塩も「塩化ナトリウム」99%の化学塩ではなく、海塩などの自然塩であればなおいい。しかも、空腹時に生野菜を食べる習慣を身に付けると、それだけでも健康にかなりいい影響がある。

海藻を使ったもの、大根おろしの上にシラスを載せたものなどがあれば、それも注文したい。それから、イワシ、アジといった近海の小魚の刺身もあれば、少量でいいので食べる。イワシやアジなどには、私たちの身体に絶対必要なオメガ3脂肪酸が多く含まれているので、これを食べるのは非常に有効なのだ。

お刺身の盛り合わせ
写真=iStock.com/gyro
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gyro

少しでも多く野菜を摂ろうとして、揚げたジャガイモ、つまりフライドポテトのような料理を注文するのは絶対にやめた方がいい。ジャガイモを高温で揚げるとアクリルアミドという発癌性の疑いがある有害物質ができてしまう。揚げた油の酸化の害を考えるとダブルパンチになるので、ともかく揚げたポテトは絶対に食べないように心がけてほしい。

それでもまだ空腹だったり物足りなかったりするならば、家に帰ってから冷蔵庫の生野菜を食べるといい。トマト、キャベツ、レタス、キュウリ、セロリ、大根、カブ、スプラウトといった野菜を、やはり市販のマヨネーズやドレッシングは使わずに味噌やしょうゆ、自然塩をちょっとだけ付けるのが、よい食べ方。

■酒を飲んだ翌朝は何を食べればいい?

こういった野菜からはたっぷりと酵素を摂ることができ、私たちの健康のレベルは大きくアップする。せっかくなのだから、野菜も調味料も、品質のよいものを選んで買っておく配慮をしたい。

そして大事なのは、飲んだ翌朝フルーツをたっぷり食べることだ。フルーツだけでは足りない場合は、フルーツを食べたあと40分後以降に青汁などを飲むか、スムージーなどを作って飲むとよい。

間違ってもここで甘い飲みものを飲んだり、ジャンクなファストフード、甘い菓子パンなど白い小麦粉を使ったものを食べないようにする。牛乳も飲まない方がいい。

それでも仕事中に空腹に耐えかねることがあるならば、ドライフルーツとナッツを併せて食べる。

ドライフルーツとナッツには、ボロンと呼ばれるミネラルの一種が含まれていることがわかっているが、脳に非常によい作用があることが知られている。そのためドライフルーツとナッツのことを「ブレインフード」と呼ぶ人さえいる。さらにボロンには、骨を丈夫にしてくれる働きもある。

ナッツ類は、くるみやアーモンドを中心に何種類か揃えておくとよい。くるみにはオメガ3脂肪酸がたっぷり含まれ、アーモンドにはオメガ9脂肪酸、ビタミンEも含まれるので、抗酸化力をアップしてくれる。

ドライフルーツでは、アンズ、イチジクをすすめたい。アンズにはベータカロチンなど抗酸化作用のある植物栄養素がたっぷり、イチジクにはカルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、マンガンなどミネラル分がたっぷりだ。食物繊維も豊富なので、血中のコレステロール値を下げる働きをしてくれる。

■チェーンよりは個人経営の店を選ぼう

注意が必要なのは、ドライフルーツには油でコーティングされたものや、着色されているものもある点だ。そういうものは避けて、質のよいものを選びたい。

南清貴『40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの』(KADOKAWA)
南清貴『40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの』(KADOKAWA)

また、飲みに行ったり、食事に行ったりする機会に、積極的に自分で店を選ぶことも重要だ。少なくとも、チェーン展開をしている居酒屋などは避けてほしい。チェーン展開の店で出されるメニューはほとんど、セントラルキッチンと呼ばれる、いわば食品工場で作られたものが中心になっている。そういう店で提供されるものはもはや工業製品であって、食事として食べる価値のない代物だ。

では、どうすればいいのか。基本的には、個人経営の店を探すのがよいと思う。個人経営でも真空パックの惣菜を使っているような店もあって、ピンからキリまであるのだが、チェーン展開をしている店よりはるかにマシである確率は高い。

そういうなかから、素材選びにも気を遣い、自分で仕込んでいるような誠実な店を見つけておくのだ。店主やおかみさんと仲良くなって、多少のわがままも聞いてもらえるような付き合いをしていけるともっといい。訳のわからないメニューを食べさせられて体調を崩すことも少なくなるだろう。

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南 清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー
1952年生まれ。一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会(JORA)代表理事。1995年、日本初のオーガニックレストラン「キヨズキッチン」を渋谷区・代々木上原に開業。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した料理を考案・提供し、メディア出演多数。食と健康に関する講演・執筆、全国のレストラン、カフェなどの業態開発、企業内社員食堂やクリニック・ホテル・スパなどのフードメニュー開発にも力を注ぐ。2011年の東日本大震災を機に、農に近いところでの生活を決意し、岐阜県に移住。著書に『行ってはいけない外食』(三笠書房)、『40歳からは食べてはいけない病気になる食べもの』(KADOKAWA)など。

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(フードプロデューサー 南 清貴)

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